アウトドアブームと並び、近年ますます盛り上がりを見せている車中泊ブーム。キャンプ場やRVパークでの宿泊手段としてはもちろん、様々なアクティビティを楽しむ人の場合は、前日夜から現場の近くで仮眠を取る手段としても活用されています。
実際にアクティビティ×車中泊を楽しむ人に取材を行い、その人ならではのカスタム術やクルマの活用法を取材する連載企画。第3回は、Hondaの軽自動車N-VAN MALIBUで登山×車中泊キャンプを楽しんでいる三島尚子さんにインタビュー。かわいらしいデザインの実用的なカスタムで、アウトドアライフをさらに充実させたという三島さんに詳しい話を聞きました。
※N-VAN MALIBUは神奈川県大和市下鶴間にあるカスタムファクトリー「ダムド」でオーダー可能です。
- 三島 尚子さん
- 岐阜県出身。保育士の仕事をしながら、週末は登山やキャンプなどのアウトドアをパートナーと一緒に楽しんでいる。2021年6月にN-VAN MALIBUオーナーになり、カスタムする様子や、アウトドアライフを自身のインスタグラムにて発信している。
- Instagram:@mimiyamanobori
目次
購入の決め手は、趣味と実生活の両立ができること
登山やキャンプなどのアウトドアを楽しむ三島尚子さん。そんな三島さんの愛車は「N-VAN MALIBU」。可愛らしい見た目の軽自動車ながら収納力が抜群で、アウトドアを楽しむ女性にオススメの一台です。
以前はトヨタ・PASSO Setteに乗っていたという三島さんに、まずはN-VAN MALIBUとの出合いについて伺いました。
三島さん:このクルマとの出合いはInstagramで見た広告でした。たまたまN-VAN MALIBUの広告を見て、「これかわいい!」と一目惚れして、すぐに実物を見に行きました。
実物を見ると、かわいいのはもちろん、広々とした内装にも魅力を感じ、すぐに購入を決めました。本当は買い替える予定も全くなかったし、以前乗っていたクルマをあと2〜3年は乗るだろうなと思っていたんですよ(笑)。まさに運命の出合いでした!
登山を趣味に持つ三島さん。登山をする前日の夜中に登山口まで行って車中泊し、早朝から山登りをスタートすることも。そんなアクティブな趣味をより充実させるためにも、「快適に車中泊できるクルマがあったらな〜」とぼんやり思っていたときに出合ったのがN-VAN MALIBUだったそうです。
三島さん:私は自然が身近にあるところで生まれ育ったからか、花や木、鳥などの自然に囲まれた場所で過ごすのが好きなんです。そんな自然好きが高じて、キャンプや登山を中心としたアウトドアを10年ほど楽しんできました。だから、N-VAN MALIBUに買い替える決め手になった理由の一つに、アウトドアの延長として快適に車中泊ができることがありました。
N-VAN MALIBUは簡単にフルフラットにできる上、高さも幅もしっかりあって圧迫感もない。大人2人でも快適に車中泊ができるので重宝しています。
三島さん:そして荷物がたくさん乗せられることも、私にとっては趣味と実生活(仕事)を兼ねたメリット。趣味のアウトドアでは、ある程度荷物を持って出かけなくてはいけないですし、保育士という仕事では、発表会や運動会などの行事ごとに大きなものをたくさん運ぶ機会があります。なので、荷物が多く積める点は公私ともに重要なんです。
N-VAN MALIBUなら荷物を入れるのに大きすぎず、軽自動車で小回りが利いて運転もしやすい。道具のように万能性があるところも私のライフスタイルに合った、お気に入りのポイントです。
「おもちゃ箱」を意識したオリジナルカスタム
三島さんのN-VAN MALIBUは、「木」を使ったカスタムが特徴的で、Instagramでもよく作り方を聞かれるなど、多くの人から注目を集めています。そんな三島さんが一番始めにカスタムしたのは、荷室の両サイド。カスタムのコンセプトや、心がけていることなど、詳しい話を伺いました。
三島さん:私のN-VAN MALIBUは一番好きな色の水色を選びました。クルマ自体がかわいいので、その見た目に合わせて「おもちゃ箱」を意識したカスタムを心がけています。外装に入っている木目のラインに合わせて木を使ったり、おもちゃを飾ったりして、自分らしさやかわいらしさを出せたらなぁと、思っています。
また、車内のカスタムはウッド調で統一して、自分らしく温かみのあるデザインになるよう心がけました。完全オリジナルで、他の人とかぶらないところがお気に入りです! あとはカスタムをやりすぎないようにしたことで、アウトドアの趣味だけでなく様々な用途に対応できるようにしています。
三島さん:カスタムは納車されてからすぐには行わず、乗りながら少しずつ実施していきました。パートナーと相談し、使いながら自分のスタイルに合ったカスタムをするためです。
