
こんにちは! カエライフでは主においしい物をたくさん食べているライター、山口真央と申します。
久しぶりにカエライフさんにお呼ばれしたと思ったら、なにやらカエライフ編集部さんはちょっと神妙な面持ち……?
編集部:山口さーん……僕、ちょっと最近金欠で……。趣味のいろいろを買いすぎちゃったんですよ……。
山口:あらら……そんな私も人のこと言えないんですよね。秋は各所への推し活と、ごはんとビールがはかどっちゃって……。
編集部:推し活はわかるけど、ごはんとビールはやりすぎなんですよ。いつもいつも大盛りとかメガ盛りばっかり頼んで!
山口:だ、だって! 秋は食欲の秋って言うじゃん! 不可抗力だ!!!
編集部:まぁ……ひとまず今日は、お金を使わずに楽しめちゃうドライブを計画してみたんですよ。山口さん、金欠だから興味あるでしょ??
山口:あるある~!! いきた~い!!
編集部:(チョロいな……)
▼書いた人

- 山口 真央(やまぐち まお)
- 群馬県出身 都内在住のフリー編集/ライター。嗜好品と名のつくものはたいてい好きです。おいしいごはんとおいしいおさけを求め、あちこちをうろついている模様。
X:@kmiycan
目次
おなじみのヨーグルトや牛乳はここで作られる!『明治なるほどファクトリー愛知』

この日は名古屋駅で集合。近隣でクルマをお借りし、そのまま田舎道を走らせること約30分。到着したのは乳製品で知らぬ人はいない「明治」さんの愛知工場です!
山口:明治さんの工場に来てみたけど、これって入っていいの?
編集部:こちらの中に入っている「明治なるほどファクトリー愛知」は、事前に予約をすると体験型工場見学ができるらしいんですよ。あっ、こっちかな?

明治:ようこそ! 「明治なるほどファクトリー愛知」へ!
山口:こんにちは~! 工場見学をしたいんですが……。てか、私みたいな大人でもいいんですか?
明治:もちろんです! 事前に予約をしていただければ、大人の方でも大歓迎ですよ!
山口:ちなみに、工場見学って無料って聞いたんですが……!?
明治:はい! 無料でお楽しみいただけます! みなさんに明治の製品がどのように作られているかを知っていただきたいんです~!
編集部:良心的すぎる……。

山口:!? カールおじさん! カールおじさんじゃないか!!
明治:今日は東京からお越しなんですよね? 今「カール」は西日本でしか販売がなくて……。
山口:かなしい~。再販希望します! というか、「カール」って明治さんが作っていたんだ……。

編集部:うわぁ、このあたりは全部知ってる!
山口:この十勝ヨーグルト、濃くておいしいんだよね……。
明治:ありがとうございます(笑)。十勝ヨーグルトは、実は愛知工場ですべて製造しているんですよ!
明治:さて、最初はこちらからご案内します!

山口:ふむふむ、ここで明治工場で作られている製品について学べるんですね。「ブルガリアヨーグルト」に「R-1」……私も日常でお世話になっている製品ばかりだ!
明治:明治ではできるだけ「地産地消」をこころがけていまして、ここ愛知工場で作られた製品はほとんどが東海地方近辺で販売されています。山口さんのお住まいの場所では、また別の工場から出荷されているかもしれませんね。

山口:わかりやすい動画で学んだあとは……うわぁ!? 牛がいる!?
明治:こちらの牛は等身大模型! もしよければこちらを体験してください!

山口:えーっ! 乳しぼり体験ができるようになってる!! 小学校の牧場見学ぶりかなぁ?
編集部:これはうれしい体験。うまく手を使えないとちゃんと絞れないようになってるのもスゴい!
明治:この「なるほどファクトリー」は、小学校の社会科見学などにも使われているのですが、やっぱりここは小学生には大人気ですね(笑)

山口:みてみて~! 「おいしい牛乳」の顔ハメパネルあった~!
編集部:(めっちゃ楽しんでるな)
明治:ではここから先の“工場見学”に行ってみましょうか! まずはエアシャワーをあびてくださいね!

山口:ギャ~~~~!!!!!!!
編集部:すごい勢い。こうやって余計なものを工場内に持ち込まない工夫がされているんですね。
明治:そうなんです……そしてここから先は写真がNG。ごめんなさい!

