通勤や通学、お買い物を助けてくれるマイカーは、自分の大切なパートナー! だからこそ、車内を自分の部屋のように、快適でオシャレな空間にしたいと思ったことはありませんか。
でも、いきなりクルマの中を自分好みにデコレーションするのは、ややハードルが高いですよね。そこで、前回に引き続き、100円均一ショップのアイテムを使ったDIYやインテリアに精通し、『なつめさんちの 新しいのになつかしい アンティークな部屋づくり』の著者でもある夏目あや子さんに、車内をオシャレ空間にしてもらいました。
今回のテーマは、イマドキな「くすみピンクで韓国風インテリア空間」。初心者でも真似しやすいテクニックばかりですよ。
▼監修
- 夏目あや子さん
- 不動産会社、設計事務所勤務を経て結婚を機に茨城に移住。一級建築士・宅地建物取引主任者、整理収納アドバイザー1級保持。2009年からブログ「なつめの手仕事日記」を立ち上げ、2014年「なつめさんちの 新しいのになつかしい アンティークな部屋づくり 」(KADOKAWA)を出版。娘3人と夫の5人家族。
- ブログ:「なつめの手仕事日記」https://natsumekan.blog.jp/
目次
韓国風インテリアをテーマに100均グッズで車内をくすみピンクコーディネート
今回、車内をデコレーションしてもらったのは、暮らしに馴染むデザインの軽自動車N-WGN(エヌワゴン)。こちらを「ふだん通勤で運転しているクルマ」という想定で「くすみピンクで韓国風インテリア空間」をテーマに車内デコレーションをしてもらいました。
デコレーションに使用するのは、すべて100均で買えるアイテムばかり。プロの手によって、車内空間はどう変わるのでしょうか?
韓国風アイテム多数! 100均で購入したアイテムをチェック
今回も夏目さんには、ダイソーやセリアなどの100円均一ショップを巡っていただき、税込み5,000円分に収まるようにアイテムを購入してもらいました。
今回も上限5,000円で、税込4,510円分のアイテムが購入できました。いくつかの商品は前回同様、夏目さんのご自宅で加工済みなので量が少なく見えますが、トータルで27種のアイテムが使われています。
今回、ガーリーな雰囲気のピンク、そして旬の”韓国風”インテリア(色味や雰囲気、デザインが韓国風なオシャレインテリアのこと)をテーマに設定。どのようにアイテムを選んだのでしょうか。
「今回は、まず最初にクッション類から決めました。ガーリーな雰囲気にするなら“ふわもこ”は外せないだろうと。そして今回は若い女性に人気の韓国風インテリアということで、強いピンクというよりはくすんだ淡いピンクを選びました。完全に空間の色味を白とピンクに変えてから、小物選びをしています」(夏目さん)
今回のテーマである、“韓国風”インテリアは、白やアイボリーなどの淡い色味と、チューリップなどの造花、ドライフラワーをアクセントとしたナチュラルテイストであることが特徴です。
「今、100均でも韓国風のグッズはたくさん売っています。まさに今回選んだファブリックポスターがそうなのですが、線画で描かれたチューリップや女の子のイラストなどは、韓国風インテリアらしいアイテム。また、インスタグラムを見ても、韓国風インテリアに使われるベージュやグレー、くすみピンクといった淡色系が人気なので、そういった雰囲気を目指しました」(夏目さん)
くすみピンクを基調とした“韓国風”車内インテリアコーディネートは、どのように完成したのでしょうか!? デコレーションの過程を見ていきます。
韓国風インテリアを目指して。100均アイテムで車内デコ
車内の色味は淡色でまとめて。後部座席を色と小物で“韓国風”なピンク空間に
まずは後部座席から取りかかります。用意したクッションは、絵柄入り、モコモコの白&ピンクの全部で3つ。前回の記事で紹介した「濃い色と薄い色、そして1個柄物を入れるとバランスがいい」というテクニックを活用したチョイスとなっています。白の絵柄入り&ピンクのモコモコクッションを置き、さらにグレーのブランケットをさりげなく飾ります。全体的に淡色系でまとめています。
「差し色として、グレーのブランケットを置いた点がポイントです。色味もそうなんですが、さりげなくチューリップ柄なので、韓国風インテリア感が出せるアイテムだと思います」(夏目さん)
さらに、後部座席の床には淡いピンクの折りたたみランドリーBOXを置いて、ちょっとした荷物入れに。実用性もありつつ、インテリアとしての存在感もあります。
「N-ワゴンは足元に凹凸がなくフラットな仕様なので、後部座席の足元にPVCマットという柔らかいプラスチックのマットを敷いてもよかったかもしれません。木目などいろいろな種類があるんですよ。それから、床が平らなので荷物入れも置けそうです。このランドリーボックスは洗濯用の小物なんですが、ピンクと白の2種類があって、マジックテープで繋げることができます。後部座席や助手席に置いて、ちょっとした荷物置きにすると便利ですよ」(夏目さん)
また、既存の100均アイテムをDIYしました。コンパクトなプラスチック製のテーブルに木目のシートを貼り付けています。
