アウトドアのプロであるキャンプ用品メーカーのスタッフに、それぞれ個性豊かなキャンプスタイルを見せてもらうこの連載企画。第2回目は国産キャンプ用品メーカーのなかでも飛び抜けて長い歴史をもつ「ogawa」(オガワ)のスタッフのみなさんに登場いただきます。
数あるアウトドアメーカーのなかでも大型のテントや鉄骨テントといったジャンルに特化し、近年のクラシックアウトドアスタイルの流行に乗っているogawaのテントは、キャンプサイトでも憧れの存在となっています。
今回は幕営のことを知り尽くしたogawaのスタッフの方々に、オートキャンプならではのビッグサイズテントを存分に活用したキャンプサイト作りを見せてもらいました。
- キャンパルジャパン株式会社 スタッフ
- ogawaブランドを継承し、商品の企画・製造を行うキャンパルジャパン株式会社のみなさん。左下から時計回りに企画・広報課の大木秀樹さん、齋藤素子さん、福吉直也さん、飲食部の小室徳之さん。ogawaでは商品の企画と広報をスタッフが兼任し、商品のフィールドテストも行っている。自社商品への愛着や理解度の高さはもちろんアウトドアへの造詣も深い。
ogawa公式HP
https://www.campal.co.jp/
Instagram @ogawa.since1914
目次
梅雨の晴れ間を縫って撮影を行った6月某日。訪れたのは本栖湖の脇に広大なキャンプフィールドを有する「本栖湖SUMIKA CAMP FIELD」。富士山の麓らしい広葉樹に囲まれた林間サイトと、シカやアナグマといった野生動物もやってくる開放的なオープンサイトを有しており、周辺はサイクリングや釣り、トレッキング、SUP(サップ)といったアウトドアアクティビティにぴったりの大自然に囲まれています。
今回はたくさんのテントが張れるようにオープンサイトを選択。「なるべくたくさんのテントを見せてください」というカエライフ編集部からのリクエストに応えていただき、ogawaのみなさんはHonda N-BOXとSTEP WGN e:HEV SPADAに分乗して到着しました。
福吉さん:N-BOXはふたりキャンプ、STEP WGNは4〜5人程度のグループキャンプを想定して荷物を積み込んで来ました。今日は撮影の後はそのままみんなで宿泊する予定ですが、実際のキャンプに必要な道具以外にたくさんのテントや道具を積み込んでもまだまだ余裕がありましたね。STEP WGNは3列目のシートを倒しても、2列目がベンチシートなら5人乗車できるのが心強いですね。
大木さん: もともと僕は古いオースチンミニで妻と愛犬3頭と一緒にキャンプしていたこともあってコンパクトカーでのキャンプは慣れているほうですが、それにしてもN-BOXの積載量の多さには驚きました。荷物を全部積んでも荷室が埋まらないので「なにか忘れ物してないか...…?」と不安になるほどでした(笑)。
大木さん:キャンプ道具を積むときのコツは荷物が天井に達するまで、なるべく積み重ねること。天井まで積んでしまえば、ブレーキやカーブで荷崩れする心配が減ります。このぐらいの荷物量であればブランケットやネットで上から押さえてしまうか、リアシートを起こして荷物を片側に寄せると良いと思います。
N-BOXにはリアカメラの映像をルームミラーに映し出す「アドバンスドルームミラー」がオプションで設定可能。積み込んだキャンプギアで視界が狭くなっても後方視界を確保することができます。
福吉さん:STEP WGNで驚いたのは、3列目のシートがフロアの下にすっぽりと収まる「マジックシート」という機能。ラゲッジスペースをたっぷりと使えるのはもちろん、3列目シートが下に収納されているとは思えないほどフロア高が低く、重い荷物の出し入れも簡単です。ベビーカーやオフロードバイクなども積み下ろししやすそうですね。
齋藤さん:それからリアゲートが縦にも横にも開く「わくわくゲート」にも驚きました。キャンプ用のクルマでは雨を避けながら荷物を出し入れするために縦開きは必須ですし、横開きなら後方にスペースが無いときや小さな子どもでも開けやすい。両方の良いところどりと言える機能ですね。
大きくても意外に簡単。ogawaのおすすめテント紹介!
