車中泊をする際に、プライバシーを確保したり、光を遮って快適性を高めるカーテンは必須のアイテムですよね。
しかし、「自分のクルマにどうやったらカーテンを装着できる? どんなカーテンがいい? 」と二の足を踏んでいる方も多いはずです。
そこで今回はクルマ用カーテンのメリットやシェードとの違い、選び方をご紹介。自作する方法も解説するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
車中泊でカーテンを使うメリット
車中泊でカーテンを使うメリットは大きく3つあります。それぞれ車中泊をする上では大事なポイントなので確認していきましょう。
- 日差しを避ける
- プライバシーを守れる
- 冷気の遮断
日差しや明かりを遮ることができる
車中泊にカーテンがあることの大きなメリットは、日差しを避けられることです。特に日の出が早い夏場は、朝5時くらいから明るくなり始めます。日差しを遮るものがないと、室内も明るく、もっと寝たいときでも目が冴えてしまい寝不足なんてことも。
また、車中泊をする場所の近くに街灯などがある場合も、カーテンがあれば明かりを遮ることができます。日中快適に眠りたい方は、室内を暗くするためにカーテンで日差しをシャットアウトすることもできます。
目隠しできてプライバシーを守れる
特に、車中泊では周囲の目から守られた環境が必要となります。カーテンがあることで視界を遮ることができ、プライバシーも保護できます。
カーテンは開け閉めするのも簡単なので、車中泊以外にも着替えや授乳などでも役立ちます。また、室内が見えないため、盗難のリスクを減らすことにもつながります。
外部からの冷気の遮断
断熱素材のカーテンであれば、外部からの冷気を遮断する効果も持っています。特に冬場の車中泊では窓から車内に伝わる冷気を減少させ、車内の温度を快適に保つことができます。
カーテンとシェードの違い
カーテンとシェードは似たアイテムですが、機能はそれぞれ異なります。
シェードはクルマの窓枠にぴったり合わせて装着することができ、車外からの冷気や光が差し込むのを遮断します。窓枠のサイズに合っていれば、どんなクルマにでも装着可能です。しかしシェードには開閉機能がないため窓を開けた状態での使用はできません。そのため、夏場は熱気がこもりやすく、車内が暑くなりがちです。
一方で、カーテンはシェードに比べて完全に窓を覆うわけではないため、保温性は劣り、光が隙間から差し込むことがあります。しかし、窓を開けたままで使用することができ、風を通して外の空気を取り入れることができます。一度付ければ開閉が簡単で状況によって開け閉めできることもポイント。ただし、セダン車などのフロントガラスやリアガラスに角度がついている場合は取り付けが難しくなります。
最適な環境を整えるためには、カーテンとシェードを状況に応じて使い分けることが理想的です。例えば、夏場は通風性が優れたカーテンを、冬場は断熱性に優れたシェードを利用することで、快適な車中泊が実現します。
車中泊で使うカーテンの選び方
車中泊で使用するカーテンを選ぶ際のポイントは主に3つあります。
- 車種や窓枠のサイズ
- カーテンの取り付け方
- カーテンの機能性
選び方を間違えると装着できないなんてことになってしまうので、しっかりと確認しておきましょう。
車種や窓枠のサイズに合わせて取り付ける場所に適したカーテンを選ぶ
車中泊のカーテンは、車種や窓枠のサイズに合わせたアイテムを選ぶことが重要です。正しいサイズや形状のカーテンを選ぶことで、装着が簡単でカーテンの効果を最大限発揮することができます。
また、フロントやリア、サイドでは窓の大きさが異なるため、それぞれ取り付け場所に合ったものを選びましょう。
すべての車種に合うカーテンは存在しないため、自分のクルマに最適なアイテムを見つけることが大切です。
カーテンの取り付け方で選ぶ
カーテンの取り付け方は主に以下の3種類あります。
- 吸盤、マグネット
- ピラー、コード
- レール
クルマによっては取り付けられない場合もあるため事前に確認しましょう。
吸盤、マグネットタイプ
吸盤、マグネットタイプは、吸盤やマグネットを利用してカーテンを固定する取り付け方です。窓枠や窓に取り付けるだけなので着脱が簡単なことがメリット。
ただし、マグネットタイプは窓枠に金属が使われていたり、クルマのフレームが露出していないと取り付けることができません。
吸盤タイプの場合は、窓枠部分がある程度フラットになっていれば取り付けられるため、マグネットタイプよりも適合するクルマが多いです。
ただし、使い続けると吸盤部分が劣化してしまう場合もあるため注意が必要です。
ピラータイプ
