ステップワゴンは、広々とした室内空間と多彩なシートアレンジが特徴で、快適に車中泊ができるクルマです。しかし、どのようなシートアレンジができて、どれだけ収納スペースがあるのか知りたいという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、車中泊に最適なシートアレンジや段差、収納スペースなどを実際に確認しました。さらに、車中泊をより快適にするための純正アクセサリーも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ステップワゴンはどんなクルマ?
ステップワゴンは、広々とした室内空間と多彩なシートアレンジが特徴のミニバンです。基本は7人乗り(キャプテンシート)で8人乗り(ベンチシート)はメーカーオプションで選ぶことができます。スライドドアにより開け閉めがしやすく、低床設計で乗り降りもスムーズ。
安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備されており、安心して運転ができます。環境に優しいハイブリッドとガソリンエンジンから選ぶことが可能です。
タイプは、エアー、スパーダ、スパーダ プレミアム ラインの3つ
ステップワゴンにはエアー、スパーダ、スパーダ プレミアム ラインの3つのタイプがあります。
ステップワゴン エアーは、シンプルで実用的なエントリーモデル。(純正アクセサリーの外装アイテムを装着しています)内装にはグレーもしくはブラックのメランジ調の表皮素材が採用されており、シートだけでなくボディの随所にも汚れが目立ちにくいファブリック素材が使われています。
ステップワゴン スパーダは、高級感とスポーティさを追求したハイグレードモデル。前後バンパーのモールやテールゲートスポイラーが特徴です。存在感のある純正アクセサリーのフロントグリルを装着しています。
内装には、質感の高い合皮のプライムスムースとファブリックを組み合わせたシートを採用し、液体汚れや油汚れが拭き取りやすくシミになりにくい素材のファブリック「FABTECT」を使用。7人乗りの2列目シートにはオットマンが付いているため、走行中も快適に過ごすことができます。撮影車には純正アクセサリーのシートカバー(合皮製)を取り付けています。
運転席と助手席のシートヒーターや「トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンディショナー」が標準装備となり、全席で温度設定が可能です。
ステップワゴン スパーダ プレミアム ラインは、ステップワゴン スパーダのハイクラスモデル。乗車定員は、7人乗りのみです。エクステリアには、より上質で大人の余裕を感じるプラチナクロームを取り入れ、インテリアではブラック基調の室内にスエード調表皮を採用し、さらなる質感を高めてくれるモデルです。
▼ステップワゴン公式サイト
https://www.honda.co.jp/STEPWGN/
ステップワゴンの車中泊シートアレンジ
ステップワゴンには3種類の車中泊シートアレンジがあります。
①3列目シートを床下に格納するスタイル
②2列目・3列目シートの背もたれを倒すスタイル
③1列目・2列目シートの背もたれを倒すスタイル
それぞれ紹介していきます。
①3列目を床下に格納するスタイル
①のスタイルは1列目、2列目シートを前に移動させて3列目は床に収納して完成。ほぼフラットになり段差が少ないことが特徴です。ただし、床で寝るため、床をきれいにしなくては寝にくいかもしれません。
寸法
横幅は約96cmあり、大人2人でも余裕で横になれます。ただし、縦幅は約175cmなので 背が高い方には少し窮屈かもしれません。
床面で寝るため、高さは約120cmあります。少し屈めば立つことができるため、室内でもスムーズに移動ができます。
段差
3列目を床下に格納するスタイルは金具や多少の凹凸はあるものの、段差がほとんどなく、キャンプマットを敷けば気になりません。
収納スペース
1列目・2列目シートを限界まで前に出して後ろのスペースで寝るため、収納スペースはほとんどありません。
荷物は1列目シートの上や足元、2列目シートの上に置くようにしましょう。
②2列目・3列目シートの背もたれを倒すスタイル
②のスタイルは1列目シートを前に出し、2列目・3列目シートのヘッドレストを外して背もたれを倒せば完成。2列目シートがベンチシート(8人乗り)の場合は、3列目をそのまま倒すだけでOKです。
