完成しないから面白い! 人気YouTuberの終わりなき車中泊DIY

車内でコーヒータイムを楽しむまるみさん

Honda ステップワゴンでの車中泊を楽しむまるみさん。ものづくりが大好き! と、車中泊仕様へのDIYも、プロセス自体を楽しんでいます。内装にはこだわるけれど、適度にゆるく、多少のズレはご愛嬌。「やってみて、ダメだったらまた作ろう」とテンポよくDIYを進めていくまるみさんに、車内カスタムのポイントを聞きました。

まるみさん

まるみさん
愛知県在住。2020年にソロキャンプを始め、その後、車中泊へ目覚める。ものづくり好きが高じて、キャンドルアーティストとしても活躍中。車中泊仕様へカスタムしたDIYの様子や、車内で過ごす自分時間を発信するYouTubeチャンネル「まるみのキャンプと車中泊 Marumi’s camp」は、チャンネル登録者数11万人超。
Instagram:@marumi3marui
YouTube:まるみのキャンプと車中泊 Marumi's camp

目次

 

先立つものは寝床から。手を動かしながら考えるDIY

快適な乗り心地と、広々とした車内空間――。その両方を兼ねたステップワゴンを相棒に、ぶらり気ままな車中泊を楽しんでいるまるみさん。

「3列目シートを収納すればフラットな車内空間が作れて、天井が高く過ごしやすいのがお気に入り。5代目ステップワゴンだけに登場した“わくわくゲート”も、車中泊には欠かせません」

わくわくゲートから出入りするまるみさん

玄関のように愛らしい“わくわくゲート”。車中泊では、基本的にここから出入りしている

2020年に初めてソロキャンプでテント泊を経験し、“こぢんまり空間で眠る、非日常感”をもっと味わいたいと車中泊にハマっていきました

もともと家の自室をDIYで改装するなど、ものづくりが大好き。車中泊仕様へのカスタムDIYも、「構想をカタチにしていくプロセスが面白い!」と話します。

まるみさんの一貫したものづくりのスタンスは、「やってみてダメなら、また変えればいい」。設計図は描きますが、作りながら調整し、しばらく使ってみて不具合が出てきたら都度、改善を加えていきます。心地よいテンポでジグソー(電動のこぎり)やドリルを使ってDIYを進めていく姿は、YouTubeチャンネルでも見ていて清々しいほどです。

車中泊に欠かせないベッド台は、2列目シートを倒した高さに合わせてイレクターパイプで作り、マットはウレタンと板で作成。マット2枚がズレることがないよう、ベッド台にカチッと固定するジョイントを付けました。

お手製のベッドマットを設置するまるみさん

これで横幅120cmのベッドになる。セミダブルと同じ大きさ

イレクターパイプにマットのジョイントをはめている様子

イレクターパイプとマットを固定するジョイントを付けることで、ズレることはない

ベッドマットのカバーを装着するために、裏面には無造作にホッチキスで付けた跡が

「マットの裏側を見ると、雑に作ったのがバレちゃいますね」とあっけらかんと笑う

2列目シートは“フルフラット”にはならないので、ヘッドレストや発泡スチロールなどを凹凸部分に入れて、マットが重さでしなることがないように工夫しました。

ベッドマットの下に入れられたヘッドレストと発泡スチロール

心地悪かったらあとで改良しようかなと思っていたが、寝心地は申し分ないそう

3列目シートに自作マットを敷けば、長さ170cmのベッドが完成。

3列目シートにマットを敷いているまるみさん

ステップワゴンは3列目シートが床下に収納できる仕様なのも、車内空間を広く使えるポイントだったと話す

車内ベッドで眠るまるみさん

身長160cmのまるみさんが寝転んでも、奥行きにはまだまだ余裕が

脚を伸ばして寝ても十分な広さで、3列目シートの背もたれ分の長さが余っているほどです。「この車内空間の広さが、ステップワゴンの魅力です」というのも納得です。

普段はクッションとして使用しているカバーの中には、寝袋やブランケットが隠れていました。

寝袋やブランケットはクッションカバーに入れている

寒さに応じて、寝袋やブランケット、電気毛布を重ねかけしているそう

こうしておけば、収納せずとも車内をすっきり見せられると話します。

 

車内で非日常を味わうために。ダイニング設備を完備

せっかく車中泊旅をするなら、「車内で料理と食事をする“非日常”を楽しみたい」と考えたまるみさん。車内で手洗いや調理が完結できるようにと、アカシアの木材でシンクの棚を作りました。

よく見ると少し傾いているシンクの棚

よく見ると微妙に傾いているシンクの棚。「問題なく使えるから、これで良し」というゆるさもまた、まるみさんの魅力!

