Hondaが誇るスーパーカー「NSX」でキャンプは行けるのか!? 検証してみた

Hondaが誇るスーパーカー「NSX」でキャンプは行けるのか!? 検証してみた アイキャッチ画像

クルマでキャンプに行く際、向いている車種があるのはご存知ですよね。荷物をたくさん積むことが目的ならミニバン。悪路があるならSUV。しかしそれ以外の車種ではキャンプに行けないということはなく、なんならスーパースーパーカーでもキャンプはできます! Hondaの究極のスーパースーパーカー、NSXでも可能なんです!

目次

NSXでキャンプはできるのか?

2月某日。筆者・みーこパパの元に、あるキャンプ企画の相談が入りました。

編集部アイコン

編集部
スーパーカーでキャンプはできるか、という企画があるのですが……

みーこパパアイコン

みーこパパ
(なるほど、ガイド的な記事かな?)たまにキャンプ場でもスーパーカー見かけますし、良いですね!

編集部アイコン

編集部
そのスーパーカーは、NSXなんですが……

みーこパパアイコン

みーこパパ
……NSXって、あのNSXですか?

編集部アイコン

編集部
そのNSXです!

みーこパパアイコン

みーこパパ
どのNSXだよ! というツッコミはおいといて、それは見た事がないです。道でもほとんど見かけませんし……

編集部アイコン

編集部
NSXでキャンプ、できますかね?

みーこパパアイコン

みーこパパ
できるかどうかで言えば、できると思いますが。……やっちゃダメじゃないかとも思うんですけど

編集部アイコン

編集部
え~っ。ダメな理由はなんですか?

みーこパパアイコン

みーこパパ
クルマの価値が高すぎるかな、と……。キャンプに行くと、ほぼ必ず土や砂でクルマが汚れますよ? 他にも子どものボール遊び、シャボン玉、焚き火の火の粉といった周辺からの攻撃……。樹液や虫がボディーに付いてなかなか取れないのも、嫌ですよね? なんと言っても、あのNSXですよ?

編集部アイコン

編集部
あ~! その辺はOKです!

みーこパパアイコン

みーこパパ
(いいんだ……)大丈夫なんですね、それはよかった! じゃあ喜んでやりましょう!! せっかくですし、クルマにくわしい人も連れて行っちゃおうかな
▼検証した人
車にくわしい人 木谷宗義さん
クルマにくわしい人 木谷宗義さん
自動車編集者/自動車コラムニスト。
キャンプ企画を提案してみるも、自身はキャンプ経験皆無で本当に大丈夫なのかドキドキで当日を迎える(NSXに乗るのもこの日が初めて)。
キャンプにくわしい人 みーこパパ
キャンプにくわしい人 みーこパパ
キャンプ歴は数えるのをやめてしまったが大体20年ぐらい。キャンプライターのほか、キャンプインストラクターとして活動。NSXはグランツーリスモで乗ったことがある程度で、実車は初体験。

NSXで実際にキャンプを楽しむ

スーパーカーの中でも極まった存在と言える、Honda NSX。キャンプに行く時に注意すべきこととしては、おおよそ以下の3つです。

  • ルートに悪路や段差が少ないか確認する
  • クルマで乗り入れられるオートキャンプ場に行く
  • コンパクトなキャンプ道具をえらぶ

その理由について補足します。

ルートに悪路や段差が少ないか確認する

キャンプ場に行くまでのルートが、きちんと舗装されているか。道幅や傾斜などが厳しくないか。訪問先のキャンプ場の口コミやネット情報を調べて、キャンプ場の予約を取る時にも電話で確認してみましょう。

みーこパパアイコン

みーこパパ
NSXに限らず、車高の低いクルマや牽引キャンピングトレーラーなんかに乗っている方は必須ですね

千葉県山武市の「有野実苑オートキャンプ場」にNSXで入場

千葉県山武市の「有野実苑オートキャンプ場」。キャンプ場の入り口までは舗装路で、最低地上高が低いNSXでも余裕です。

有野実苑オートキャンプ場内の通路は細かい砂利敷きですが段差や穴などもなくNSXでも普通に走れます

有野実苑オートキャンプ場内の通路は、細かい砂利敷きですが段差や穴などもなく普通に走れます

木谷さんアイコン

木谷さん
パワフルなスーパーカーで砂利道を走るときは、雑なアクセル操作をせず優しい運転を心がけてください。キャンプ場内は小さいお子さんが飛び出すこともあるので、最徐行で通行しましょう。NSXはEV走行になる「Quietモード」にしておけば、静かに入っていけるのがいいですね(無事について一安心……)
クルマで乗り入れられるオートキャンプ場に行く

有野実苑のオートキャンプサイトはフラット

有野実苑オートキャンプ場のオートキャンプサイトの地面は、段差もなくフラット。雨が降っても水はけが良く、ぬかるみになりにくいです。

みーこパパアイコン

みーこパパ
キャンプ場によってはサイトにクルマを乗り入れられず、離れた駐車場に停めなくてはいけないことがあります。NSXを目の届かない位置に停めてしまっては、落ち着いてキャンプを楽しめませんよね? クルマが乗り入れられるオートキャンプ場を選ぶのがマストでしょう!
コンパクトなキャンプ道具を選ぶ

