それは、とあるYouTube動画。緑深い山奥に乗り付けられたガーデングリーンのHonda N-VAN。ドライバーの青年が車内から引っ張り出してきのは、これもまたHondaの小排気量バイク、モンキー125。ブラック基調でまとめられたマシンにまたがって青年は森のワインディングロードを駆けまわり、ツーリングの後はN-VANにしつらえられたカフェカウンターで仲間たちとコーヒータイム…。い、いったいこの人は何者なのか? 気になるYouTuber”MONKEY HEAVEN”さんを直撃しました。
後編はこちら↓↓↓
▼お話をうかがった人
- 小野寺 祐樹(おのでら ゆうき)さん
- バイクとクルマとキャンプが好きな男の日常を発信する、MONKEY HEAVEN代表。愛車のHondaモンキー125とN-VANによるDIYやツーリング、キャンプなどの模様を、高品質かつクレイジーな映像とブログで発信している。YouTubeのチャンネル登録者数は2万9600人。本業はデザイナー。東京都在住の34歳
- Twitter @MonkeyHeaven125
Youtube @MONKEYHEAVEN
ブログ https://monkeyheaven.jp/
モンキーをN-VANに載せキャンプツーリング
素敵なカーライフの実践事例を探すべく、みなさんも日ごろからチェックしているであろうYouTube。そんななか、ライター熊山が発見したのがHonda モンキー125をN-VANに車載して、ツーリングやキャンプを楽しむとあるYouTubeチャンネル。
カッコいい…。バイク+トランポ(トランスポーター→バイク積載運搬用の車両)のある暮らしなんて、オートバイ好きやクルマ好きなら一度は思い巡らせる夢ではありませんか。そんな「眼福」かつ「裏山」なシチュエーションと、スタイリッシュ極まる映像を発信しているのが、YouTubeチャンネル”MONKEY HEAVEN(モンキー・ヘブン)”さん。何はともあれ、そのカッコよさを、以下のショート動画でご覧ください。
いかがでしょうか。まず、モンキーやN-VANの外装から内装にいたるまで世界観がビシッと統一されいる「デザイン」が素晴らしい。なおかつ、カフェカウンターやルーフキャリアなど、ライダーでなくとも車中泊やキャンプ用途でも参考になりそうな「機能」面も抜かりがない。まさに、完璧なオシゴトではありませんか。
果たして、この”MONKEY HEAVEN”さんは一体何者なのか? そしてドレスアップやカスタムの詳細も知りたい!というわけでカエライフ編集部がコンタクトを試みました。
Honda公式ビジュアルがアイデアの素?
はじめまして、あまりにカッコいいYouTube動画に衝撃を受けました。
MONKEY HEAVENさん(以下MH):ありがとうございます、MOHKEY HEAVEN代表の小野寺です。普段は東京都内でメーカーのデザイナーをやっています。
デザイナーさん! どうりでマシンや映像のセンスがよいと思いました。オリジナルのロゴなんて素人の仕業じゃないですもの。ともあれモンキー125とN-VANの素敵なカーライフですが、そもそもこの組み合わせで楽しもうと考えたのは何がきっかけなんでしょうか?
MH:最初はモンキー125を買ったことですね。もともと高校・大学とバイクに乗っていて、当時Honda リトルカブやカワサキのエストレヤを乗り継いでいたんですが、就職と同時に手放してしまいました。それから10年ほど経ち、コロナ禍もあって、何か新しい趣味を作りたいなと考えたときに、そういえば学生時代にすごく憧れていたモンキーも経済力のある社会人なら買えるなと気づいんたんです。ある種、うらみを晴らすというか(笑)。
10年越しのリベンジというか、リターンライダーなわけですね。そこからN-VANをトランポに選んだのは?
MH:憧れのモンキー125で都内の近所だけでなく野山も駆け巡りたいなと思ったんですが、ご存知のとおり原付二種なので高速道路に乗れずなかなか遠出ができない。だいたい自宅から郊外まで2時間はかかりますからね。その頃からYouTubeを始めようと考えてもいたんですが、モンキー1台だと機材を持ち運ぶのも難しい。やっぱりクルマも欲しいと考えていた時に Honda公式サイトで、N-VANにハンターカブを載せている動画を見つけて、「これがやりたい!」と思ったんです。
まさかの公式動画がきっかけだったんですね。
MH:もう即決で、購入や納車まであっという間でした。色は商用車らしさがなく、自然に溶け込むオリーブ(ガーデングリーン・メタリック)。グレードと仕様は「+STYLE FUN・ターボ FF」です。総額は200万円ちょうどだったと思います。ただ、最初はバイクを載せるための板とタイヤの受けを敷いただけで、しばらくはノーマルのまま乗っていました。
イメージはイタリア系アメリカ人が営む移動カフェ
その購入当時からすると、現在はずいぶんカスタムが進みましたね!