明治:ここでは実際にレーンを見てもらって、身近な製品がどのように作られているのかを学んでもらっています。
山口:すごい! 「ブルガリアヨーグルト」が次々とレーンを流れていく……! え、「1ラインの製造能力は1時間10,000個」って書いてある!
明治:そんな反応をいただけるのが一番うれしいですね(笑)。これにて工場見学は以上になるのですが……こちら、おみやげです!

山口:えっ、えっ、いいんですか!? 工場見学無料でしたよね!?
明治:もちろんです! ここで作られた「R-1」と、お子さまにも大人気の「ポイフル」を来てくださったみなさんにお渡ししています!
山口:しかも「R-1」はラベルレスだ……「R-1」のイデアってコト……!?
明治:一部販売店やECサイトではお取り扱いがあるんですが、スーパー等ではなかなか見かけないので貴重ですよね(笑)

住所:〒490-1312 愛知県稲沢市平和町下三宅菱池933-1
電話番号:0567-47-1014
営業日:月曜日〜金曜日
休館日:土日祝祭日、年末年始など長期連休あり
見学ツアー所要時間:一般個人・団体:60分
駐車場:あり
入館料:無料
事前予約必須(WEBまたはお電話でご予約)
まるでタイムスリップ!? 380年の歴史をこの目で見られる!『八丁味噌・カクキュー』

山口:明治さんからクルマで約1時間。岡崎市にやってきました。ずいぶん立派な建物だ……。
編集部:こちらは「合資会社八丁味噌」、屋号・カクキューさんの工場ですね。
カクキュー:こんにちは~! おまちしてました~!
山口:よろしくお願いしますー! すごく歴史を感じるたたずまいですね。
カクキュー:ありがとうございます! カクキューの創業は1645年、元号に直すと正保2年までさかのぼります。その当時からずっと、この地で味噌づくりを続けているんですよ。
山口:……380年!? とんでもないことだ……!

カクキュー:この本社事務所と、中にある史料館は国の登録有形文化財に登録されているんです。愛知県では初の登録でした!
山口:工場見学といいつつ、文化財を見に来たというだけで価値があるぞ……!
カクキュー:こちらの工場見学は予約不要ですので、お気軽に立ち寄っていただければと!

カクキュー:では中へどうぞ! こちらが味噌蔵「甲子蔵(きのえねくら)」です! 阪神甲子園球場と同じく、甲子の年・1924年(大正13年)に建てられた蔵です。
山口:大正13年からずっとここにあるってことですか……!? すごすぎる。
カクキュー:外観ももちろんですが、ぜひ中へどうぞ!

山口:うわ~~~~! デッカイ桶!!
編集部:その上に石の山……!
カクキュー:ここは味噌を発酵させる蔵。うちの八丁味噌は、380年間ずっとこの伝統的な作り方を守っています。桶は180年以上使っているものもあるんですよ!
山口:桶ってそんなに使えるんですか……!?
カクキュー:そうなんです。長持ちなんですよね。ただ最近木桶仕込の蔵元が減っているのと一度作った桶は長持ちするので桶の発注が少なく、この大きさの桶を作れる桶屋さんがほどんどいなくなってしまっている状況なんです。応援する意味でも弊社では継続的に木桶を発注するようにしています。
山口:伝統を守るのも大変なんだ。歴史ってすごい!

山口:こちらもまた年季の入った蔵だ……。
カクキュー:こちらは江戸時代に建てられた蔵ですね。
山口:さっきのより古い蔵が現役……?

カクキュー:こちらもぜひ。「大蔵」という蔵で、1907年(明治40年)に完成した蔵を史料館として改装したものです。
山口:もうたたずまいが大河ドラマのそれなんだよな……。ロケ地に来たみたいだ。

カクキュー:「八丁味噌」の名前の由来は、すぐそばにある「岡崎城」から西へ八丁(約870m)の距離にある八丁村(現八丁町)に味噌蔵を建てたことから始まります。
山口:そういえば来るときにカーナビで「八丁町」と調べても出てこなかったんです!「八帖町」はあったんですけど……。
カクキュー:元々「八丁村」の地名から「八丁味噌」の名称が誕生したのですが、明治11年に隣町と合併した時に「八帖町」と字が変わってしまったんです。ただ「八丁味噌」の名の由来である地名を残すことは重要ということで、岡崎市が2022年にこのカクキューとお隣の八丁味噌の敷地のみ「八丁町」へ地名変更してくださったんです。
山口:地名をも変える八丁味噌の知名度!