NSXのトランクルーム

NSXのトランク容量は、決して大きくありません。荷物はコンパクトさを重視して選びます。

今回のNSXキャンプで準備したキャンプ用具

今回のキャンプ道具。

・テント
・タープ
・タープポール
・ペグセット
・グランドシート×2
・マット
・寝袋
・チェア×2
・テーブル
・クーラーバッグ
・LEDランタン
・ポータブル電源
・クッカーセット
・やかん
・焚き火台
・焚き火道具一式(ナイフ、着火剤、耐熱手袋、火ばさみ、火吹き棒、灰捨て袋)
・調理道具一式(折りたたみ包丁、まな板、調味料、カトラリー、おたま、しゃもじ)
・小物一式(ライト、ガスバーナー、ガスボンベ、風防、ライター、ゴミ袋)

みーこパパアイコン

みーこパパ
今回はバイクでツーリングキャンプに行く時の装備を基準に選びました。登山用品もコンパクトなものが多いので、おすすめです

テントや焚き火台などサイズが大きなものは、キャンプ場のレンタル品を利用するのも良いですね。キャンプ道具には含まれない衣類や防寒具などは、かさばります。着替えが多い方はご検討ください。

NSXのトランクルームは意外と横に広い

ラゲッジの左右両サイド、タイヤハウスの後ろのくぼみも利用して積み込みます。寝袋やタープなど、円柱型で柔らかいものが積みやすいです。

NSXのトランクルームにはネットが付いていて小物が入れられる

ラゲッジにネットが付いていました。小物はここに入れておいても良いですね。今回は夜間使うと便利なヘッドライトを入れておきました。

CAMP道具を入れたらNSXのトランクルームはパンパンに

先ほどのキャンプ道具が、すべてぴったり収まりました!

買い出しに使うクーラーバッグは、ラゲッジの一番取り出しやすい位置に。ポータブル電源やLEDランタンは、移動時に振動で壊れないようグランドシートを挟んで揺れ止めをしています。

テントなど、「到着してすぐに使うもの」は、なるべく上に積むようにするのが理想です。ただし今回は積載量がギリギリで、そこまで考慮できませんでした

木谷さんアイコン

木谷さん
リアにエンジンを搭載するNSXのラゲッジ内は、エンジンの熱の影響を受ける可能性があるので、食材を入れる位置には注意が必要です。室内に荷物を置くスペースはないので、効率よくラゲッジを使いたいですね(みーこパパさんの積み方、完璧すぎません?)

みーこパパアイコン

みーこパパ
通常冷やさないような食材も、クーラーバッグに入れた方が良さそうですね。(ふふん、そうでしょう)

実際にキャンプをする流れ

買い出し

まずは買い出し!NSXでスーパーカスミに到着

キャンプ場に行く前に、スーパーマーケットに寄って食材を購入。有野実苑オートキャンプ場から10分ほどの距離にある、カスミ八街朝日店にお邪魔しました。駐車場が広いので、車幅が大きいNSXでもラクラク。

木谷さんアイコン

木谷さん
最小回転半径は5.9mで大型のセダンと変わらないので、取り回しは意外と良好。とはいえ、後ろが見えにくいので、バックでの駐車は気を使いますね(はじっこが空いててよかった)

カスミの入口は段差がなくNSXに優しい

駐車場の出入り口には段差がなく、スーパーカーでも安心。

NSXドライブではじゃぐ大人2人 木谷さんとみーこパパ

憧れのNSXに乗ってうれしそうなおじさんたち。キャンプ場へ向かいましょう!

キャンプ場到着

千葉県山武市「有野実苑オートキャンプ場」にNSXで到着

キャンプ場で受付を済ませ、予約していたサイトに向かいます。受付の時など、エンジンは切りましょう。移動の時以外、基本的にエンジンは切ったままです。

みーこパパアイコン

みーこパパ
排気ガスにアブなどが寄ってきてしまうので、アイドリングをして得になることはないです

木谷さんアイコン

木谷さん
出入りをするとき、Quietモードは本当に助かりますね(まわりの視線を集めなくて済むし……)

