
漫才コンビ「囲碁将棋」のツッコミ担当として活躍している根建太一さん。昨年の「THE SECOND2025」では準優勝に輝き、今年は優勝候補の筆頭格として注目を集めています。日頃から大の「シビックタイプR」好きを公言する根建さんだけに、優勝を果たした暁には――。賞レースに賭ける想いと、タイプR愛を語っていただきました。

- 根建太一さん
- 神奈川県横浜市出身。芸人。お笑いコンビ「囲碁将棋」のツッコミ担当として、大宮ラクーンよしもと劇場でのライブを中心に活動中。東海大学工学部在籍時代に自動車工学を専攻し、無類の「シビックタイプR」ファンとして知られている。
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目次
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周囲の影響でクルマに興味を持ち始めた大学時代

「NSXタイプR」、「インテグラ タイプR」に続くタイプRシリーズ第3弾として、1997年に登場した「シビックタイプR」(以下、タイプR)。根建さんの熱烈なタイプR愛は、ファンにはすっかりお馴染みです。しかし、昔からのカーマニアなのかというと、実はそうではありません。きっかけは大学時代に遡ります。
「僕は東海大学の工学部を出ているのですが、航空宇宙とか電気電子とか様々な専攻がある中で、唯一入れてもらえたのが自動車工学だったんです。それまでクルマに関心を持ったこともなく、完全に知識0からのスタートだったものの、まわりが筋金入りのクルマ好きばかりだったおかげで自然と影響を受けました」
いわば周囲から刷り込まれるかたちで、クルマへの好奇心と知識が植え付けられていったと振り返る根建さん。さらに大学時代にはもうひとつ、興味にブーストをかける出合いがありました。

「僕の大学時代は『頭文字(イニシャル)D』という漫画がめちゃめちゃ流行っていて、毎週夢中になって読んでいました。そのうち、走り屋仕様のクルマを見て“かっけー!”と感じるようになり、いつしか作中にも登場しているシビックのタイプRに憧れるようになったんです」
ご存知の人も多いと思いますが、『頭文字(イニシャル)D』とは峠道でスピードを競う走り屋たちの物語。90年代半ばから約20年にわたって絶大な人気を博し、多くのファンを生みました。根建さんの青春時代を彩った作品と言えます。

やがて就職活動の時期を迎え、周囲が当然のように自動車関連の企業に内定を決めていく中、根建さんも進路の決断を迫られます。しかし、胸中には大きな迷いがありました。
「皆、子どもの頃からクルマのメカニックな部分に関心を持っていた連中ばかりでしたから、僕はどうしても見劣りしてしまうんですよね。平たく言えば、勉強にまったくついていけていなかった。だから自分には自動車産業なんてとうてい無理だと思い、まったく関係ない小売業に目星をつけていました。そんな中、いまの相方である文田(大介)に『一緒にお笑いをやらないか』と誘われたんです」

これが、運命の分かれ道。高校時代のクラスメイトだった文田さんの呼びかけで、「そもそも小売業にもさほど興味があるわけではないことに気が付きました(笑)」という根建さんは、NSC(吉本総合芸能学院)東京校に9期生として入学。高校時代に2人が在籍していた囲碁将棋部からコンビ名を命名し、2004年から活動をスタートします。
シビックタイプRみたいな芸人になりたい!

ところで、多種多様なクルマが存在する中で、とりわけタイプRに惹かれたのはなぜか? 根建さんはその理由について、「見た目は普通なのに、実は速いところがいいんです」と笑います。
「Honda車でいえば、そりゃあ『NSX』にだって憧れはありますよ。でも、あからさまなスポーツカーは、気後れというかちょっと敬遠してしまうんです。根がひねくれ者だからですかね(笑)。その点、タイプRは一見いかにも速いクルマには見えないのに、実はすごいポテンシャルを持っています。そういう、“見た目によらない実力派”みたいなのにとても憧れがあるんです」

実はこれは、コンビとしての芸風にも通じているのではないでしょうか。「見た目が普通で、とくに華もない」というのが自己評価なのだそうですが、いざ舞台に立てば同業者も一目置くハイクオリティな漫才を披露する囲碁将棋の2人は、まさにタイプRのよう。

「いやホント、僕らはタイプRのような芸人になりたいんですよ! 実力や実績の面ではまだまだですけど、だからこそ今年の『THE SECOND』は絶対に優勝しなければならないですよね」
タイプRの実車を前に、あらためてそう必勝を期す根建さんなのでした。