ピラータイプはクルマの柱(pillar)に金具を差し込んで固定する取り付け方です。窓枠より横幅が大きめになるので窓全体をカバーできることがメリットです。
ただし、ピラーのないピラーレスのクルマには装着できないので注意が必要。また、ピラーの位置によってはカーテンが斜めになってしまうなど、見た目が綺麗にならない場合があります。
レールタイプ
レールタイプは、家で使うカーテンと同じようにレールを取り付ける方法です。レールは専用器具や両面テープ、面ファスナーなどで窓枠に装着します。完璧に固定する場合は壁に穴を開けて取り付ける場合もあります。
レールがついているのでスムーズにカーテンが動き、開け閉めしやすいことがメリット。その反面、一度装着すると外しにくく、テープの跡が残ることもあるため注意が必要です。
▼レールタイプのカーテンはこちらの記事でも紹介しています▼
遮光性やUVカット、断熱性など機能性をチェック
クルマのカーテンを選ぶ際は、機能性に注目することが重要です。特に遮光性、UVカット、断熱性は、車内の快適さを大きく左右します。
遮光性の高いカーテンは、日光を効果的に遮り、車内を暗く保ちます。UVカット機能は、紫外線を防ぎ、日焼けを防ぐことが可能です。断熱性のあるカーテンは、外部の温度変化から車内を守り、季節を問わず車内環境を快適にしてくれます。
機能を事前にチェックし、自分のニーズに最適なカーテンを選択することが、車中泊の快適性を高める鍵です。
車中泊におすすめのカーテン
愛車にぴったりの車中泊用カーテンを使うには、クルマに適したアイテムを選ぶことがポイント。純正品や車種専用品であれば、ジャストサイズで窓を覆うことができます。
「N-VAN」や「フリード」「ステップワゴン」といったHonda車種には純正品として「プライバシーシェード」がラインナップしています。
純正品なので吸盤や面ファスナーで窓枠ぴったりに取り付けることができ、隙間から光が漏れたり車内が見えることはないため、視線を気にせずゆっくりと休むことができます。
車中泊に使うカーテンを100均、ニトリのアイテムで自作する方法
純正品や車種専用品のカーテンは質がいい分値段も高く、中には販売していない車種もあります。
「どうしてもカーテンを安く手に入れたい」という場合は、自作をしてみてはいかがでしょうか。
ここでは、簡単なクルマ用カーテンの作り方を紹介します。
▼こちらの記事でもカーテンを自作しています▼
窓のサイズ、取り付けできそうな部分を確認する
まずはクルマの窓のサイズや取り付ける部分を確認します。
今回カーテンを制作する筆者のクルマのトヨタ 「RAV4」は、インテリアで金属が剥き出しになっている部分がなく、磁石や吸盤、テープや面ファスナーなどを取り付けられる部分がありません。
そのため、ピラーを利用して取り付けます。
後部座席のサイドウィンドウとリアウィンドウは距離が近く、カーテンを2枚に分けると、枚数が増えて、取り付けの際も手間になるので1枚のカーテンで両方の窓を覆えるようにします。
フロントウィンドウや運転席、助手席にもカーテンを設置したかったのですが、フロントガラスに角度があり、運転席、助手席には取り付けできるピラーがないため、運転席と後部座席の間にカーテンを設置することとします。
リアウィンドウもガラスに角度があり、フロントウィンドウと同様にカーテンの取り付けが難しいため、テールゲートのピラーを利用してカーテンを設置します。
- 運転席と後部座席の間用×1枚
- サイド・リアウィンドウ用(両サイド)×2枚
- テールゲート用×1枚
今回は上記の4箇所に設置するカーテンを自作していきます。
材料&道具を用意する
カーテンを自作する材料や道具は主に100均で調達しました。
- 伸縮ポール×4本(1本売りを4本購入)
- ダブルクリップ6個(8個セットで購入)
- 金属製の洗濯クリップ2個(10個セットで購入)
- カーテン4枚(1枚売りを4枚購入)
- ペンチ
カーテンは100均でも取り扱いがあるものの、薄く遮光性がないため、今回はニトリで遮光性のあるカーテンを別途1枚2,000円ほどで4枚購入しました。
今回は合計で9,000円ほどかかりましたが、カーテンの遮光性を気にせずにすべて100均アイテムで揃えれば1,500円くらいに収まります。
カーテンの作り方
まずは運転席と後部座席の間用カーテンを作ります。
カーテンの穴に互い違いになるようにポールを入れていきます。もし、カーテンに穴が空いていない場合はハサミなどで布を切って穴を開けましょう。
ポールの両端にピラーに差し込むためのダブルクリップを取り付け、長さを調節して窓が覆える長さまで伸ばします。これで運転席と後部座席の間用カーテンの完成です。
続いてサイド・リアウィンドウ用のカーテンを作ります。