「アカシアの木は丈夫でかわいくて、経年変化を楽しめる木材。この色合いを目立たせたくて、棚は淡く、主張しないベージュの色味を選びました。けっこう値段は張りましたが、板に色を塗ったり加工したりするよりも、キレイに仕上がります。棚の見た目が車内の雰囲気を決めると思って、奮発しちゃいました」

自動水栓から水を汲むまるみさん

「水場は賛否両論ありますが、車内で調理も歯磨きも完結できるので便利です」

シンク下には、突っ張り棒にかけられた手拭きタオルが。水タンクの目隠しにも最適な上、何かとタオルがあると便利だそうです。

シンク下のスペースに突っ張り棒でかけられた手拭きタオル

シンクすぐ下に設置されているので、動線的にも全く無駄がない

シンク下に設置された給水、排水タンク

タオルをめくると、給排水タンクがお目見え。実用性を兼ね備えたさりげない設計が光る

車内には冷蔵庫も完備

その隣には冷蔵庫も。ぴったりすぎる設計だったようで「出すときは大変」と笑う

ベッド横にあるのは、電子レンジやポータブル電源、収納ボックスがぴったり収まった手作りの棚。ベッドマットを置くと、棚の中のものが滑り出してこないような“ちょうどよいストッパー”になってくれているそうです。

棚にぴったり収まっている電子レンジたち

電子レンジとポータブル電源と収納ボックスがシンデレラフィットしている棚

調理や食事のときには、ベッドマットに座り、シンク棚にテーブルを設置します。テーブルは、寝るときに邪魔にならないように収納可能なものを設計。キャンピングカーではよく使われている、「RVテーブルレール」によって、テーブル台を“引っかける”ことができます。

シンクの棚に付けたRVレールにテーブルを引っかけている様子

キャンピングカーのYouTube動画を見て、RVテーブルレールの存在を知ったそう。「これなら省スペースで車内空間を有効活用できる」と考えた

RVテーブルの脚を伸ばしている様子

テーブルの脚には、高さも調整できるRVテーブル脚(ブラケット)を装着

「木のぬくもりが感じられる車内にしたいと、このテーブルの木材もアカシアの木で統一しました」

車内でコーヒーをドリップ中のまるみさん

このテーブルの上で味わうコーヒーや料理が非日常の時間を演出してくれる

 

女性一人の車中泊。安全&安心最優先で選んだアイテム

安心して一晩を過ごす上で、欠かせないのがプライバシーをしっかり守ること。そこで、まるみさんがこだわって選んだアイテムが、クルマ用の目隠し「プライバシーサンシェード」です。

カーテンは運転中に周囲を確認する際に視界の邪魔になるかな、と思いました。運転は決して得意ではないので、少しでも気になるところはなくしたかったんです」

ステップワゴン用に作られたプライバシーサンシェードは、すべての窓をぴったりカバー。視界を完璧に遮ってくれるので、夜も安心して過ごせます。

「夜、目隠しがなく車内を明るくしていれば、外から中の様子はものすごくよく見えます。以前は“丸見え”なことに気づかずに過ごしていて、いざ外から車内を見て衝撃を受けました。車中泊旅ではサービスエリアで仮眠することも多いので、セキュリティ面にはとくに気を遣っています

付け外しもラクチンな「プライバシーサンシェード」

吸盤タイプで付け外しもラクチンな「プライバシーサンシェード」

暗くなった車内で活躍するのが、100円ショップで購入したというテープライトです。面ファスナーを付ければ、車内の壁面に直接貼ることができます

「以前はランタンを使っていました。でも、車内で料理をしたりご飯を食べたりするときは、車内全体が明るいほうがいいな、と思っていました。いいアイテムはないかと探していたときに出合ったのがテープライト! 私のものはシンプルに、オン・オフ機能しかありませんが、調光機能のあるテープライトもあるようですよ」

車内全体を明るくしてくれるテープライト

車内全体を明るくしてくれるテープライト。USB-Aによる給電で電力消費も微々たるものだそう

さらに車内で過ごす一人時間をより充実させようと、導入したアイテムがプロジェクターです。「クルマの中を映画館にしたい」と、手作りのプロジェクタースクリーンを突っ張り棒に通して、バックドア部分に設置できるようにしました。

手作りのプロジェクタースクリーン

「少し小さめなんですが、それもまたご愛嬌(笑)」

金属製のフックに突っ張り棒を引っかけている様子

丸みを帯びている車内の壁面に、突っ張り棒は使えない。そこで、金属製のフックを継ぎ目に挟み込み、突っ張りが効くように工夫

車内に設置したプロジェクター&スクリーンで動画を見るまるみさん

車中泊旅では、実際に映画や動画などを見ることが多いのだそう

「家にいるときは、どうしても“やるべきこと”が目に入ってしまいせわしなく動いてしまいます。でも車中泊では、ゆっくりする以外にやることがない。あえて暇を作りに行って、リラックスできるのが、車中泊の良さだなと思っています

 

完成度は80%。いつまでもDIYを楽しんでいきたい

車内で過ごしていると、「ここをもっと変えたいな」とアイデアがどんどん出てくるというまるみさん。今は収納の少なさに課題を感じているそうで、収納スペースをどう作ろうかを構想中なのだとか。また、家で一緒に暮らす2匹の愛犬とも、いつか車中泊旅に出かけたいと考えています。

「犬たちは小さな隙間に足をとられたり、つまずいたりするので、犬の脚のサイズに合わせてもう少し緻密な設計にしなくてはいけません。でも、『これで完成!』とカスタムが終わってしまったら、すぐに飽きちゃうかもしれない。その都度、必要なもの、使いたいものを採用していきながら、作ることそのものを、まだまだ楽しんでいきたいです」

愛車ステップワゴンと一緒に写るまるみさん

「来年には内装レイアウトがガラッと変わっている可能性もありますよ!」と、DIYへの飽くなき探求心を宣言してくれた

まるみさんの、“終わらないDIY”は、今後どう変化していくのか。YouTubeチャンネルでのこれからの発信に、ますます注目です。

前編はこちら

 

文/田中 瑠子
写真/やまひらく
編集/くらしさ(TAC企画)
撮影協力/Vi-again Village