「テーブルに箔押しの文字が入っていたので、薄手のシートだと透けそうだと思い、リメイクシートのコーナーに売っている厚手の天然木シートを購入。これを小さいテーブルに貼って、インテリアとして置きたいと考えました。膝の上に置くにはちょっと小さいかもしれませんが、置いておくだけでも雰囲気が出ますよね」(夏目さん)
ヌードクッション×2/クッションカバー/もこもこクッションカバー/ひざかけ/折りたたみランドリーBOX/ミニテーブル/天然木シート/フロアマット×2
後部座席の背面の部分には、ワイヤークリップでシースルーの刺繍入りフリークロスと、線画のチューリップのイラストが入ったファブリックポスターを飾ります。2枚重ねているのがとってもオシャレ!これだけでぐっと韓国風インテリアのイメージに近づきました。
「このファブリックポスターは、元々はカラーボックスの前に飾ってボックスをオシャレに隠すのに使うようなアイテムです。窓の部分につるしてカーテンにしたいなとも思ったんですが、運転中に外したりするのも面倒かなと思ったのでこちらで使用しました」(夏目さん)
さらに造花を使ったデコレーションも。違う種類のいくつかを麻紐でまとめ、運転席の背面に取り付けるだけで空間がぐっと華やかに! 麻紐はもともと造花についていたものを活用しています。
実用的かつ空間の雰囲気作りに大きく貢献したのが、助手席の背面に取り付けたショッピングバッグです。
まず、底の部分に長方形の穴をあけて、ティッシュ箱を逆さまに入れてセット。下からティッシュが取り出せるという工夫が施されています。
「このバッグも韓国風で人気のアイテムです。底やサイドに穴をあければ、ティッシュを取り出すことができます」(夏目さん)
「ティッシュの上にはウェットティッシュや予備のマスクなどを入れておくのもいいですよ。今回はお花の形のフタがついた小物入れも入れました」(夏目さん)
ショッピングバッグの持ち手と小物入れのフタも同じピンク系統なので統一感がありますね。小物入れには、ちょっとしたお菓子などを入れておけそうです。
バッグには「マクラメ」という手編みのかわいらしいアイテムを取り付けて、オシャレさもアップ!
今回は予算内で見つからなかったのですが、これで大きめの鏡があったら後部座席がドレスルームに大変身! お出かけする前に、ここでいろいろセッティングできちゃいますよ」(夏目さん)
もしイメージに合う鏡が見つかったら、ぜひ取り付けて“後部座席ドレスルーム化”を実現してみてくださいね!
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運転席周りは、マスキングテープと造花で華やかに!
後部座席をお部屋化したら、続いて運転席へ。まずはクッションとマットで空間全体の色味を白と淡いピンクに。カラーに加えて“ふわもこ”な素材感があるものをセレクトしています。これだけで一気にガーリーな雰囲気になりました。
ドリンクホルダーには、ドリンクカップ型の加湿器を置きます。冬は暖房をつけると車内が乾燥しがち。保湿しつつ、見た目もかわいらしくて今回のインテリアイメージに合っています。USB充電なので、モバイルバッテリーとつないで車内で使ったり、そのままオフィスに持ち込んでパソコンに差して利用したりすることも可能です。
さらに、助手席の前の物を置けるスペースを、なんとマスキングテープ(マステ)で全面デコレーション!
「マスキングテープなら貼ってはがせるので、ちょっと雰囲気を変えたいときに使えます。リメイクシートのほうが一気に貼れて簡単と思われがちですが、面が大きい分シワになりやすいんですよね。初めてやるならマステのほうが失敗しにくいかなと思います。端のところはカッター等で切ってうまく切って、はみ出ないように貼り付けてください」(夏目さん)
マスキングテープで加工したスペースの上にはベージュのアクセサリートレイを置きます。表面に凹凸のあるマステなので飛び出しにくくなっていますが、滑り出しそうな場合は、前回も使用した滑り止め用の「カミワザテープ」で固定を。その横には造花をセットしました。
「印象も変えられるし華やかになるので、造花は欠かせないですね。この造花は300円商品で、いくつかの花を組み合わせた花束のような状態で販売されているものです。茎の部分が長かったので、ペンチで切って調整しました。ペンチも100均に売っていて、私も愛用しています」(夏目さん)
最後に、18枚入り100円の貼れるタイプのゴミ袋を助手席側の足元に貼り付けます。横文字が入っていて、ゴミ袋とはいえオシャレな雰囲気です。
「クルマのゴミ箱って、あまりたくさん入っている状態もイヤだけど、少なすぎても『まだ捨てるのはもったいない』っていうときがありませんか? このゴミ袋なら、小ぶりで捨てやすいし、貼っておけるので便利かなと思います」(夏目さん)
シフトレバー前のスペースには、小物入れとしてブック型の小箱を置きます。ちょうどハマる大きさで、淡いピンクが今回のテーマにもぴったりです。
こうして、要所要所できちんと実用性も意識しつつ、運転席も完成しました!