こちらも運転席と後部座席の間のカーテンと同じように、ポールをカーテンに通し、両端にダブルクリップをつけましょう。
もう1つ同じものを作って、サイド・リアウィンドウ用のカーテンの完成です。
最後にテールゲート用のカーテンを作ります。
カーテンの穴にポールを入れていくまでは同じ工程です。
テールゲートのピラーは隙間と位置の関係でダブルクリップではうまく刺さらないため、金属製のクリップを加工します。クリップの指で開く部分をペンチで広げて、ポールが引っかかる角度や大きさになるようにします。
筆者はペンチ1本で広げましたが、2本あると広げやすいです。
ピラーに付けるとこのような感じ。
ただ、今回はポールのカバー部分が干渉してポールが引っかからなかったため、カバーを外しました。これで、リアのカーテンのパーツが完成。すべてのカーテンができたので取り付けていきます。
いざカーテンの取り付け
完成したカーテンを取り付けていきます。まずは運転席と後部座席の間のカーテンを取り付けます。
両サイドのピラーにダブルクリップを差し込んで、いい感じに取り付けることができました。
続いて後部座席の両サイドにもカーテンを取り付けます。
こちらも同じようにピラーにダブルクリップを差し込んで完了です。
最後にテールゲート用カーテンを取り付けます。こちらだけ少し装着方法が違います。まず加工した洗濯クリップをピラーに取り付けます。
最後にポールを洗濯クリップに引っかけて完成です。
カーテンの長さの仕様上少し床についていますが、下から光が差し込まないので長めでも良いかもしれません。長さが気になる方は、裾上げテープで長さ調節をしましょう。
すべてのカーテンを閉めてみるとこのような感じ。
クルマの形状上少し隙間ができ、光は差し込むもののプライベート空間は完全に確保できます。フルオープンにしてみてもかなり違いがあります。
材料の加工は金属製クリップの形を変えるだけなので4枚のカーテンを作って、クルマに取り付けるまでを合わせて30分ほどで作成できました。複雑な作業もないため、手先が器用でなくても簡単に加工できます。
ちなみにピラーに差し込む際に傷がつく場合があるので、気になる方はクリップとピラーにマスキングテープを貼って置くと安心ですよ。
車中泊でカーテンを使う注意点
車中泊でカーテンを使う際には注意するポイントが2つあります。
- 助手席、運転席の窓にカーテンをつけて走行するのはNG
- 安全のために後部座席でもカーテンは開けたまま走行
助手席、運転席の窓にカーテンをつけて走行するのはNG
車中泊をする際に、すべての窓にカーテンを付けることがあると思いますが、助手席や運転席の窓にカーテンを取り付けたまま、走行するのは法律違反となります。もちろんカーテンを閉めたままの走行も法律違反となるので、助手席や運転席の窓にカーテンをつけている場合は取り外した上で運転するようにしましょう。
道路交通法第55条第2項(乗車又は積載の方法)
参考:https://www.police.pref.saga.jp/var/rev0/0010/7241/121119113931.pdf
車両の運転手は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない
反則金 普通車6,000円 大型車7,000円 違反点数 1点
安全のために後部座席でもカーテンは開けたまま走行しよう
後部座席の場合はカーテンを閉めたまま運転しても法律違反にはなりませんが、カーテンを閉めたまま運転すると目視できる部分が減って死角が増えるため、開けた状態で運転するようにしましょう。
運転中は何があるかわかりません。どんなことが起きても目視できるように十分な視界を確保してくださいね。
車中泊はカーテンを使って快適に
車中泊にカーテンを使うことで、日差しを遮ることができ、プライベート空間を作ることができたり、冷気を遮断してくれたりする効果があります。
カーテンはシェードとは違い開け閉めが簡単で、装着しながらでも窓を開けることができるのがポイント。カーテンを選ぶ際にはサイズ、取り付け方、機能の3点をチェックしてクルマに合ったものを選びましょう。純正品であれば簡単に装着することができ、サイズもぴったりでより快適な車内空間になりますよ。
ただし、運転席や助手席にカーテンを取り付けて走行するのは法律違反です。後部座席はカーテンを設置したままでも問題ありませんが、カーテンを閉めた状態だと死角が増えて危ないため、開けて走行するようにしましょう。
ぜひカーテンを使って快適な車中泊を楽しんでくださいね。
文/ヨシダコウキ
写真/ヨシダコウキ、カエライフ編集部、和田清志、
藤永 祐人、渡辺圭史、木村琢也
編集/ヨシダコウキ、TAC企画