街から街へ変わる風景や会話を楽しみながらのドライブは、カーライフの楽しみの一つ。でも長時間の運転、とくに渋滞で長い時間、クルマに閉じ込められた状態になると、気になり始めるのが体の“コリ”。
また普段から首・肩こりを抱えている方は、現代病といわれているストレートネックが原因かもしれません。そこで今回は、運転時にコリやすい首まわりをほぐすのと同時に、ストレートネックの改善にもつながるストレッチをお伝えします。
目次
- 鈴木 珠美(すずき たまみ)
- カーライフアドバイザー&ヨガ講師。出版社を経てクルマや健康な体と心をつくるためのワークショップや企画編集執筆などを行っている。スタジオでのヨガレッスン、スポーツクラブでの体が硬い人向けの「ゆるトレ」や体と心の柔軟性を高めるための「ストレッチ&ヨガトレ」を開催。女性のための車生活マガジン「beecar(ビーカー)」運営。
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2019.06.28
首こり・スマホ首の大敵、ストレートネックとは?
パソコンやスマートフォンを使う時間が増えていく中で、夢中になって画面を見ていると知らず知らずのうちに、頭が前に出た状態が続きます。
この状態が続くと、本来は前にカーブしている頸椎(首の骨)がまっすぐになります。これがストレートネックと呼ばれる状態です。
首がまっすぐになる状態が続くと、首に負担がかかることはもちろん、首・肩こり、頭痛などが起きやすくなり、ひどくなると手や肩にしびれが発生することも。
ストレートネックをセルフチェックする方法
- 背筋を伸ばして座ったときor立ったときに、頭が前に出ている感覚がある。
- 壁にかかと、おしり、背中をくっつけたとき、頭だけ壁から離れてしまう。
どちらかに当てはまる方は、ストレートネックの疑いがあります。自分で分からないときは、他の人に頭が前に出ていないか見てもらうのも手。
クルマの運転でもストレートネックになりやすくなります。
運転姿勢は、深くシートに腰をおろし、後頭部は軽くヘッドレストに当たるくらいが理想。でも運転姿勢がうまくとれていないとヘッドレストから頭が離れ、前方を注視しがちになるため頭が前に出た状態で運転している方を見かけます。
そもそもクルマの運転姿勢は、ハンドルを掴むために肩が内側に入るので、猫背になりやすい姿勢です。猫背に加えて、頭が前に出た状態が続くと、首・肩まわりのコリはますます悪化するばかり。
そこで行いたいのが首まわりのストレッチ。こわばった首まわりの筋肉をほぐすことで、首コリ、肩コリを緩和。さらにまっすぐになった頸椎のカーブをとり戻すためにも有効です。
※妊娠初期、低血圧、腎臓・心臓などに持病をお持ちの方、現在通院している方などがストレッチやセルフマッサージを行う場合はかかりつけ医に相談の上、行ってください。
首の側面をほぐすストレッチ
- 太ももの付け根近くにある座骨を座面にしっかりとつけ、背筋を伸ばし椅子に座ります。
- 背中の後ろで手を組み、組んだ手を右の腰に当てます。
- 鼻から息を吸って背筋を伸ばし、鼻からゆっくりと息を吐きながら頭を右に倒します。約20秒キープ。
- 息を吸いながら上体を戻し、鼻から息を吐きながら手をほどきます。反対側も同様に行います。
- ポイント!
- 縮んだ筋肉を上手にゆるめるには、呼吸が大切。息を吸い、吸った息の2倍以上かけてゆっくりと細く長く息を吐きます。吐く呼吸とともにこわばった部分をゆるませます。
肩甲骨から首につながる筋肉をほぐす
続いて背中の中央辺りから、頭と首をまたぐ筋肉をほぐします。少し大きな筋肉にアプローチできるので、ほぐすことで、血の巡り、酸素の巡りがよくなったことが体感しやすい場所。首、肩まわりがすっきりする効果を期待できます。
1. 背筋を伸ばし、両手を組み後頭部に当てます。体は正面を向けたまま、顔を右に向けた状態からアゴを引き、頭を下に倒します。
2. 1.の状態から肘を閉じ、手の重みを乗せていきます。左の肩甲骨の辺りから首の後ろにつながる筋肉がじんわりと伸びていくのがわかると思います。約30~60秒キープしたら、反対側も同様に。
- ポイント!
- 手の力で無理に前に倒さないように、手は頭に乗せる感覚です。
首をゆっくり回す
両手を鎖骨辺りに置き、首を回します。息を吸いながら右から回し、後ろは首に負担をかけないように少し浅めに回して、息を吐きながら前に戻ります。2周行ったら、反対回しも同様に。
- ポイント!
- 鎖骨に置いた手は、軽くなで下ろすように手を置きます。
首の前後を伸ばすストレッチ
1. 両手は鎖骨辺りに置いたまま、鼻から息を吸って背筋を伸ばします。鼻から息をゆっくりと吐きながらアゴを上げ、首を後ろに反らせ目線は上へ。無理し過ぎないように、首の前が気持ちよく伸びるところに位置を決めたら、約5秒キープ。息を吸いながら元の位置に戻り、ゆっくりと息を吐く。
- ポイント!
- 首がつまるような感覚があったら、アゴを上げ過ぎです。少し戻しましょう。
2. 手を組み後頭部に手を置きます。息を吸いながら姿勢をまっすぐに、アゴを引き、息を吐きながら頭を下へ倒します。手は支える程度にし、頭の重みで首の後ろの筋肉を伸ばします。これも約5秒キープ。息を吸いながら元の位置に戻り、息を吐きながら手をほどく。
- ポイント!
- 背中は丸めないこと。位置が決まったら肘と肘を寄せ合うように。
3. 1. と2. の動作を3回繰り返します。
まとめ
人の頭の重さは体重の約10%といわれています。体重が50kgの方で約5kgです。それゆえに頭が少し前に出ているだけでも、首にかかる負担はとても大きなものになります。
とくに運転に集中しているときやデスクワークでは、自分でも気が付かないうちに頭が前に出がちです。首まわりをほぐすことは、首を正しい位置に整えることにもつながります。首まわりがほぐれると、集中力も復活します。
ドライブでは小休止を使って、首こりストレッチ。コリも気持ちもすっきりさせて、安全で快適なドライブを楽しんでくださいね。
文/鈴木 珠美
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