カクキュー:さきほど「甲子蔵」で見ていただいた木桶の展示もありますよ!
山口:うわ~でっか~い!!! 私の身長は約160センチ、それよりもだいぶありますね。
カクキュー:ちなみにこの桶、当社に残る最古の桶です! 1839年、天保10年製のものですね。
山口:まって、そんな歴史のある桶をこんなに間近で見ていいんですか!?

カクキュー:このほかにも、カクキューの味噌は宮内省にもお届けしていました。「宮内省(宮内庁)御用達」の制度は1954年に廃止されたため、現在はここで当時の看板などを展示しています。
山口:今みたいにSNSもない時代、「宮内省御用達」の看板は見ただけでブランド感がわかるものだったんだろうなぁ。

カクキュー:最後にぜひ、八丁味噌を試食していってください!
山口:工場見学、無料なのにいいんですか……!?
カクキュー::もちろんです! この時期は暑いので冷たいお味噌汁の飲み比べと、味噌田楽の試食をおこなっています!

山口:なんだろうこの芳醇な香り……! スーパーで売ってる味噌と香りが全然違う!
カクキュー:多くの味噌は米麹と大豆、塩で作られるのですが、八丁味噌は豆麹と塩。つまり、原料は大豆と塩だけで作っているんです。シンプルながら複雑な味わいは「カクキューの八丁味噌」ならではだと思っています!

カクキュー:よろしければお土産もどうぞ!!
山口:試食させてもらって感謝なのに、さらにお土産まで!? これは……「八丁味噌のパウダー」?
カクキュー:八丁味噌をパウダー状にしたもので、ごはんにかけるのはもちろん、さまざまなお料理のトッピングとして使っていただけますよ。ちなみに工場を出たところにある売店で、このパウダーを使ったソフトクリームを販売しています。
山口:(……チラッ)
編集部:いいですよ(笑)いただきましょう。

山口:うん……まぁ……!
編集部:甘いソフトクリームとしょっぱい味噌、合いますね……!
山口:これはお土産のパウダーも、いろんなもので試したい!!!
住所:〒444-0925 愛知県岡崎市八丁町69番地
電話番号:0564-21-1355
見学時間:10時~16時
(平日)毎時00分
(土日祝)毎時00分・30分 ※12:30の回は当日店頭にてお確かめください。
お盆と年末年始のご見学はトップページのお知らせをご確認ください。
定員:各回50名
休館日:12月31日、1月1日、1月2日
見学ツアー所要時間:30分
駐車場:あり(駐車台数:バス10台、普通車40台)
入館料:無料
2025年5月にオープンしたばかり! 詰め放題もあるよ!『ブラックサンダー ワクザクファクトリー』

編集部:さて最後は……。山口さん、甘い物は好きですか?
山口:大好きです~! チョコとか永遠に食べられる!
編集部:じゃあ最高の工場かもしれません。さらに東にクルマを走らせ、豊橋へ。『ブラックサンダー ワクザクファクトリー』に到着です!

山口:うわああああ!! デカいブラックサンダーだ!! 夢みたい!!
有楽製菓:こんにちは~! 喜んでいただけてよかったです~!
山口:ブラックサンダー、結構お安く買えるしあのザクザク感でおなかも膨らむし、学生時代はいつも食べてました! あんなに安くていいんですか!?
有楽製菓:みなさんに笑顔になってもらえるように、できるだけコストは押さえたいんです!
山口:企業努力!!!
有楽製菓:ではさっそくこちらへどうぞ!

山口:な、なんだ……!?
有楽製菓:オープニングムービーです~! 湾曲したビジョンで、すごく没入感があるんですよ!
編集部:すごい、まるで自分がブラックサンダーになった気分(どんなムービーなのかは現地に行って確かめてみてね!)
有楽製菓:ありがとうございます(笑)。では次のエリアへ行く前に……こちらへどうぞ!