新旧タイプRとご対面! 根建さんのお好みは一体どちら?
さて、ここでいよいよ、根建さんにタイプRとご対面いただきましょう。車両を用意した場所へとご案内しました。



「うわあ、これはヤバいっすね! テンション爆上がりっすよ!」
新旧2台のタイプRを前にして、まるで子どものように目を輝かせる根建さん。鼻息荒く、2台の周囲を何度もぐるぐるまわりながら、フロントからリアまでしばし舐めるように観察します。
ちなみに根建さんが真っ先に反応したのは、FD2型のホイール部分です。「これこれ、この赤いディスクブレーキがめちゃめちゃカッコいいんですよ!」と大喜び。

10分ほどしてようやく少し気を落ち着かせた根建さんに、それぞれのタイプRについての感想を聞いてみました。
「これね、もうどっちがどうとかじゃなくて、マジでどっちもいいんですよ。さすがに目移りしますね。昔からずっと憧れていたのはまさにこの3代目FD2型で、いま見てもやっぱり無骨でカッコいいなと思います。それにしても、こんなに綺麗な状態で残っているものなんですねえ」

一方、2022年に登場した7代目FL5型は、注文が殺到したことで一時期、受注をストップしていましたが、昨年9月に再開。ファンを歓喜させました。
「いいですよね、この網目の面構えが。あと、もし自分で購入するなら他のカラーをイメージしていたのですが、ホワイトもすごくいいですね。要所要所に差し込まれている赤いアクセントが、めちゃめちゃクールじゃないですか。ほら、やっぱりこのディスクブレーキが抜群に映えてますよ!」

また、根建さんが注目したのが、ドライブモードスイッチ。最新型のタイプRでは、「SPORT」、「COMFORT」、そして「+R」の3つの走行モードが用意されています。
「この『+R』って、レスポンスが直に返ってくる、いわゆる“走る”ための設定ですよね? 現代の技術をもって最大限に興奮させてくれるこういう仕様がまた、心憎いんですよね(笑)」
なお、7代目FL5型ではこの3つの走行モードのほか、それぞれの特性を自由に組み合わせることができる「INDIVIDUAL」も。シチュエーションや好みに合わせた設定が可能です。
新旧を何度も見比べながら、にやけ顔が止まらない根建さん。旧型には古き良き思い出を、新型には洗練性と機能美を見いだしながら、最終的には「うーん。でもやっぱ、いま乗るなら新しいほうですよねえ」と、1人で納得している様子でした。

このあと、実際に新型タイプRに乗っていただきましたが、その模様は後編で!
目指せ「THE SECOND」優勝! 気になる賞金の使い道は?
こうなると、根建さんには是が非でも夢を叶えてタイプRに乗っていただきたいもの。そこで気になるのが、今年の「THE SECOND 2026」の行方です。
「もちろん、今年の『THE SECOND』も出ますよ! というか僕らの場合、去年のエンディングで文田が『来年も出ます』と言っちゃってるので、出ざるを得ないですよ(笑)。いまはまだ、劇場でネタをいろいろ試している最中で、本番の2カ月前くらいから絞り込んで、精度を上げていくのがいつものパターンです」

とにかく「ネタで評価されたい」という強い想いを感じさせるのも、囲碁将棋の特徴。賞レースという舞台は、漫才師として生きていることを実感できる、最高の機会なのだと語ります。
「だからM-1のラストイヤーを終えて、『THE SECOND』ができるまでの4年間はしんどかったですね。明確な目標がないままネタを磨き続けている感じで、どこを目指せばいいのかわからかったので。あの頃に比べるといまは本当に幸せですよ」
決勝では囲碁将棋を推す声も多かった昨年の「THE SECOND」。だからこそ今年こそ……の想いは、当人もことのほか強いはず。

「本当のことを言うと、僕らは名誉や賞金じゃなくて、ただ賞レースに優勝するという経験をしてみたいだけなんです。なにしろまだ経験したことがないので、“優勝したらお客さんの反応がどう変わるのかな”とか、“生活にどんな影響があるんだろう”とか、それを確認したいだけで。もしかすると、バラ色ではなくかえって苦しい日々が待っているのかもしれないし、そういうのを含めて経験してみたいんです」
名誉やお金はあとから付いてくるもの――。大会を前に自然体を崩さない根建さんですが。
「でも、もし優勝したら……。やっぱりタイプR、欲しいっすよね(笑)。移動手段としてのクルマではなく、あくまで自分のためのクルマとして。勝ち取ったお金で自分へのご褒美を買えたら、本当に最高ですよ」

現在の足は、「父に借りている」というワゴンR。劇場へ向かう際には、助手席に相方の文田さんを乗せることも多いとか。
「だから僕がタイプRを買ったら、たぶん最初に助手席に乗せるのは文田だと思うんですよ。ちょっと癪だけど(笑)、相方なのでしょうがないですね」
果たして、根建さんはそんな生活を現実のものにできるのか。「THE SECOND 2026」の予選が、まもなく始まります。
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文/友清 哲
写真/宮越 孝政
スタイリスト/関 敏明