純正用品っていうけど、いまいちよさがわからない、なんで価格が高いの? 実際どうやって使うものなの? といった素朴な疑問をみなさん抱えているかと思います。そこで、みなさんに代わってカエライフ編集部が開発者にインタビュー!
S660には、Moduloアイテムのエアロパーツやサスペンション、アクティブスポイラー、アルミホイールなど、走りを楽しむための純正用品が用意されています。でも実は、ほかにも便利なアイテムがいろいろあるんです。
そこで、S660純正用品を作った本人にぶっちゃけどうなのか? 聞いてきました。
トップキャリアについて
S660は、荷物を積むスペースがほとんどないストイックなクルマ。でもたまにはちょっと遠出して1泊旅行を楽しんでみたいもの。荷物を積める場所を! という声にお応えして開発されたのが「トップキャリア」です。
編集部:「トップキャリア」のイチオシポイントはなんですか?
デザイン担当 佐藤(以下、佐藤):デザインです。スポーツカーにふさわしいデザインになるよう、バイクの造形を参考にしました。スピード感があって、高剛性というイメージです。
編集部:価格が10万円以上ととても高いですが、製法になにか秘密があるんですか?
佐藤:このデザインを実現するために、特殊なガラス繊維の入ったプラスチックを使用しています。さらに、材料を一つひとつ人の手で型に並べるなど、手作業で製作しています。表面処理は荷物をのせたときの滑りにくさを考慮して、ザラザラに仕上げています。
編集部:サーキット走行時など、キャリアは取り外せますか?
佐藤:市販の工具を使って4つのボルトを外せば、簡単に取り外すことができます。また、取り外したあともスマートに見えるよう、キャップで穴をふさげるようにしました。
トップキャリアを取り外してみた動画
佐藤:純正用品にはトップキャリアに積んだ荷物を雨から守る、専用の「バゲージカバー」も用意しています。
編集部:「バゲージカバー」にはどんな特徴がありますか?
佐藤:しっかりした厚みがあるので、走行中にバタバタとなることもないですし、何度洗っても傷みに強く、長くご愛用いただけます。また、雨風から守ることはもちろん、虫つきなどから防ぐことができます。
トップキャリアに荷物を積んでみた動画
編集部のおすすめ
- S660専用のトップキャリアバッグ
- S660専用設計のトップキャリアバッグが、ホンダアクセス公式オンラインストア「ホンダアクセス PayPayモール店」で販売中!詳しくは「S660トップキャリアバッグ」をご覧ください。
※純正用品ではありませんが、ホンダアクセスが企画・開発に携わった「ホンダアクセス PayPayモール店」限定商品です。
スカイサウンド インターナビについて
S660には、発売当初からメーカーオプションの「ディスプレーオーディオ」が設定されていて、アプリ「internavi POCKET(有料)」をダウンロードしたスマートフォンをつなぐと、ナビ画面をディスプレーに表示することができます。
2018年5月には、新しい純正用品として「スカイサウンド インターナビ」を発売。S660専用のナビゲーションシステムが選べるようになりました!
編集部:「スカイサウンド インターナビ」は価格が高いとの声がお客さまから寄せられていますが、どうして高いのでしょうか?
開発担当 大坪(以下、大坪):普通のナビはいろいろなクルマに装着できますが、S660はナビをつける場所が非常に限られていて、S660専用で開発しようとすると、どうしても高くなってしまいます。そんななかでも工夫して価格を20万円くらいに設定しました。
編集部:発売されるのが遅い、との声もお客さまから寄せられていますが、どうしてS660発売時に同時発売できなかったのでしょうか?
大坪:S660の車両を開発しているころから、4回くらいナビの開発を検討しては断念し、検討しては断念しということを繰り返していました。そんななか、ナビの開発のベースにできるモデルが他車両の標準で発売され、そのモデルを改造することで、なんとかS660専用のナビを開発でき、遅ればせながら商品化できました。
編集部:市販ナビを使っているお客さまは多いと思います。市販ナビではダメなんですか? 純正ナビのメリットを教えてください。
大坪:すっきりとした見た目が純正ナビの最大のメリットです。S660に市販ナビを取りつけようとすると、ダッシュボードの上にポータブルナビを置かざるをえないので、見栄えがよくないのです。
また万が一、助手席のエアバッグが開いてしまったとき、ダッシュボード上のナビが飛んできてしまったら、大変危険です。純正ナビは、実際にエアバッグを作動させて、影響がないことをテストで確認していますので、安心してお使いいただけます。
編集部:とはいえ、ナビは地図が古くなるし、ぶっちゃけスマホで十分ではないですか?