初めてのカスタムは、荷室横にある窓部分に板を取りつけました。N-VANの荷室の左右側面には、元々ユーティリティナットが装備されていて、さまざまなものを取りつけられるようになっているんです。
ユーティリティナットは、キャップを外すとM6サイズのネジ穴として使用できる締結部品。N-VANには荷室の両サイドとテールゲートに装備されていて、画像(写真は別車両)のように有孔ボードを装着したり、三島さんのように木材を取りつけて自由にアレンジできます。
三島さん:そこに、ホームセンターで買ってきた木を適切なサイズにカットし、取りつけました。板はN-VAN MALIBUのカラーに合わせて白や水色のペンキで色付けしたり、アウトドア関連の文字を入れて、オリジナリティを出しています。
三島さん:この荷室サイド部分の一番下の板には、荷台として使えるよう天板をかけています。
三島さん:そのほかの部分にはカラビナや紐を使って、ライトや水筒などの小物を吊るしています。また、後部座席をフラットにしたときに取り外しているヘッドレストを紐で固定することもあります。
三島さん:荷台の天板部分は、板の向きにこだわっています。長い板数本を横向きに配置するのではなく、短い板を縦にたくさん使っています。手間がかかりますが、押し入れに置いてあるスノコ感がちょっとなくなって、かわいく見えるかな、と思います。
板の下にはゴム紐を通しておくことで、板の隙間から荷物をしっかりと固定できます。走行中もズレることがなくて安心して運転できますね。
三島さん:そのほかに、運転中にパートナーとの会話から生まれたのが、助手席のテーブル。助手席にある収納部分の上部をテーブルに、下部をラックとして使っています。
三島さん:これもよく作り方を聞かれるのですが、それぞれの部分に合う大きさに板を切って、あとは枠内に合うようにちょっとずつカンナで削って調整をしながら作ったんです。なので地道な作業あるのみ。ちょっとずつ削っては合わせて、を何度も繰り返しました。形がいびつなので、サイズを合わせるのがとにかく大変でした。
三島さん:ドリンクホルダーの部分は、ヤスリでちょっとずつ削りながらサイズを合わせていきました! 食事をするときはもちろんですが、充電をするときにテーブルの上にスマホやカメラを置けるため、便利で助かっています。テーブルがないときは充電中の機器を置く場所がなかったのですが、これがあれば安心して車内で充電できます。
三島さん:助手席だけでなく、運転席側もカスタムをしています。ナビの横にあるのはスマホスタンド。N-VAN MALIBUに取りつけられるスマホスタンドを探していたのですが、売っているのは黒いものばかりでピンとくるものがなかったので作ることにしました。板に穴を開けて磁石を埋め込んだだけの簡単なものですが、ぴったりとスマホがくっついて固定されます。
山登りのプロが教える! 車中泊で役立つ知恵とアイテム
険しい山を登ったり、電気のない環境で数日過ごすなど、タフな環境にも慣れているアウトドア上級者の三島さん。「あるものでなんとかする」ことをベースに、少ない持ち物でも快適に過ごすことを心がけているそう。これまでの経験で得た、アウトドアで役立つ知識を教えてもらいました。
三島さん:アウトドアは荷物を少なくしても、それなりに道具は必要です。どうしても、いろいろなアイテムを持ち歩かないといけない。登山をしていると、天気が変わりやすく急に雨が降るときもしばしば。
そんなとき、「カッパはどこに入れたっけ?」と慌てて探しているとびしょびしょになってしまうことも。そういった経験から、ものを種類ごとに色分けして収納するようにしています。
三島さん:黄緑には防寒着、水色にはエイドキット、赤には着替え、緑にはライト、紫には食材など、色分けして入れるものを決めておくと、すぐに必要なものを取り出せます。
三島さん:N-VAN MALIBUの車内でもよく使う登山用グッズは「カラビナ」。登山用の丈夫なものをはじめ、100均で購入した安価なものなど、クルマにいくつも常備しています。
三島さん:登山のときは命綱と繋いで使い、キャンプのときはタープを張るときに使うことも。車内では後ろのラックにものを吊るしたり、荷物を固定したりと、様々なシーンで大活躍しています。
三島さん:シェラカップも常備しているアイテムの一つ。実は私、登山のときは食器はこれしか持って行かないんです。
シェラカップは食事のときに、コップや取り皿として使用しています。ものが少ないと、洗い物も少なくなるのがメリット。また、登山中は食器洗剤が使えないので、洗い物はお湯だけでします。鍋のなかでシェラカップごと煮て、除菌シートでさっと拭くだけで綺麗になりますよ。
三島さん:そして寒いときには、やかん代わりにシェラカップでお湯を沸かして、耐熱容器の「ナルゲンボトル」に入れて湯たんぽが完成! これ1つを寝袋に入れておくだけでポカポカ温かくてぐっすり眠れるので、車中泊でもキャンプでも活躍しています。