山口:え~! スタンプラリーがあるんだ!
有楽製菓:スタンプを押しながら、楽しんで工場を回っていただきたくて!
山口:有楽製菓さんのワクワクに対するモチベがすごい。

山口:ではおまちかねの工場……おーっ! ブラックサンダーにはなっていないものたちが!!
有楽製菓:ここはブラックサンダーの成型部分ですね。ブラックサンダーはもともとながーい棒状。これをカットしてブラックサンダーになっているんです。

山口:えっ、毎分864個もブラックサンダーって作られているんですか!?
有楽製菓:そうなんです! 実はブラックサンダー、そのすべてがこの豊橋工場産。たくさん作るための工夫も多くあります!
山口:この後にチョコレートがかけられて、冷やされて……。シンプルだけどこだわりのある工程だ!

山口:うわ~~~! ロボットアームができあがったブラックサンダーをヒョイヒョイつまんでいく!?
有楽製菓:ここは見学に来てくださるみなさんに人気ですね(笑)。この後梱包と出荷作業が待っていますよ!

山口:見てみて~! 「ブラックサンダーの歴史」! 私はこの2014年のパッケージが思い入れあるなぁ!
編集部:こう見ると、マイナーチェンジが都度されているんですね!
有楽製菓:一時期、「一目で義理とわかるチョコ」として話題になったときがあったのですが、そのときは生産が追い付かないほどの人気になってしまって(笑)。今もバレンタインシーズン前は、お問合せをよくいただきます。
山口:ブラックサンダーの面白さもわかったし、そろそろ帰r……
有楽製菓:まってください! ぜひやってほしいことがあるんです!

山口:ふくろ……?
有楽製菓:ぜひ……“ブラックサンダー詰め放題”(1回1,100円)、チャレンジしてみませんか!?
山口:えっ! やる~~~~! やりたい~~~~! 編集部さーん!!!!
編集部:今日は0円旅の予定だったけど……やるっきゃない!!!
有楽製菓:時間は3分! よーい、ドン!!

山口:結構1段目でも頑張ったんじゃない? ……時間あまっちゃったなぁ。
有楽製菓:山口さん! なにやってるんですか! 「持ち上げて倒れなきゃOK」ですよ!!
山口:!?!?!?!?

山口:えっ、さすがにヤバくない? これアウトじゃない!?
有楽製菓:まだいけます! がんばって!

山口:ひぇ!? もうだいぶやってますよ私!?
有楽製菓:大丈夫! 持ち上げて落とさなければ!!
山口:さすがに良心が痛むんですが!?
有楽製菓:はいそこまで~~~! 持ち上げてください~!

有楽製菓:3、2、1……OK! お持ち帰りです~!!!

山口:いいんですか~~~~~~!!!!!!!!!
有楽製菓:いいんですよ~~~~~!!!! みなさんに笑顔になってほしいんです~~~~~!!!!!!
住所:〒441-3111 愛知県豊橋市原町蔵社88
営業時間:10時~17時(SHOPのみ)
定休日:年末年始、お盆期間
見学エリア所要時間:30分〜1時間
駐車場:あり(9時30分〜17時まで)
入館料:無料
※見学通路は完全予約制(毎月15日正午の次月1ヶ月分の予約開始)、ワクザクショップのみのお立ち寄りは予約不要。
おわりに~みんなやりすぎだよ~

山口:……今回の旅、さすがにすごすぎませんか?
編集部:ちょっと僕も想像以上でした。しかも入場無料、お土産もアリ……詰め放題に至っては元が取れすぎてますよね。
山口:大人になるとなかなかこういった工場に入れる機会もないですし、いい「大人の工場見学」だったなぁ! また地域を変えてやりたいですね!
今回のクルマについて

今回は都内から新幹線で名古屋駅に向かい、名古屋駅近辺でクルマを手配するという方針で進めました! 使ったのはHondaのカーシェアスタイルレンタカー「EveryGo」。平日は15分200円~使える、使い勝手のよいカーシェアです。

カーシェアサービスって、都心のターミナル駅近辺にしかないんじゃないの? と思っていたのですが、あなどるなかれ、名古屋駅近辺にもステーションがこんなに!

さらにクルマの手配からキーの開錠・施錠までスマホアプリで完結! 慣れない地でもラクラク使えるのがうれしいところでした。
みなさんも目的地の近くでクルマを調達したいとき、Hondaのカーシェアスタイルレンタカー「EveryGo」を使ってみてはいかがですか? 登録や月会費はかかりません! おトクなドライブ生活、ぜひ試してみてください!
文/山口真央
写真/KEI KATO(ヒャクマンボルト)