MH:モンキーにはけっこう手を入れていたので、せっかくなのでN-VANもカスタマイズしようと思い、ウェブサイトやYouTubeを見たりしてアイデアを探しました。実はカエライフさんもずっとチェックしていて、N-VANの記事なんかはけっこう参考にしているんですよ。
おお、読者さんでしたか。ありがとうございます。結果、どんな箇所をカスタムしていったのでしょうか?
MH:最初にホイールカバーを外し、カッティングシートでいろいろデコレーションしました。そこからさらに、カフェカウンターを自作して、ルーフキャリアも付けました。デザインコンセプトは「 元軍人のイタリア系アメリカ人が営む移動式カフェ」。N-VAN自体はヨーロッパのカフェトラックや、イタリアの三輪商用車ピアッジオ・エイプのイメージです。自分なりに欧州とアメリカの好きな要素を詰めこみました。
さすが、デザイナーさんだけあってコンセプトがしっかりあるんですね。とりわけ目を引くのが立派な木製のカウンターテーブルです。
MH:実はこのカフェカウンターもHonda公式サイトに載っていたN-VANのカスタム事例「3rd Place VAN」のテーブル設計図を参考にして自作したんです。
これはもうメーカー冥利に尽きますね! 3rd Place VANといえば2021年1月に東京オートサロンで発表したものですよね。本当にカウンターを作ってくれる方に出会えるとは…。
MH:ホームセンターで板をカットしてもらって塗装し、カウンターを組み立てました。でも、設計図がけっこうアバウトでなかなか大変でしたね(笑)。リアクォーターウインドウには有孔ボードも貼り付けて。ただ、設計図には天井の棚パーツもあったんですが、これを作るのは大変そうなのでパスしました。
いやいや、十分カッコいい出来です。これらカスタムの詳しい模様はMONKEY HEAVENさんのブログに丁寧にアップされているので、ご興味のある方はプロフィール欄のリンクをぜひともご覧ください。
次はフロントマスク交換とオーニング装着
今後はどのようなポイントをカスタマイズ予定でしょうか?
MH:フロントマスクを交換するキットを導入したいのと、あとはルーフに取り付けるオーニング(日除け)ですね。この春、阪急百貨店さんでモンキーとN-VANを展示するイベントがあるので、それまでに間に合わせたいと思っています(※取材時点でN-VANの展示は未定)。
それは耳寄り情報。実際にMONKEY HEAVENさんのカスタムを見られるまたとないチャンスかもしれません。ちなみに今のところ総額いくらくらいお金がかかっているんでしょうか?
MH:あんまり考えたくないんですが(笑)、モンキーとN-VANの車両本体代金に、それぞれのカスタムで350万円ちょっとでしょうか。あらためて計算してみると、貯金が減っているわけですね…。
こうしてこだわり抜かれたモンキーとN-VANですが、ツーリングの他はどのように楽しんでらっしゃるんでしょうか。
MH:そうですね。カフェカウンターにパソコンを置いて、大自然の中でちょっとした仕事や作業をしたり、豆から挽いたコーヒーを淹れてひと息ついたり。時には仲間とオートキャンプをすることもありますね。
となると車中泊もできるということですね。
MH:ちゃんと寝床を作ればいいんですけど、眠たくなる頃にはお酒も入って面倒くさくなってるので、そのままフロアにごろ寝しちゃうことが多いです(笑)。
これだけこだわっているのに、そこは雑魚寝なんですね。お話をうかがって、ぜひとも実車を拝見したくなりました。というわけで後編はMONKEY HEAVENさんと一緒にデイキャンプ!との口実で、モンキーとN-VAN、そしてこだわりのギア類まであわせてチェックいたします。お楽しみに。
文/熊山 准
写真/MONKEY HEAVEN、宮越 孝政
編集/熊山 准、TAC企画
撮影協力/Yamasobu Campground、富津市観光協会
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