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運転の邪魔になるデコレーションはNG! 車内デコレーションで気をつけたいこと
自分で車内をデコレーションするときは、安全に運転するためにも、法令違反にならないよう注意が必要です。
一番大切なのは、前方の視界を遮らないこと。「道路運送車両の保安基準」には、運転者からクルマの前面、左右を直接見ることができるようになっていることが定められています。車内においたものが小さいものでも、それが遮る範囲は意外と広くなるので注意が必要です。
フロントダッシュボードの上にはモノを置かないようデコレーションするのが一番の最適解です。
また、フロントガラスや運転席、助手席の窓ガラスにも何かを貼り付けたりカーテンなどで隠したりしないように気を付けて。ちなみにこれらのガラスに可視光線透過率70%未満の着色フィルムを貼り付けることもNG。不正改造にあたるので気をつけてください。(参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/huseikaizou/h1/h1-2/)
法令に定められている以外でも、デコレーションする際は下記に気をつけましょう。
- バックミラーを遮らないようにする。
- 配置したモノが転がったり飛んだりしないようにする。
アイテムがアクセルやブレーキペダルの下に転がり込むと重大事故の原因に。同様の理由で運転席の床に純正のフロアカーペットマット以外のものを敷くのもおすすめできません。
初心者でも真似しやすい! 簡単テクで車内を自分好みのインテリアに♪
今回ご紹介した車内デコレーションの大きなポイントをまとめました。
・全体の色味を統一
クッションやマットといった大きなアイテムは車内の雰囲気を一気に変えられる。ピンクの中でもくすみカラーを選ぶと韓国風に。ふわもこ素材でガーリー感UP。
・チューリップ柄などのアイテムで韓国風に
くすみカラー以外に、線画のチューリップや女の子のイラストが入ったアイテムは韓国風インテリアらしいアイテム。アクセントにもなるので効果的に取り入れて。
・ショッピングバッグをDIYしてオシャレな実用袋に
ショッピングバッグの底に穴をあけてティッシュ箱を逆さまに入れ、ティッシュが取り出せるように。ウェットティッシュや小物入れをインしておくと便利。
・造花は欠かせないアイテム!
ガーリーな雰囲気をつくるためには造花はマスト。いくつかの造花を麻紐でまとめてぶら下げるだけでも様になる。
最後に、車内をピンク基調の韓国風インテリアに変身させた感想を夏目さんに伺いました。
「ピンクだけどかわいくなり過ぎない、大人女子のインテリアを目指しました。ヘッドレストをふわふわ素材にしたり、足元の平らな部分に木目のシートを敷いたりしてもかわいかったかなと思います。造花は本当に置くだけで雰囲気が変わるので、ぜひ取り入れてみてください」(夏目さん)
くすみピンクがかわいい韓国風インテリアは、ハードルが高そうに見えて意外と初心者でも簡単に取り入れられるコツが満載。夏目さん、すてきな車内デコレーションをありがとうございました!
・100円の商品
水彩バスケット 長角/クシュリア シードスプレー/プチローズ/デルフィニューム/インテリアポット ガーベラ/ミニテーブル/天然木シート/アクセサリー収納トレイ/ワイヤーロープ(アンティーク調)/ヘッドレスト用Wフック/フロアマット×2/ふわふわボアマット×2/もこもこクッションカバー×2/ヌードクッション/クッションカバー/シースルー刺繍フリークロス/ファブリックポスター/ショッピングバッグ/折りたたみランドリーBOX/マスキングテープ レーシーパターン/マクラメ/ブック型Sタイポグラフィー(箱)/ひざかけ/どこでもペタッとゴミ袋
・300円の商品
インテリアブーケ ピオニーラナンキュラス ピンク/ヌードクッション×2
・500円の商品
USB式加湿器
N-WGN
ボディーカラー:プラチナホワイト・パール
純正アクセサリー装着車
文/小林 麻美
写真/栃久保 誠
編集/ミノシマタカコ、TAC企画