女子キャンパーとしてさまざまなメディアで活躍中の森 風美(もり ふうみ)さん。
愛車の軽自動車Honda「バモス ホビオ※」をDIYでカスタムしながら、キャンプ好き女子の車中泊スタイルを提案しています。カスタムの道のりについて、連載「ただいま軽バン改造中」(全10回)としてお届けしてきました。
そしていよいよ「シーズン2」が始まりました! 愛車バモスくんをさらにバージョンアップしながら、車中泊&キャンプを楽しむ森さんのアウトドアライフをお届けしますので、どうぞご期待ください!
今回は、森さんが「夏の車中泊によさそう!」と購入したクルマでも使えるポータブル冷蔵庫について。車載冷蔵庫を選ぶために比較検討した点や、実際に使ってみて感じたメリット・デメリットをご紹介します。
※2018年5月に販売終了
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目次
- 森 風美(もり ふうみ)
- 年間80泊するほどキャンプを愛し、女子でも楽しめるキャンプスタイルをSNSで発信している女子キャンパー。女性向けアウトドアWebメディア「なちゅガール」の編集長も務める。そのほか雑誌・テレビ・イベント出演など幅広い分野で活躍中。アウトドア料理の万能スパイス「motteco(もってこ)」の開発も手がける。
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クルマに積載できる「ポータブル冷蔵庫」とは?
こんにちは! 釣りにキャンプに車中泊、アウトドアを愛するインドア人間の森 風美です。今回は私が今年購入したポータブル冷蔵庫についてご紹介します。キャンプや車中泊に冷蔵庫ってどうなの!?と思っている方の参考になれば幸いです。
そもそも私がポータブル冷蔵庫を買うに至った経緯は、アウトドアとは全く無関係のところからでした。私の家の寝室は、なぜか暖房や冷房の乾燥がひどくてひどくて……。
キッチンまで行くのがめんどくさいという、なんとも怠惰な理由からミニ冷蔵庫探しがスタート。実際にネットで探してみると、私の欲しいサイズの冷蔵庫はそのほとんどが車載用冷蔵庫で、クルマのシガーソケット(DC電源)につなげる車中泊対応だったので、「夏になったら車中泊で使えそう!」と思っていました。
ポータブル冷蔵庫の選び方、チェックしたポイント
まずミニ冷蔵庫(ポータブル冷蔵庫)を大きく分けると、温度の設定ができるものとできないもの、一般的な冷蔵庫のように縦型のものとクーラーボックスのような横型のもの、庫内が分かれている分割型とそうでないもの、などがあります。
今回、私がポータブル冷蔵庫を選ぶためにチェックしたポイントをまとめると、以下になります。
ポータブル冷蔵庫選びのポイント
- 大きさ
- 静音性が高いか
- バッテリー内蔵か
- 温度設定ができるか
- フォルムは縦型か横型か
- 庫内はいくつに分かれているか
- 電源はAC/DCともに対応しているか
具体的には、まずAmazon(アマゾン)で「ミニ冷蔵庫」「ポータブル冷蔵庫」などのキーワードで検索。ランキング上位のものからチェック、比較していきました。
普通の家電なら、「知ってるメーカーのやつなら安心だしそれにしよう!」という買い方ができるけれど、ポータブル冷蔵庫のメーカーの名前は知っているものが1つもなくて、選ぶのにものすごく苦労しました。
ちなみに、冷蔵庫やワインセラーの冷却方法は、大きく2種類あり、1つはペルチェ式、もう1つはコンプレッサー式です。一般に、ペルチェ式のメリットは安価なことと静音性が挙げられます。一方、コンプレッサー式のメリットは冷却能力が高いことで、デメリットとしてはややモーター音が大きいことです。なのでスペックを見るときは、ペルチェ式かコンプレッサー式か、というのもチェックポイントです。
その中から私が今回、購入候補として比較検討したのは、以下のミニ冷蔵庫(冷温庫)です。
Paxcess(パクセス) 冷蔵庫
Paxcess(パクセス)の冷蔵庫(10L)は、縦型なのがいいなと思いました。そして冷蔵だけでなく保温もできる冷温庫です。ただ容量が10Lなので、ちょっと小さいかも……と悩みました。
