クルマでキャンプに行く際、向いている車種があるのはご存知ですよね。荷物をたくさん積むことが目的ならミニバン。悪路があるならSUV。しかしそれ以外の車種ではキャンプに行けないということはなく、なんならスーパースーパーカーでもキャンプはできます! Hondaの究極のスーパースーパーカー、NSXでも可能なんです!
NSXでキャンプはできるのか?
2月某日。筆者・みーこパパの元に、あるキャンプ企画の相談が入りました。
▼検証した人
- クルマにくわしい人 木谷宗義さん
- 自動車編集者/自動車コラムニスト。
キャンプ企画を提案してみるも、自身はキャンプ経験皆無で本当に大丈夫なのかドキドキで当日を迎える(NSXに乗るのもこの日が初めて)。
- キャンプにくわしい人 みーこパパ
- キャンプ歴は数えるのをやめてしまったが大体20年ぐらい。キャンプライターのほか、キャンプインストラクターとして活動。NSXはグランツーリスモで乗ったことがある程度で、実車は初体験。
NSXで実際にキャンプを楽しむ
スーパーカーの中でも極まった存在と言える、Honda NSX。キャンプに行く時に注意すべきこととしては、おおよそ以下の3つです。
- ルートに悪路や段差が少ないか確認する
- クルマで乗り入れられるオートキャンプ場に行く
- コンパクトなキャンプ道具をえらぶ
その理由について補足します。
ルートに悪路や段差が少ないか確認する
キャンプ場に行くまでのルートが、きちんと舗装されているか。道幅や傾斜などが厳しくないか。訪問先のキャンプ場の口コミやネット情報を調べて、キャンプ場の予約を取る時にも電話で確認してみましょう。
千葉県山武市の「有野実苑オートキャンプ場」。キャンプ場の入り口までは舗装路で、最低地上高が低いNSXでも余裕です。
有野実苑オートキャンプ場内の通路は、細かい砂利敷きですが段差や穴などもなく普通に走れます !
クルマで乗り入れられるオートキャンプ場に行く
有野実苑オートキャンプ場のオートキャンプサイトの地面は、段差もなくフラット。雨が降っても水はけが良く、ぬかるみになりにくいです。
コンパクトなキャンプ道具を選ぶ
NSXのトランク容量は、決して大きくありません。荷物はコンパクトさを重視して選びます。
今回のキャンプ道具。
・テント
・タープ
・タープポール
・ペグセット
・グランドシート×2
・マット
・寝袋
・チェア×2
・テーブル
・クーラーバッグ
・LEDランタン
・ポータブル電源
・クッカーセット
・やかん
・焚き火台
・焚き火道具一式(ナイフ、着火剤、耐熱手袋、火ばさみ、火吹き棒、灰捨て袋)
・調理道具一式(折りたたみ包丁、まな板、調味料、カトラリー、おたま、しゃもじ)
・小物一式(ライト、ガスバーナー、ガスボンベ、風防、ライター、ゴミ袋)
テントや焚き火台などサイズが大きなものは、キャンプ場のレンタル品を利用するのも良いですね。キャンプ道具には含まれない衣類や防寒具などは、かさばります。着替えが多い方はご検討ください。
ラゲッジの左右両サイド、タイヤハウスの後ろのくぼみも利用して積み込みます。寝袋やタープなど、円柱型で柔らかいものが積みやすいです。
ラゲッジにネットが付いていました。小物はここに入れておいても良いですね。今回は夜間使うと便利なヘッドライトを入れておきました。
先ほどのキャンプ道具が、すべてぴったり収まりました!
買い出しに使うクーラーバッグは、ラゲッジの一番取り出しやすい位置に。ポータブル電源やLEDランタンは、移動時に振動で壊れないようグランドシートを挟んで揺れ止めをしています。
テントなど、「到着してすぐに使うもの」は、なるべく上に積むようにするのが理想です。ただし今回は積載量がギリギリで、そこまで考慮できませんでした
実際にキャンプをする流れ
買い出し
キャンプ場に行く前に、スーパーマーケットに寄って食材を購入。有野実苑オートキャンプ場から10分ほどの距離にある、カスミ八街朝日店にお邪魔しました。駐車場が広いので、車幅が大きいNSXでもラクラク。
駐車場の出入り口には段差がなく、スーパーカーでも安心。
憧れのNSXに乗ってうれしそうなおじさんたち。キャンプ場へ向かいましょう!