大坪:クルマのナビは運転中に使うことを前提に開発していますので、走行中に安心して使うという意味では、スマートフォンより車載ナビの方がおすすめです。
大坪:さらにこのモデルには、ナビの地図に入っていない道でもサーバーから配信して案内するという「100%サーバールート配信機能」がついています。通常ナビは、ナビ内に搭載されている地図の道路だけを案内するようになっていて、地図が古いと新しい道は案内しません。S660のナビなら、ナビ内の地図にかかわらず、サーバーにある最新の地図情報を使って案内できるようになっています。
編集部:メーカーオプションのセンターディスプレーと専用アプリ「internavi POCKET」で十分って人も多いと思いますが?
大坪:センターディスプレーのGメーター、リアカメラを、ナビでは少しバージョンアップさせました。Gメーターには水温計の機能を追加しています。
大坪:また、リアカメラにはハンドルをきったときにクルマがどの方向に走っていくかを、ガイド線が曲がって示してくれる「ダイナミックガイドライン」を追加しています。
編集部:なんで商品名に「スカイサウンド」ってついているんですか?
大坪:約30年前、ビートというクルマのためにスカイサウンドコンポというオーディオを専用で開発しました。スカイサウンドナビも、スカイサウンドスピーカーも、ビートの流れをくむS660というイメージを意識して、同じスカイサウンドシリーズにしました。
スカイサウンド インターナビはスカイサウンドスピーカーをつけて、音楽を再生したときに、一番いい音で聞こえるように開発しています。両方一緒に使っていただくのがおすすめです。
アドバンスドルームミラーについて
専用のリアカメラを装着し、車両後方の映像をルームミラーに映し出す「アドバンスドルームミラー」。ほかのクルマにも適用されていますが、S660ならではのメリットがあるのか聞いてみました。
編集部:「アドバンスドルームミラー」はどの辺がアドバンス(進化)しているんでしょうか?
開発担当 川村(以下、川村):大きく3つのアドバンスがあります。
1.視界が広くなる
川村:標準装備のルームミラーより広い範囲を映し出すので、より後方が確認しやすくなります。とくにS660はクルマの形状上、後方視界がとても狭いので、アドバンスドルームミラーを使うことで、より安全にS660の運転が楽しめると思います。
2. 視界がクリアになる
カメラは人の目よりも、暗いところがよく見える特性があります。夕暮れどきや夜間など、人の目には見づらい状況でもアドバンスドルームミラーを使うことで、より明るく後方が確認できるので、安全運転に貢献することができます。
3. まぶしくなくなる
川村:S660は車高の低いクルマですので、後続車のヘッドライトがまぶしく感じるときがあリます。そんなときでも、アドバンスドルームミラーのカメラモードには自動でまぶしさを低減してくれる機能がついていますので、快適な夜間のドライブを楽しむことができます。
編集部:ミラーモードの方が距離感をつかみやすいんじゃないでしょうか?
川村:確かにいつも見慣れているものよりも広い範囲を映しているぶん、駐車するときには、障害物や他車との距離感がつかみにくいと感じる場合があります。そんなときは、ミラーのレバーを動かしてミラーモードに切り換え、リアカメラの映像と併用して駐車してください。
編集部:カメラの映像だと焦点が合いにくくて使いにくそうじゃないですか?
川村:カメラとミラーでは、焦点の合い方が違うので、使いはじめのころは違和感を感じることがあると思います。ただ、使っているうちに慣れてきて、違和感がなくなってくると思います。昔リアカメラが登場したときは、後方確認の補助手段はミラーが中心でした。今は補助手段にリアカメラを使うことも当たり前になってきています。
編集部:ルームミラーは安全に関わるので、ちゃんと準備しないと不安です。上手なミラーのセットの仕方を教えてください。
川村:まずは、適切なドライビング姿勢をとることが大切です。そのあと初めてミラーの調節をします。ミラーモードであることを確認し、後方の視界を確認できる位置に調節してください。この調節を行うことで、カメラモードに切り換えたときも、ミラーの反射などで画面が見えにくくなるのを抑えることができます。
編集部:自分好みの見え方に調節することはできるんですか?
川村: メニュー下のメニューボタンで、映す範囲の調節ができます。また、画面の明るさ、画面の色味などをそれぞれ調節することもできます。
編集部:ありがとうございました! いろいろ勉強になりました。
S660オーナーのみなさん、いかがですか? もし今なにかお困りのことがあったら、純正用品をぜひご検討ください。
文・写真/カエライフ編集部
開発者インタビュー動画版はこちら!
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