快適な車中泊にはベッド作りが最優先! DIYで車内をフラットにしました|森 風美のただいま軽バン改造中 vol.3

森風美さんがDIYするイメージ

女子キャンパーとしてさまざまなメディアで活躍中の森 風美(もり ふうみ)さん。

もともと「徒歩キャンパー」だった彼女は、「車中泊キャンパー」にもなるべく2019年4月に人生で初めてクルマを購入! 選んだクルマはHonda「バモス ホビオ」です。

この連載では、DIYや純正アクセサリーを使いながら「女子キャンプのための車中泊スタイル」を完成させていく道のりを紹介していきます。

3回目はクルマを手に入れたあと、彼女が最初に取り組んだDIY。ベッドスペースについて教えていただきます!

※2018年5月に販売終了

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車中泊仕様のDIYについてはこちらも!↓↓↓

 

目次

森 風美

森 風美(もり ふうみ)
年間80泊するほどキャンプを愛し、女子でも楽しめるキャンプスタイルをSNSで発信している女子キャンパー。女性向けアウトドアWebメディア「なちゅガール」の編集長も務める。ほか雑誌・テレビ・イベント出演など幅広い分野でも活躍中。
Instagram @fu_u.m
twitter @fu_uyu

 

車中泊でも快眠できる「フルフラット」なベッドスペースとは?

フルフラットな車内で森さんが快適に過ごしている様子

こんにちは! 森 風美です。前回車中泊のためのクルマ選びを紹介しましたが、車中泊をするにあたり、とにかく欠かせないのが「ベッドスペース(寝床)作り」です。

ひと口に車中泊といっても、簡易的にクルマのシート(=座席)を斜めに倒して寝ることだって車中泊です。でも、長旅の疲労回復のために睡眠の質は絶対に落としてはいけません! なるべく「家の寝室と同じ環境づくり」をすることが快適な車中泊への近道なんです。

ここ数年、車中泊が注目されてきたこともあってか、「このクルマはシートを倒すとフルフラットになります」という売り文句が増えてきました。単に「フラット」じゃなくて「フルフラット」って言葉を使うからには、真っ平らな状態をイメージしませんか?

でも実際にはシートの凹凸があるもの、シートが倒れきれず微妙に段差ができるもの、ちょっとした金具の出っ張りが気になるものなど、私にとっては「微妙なフルフラット…」と思えるものが多いのです。

 

購入したてのバモスの車内はこんな感じでした

私の愛車バモス ホビオも「フルフラットになる」と紹介されているクルマですが、気になる段差や金具の出っ張りがありました。

 

バモスホビオの後部座席を倒した様子

こちらが購入したばかりのバモスの後部座席を倒した状態です。写真の①と②の矢印に注目してください。①倒した後部座席が荷室より盛り上がって段差ができています。②荷室に金具(=後部座席を留める役割らしい)が出っ張っています。

そこで、私が取り組むべき最優先事項を決定! 完璧な「フルフラット」、つまり真っ平らな床にするためDIYにとりかかることにしたのです。

私が立てたDIYのプランはホームセンターで床板となるOSBボードと角材を買ってきて、①と②の段差を完璧なフラットにする方法。

ちなみにもう1つの案として、①の後部座席をごっそり取り外すことも考えました。でも仲のいい友だちと4人で遊ぶことも多く、使いたいときに4人乗りにできないのはとっても不便そう…!と思ったので、こちらの案は却下しました。

 

DIY初心者が1日でフルフラットにした手順

続いて、実際に私が理想とする「フルフラット」にするために行った、4つの流れをご紹介します。これ、1日でやりました! かかった費用は約1万円です。

 

◆フルフラットにする工程

  1. 床板部分の設計をする
  2. ダンボールで型紙をとる
  3. OSBボードをカットして床板を作る
  4. フローリングシートでカバーする

 

1.床板部分の設計をする

フルフラットにするための角材

まずホームセンターに買い出しに行くまえに、床板部分の設計にとりかかりました。大きなOSBボードという合板を床板として敷き、その下に①と②の段差を埋める角材(上写真)をかませる設計プランです。角材はホームセンターで切ってもらいたかったので、とくに慎重に考えます。計算が苦手なため、角材の幅を計算に入れ忘れたり単純な計算ミスをしたり、なかなか苦戦しました。

 

2.ダンボールで型紙をとる

続いて床板となるOSBボードを切るために、ダンボールで荷室部分の型紙をとりました。車内は思っているよりも曲線状になっています。適当に直線に切ってしまってもいいのですが、狭い車内をなるべく広く使うためには、クルマにぴったりの型紙が必要です。ネットで検索して発見したのは、棒とペンを使ったDIYの技!

 

写真の内容を記入する(~な様子)

棒の先端をクルマの壁面に、もう一方の先端はペンを当てます。ゆっくり車の壁面に沿わせながら棒を動かしていくと、ぴったりの型紙を描くことができます!

 

3.OSBボードをカットして床板を作る

OSBボードを電動ノコギリでカットする森風美さん

DIYはもともと好きでした。本格的なDIY工具も使いこなせてる!?

今回床板に使ったのはOSBボードという合板は、強度が強く住宅の床の下地材にも使われていて、加工しやすくDIYにもよく使われる素材です。先ほどの型紙に合わせて線を引き、ホームセンターでレンタルしたジグソー(電動ノコギリ)で切っていきます。

 

床板となるOSBボードと角材をネジで止める様子

床板となるOSBボードと角材をネジで止める様子

先ほどの写真でご紹介した①と②の段差に角材をかませて底上げし、その上に床板となるOSBボードを設置。位置を確認しながら、OSBボードと角材をネジで固定します。とにかくパーツが多いので根気のいる作業です。ネジ止めは手動でやるとなかなかの力仕事。電動ドリルとドライバーもホームセンターで借りればよかった…!

 

4.フローリングシートで床板をカバーする

写真の内容を記入する(~な様子)

すっかり日が暮れてくれてしまいましたが、最後の仕上げ! バモスの色に合うかわいい車内にするために、お家っぽい雰囲気のフローリングシートを探した結果、太い木目が人気のフローリングシートに決めました。

 

フローリングシートをハサミでカットする様子

フローリングシートはハサミで簡単に加工できるので、OSBボードの形に合わせてジョキジョキと切り、強力両面テープでOSBボードに貼りつけて完成です!

 

完璧なフルフラットにしただけで秘密基地感のあるスペースに!

完璧なフルフラットになったバモスホビオ の車内

見てください、丸1日でなんとか私がイメージしていた完璧なフルフラットなスペースが完成しました! この床板はのせているだけなので、いつでも取り外すことができます。DIYには精密な設計も大事ですが、悩んでいるといつまで経っても完成しないので、「とりあえずやってみよう、失敗したらもう1回やればいい!」という気持ちが大切です。

今回のフルフラットDIYもこれで完成というつもりはなく、実際に車中泊して使い心地を試しながら、どんどん使いやすいようにカスタムしていく予定です。最近は人を乗せることが多くなってきたので、床板全部を外して後部座席を復活させるのは面倒だし、もっと簡単にできるようにリフォームしようか再考中。こうやってあれこれ考えている時間が楽しいです!

さて、真っ平らの快適なベッドスペースが完成したら、次に必要なのは寝具。自宅にある布団を敷くだけでも車中泊できちゃうのですが、寝具問題、実はとっても奥が深いんです。次回は車中泊におすすめの「寝るときのアイテム」について紹介していきます。

 

文・写真/森 風美
写真/矢野 宗利(2枚目)、松本いく子(1枚目、3枚目)

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