キャンプ場到着
キャンプ場で受付を済ませ、予約していたサイトに向かいます。受付の時など、エンジンは切りましょう。移動の時以外、基本的にエンジンは切ったままです。
キャンプサイトに着きました。通常はテントやタープの設営ですが、今回はまず荷物の確認。
スーパーで購入したのは、簡単にレトルト食品中心のメニューです。地元の房総ポークカレー、地場産のお米、ウインナー、水を購入。
テントとタープを設営
まずは日除けと雨除けになる屋根、タープを設営。3mサイズの、ogawaシステムタープペンタという商品。
もし焚き火をしたい時は、クルマとテントからは十分に離れた位置で行う必要があります。タープを設営する時点で、どこで焚き火をするか考えておきましょう。
続けてテントも設営。ツーリング向きのキャンプ道具は1人でも建てられるように設計されていますので、2人で協力してやればあっという間です。
テントとタープが設営できました! もし雨が降ってもテント内に濡れずに出入りできるよう、連結して張っています。
キャンプ場で何して過ごす?
続きまして、食事の準備をします。まずはお米を、目盛りが付いたシエラカップで軽量。米1合は180mlです。
水も同様に、シエラカップで軽量。米1合に対して、200mlぐらいが目安。
今回は研ぐ必要がない無洗米を使いました。お米を水に漬けて、30分以上おいておきます。これをしないと、米に芯が残って硬くなります。気温が低い冬は、ちょっと長めに50分ぐらい漬けると間違いありません。
米が水を吸うのを待っている間に、チェアをセットしたり、テント内にマットを敷いたり、寝袋を出したりしていましょう。作業せずに愛車と自然を眺めながら、一杯引っかけるも良し。30分なんてあっという間です。
ポータブル電源にパソコンを繋いで、お仕事を片付ける木谷さん。ワーケーションとキャンプ場の相性はとても良いです。
お米のクッカーでの炊飯方法は、以下の通りです。
- 鍋を火にかけて沸騰させる
- 沸騰したら弱火にする
- パチパチと音がするか、焦げたような匂いがしてきたら火を止める
- 10分前後蒸らしてできあがり
やったことが無い人は自宅で練習できますし、湯煎するパックごはんを使っても良いですよ。
米を蒸らしている10分の待ち時間に、並行してレトルトカレーをやかんで温めます。
同時にウインナーもクッカーに付属のフライパンでボイルして、10分後に全てが同時に完成。
お米の炊きあがりも上々。
多少のおこげができるのも、キャンプならでは。黒く焦げていなければ、十分食べられます。
お米の吸水時間を入れなければ、20分ほどで割と贅沢な食事ができてしまいました。
NSXでもキャンプは楽しめる!
スーパーカーでは荷物の積載サイズに制約があっても、重さはさほど問題にならないので、徒歩やバイクでのキャンプに比べれば余裕をもってキャンプに臨めました。
キャンプ場のサイトの広さ、坂や段差のありなしなど事前の下調べをしっかりすれば、スーパーカーだって普通に楽しめます! スーパーカーに乗っていてキャンプに興味がある方は、あきらめる必要ありませんよ。
白いNSXに合わせて、白い色のLEDランタンとポータブル電源をアピールするおじさん達。クルマに合わせたキャンプギア選びも楽しいですよ。自分で考えて道具を集め、自分らしいスタイルを作る。これはクルマとキャンプ、双方に共通する楽しさではないでしょうか。
今回の記事をきっかけに、NSXキャンパーがキャンプ場に増えることを楽しみにしています!
執筆 / みーこパパ
編集 / 山口 真央(ヒャクマンボルト)
写真 / KEI KATO(ヒャクマンボルト)