さて、クルマの感想をうかがったところで、さっそくキャンプサイトの設営に取り掛かってもらいます。ogawaのテントはファミリーやグループで使える大型のものが多いのですが、スタッフのみなさんはさすが慣れているだけあって、あっという間に設営していきます。
みんなで過ごすリビングスペースにも最適な「アポロンT/C」
福吉さん:いま建てている「アポロンT/C」は5人で使ってもゆったりと過ごせる大型テント。重量は約30kgほどありますが、設営自体は慣れればひとりでもできますよ。また、大型テントは実店舗での取り扱いが少なく、なかなか現物を建てているところを見れないのがネックになりがち。ですが、ogawaでは自社のショップで確認することができますし、建て方もスタッフがレクチャーしますので、安心してください。
アポロンT/Cの設営が完成した姿。別売りのポールを使えばサイドがタープがわりにもなり、インナーメッシュを閉めれば風を遮ることなく虫をシャットアウトできます。
大木さん:アポロンT/Cは両サイドと前後の入口をフルオープンにでき、フロアレス仕様ですので、みんなで過ごすリビングとして使えます。僕らは勝手に宴会幕と呼んでいます(笑)。アポロンT/Cはフロアがないので靴を脱ぎ履きしなくても出入りができますし、高さがあるので立って移動もできて圧迫感もありません。みんなが集まるリビングとして設置し、その周辺に各自で就寝用のテントを建てるような使い方がオススメです。もちろん、アポロンT/C自体も別売りのインナーテントを吊るすことで2人から5人、2つ吊るせば最大10人が就寝する用途にも使えますよ。
ソロ・デュオキャンプで使いやすい1ポールテント「タッソ T/C」
齋藤さん:これは1ポールタイプのティピー型テント「タッソ T/C」です。張り方によって六角形、七角形、八角形になるさまざまな表情が特徴で、ソロやデュオキャンプにちょうど良いサイズ感。ポリコットン製なので通気性に優れていて、夏でも快適に過ごせますよ。
クラシックなルックスが人気の「オーナーロッジ タイプ52R T/C」
大木さん:こちらの「オーナーロッジ タイプ52R T/C」はogawaが得意とする鉄骨テントと呼ばれるジャンルの商品。格子窓のようなメッシュパネルのデザインが特徴です。近年はこのクラシックなルックスが人気を呼び、多くのお客様に支持されています。
福吉さん:鉄骨テントとは鉄パイプを樹脂製のジョイントで結合して建てる天幕のことで、スチール製でフレームが太いため耐風性も高く、天井高のある設計でも安定しています。重量がかさむため山岳縦走などのテントとしては使えませんがオートキャンプにはピッタリで、今までライトウェイトでコンパクトなテントを使っていた人が鉄骨テントで過ごすとあまりの快適さに驚くと思います。弊社では40年以上前からあるモデルなのですが、最近のアウトドアブームの波に乗って各社も次々とリリースするようになりましたね。どの部分に使用するパーツかわかりやすいようにジョイント部を色分けしたのは、弊社が最初かもしれません。
寝室&リビングを確保できる「オーナーロッジ ヒュッテレーベン」
大木さん:そしてこちらが「オーナーロッジ ヒュッテレーベン」。前後どちらからも入れる形状で、インナーテント(別売り)を左右に振り分けて設置したり、片方だけ設置してリビング&寝室として使うこともできます。比較的コンパクトで設営も簡単、耐風性に優れた鉄骨テントです。大きく、重く、設営が大変そうなイメージの鉄骨テント。その敷居を下げたい思いでデザインしました。
大木さん:実は昔のogawaは数十種類以上の鉄骨テントを製造・販売していました。さきほど紹介したオーナーロッジ タイプ52R T/Cの「52」という数字も、その名残りなんです。歴史が長く、あまりにも多くのモデル数があるので、僕たちも現物を見たことがない商品も多くあるんです。でも、お客様から「ogawaのテントずっと使ってるよ!」と見せられた商品が、今は廃盤になった貴重なものだったりして。そうした瞬間に、1世紀以上愛されているブランドの重みをあらためて感じさせられます。
プロが教える「映える」キャンプサイトの作り方