湯たんぽとして使ったお湯は、次の日に沸かし直してコーヒーを作ったり、スープ作ったり、再利用しています。もちろん登山するときは飲料水を入れて持ち歩きますし、炊事場からこのボトルに水を汲んできておいて洗い物なんかにも活用できます。
三島さん:休憩や食事の際に使うテーブルもひと工夫しています。実はこれ、クルマのなかで荷台として使っている天板なんです。作っているときに、ふと「これテーブルとしても使えそう」と思いついて、荷台の天板兼テーブルとして使うことに。脚は椅子を二脚使用。これも椅子として使ったり、テーブルの脚として使ったりしています。
ほとんどのものを様々な用途に使っていて、ちょっと貧乏くさいかもしれません(笑)。でも登山の道具って、1つで何役もこなしてくれるものが多くて便利。だから私も「1つのもので、2つ3つの役割をしてくれたらな」と考えてものを作ったり、選んだりすることが多いです。荷物が少ないと後片付けも楽なので。
とくに、私の場合はキャンプ場を早朝に出発することが多く、まわりのテントにはまだ寝ている方もいます。できるだけ静かに手早く撤収と身支度をしないといけません。なので、寝る前に後片付けなど、できることはすべてやっておきます。そうすれば、朝食を食べたらすぐに出発できて、遊ぶ時間もたくさん使えます。
N-VAN MALIBUに出会ってアウトドアの楽しみが変わった
「自分のクルマをこんなに好きになるなんて思ってもなかったです」とN-VAN MALIBUの魅力にどっぷりハマった三島さん。過去には4台のクルマに乗ってきたそうですが、N-VAN MALIBUを迎えたことで初めてクルマに興味を持ったそうです。愛車と過ごした1年で、三島さんにどのような変化があったのでしょうか。
三島さん:私の登山は山頂を目指すピークハントではなくて、キャンプをしながら山を旅する縦走スタイル。まとまった休みが取れたら3泊4日など、数日かけて旅することが多いんです。
三島さん:目的の山の登山口まで出かけたら、数日間は愛車と離れ離れになります。ちょっと寂しいんですよね。だから長期間の登山から帰ってきて、自分のN-VAN MALIBUを見ると「ただいまー!」って言いたくなるし、安心します。こんなにクルマを好きになるなんて、初めてです。
三島さん:N-VAN MALIBUを迎えてから、遊びの幅が広がったように感じます。登山やキャンプ以外のことも楽しんでいます。
例えば、桜の時期には私とパートナーの自転車(シティサイクル)を2台積んで、お花見に出かけました。川沿いに咲いている桜を自転車でサイクリングしながら見てまわって。これも高さと広さがあるN-VAN MALIBUだからこそできたことですね。
三島さん:そして、なによりかわいいクルマと一緒に出かけられるのが本当に楽しいと感じています。隣にN-VAN MALIBUがいて欲しいから、これまではあまり行くことがなかったオートキャンプ場にも出かけるようになりました。
オートキャンプ場では、急な悪天候のときにはN-VAN MALIBUを避難場所にすることもできます。また、テントではしのげないほどの大雨になったときには、車中泊して過ごせるので、天気を気にしすぎず、気軽にキャンプに出かけられるのも、アウトドア好きにはうれしいポイントです。
アウトドアだけでなく、旅の幅を広げていく
アウトドア上級者らしく、最低限のカスタムで幅広い用途に使える実用的な一台に仕上げられた三島さんのN-VAN MALIBU。今後の展望についてお話を聞きました。
三島さん:カスタムはやり尽くしたと思います。あとは、少しずつ改善をしていく感じになるかな。これからは、パートナーと一緒に車中泊しながら、能登半島を一周してみたいです。このクルマだったらどこでも快適に車中泊できるので。行きあたりばったり、ノープランの旅を楽しめたら、と思います。アウトドアだけでなく、そんなカジュアルな旅もどんどんしていきたいです。
さらなる外遊びへの期待を膨らませる三島さん。クルマのカスタムでありながら自分の部屋のインテリアを楽しむように、既存の枠に囚われないデザインやアイデアが参考になります。アウトドアでの実用性と可愛さを両立させたい方は、ぜひ参考にしてみては。
- 今回の記事に登場したクルマ
- ベース車両:N-VAN
■車両情報はこちら
https://www.honda.co.jp/N-VAN/■N-VANの純正アクセサリーの詳細はこちら
https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/※N-VAN MALIBUは神奈川県大和市下鶴間にあるカスタムファクトリー「ダムド」でオーダー可能です。
取材・文/野村真帆
写真/高見尊裕
編集/望月 祐(LIG)
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