- Paxcess 冷蔵庫(10L) 基本スペック
- 電源:AC100V/DC12V
本体サイズ :幅240×奥行295×高さ395mm
本体重量:4.2kg
消費電力:(AC)保冷 45W、保温 37W/(DC)保冷32W、保温27W
容量:10L
冷却方式:ペルチェ式
設定可能温度:-2℃~60℃
AstroAI(アストロエーアイ) 冷蔵庫
AstroAI (アストロエーアイ)冷蔵庫(6L)も縦型でコンパクト、約3kgと軽くて、持ち運びやすい点がいいなと思いました。化粧品を保存するにはちょうどいいサイズ。なんですが、500mlのペットボトル4本を入れるといっぱいになるので、やっぱり私には、もう少し容量の大きい冷蔵庫がよさそう。
- AstroAI 冷蔵庫(6L) 基本スペック
- 電源:AC110V/DC12V
本体サイズ:幅195×奥行265×高さ287mm
本体重量:3.05kg
消費電力:保冷40W、保温32W
容量:6L
冷却方式:ペルチェ式
設定可能温度:2℃~60℃
Bonarca(ボナルカ)車載用冷蔵冷凍庫
Bonarca(ボナルカ)車載用冷蔵冷凍庫(15L)がいいのは、冷凍ができること。温度は-20℃~20℃まで設定が可能。ただ、クーラーボックスのような横型なので、私の寝室ではちょっと使いにくいかも。
- Bonarca 車載用冷蔵冷凍庫(15L) 基本スペック
- 電源:AC100V/DC12V・DC24V
本体サイズ:幅570×奥行320×高さ260mm
本体重量:8.2kg
消費電力:40W
容量:15L
冷却方式:コンプレッサー式
設定可能温度:-20℃~20℃
上記にピックアップしたようなポータブル冷蔵庫のスペックを見比べながら、すごく悩みました。車載できるか、縦型か横型か、設定温度、サイズ、容量、そして値段……。寝室に置いた場合のサイズ感をメジャーで測ってシミュレーションしたり、車内のどこに置くかをイメージしたり……。
そして結局、私の場合、最終的に決め手となったポイントは「デザイン」でした。
購入したのはエンキーオの冷温庫、決め手となったポイントはコレ!
最終的に購入したのは、Enkeeo(エンキーオ)の冷温庫(20L)です。そもそも「ホテルみたいに寝室にミニ冷蔵庫が欲しい!」というきっかけで購入したので、最終的に縦型が譲れませんでした。デザインもシンプルでステッカーを貼って可愛くできること、キャンプサイトに置いても違和感がなさそうなことが決め手になりました。さらに以下の2つのポイントもお気に入りのポイントです。
2ドア式で保冷も保温もできる!
2ドア式でそれぞれの庫内の温度設定ができるので、同じ冷蔵品でもナマモノは低めに、野菜は高めに設定できるのが魅力的だと思っています。−2℃〜設定できますが、あくまで冷蔵のみで冷凍はできないので、氷やアイスクリームの貯蔵には使えません。
ちなみにまだ使ったことはないのですが、60度までの保温ができるので、なにか機会があったら下は冷蔵、上は保温で使ってみたいと思っています。購入前にレビューを読んでいたところ、赤ちゃんのミルクの保温用に使ってる方もいるんだとか。寝室に保温庫があったら便利ですもんね!
私は「いっぱい入るけど場所を取らないもの」という縛りの中で20Lにしましたが、1人〜2人で使うサイズ感です。ファミリーで使う場合には、ぬるくなってきた飲み物を飲む前にキンキンに冷やしたり、傷みそうな食材を入れたりと、クーラーボックスのサブ的な使い方になりそうです。
コンセント(AC)とシガーソケット(DC)、どちらでも利用可能
車載用ミニ冷蔵庫としては基本的なスペックですが、走っているときはシガーソケット(DC)から給電して、キャンプ場や車中泊スポットに着いたらコンセント(AC)から給電できる! というのも外せないポイントでした。電源付きのキャンプ場やRVパークだったら外部電源が使えるし、もし外部電源がない場合はポータブル電源から給電すれば数時間は庫内を冷たく保つことができます。
実際に使ってみてわかったこと! しっかり固定しよう!