大自然を背景に、カッコいいギアに囲まれて過ごすキャンプは、写真映えも抜群。そのためキャンプの様子を撮影し、SNSに投稿するのが楽しみな人も多いでしょう。ogawaのみなさんに“映えるキャンプサイト”の作り方を尋ねたところ「どこに何を置いて云々よりも、まずは正しいテントの建て方を知ることです。実はキャンプ場でもちゃんとテントを建てていないひとが見受けられます」とキッパリ。そこで丈夫でパリッとしたテントを建てるコツについて、教えてもらいました。
福吉さん:福吉さん:テントのパネルを上げるときはテントの内側になるように巻きましょう。雨が降った際、水が溜まるのを防ぐ意味もありますが、こちらのほうがすっきりと美しく見えます。
大木さん:アポロンT/Cのようなゴムで張るフライシートはポールに巻きつけてから引っ掛けると更に張りが出てピンとなります。特に天井部分は弛んでいると、雨が降ったときに水が溜まりやすくなるので注意です。
大木さん:キャンプ場でテント設営中、ペグダウンをしない人がいますが、万一風が吹いたときに煽られてテントが飛んでいく可能性があるので、必ずペグは打つようにしましょう。それに付属の張り綱を使うことで、テント自体に張りが出てシワが伸び、「映え」ますよ(笑)。張り綱は面倒臭がらずにキチンと揃えて設置することで見た目も美しく、テント本来の強度が生まれます。
ogawaの人気商品・カーサイドシリーズの使い分けをレクチャー
ogawaのテントはオートキャンプに特化したアウトドアハウスと言える存在。そこでクルマを活用したテント設営のポイントについて、ogawaのみなさんに教えてもらいました。
クルマと組み合わせて使うogawaのテントといえば、まずはカーサイドシリーズでしょう。大きいサイズから順に、カーサイドリビング、カーサイドシェルター、カーサイドタープという商品で、強力な吸盤を活用してクルマのルーフと設置することでクルマとアウトドアを緩やかに繋げてくれます。
カーサイドシリーズ設営のコツや注意点は?
福吉さん:カーサイドシリーズには吸盤が2つ付属しており、ノブを回すことで真空状態になってクルマのルーフと強力に接着します。2つでも十分に風に耐えることができますが、タープ用吸盤フックは別売りもされているので、心配であれば追加購入して、強度を高めるのもオススメです。
ちなみに、DIYでボディペイントをして塗装面がざらざらとしているクルマの場合は、吸盤がくっつきづらいことも。その場合はルーフキャリアにヒモで縛って固定するなどの工夫が必要です。
齋藤さん:それから注意してほしいのは、カーサイドシリーズはスライドドアを開けておいて設営するようにしましょう。最近のクルマは電動スライドドアも多く、設置した後でドアを開けたら、スライドドアがタープの生地を巻き込んでしまうユーザー様も。破損すると本社のリペアセンターが忙しくなってしまうのでご注意ください(笑)。
広々とした居住空間を確保できる「カーサイドリビング」
大木さん:カーサイドリビングは今年からカラーを一新したニューモデルにリニューアルしました。広々とした居住空間を確保できるのが特徴で、今回のクルマだとSTEP WGNにちょうど良いサイズですね。
大木さん:クルマに吸盤をくっつけて固定するため、設置後はクルマを動かすのが難しいと思われるかもしれませんがご安心を。別売りのポールで固定すれば自立できるので、「ちょっとクルマを動かしたいな……」と思った時も、都度ばらす必要もありません。
車中泊時のリビングスペースにおすすめの「カーサイドタープ」
大木さん:カーサイドタープはシリーズの中でサイズ感も一番小さく、デイキャンプでの使用や車中泊におけるリビングスペースとして使うのにぴったり。今回の場合、N-BOXと合わせるのが良いでしょう。ふたりキャンプの場合はテントも近くに建てておいて、タープをふたりのリビングスペースにするといった使い方もオススメです。この商品も、今年カラーをリニューアルしました。
ほどよいサイズ感で使い勝手バツグンの「カーサイドシェルター」
大木さん:カーサイドシェルターは、タープとリビングの中間のサイズ感で使い勝手が良い人気商品です。フルクローズにもメッシュにもなる大型の窓もついていて、通気性も確保可能。オールシーズン快適に使用いただけます。最近ではテントを持たず、クルマとカーサイドシリーズだけでキャンプをする方も増えていると聞いています。タープ内でコットを使って寝る方もいれば、寝るときは車中泊というキャンプスタイルの方もいますよ。
カーサイドシェルターの他の使用例はこちら!
