ナンバープレートの見本がずらっと並んだ上の写真。気になる点、ありませんか?
そう、すべて番号が「2046」なんです。その理由とは…?
今回は、そんなちょっとマニアックな疑問にはじまり、クルマのナンバープレートのあれこれを紹介していきます。
ナンバープレートの知られざる歴史にも触れながら、思わず人に話したくなるようなトリビアを紹介すべく、な、なんと今回は霞が関・国土交通省にお邪魔してお話を伺ってきました!
- お話を伺ったのは、国土交通省 自動車局 自動車情報課 係長の尼寺哲郎(にじ てつろう)さん。所属する自動車局の自動車情報課は、クルマの登録に関わることを扱う部署ですが、そのなかで尼寺さんはご当地ナンバープレートの担当をされています。
目次
謎の数字「2046」に秘められた意味とは?
― さっそく質問です! このずらっと並んだ見本のナンバープレート。そこに共通して使われている「2046」という番号はなんですか? 国交省が出しているPR冊子もすべてこの「2046」ですし……。
― ひょっとしてスパイへの暗号ですか!?
― 実務的な理由だったんですね! すっかり隠された暗号だと……。ミステリーの読みすぎですね。この「2046」は一般の人は選べないナンバーなんですか?
― そうなんですね! じゃあ、一味違うマニアックな数字にしたい場合は「2046」にして、理由を聞かれるたびにウンチクを語るっていうのも面白いですね!
- もっと知りたい豆知識
-
希望ナンバーには抽選が必要なものも
希望ナンバーには
・抽選希望番号
・一般希望番号
の2種類があります。人気の高いナンバー15種類については抽選になっています(月曜から金曜まで希望を受け付けて翌週月曜に抽選)。一方で、抽選を経ずに取得できるナンバーは一般希望番号と呼ばれています。抽選が必要になるナンバーについては下記国交省のリンク先をご参照ください。
希望ナンバーの見分け方は?
― 希望ナンバーの話が出ましたが、それが希望された番号かどうかをナンバープレートから見分けることってできるんでしょうか?
― ということは、例えば分類番号が「330」で「2046」だったら、希望して2046を付けたということですね。もしそんなのを見かけたら相当マニアック! それこそラッキーナンバーですね(笑)
希望ナンバーで人気のあるナンバーは?
― ところで、希望ナンバーで人気のあるナンバーはどんな番号ですか?
希望番号人気ランキング(2015年版)
―「1122」がどのランキングにも入っていますが、これはどういう意味ですか?
ハイフン「あり」「なし」の違いは?
― ナンバープレートってよく見るとハイフン「‐」があるんですね。いや、実はハイフンではなくマイナスの記号だとか? 国交省で使われている「2046」は、実は「20引く46」で、その答えが「-14」だから… これが国交省の秘密の暗号だとか!
― 算数から勉強しなおします……。では、なぜ4桁にだけハイフンが入っているんですか?
― じゃあ、ハイフンや「・」がないナンバープレートを見かけたら、相当古いクルマってことですね!
- もっと知りたい豆知識
-
初期のナンバープレートにはハイフンや「・」は使われていませんでした。しかし、昭和37年(1962年)に道路運送車両法施行規則の一部が改正され、そのときに4桁の一連指定番号にハイフンが追加され、ナンバーの有効数字以外の「0」が「・」に変更されました。その経緯は、昭和37年1月16日に警視庁からナンバープレートを見やすくしてほしいという要望があったため。交通取り締まりやひき逃げ捜査などへの対応強化のためだったそうです。
その要望のなかには、連続した4桁より2桁ずつ区切っていたほうが人間工学的に記憶が容易であることや、見やすく覚えやすくするために有効数字の前の「0」は取り除いたほうがいいというような具体的なことも書かれていたそうです。
そして運輸省(当時)はこの要望への対応として
- 4桁表示には中間にハイフンを入れる。
- 3桁表記にはハイフンを入れない。
- 有効数字の前の「0」は「・」に置き換える。
ということを決めました。つまりナンバープレートを読みやすく、覚えやすくすることが目的だったということです。
ナンバープレートってどんな素材?
― 素朴な疑問なんですが、ナンバープレートってどんな素材なんですか? 金属製なのに錆びてるのを見ないような気がします。
- もっと知りたい豆知識
-
現在のナンバープレートはアルミ製ですが、「道路運送車両法施行規則」にはアルミを使用するとは書いていません。ただ規則には、金属製で使用に十分耐え、腐食しにくく、錆や亀裂が生じる恐れが少ないものなどと書いてあります。つまり規則にある要件を満たす金属を探すと、該当するのがアルミだったということなのです。
ご当地ナンバーってどうやって作るの?
― 最近よく見かけるようになったご当地ナンバー(地方版図柄入りナンバー)。あれはどうやって塗装してるんでしょうか? 追加料金もかかるから、複雑なデザインを……ま、まさか1枚ずつ手書きとか!
― ご当地の図柄は、塗装ではなくシールだったんですね! ぺろっと剥がれたりしないんですか?
図柄は誰がどうやって決めるの?
― 地方版図柄入りナンバーの図柄は誰がどうやって決めているんですか? 僕も一財産稼ぐために、デザインを考えたいなぁと……。
― では、デザイン案を受け付けている自治体に応募すれば億万長者に……! 図柄のデザインに基準はあるんですか?
― 冒頭で出た視認性のテストも必要ですよね? 実際にかたちになるまではかなり手間と時間がかかりそうですね。
― かなりの時間がかかってるんですね。図柄入りナンバープレートを取得したらありがたく扱わないとですね!
そもそもナンバープレートってなんで付けるの?
― そもそもナンバープレートってなんで付けるんですか?
― きちんと付けておくことには意味があるんですね! っていうかきちんと付けてないと違反ですよね(笑)
― そうなんですね、それを聞いたらますます愛着が湧いてきました! 今日はありがとうございました!
ナンバープレートをおしゃれにするアクセサリー
愛着が湧いてきた大切なナンバープレートを盗難から守るための「ナンバープレートロックボルト」があります。ネジ頭が特殊な形をしていて取り外しが困難で、盗難防止に役立つんです。
さらに、ナンバープレートをかっこよく見せるおすすめアイテムとして「ライセンスフレーム」があります。
厳密に法規に則って作られている純正アクセサリーなので安心です。富士山や平泉のご当地ナンバープレートに使ったら、額縁みたいでデザインがますます際立ちそう!
さらにさらに!(テレビショッピング風)「ライセンスフレーム」と「ナンバープレートロックボルト」は、ディーラーで一緒に購入すると割引になることが多いんです! セットでお得ってやつです!! たとえば新型N-WGNの場合、単品価格での合計は10,500円(税抜き)なんですが、セット価格だと9,250円(税抜き)にまで割引になるんですよ!
文/深田 昌之・カエライフ編集部
写真/安田 剛
取材協力:国土交通省 自動車局