これまでのお出かけでは、マヨネーズやバターなど保冷の必要な食材を出発ギリギリに冷蔵庫からクーラーボックスに移し替えようと思って、うっかりそのまま冷蔵庫に置き忘れてしまうことがありました。でもこのポータブル冷蔵庫を買ってからは、前日からこの冷蔵庫をキッチンのコンセントにつないで食材を中に入れて準備しておけばいいので、忘れ物ゼロになりました!
朝もバタバタせずポータブル冷蔵庫ごとクルマに積むだけなのでとっても楽チン。クーラーボックスだとこうはいかないですね! 上部に取っ手があって、持ち運びにも便利です。
ちなみに気になる重さですが、冷蔵庫本体だけでも6.8kgあり、中身がぎっしり詰まっているとちょっと重たいです。とはいえ何度も持ち運ぶものではないので、積み込みのときだけ頑張って運んでいます。
クーラーボックスとは違って自発的に冷却してくれるので、長期のキャンプや車中泊旅行のときに保冷剤の溶け具合を気にしなくていいのも嬉しいところ。煩わしさを少しでも緩和することで、旅をより快適に楽しめそうです!
走行中に気になった点は……クルマが停車したときに、冷蔵庫の中のものが重力で動いてドアが開いて出てきてしまったんです。運転中に、後ろのほうでドサドサ音がしたときはすごく焦りました。置く場所を変えてドアが開かないようにしたら解決しましたが、クルマで頻繁に使うのなら、横型の冷蔵庫のほうがいいかもしれません。
これから車載冷蔵庫の購入を検討している方には、設置場所や固定方法をあらかじめしっかり考えておくことをおすすめします! 冷蔵庫がきちんと固定されていないと、万が一、事故に遭ったときに、衝突や急ブレーキの衝撃で冷蔵庫が滑ったり飛び出したりして、クルマに乗っている人にぶつかる可能性があり非常に危険です。冷蔵庫が動かないように、市販されている「冷蔵庫転倒防止ベルト」や「冷蔵庫ストッパー」などを使って、しっかり壁や床に固定しておきましょう。
ポータブル冷蔵庫のメリット・デメリット
実際に使ってみて感じるメリットとデメリットを整理してみます。
◆メリット
- いつでも冷たいドリンクが飲める
- キャンプのとき、食材や調味料の忘れ物が激減
- クーラーボックスより高機能
- 保冷剤の溶け具合を気にしなくていい
◆デメリット
- 車内に置くと意外と大きい
- 縦型だとクルマの横揺れでドアが開く
- 寝ていると音が気になる
車中泊には、安定感のある横型のほうがおすすめですが、縦型以上に場所を取るので、設置場所を考えてから購入したほうが良さそうです。クーラーボックスと比較してしまうと、どうしても容量に対して全体のサイズがかさばるので、いつどんな場面で使うかを想像することがとっても大事。
いちばん推したいポイントは、出発の朝の準備が減るというところ! 何かと忙しい朝の時間がグンと楽になります。
私はもっぱら家で使っていて、長期のキャンプや車中泊のときだけクルマに積むようにしています。1泊2日くらいならクーラーボックスで十分かな〜。
ポータブル冷蔵庫(車載冷蔵庫)についてのまとめ
ポータブル冷蔵庫。車中泊に必須の装備ではないけれど、普段車内で調理をしない人でも、冷たい飲み物がいつでも飲めるのはとってもプラスだし、お土産の要冷蔵食品をこの冷蔵庫に入れて持って帰ってくる……なんてこともできちゃいます。魚市場でその土地土地のお魚を買って、夜にしっぽり車内で食べるのも素敵ですよね。
ちなみに、「ポータブル電源に繋いで冷蔵庫のドアを開きっぱなしにしたら涼しく寝られるのかな?」とふと思ったんですが、故障の原因になりそうなのでやめておきます(笑)。
最近は車中泊で使えるように消費電力の少ないポータブルクーラー(エアコン)がいろいろ出てきたので、来年の夏はポータブルクーラーを買おうかなって思っています!
※本記事に掲載された情報は、記事公開時点のものです。
文・写真(3枚目)・イラスト/森 風美
写真/長野 竜成
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