メディア初公開! ogawa直伝のテント×クルマを活用するレイアウトの裏ワザ
そしてogawaのみなさんがカーサイドシリーズと並んでオススメするのが、この吸盤を利用して鉄骨テントのパネルとクルマを接続する裏ワザ。こちらはオーナーロッジ タイプ52R T/CをSTEP WGNと接続した例。ポールを使わずにテント内、車内、中庭と、3つのスペースをつくることができます。
こちらはオーナーロッジ ヒュッテレーベンとN-BOXを接続したところ。N-BOXの天井に吸盤と張り綱を使用して、三角形状のサイドパネルを固定しています。クルマとテントをつなぐ部分が斜めになることで、雨の侵入もほどよくシャットアウトしてくれます。
福吉さん:本邦初公開の裏ワザだと思いますよ。張り綱やポールを使わずにタープとして使えるので足を引っ掛ける心配も減りますし、テントから車内まで濡れずに移動することができるので、雨の日も安心です。
美味しいキャンプ飯の秘訣は自宅から。仕込み済み食材と市販調味料で手軽に本格メニューが完成
さて、テントの設営が完了したら、料理の準備。今回は小平市にあるogawaの直営店に併設する「ogawa GRAND lodge CAFE」で提供している料理をベースに、キャンプ場でも作りやすいように手軽にアレンジしたメニューを作ります。
グループキャンプはみんなで料理をわいわい楽しむのも醍醐味のひとつ。スムーズに美味しい料理を完成させるためのポイントもうかがいました。
大木さん:小平のショップは1階がショップ、2階がカフェになっていて、カフェでは実際にogawaのテントのなかでキャンプ飯を楽しむことができます。キャンプ道具を買うときは奥さんと家族会議を開くことが多いと思うのですが、大きなテントのなかでリラックスして過ごす時間を体験できるため、予算の承認もスムーズに下りるのではないでしょうか(笑)。
小室さん:GRAND lodge CAFEではアウトドアで作りたくなる料理をテーマにメニューを構成しており、地元小平の人気のパン屋さんをはじめ、自分たちで見つけたルートからこだわった食材を使用しています。
小室さん:今回はカフェで契約している新潟県のお肉屋に挽き方や部位を指定して作ったハンバーガー用のパテを使ったり、いくつかカフェで使用している食材を使いつつキャンプ用に手軽にアレンジしようと思います。
小室さん:キャンプで美味しい料理を楽しむコツは、なるべく下準備は自宅で済ませておくこと。野菜をカットしたりといった普段のキッチンなら簡単な作業も、道具が限られるキャンプ場では意外と面倒です。それから肉類は自宅で下味をつけておけばキャンプ場についたときにいい塩梅に仕上がっています。生肉などは冷凍しておけば保冷剤代わりになりますし、使うタイミングを見計らってクーラーから出して解凍すると良いと思います。
小室さん:それから輸入食材店で売っているスパイスやソース類を活用するのも手軽で美味しく仕上がるのでオススメです。今回はアヒージョ用にきざみにんにくとスパイス、自作すると手間がかかるバーニャカウダソースも市販のものを使用しています。
クラッカーやハム、サラミといったおつまみ類、バーニャカウダ、ジャークチキンのトルティーヤ、アヒージョといった料理があっという間に完成。野菜類はバーニャカウダにつけて食べたり、トルティーヤに巻いて食べたりといろいろな楽しみ方ができるように計算されています。
創業100年を超えるogawaが語る、アウトドアブームにおけるキャンプのテント事情
いまや工場をフル稼働させても需要に供給が追いつかないほど人気を博しているogawaのテント。数あるアウトドアメーカーのなかで、なぜそれほどまでogawaに人気が集中しているのか。料理を楽しみながら、その秘密について語っていただきました。
大木さん:「ogawa」は、1914年に八丁堀で開業した「小川治兵衛商店」をルーツとした100年企業のブランドです。戦時中は軍用テントやザックなどの布製品を手掛け、戦後は民間向けのテントを生産するようになりました。ogawaのテントは大人数で過ごす大型が多く、少し前まではogawaのテントを見て「運動会のテントみたい」という感想をいただくこともしばしば。確かにその通りで、実は運動会などで使われるテントも弊社は生産しています。そして縦走登山で使うような軽量なテントをキャンプ場でも使うのがステータスだった時代もありましたが、それがここ数年で「運動会のテントみたい」と呼ばれていたogawaのテントがキャンプシーンで注目の存在へと変わりましたね。