キャンプサイトに着いてからはまず荷物の取り出し

キャンプサイトに着きました。通常はテントやタープの設営ですが、今回はまず荷物の確認。

クーラーバックには先ほどスーパーで買い物した食材

スーパーで購入したのは、簡単にレトルト食品中心のメニューです。地元の房総ポークカレー、地場産のお米、ウインナー、水を購入。

みーこパパアイコン

みーこパパ
たとえレトルトでも、地のものを食べると美味い。キャンプ成功の方程式です
テントとタープを設営

キャンプ場に到着した後、さっそく設営をするみーこパパ

まずは日除けと雨除けになる屋根、タープを設営。3mサイズの、ogawaシステムタープペンタという商品。

もし焚き火をしたい時は、クルマとテントからは十分に離れた位置で行う必要があります。タープを設営する時点で、どこで焚き火をするか考えておきましょう。

タープ、テントを設営するみーこパパと木谷さん

続けてテントも設営。ツーリング向きのキャンプ道具は1人でも建てられるように設計されていますので、2人で協力してやればあっという間です。

設営が完了して記念撮影するみーこパパと木谷さんとNSX

テントとタープが設営できました! もし雨が降ってもテント内に濡れずに出入りできるよう、連結して張っています。

みーこパパアイコン

みーこパパ
のテントはある程度の荷物が置ける前室スペースがあるので、天気が良ければタープなしでも快適です

木谷さんアイコン

木谷さん
クルマの横にテントがあるだけでも、ワクワクしますね。こんなに大きなテントやタープがNSXに入っていたというのも驚きです(一番の驚きはみーこパパさんの設営の手際のよさだけど)
キャンプ場で何して過ごす?

設営後はご飯の準備!まずはお米を

続きまして、食事の準備をします。まずはお米を、目盛りが付いたシエラカップで軽量。米1合は180mlです。

次は水を注いで...

水も同様に、シエラカップで軽量。米1合に対して、200mlぐらいが目安。

蓋をしてお米に水を吸わせる

今回は研ぐ必要がない無洗米を使いました。お米を水に漬けて、30分以上おいておきます。これをしないと、米に芯が残って硬くなります。気温が低い冬は、ちょっと長めに50分ぐらい漬けると間違いありません。

米が水を吸うのを待っている間に談笑するみーこパパと木谷さん

米が水を吸うのを待っている間に、チェアをセットしたり、テント内にマットを敷いたり、寝袋を出したりしていましょう。作業せずに愛車と自然を眺めながら、一杯引っかけるも良し。30分なんてあっという間です。

ご飯を待っている間に仕事する木谷さん

ポータブル電源にパソコンを繋いで、お仕事を片付ける木谷さん。ワーケーションとキャンプ場の相性はとても良いです。

木谷さんアイコン

木谷さん
普段、オフィスにこもりっきりなので、この開放感は気持ちがいいですね。めちゃめちゃリラックスできます(結局、仕事しているというのは置いといて)

みーこパパアイコン

みーこパパ
もう移動せず泊まるだけでしたら、明るいうちからお酒飲んじゃうこともあります

お米の炊き方を木谷さんに説明するみーこパパ

お米のクッカーでの炊飯方法は、以下の通りです。

  1. 鍋を火にかけて沸騰させる
  2. 沸騰したら弱火にする
  3. パチパチと音がするか、焦げたような匂いがしてきたら火を止める
  4. 10分前後蒸らしてできあがり

やったことが無い人は自宅で練習できますし、湯煎するパックごはんを使っても良いですよ。

レトルトカレーをやかんで湯煎する

米を蒸らしている10分の待ち時間に、並行してレトルトカレーをやかんで温めます。

スーパーで買ったソーセージをボイル

同時にウインナーもクッカーに付属のフライパンでボイルして、10分後に全てが同時に完成。

炊き上がったご飯の蓋を開けて喜ぶおじさん2人

お米の炊きあがりも上々。

おこげもいい感じ

多少のおこげができるのも、キャンプならでは。黒く焦げていなければ、十分食べられます。

完成したカレーライスwithソーセージ

お米の吸水時間を入れなければ、20分ほどで割と贅沢な食事ができてしまいました。

完成したカレーライスを食べながら談笑するみーこパパと木谷さん

みーこパパアイコン

みーこパパ
かっこいいクルマを眺めながら、自然の中での食事。美味さが3割増しますね

木谷さんアイコン

木谷さん
ホントに! 景色と風と匂いと、五感で感じて食べるって最高です(ちょっと高いレトルトカレー買ってきてよかった)

NSXでもキャンプは楽しめる!

NSXをおかずにカレーライスを頬張るおじさん2人

スーパーカーでは荷物の積載サイズに制約があっても、重さはさほど問題にならないので、徒歩やバイクでのキャンプに比べれば余裕をもってキャンプに臨めました。

キャンプ場のサイトの広さ、坂や段差のありなしなど事前の下調べをしっかりすれば、スーパーカーだって普通に楽しめます! スーパーカーに乗っていてキャンプに興味がある方は、あきらめる必要ありませんよ。

NSXのボディカラーに合わせたキャンプギアを掲げる2人

白いNSXに合わせて、白い色のLEDランタンとポータブル電源をアピールするおじさん達。クルマに合わせたキャンプギア選びも楽しいですよ。自分で考えて道具を集め、自分らしいスタイルを作る。これはクルマとキャンプ、双方に共通する楽しさではないでしょうか。

今回の記事をきっかけに、NSXキャンパーがキャンプ場に増えることを楽しみにしています!

 

執筆 / みーこパパ 
編集 / 山口 真央(ヒャクマンボルト)
写真 / KEI KATO(ヒャクマンボルト)