こんにちは。観音クリエイションです。前回、友人の料理人マメさんにアウトドア料理を教えてもらいました。
マメさんの料理する様子を見ていて驚いたのは、作業に無駄がなく工程すべてがスムーズで美しいってこと。僕もこんな風にアウトドアでスマートに料理できるようになりたい。
マメさんに秘訣を聞いたところ、道具選びとその扱い方が重要とのこと。確かに、いい感じの調理道具を揃えると、テンションも上がって料理するのが楽しくなりますよね!
というわけで今回は、レシピ開発において「おいしさの追究」とともに「作業工程の効率化」も重視する料理人のマメさんに、キャンプ料理に役立つ調理道具と上手な使い方について教えていただきます。
目次
▼教えてくれる人
- マメさん
- 長野県の野尻湖のほとりに立つ「ゲストハウスLAMP(ランプ)」の支配人・料理長。スパイスを使った肉料理が得意。LAMPのランチタイムには、マメさんが考案したハンバーガーに行列ができるほど。
ゲストハウスLAMP
Weber(ウェーバー)の豆炭、点火剤、火起こし器、焚き火台
僕はこれまでキャンプ場に到着したら、着火に使えるような木の枝を集めて焚きつけて、火がついたら薪をくべて、火が大きくなったらバーベキュー用の炭を入れて、調理できる火力になるまで待つ、と、バーベキューができる状態の熾火(おきび)を作るまで1時間ほどかかっていました。
ところがマメさんは、キャンプ場に到着するやいなや、火起こし用のアイテムをパパパッと扱って、なんと20分ほどで真っ赤な熾火の炭を作り出したのです。
マメさんポイント
火起こしに手間取ると、この後の工程すべてに影響します。火を簡単に準備するために、優秀な道具の力を借りましょう!
マメさんが使っていたバーベキューのセットは、こちらの4種類。
- 高品質な豆炭(Weber社のチャコールブリケット。原料はココナッツの殻)
- 点火剤(Weber社の点火キューブ)
- 簡単高速火起こし器(同じくWeber社のチムニースターター)
- 焚き火台(コールマンのファイアーディスク。焼網つき)
Weber(ウェーバー)の炭と道具を使って、簡単に火起こしをする方法を教えてもらいました!
放置でOK! 20分で火起こし完了!
まずは、火起こし器(スターター)に炭を入れます。
焚き火台に点火キューブを置いて、着火して、
点火キューブの上に、火起こし器を乗せるだけ。超簡単!
このまま放置しておけば、20分後には炭が真っ赤になっています。そのあいだに食材の下ごしらえができますね。
マメさんポイント
火起こし器(スターター)を使うと、煙突効果による上昇気流が発生するので、火が高速でまんべんなく行き渡り、効率的に熾火を作ることができます。
豆炭は、火付きが良いWeber(ウェーバー)製のものがおすすめ。この豆炭は燃焼時間が3時間と長いので、のんびりバーベキューを楽しむことができます。
ジップロック&ジップロックコンテナー
今回の大きな発見は、マメさんが味付けや下ごしらえにボウルを使わず、ジップロックやジップロックコンテナーを活用していていたこと。お肉の味付けはほぼジップロックで完結していました。キャンプ料理の秘密兵器は……ジップロック!
お肉と調味料をジップロックに入れて、よく揉みます。
空気を抜きながらコンパクトに折り畳みむことで、調味料もまんべんなく浸透し、クーラーボックスの中でも場所をとりません。
マメさんポイント
お肉の味付けにジップロックを使うと、手が汚れず、味の染み込みが良く、洗い物も出ません。何枚か余分に用意しておくと、食べ残しを入れたり、ゴミをまとめたり、なにかと便利ですよ!