福吉さん:やはり実際に使ってみるとオートキャンプには大型テントのほうが良いんです。中で立つことができるし、雨が降って外に出られないときでも広々と快適に使うことができる。たとえふたりでキャンプに行くとしても、クルマで行くなら大型のテントを選ぶべきだし、荷物を担いで登山するようなときはライトウェイトなテントを使えばいい。実際にユーザーのみなさんもそういった使い分けをするようになりました。
齋藤さん:それからT/C素材(コットンとポリエステルの混紡)が人気なのも、最近ならではの傾向ですね。T/C素材はコットンと比べて軽量で防水性が高く乾きやすいうえに、風合いもコットンと同じくナチュラル。なにより実際に過ごしてみるとわかるのですが、通気性の良さが抜群なんです。一度試してみると夏のキャンプはT/C素材に限る、という気持ちになりますよ。実際に弊社もリクエストが多いため、2021年の新商品はほとんどT/C素材で作りました。
福吉さん:また、一般的なアウトドアショップでは大型テントの多くは取り寄せ商品として販売されているため、実際に設営して使用しているシチュエーションが想像できなかった側面も大きいと思います。そのためogawaでは、数年前から全国に直営店を作って大型テントを設営して展示したり、設営や撤収が大変というイメージを払拭するために店舗スタッフが建て方を指南したり、YouTubeで建て方を解説したりといった取り組みを行ってきました。
大木さん:その甲斐あってキャンプ場でもogawaのテントをたくさん見かけるようになりましたし、キャンプ場でogawaのテントを見たり使用感を確かめたキャンパーが弊社のショップを訪れてくださるという、良いサイクルが生まれています。フロアレステント(床部分の布がないテント)にコットを敷いたり、フロアレステントとインナーテントを組み合わせて寝室とリビングを兼用したり、設営のバリエーションが増えたのも最近の傾向です。
小室さん:昔は情報源が少なかったですが、いまはSNSなどでさまざまな使い方が紹介されるようになり、ユーザーのみなさんも情報を得やすくなった側面が大きいと思います。インナーテントとフライシートのセット販売が主なogawaですが、最近は別売りのモデルも多くなっているので、自分で工夫したいユーザーにとって使い勝手の良い仕様になっていると思いますよ。
小室さん:それから今日僕が持ってきたランタンハンガーのように、最近はキャンプ道具を作るガレージブランドが増えてきたのも嬉しい傾向ですよね。こういったブランドは我々のようなメーカーでは作れないような、職人による手作業で作られているなど、量産品にはない個性があります。
大木さん:ogawaのテントはガレージブランドのような個性溢れる道具とも相性が良いし、色々なテイストのブランドが増えてきたのは歓迎したいですね。
福吉さん:今のキャンプシーンは自然のなかで過ごすだけではなくて、お気に入りの道具を実際に使うためだったり、使っているところを写真に撮ってSNSへアップしたりっていうのを楽しみにしている側面も大きい。ある意味で自分のセンスでセレクトしたキャンプギアの展示会、みたいなノリもあるじゃないですか。子どもと一緒にキャンプに出かけた時に大きいテントで見栄えの良いサイトを設営できれば、シンプルに「お父さん、カッコいい」ってなると思うし、これからもキャンプに行きたいと思うようになると思うんです。
キャンプビギナーにとって大型テントは敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、実はデメリットは重量だけですし、クルマがあればそれもクリアできます。ビギナーこそ、キャンプ場で家と同じように快適に過ごせる大型テントを選択肢に加えてほしいと思っています。
大型テント×クルマで快適なグループキャンプを楽しもう!
「大は小を兼ねる」と言いますが、オートキャンプにおけるテント選びはまさにソレ。「大型テントは持ち運びや設営が大変そう……」というイメージを持っている方も、クルマで行くなら荷物の重さも気にならず、想像以上に設営や撤収も簡単。一度建ててしまえば雨が降っても中で快適に過ごすことが可能です。そしてogawaのテントは最近流行りのガレージブランドのキャンプギアとも相性良好。
今回はogawaのみなさんにHondaのクルマを使っていただきましたが、4人〜5人のグループキャンプの場合もSTEP WGNなら、みんなで過ごすリビングスペースとなるテントに加え、宿泊用の大型テントも載せられることが分かりました。
デュオでグループキャンプに参加するなら、N-BOXでも積載量は十分確保できます。今回は2人組で合流することを想定して荷物を積みましたが、まだまだ荷室に余裕があったほど。クルマをうまく活用して、大型テントのある素敵なキャンプサイト作りに挑戦してみてはいかがでしょう。
文/廣田 俊介
写真/木村 琢也
編集/井上 寛章(LIG)
撮影協力/本栖湖SUMIKA CAMP FIELD