ポン酢とフルーツジャムをジップロックコンテナーに入れてシェイクするマメさん。「オリジナルソースもこうやれば簡単に作れるんですよ」
クッキングスケール(キッチンスケール)
僕はこれまでキャンプで料理するとき、調味料は適当に目分量で入れていたのですが、マメさんは「アウトドアでも安定しておいしいものを作りたいから」と、デジタルクッキングスケール(キッチンスケール)をクルマに積んでいました。
ポークジンジャーグリルの漬けダレを作っている様子。「調味料はグラム単位でちゃんとはかると、味がブレずに、いつでもおいしく作れますよ」とマメさん。
マメさんポイント
クッキングスケールは、デジタル表示であれば、小型の安いもので十分。電池交換不要のソーラー充電式のものがおすすめ。
トング、キッチンハサミ
アウトドアでは、包丁とまな板より、トングとキッチンハサミのほうが便利。網の上で肉を掴んでそのままカットできます。
マメさんポイント
トングは、食材用と炭用の2本の準備を忘れずに。炭用のトングは、炭の熱が手に伝わると作業しずらいので、(炭から距離をとることができる)長めのものがおすすめです。
ダッチオーブン。キャンプ料理の万能鍋
マメさんに教えてもらった料理の中で、個人的に一番感動したのがコンビーフサンド。「キャンプで、煮込み料理?」と最初は意外な感じがしましたが、「煮込むことで肉が柔らかくなるって、こういうことだったのかっ!?」と、口の中でホロホロとほぐれる牛肉を味わいながら、アウトドア料理の底知れぬ可能性を再認識しました。
コンビーフを作るために使われていたのがこのダッチオーブン。煮込みやスープ、カレーなどなど「これ1つあるだけで料理の幅が一気に広がるやん!」と感動してしまい、その場でAmazonで買ってしまいました。
ダッチオーブンは、焼く、煮る、炒める、蒸す、揚げるなどいろいろな調理方法ができるキャンプ料理の万能鍋。1つ持っておくと便利です。
マメさんポイント
自宅だと、火の番がおっくうな煮込み料理ですが、アウトドアなら簡単。バーベキューの網の空いているスペースに放置しておけばOK。調味料の配分さえまちがえなければ、まず失敗しないので、ぜひ挑戦してみてください。
電動ミキサー。ポータブル電源があるならぜひ!
キャンプ料理におすすめの調理道具10選、最後は電動ミキサーです。
「さすがにそれはゴツすぎる」「キャンプに持っていくものじゃない」「電源はどうすんだ」「キリが良い10選にするために無理やり入れただろ」とツッコミが入りそうですが、そうじゃありません。
マメさんが作ってくれたスムージーがめっちゃおいしかったんです。キャンプ場で朝日を眺めながらスムージーが飲めたら、最高の気分でチェックアウトして帰路に着けそう。
マメさんポイント
ちょっと飛び道具的なアイテムですが、ビタミンと食物繊維たっぷりのスムージーを簡単に作れるので、クルマにポータブル電源があるなら絶対おすすめ。旅先で地元の野菜や果物を手に入れて、いろいろカスタムするのも楽しいですよ。
【キャンプ必携】おすすめ調味料はこれ!
ゲランド塩
マメさんいわく「味付けの70%は塩で決まる」とのことで、マメさんおすすめのゲランド塩を購入。ゲランド塩は、フランス・ブルターニュ半島のゲランドで、塩田の海水から作られた塩です。伝統的な天日干しの製法で、マグネシウム、カルシウム、カリウムなど海水のミネラル分が豊富。
この塩、ほんとにうまいです。味見のために少し舐めてみたところ、マイルドな塩で、甘み、旨味、深みを感じました。バーベキュー以外の料理にもオールマイティに使えそう。
マメさんポイント
味付けは塩で決まると言っても過言ではありません。塩はこれまで何十種類も食べ比べましたが、万人におすすめできるのがこのゲランド塩。もちろん家庭でも使えるので、普段の料理で使って「塩でこんなに味が変わるとは!」 という感動を味わってほしいです。
スモークパプリカパウダーはどんなお肉にも合う!
味付けの70%は塩で決まり、残りの30%はスパイスで調整していくそうです。
マメさんがアウトドア料理で、必ず使うのがこのスモークパプリカパウダー。パプリカを樫の木のチップで燻製してからパウダー状にしたものです。今回は牛肉の味付けに使いました。
マメさんポイント
パプリカパウダーは味の広がりとコクを楽しめるスパイスです。赤いですが辛さはなく、どんなお肉にも合うので重宝します。バーベキューだけでなく、カレーの隠し味にも使えますよ。
和風激辛ソース 雷
「せっかく遠出するなら、現地の食材を」という考えを調味料にも適用。今回キャンプした長野県信濃町からクルマで30分ほどの距離にある、新潟県妙高市の「かんずり」を使った和風のタバスコのようなソースです。かんずりは、唐辛子を発酵させた辛味調味料。今回は、しいたけグリルの味付けにタバスコのかわりに使用しました。
マメさんポイント
このソースは醤油ベースなので、和風の食材にマッチします。辛さの段階が3種類あり、今回は一番辛い「金」を使用しました。青、赤、金の順で辛くなっていくのでお好みに合わせて試してみてください。
いい道具があるとキャンプ料理は楽しい!
今回は、プロの料理人に教えてもらったキャンプ料理に役立つ道具とおすすめの調味料を紹介しました。
クルマ旅なら調理道具が増えても、荷室に積んでおけばいいからラクですね!
秋から冬にかけて、ますますキャンプが楽しい季節。キャンプ場ではチェックインからチェックアウトまで過ごせる時間が限られているので、今回紹介したアイテムを使って、賢く、無駄なく料理を楽しんでくださいね。
取材・文/観音クリエイション
撮影協力/やすらぎの森オートキャンプ場
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