2列目シートがキャプテンシート(7人乗り)の場合は、シートが左右に動いて内に寄せることができるためシートの間に隙間がなくなり、キャプテンシート(7人乗り)でも快適に車中泊が楽しめます。
寸法
こちらもフラットになりませんが、写真のベンチシート(8人乗り)の縦幅は約200cm、横幅は約120cmと2人でも広々と横になれます。キャプテンシート(7人乗り)よりも2列目の横幅は少し広め。
運転席と助手席の背もたれの背面にはコンビニフック付きのシートバックテーブルが付いており、車中泊をしながら使うことが可能です。
段差
2列目のシートと背もたれの段差は約10cmで背もたれに少しカーブがあるため、小さめのクッションを1つ置いて、タオルで微妙な隙間を埋めて調節しましょう。
3列目シートにも同じく10cmの段差があります。こちらはシートにあまり角度がついていないのでクッションや畳んだタオルで段差を埋めましょう。
収納スペース
3列目シート後ろのラゲッジスペースをそのまま使うことができるので、たっぷりと荷物を収納することが可能です。
2列目の足元や背もたれの下、1列目シートにも荷物を置くことができます。
③1列目・2列目シートの背もたれを倒すスタイル
③のスタイルは、3列目シートを床下に収納します。1列目・2列目シートのヘッドレストを外して、それぞれの背もたれを倒せば完成です。
寸法
写真のベンチシート(8人乗り)の縦幅は約223cmあるので背が高い方でも余裕で横になることができます。ただし、1列目シートは横幅が約50cmあり、それぞれ独立しています。運転席と助手席の間は約30cmあり、埋めることは難しいため少し窮屈に感じるかもしれません。
また、3列目を収納すると縦幅約120cm、横幅約120cmのスペースができるため、小さな子どもであれば2人横になることができ、最大4人で車中泊をすることが可能です。
段差
1列目シート座面と背もたれの間の段差は約10cm。まずはクッションを置いた上で、横になって気になる凹凸はタオルなどで埋めましょう。
2列目シート座面と背もたれの段差も約10cm。こちらもクッションを1つ置いて、タオルで微妙な隙間を埋めて調節しましょう。
収納スペース
3列目シートを収納した部分がそのまま、収納スペースになるのでたっぷりと荷物を載せることができるのがこのアレンジの特徴です。連泊で荷物が多くなっても問題なく収納できるでしょう。
また、2列目シートの足元の部分にもスペースがあります。そこまで広い空間ではありませんが、外したヘッドレストはすべて置くことが可能です。
ステップワゴンの車中泊に使える純正アクセサリー
ステップワゴンにはさまざまな純正アクセサリーがあります。ここでは、車中泊に使えるアクセサリーを紹介します。
プライバシーシェード・セパレートカーテン
「プライバシーシェード」は、窓を覆うシェードで、「セパレートカーテン」は、1列目シートと2、3列目シートを区切るカーテンです。
どちらもぴったりフィットして、外の光が入りにくく中の光も漏れにくい設計。布製なので収納や取り付けが簡単で、必要なときにすぐ使える便利なアクセサリーです。収納袋も付属しています。
大型ルーフコンソール
「大型ルーフコンソール」は、1列目シートのルーフに取り付けできる収納スペースです。小物を整理しやすく、運転席側には、ティッシュを入れる部分も備えています。
シートアンダーボックス
「シートアンダーボックス」は、デッドスペースになるシートの下に取り付けられる収納ボックス。靴や小物などを整理して収納するのに便利です。
ACコンセント
3列目左側ラゲッジサイドライニング部に取り付けられる「ACコンセント」。100V/100Wの出力で、スマートフォンの充電や扇風機などの小型家電が使用可能です。
ステップワゴンで車中泊をするレイアウト
カーサイドタープを横に取り付ければリビング空間のできあがり。車中泊スペースを確保しつつ、のんびりとくつろぐことが可能です。
1列目・2列目の背もたれを倒して車中泊仕様にしました。3列目背もたれの下に広いラゲッジスペースがあり、クーラーボックスなどの大型アイテムも入るので収納スペースに困りません。
3列目シートを床にしまって、今回の車中泊で使用する道具をすべて積み込んでみましたが、かなり余裕があります。旅先で車中泊をしてお土産をいっぱい買っても心配ありません。
3列目を床に収納するスタイルの車中泊レイアウト
3列目を床に収納するスタイルならシートの凹凸が少ないのでほぼフラットな状態で寝ることができます。ただし、ホイールの部分がくびれているのでキャンプマットのサイズによっては少し重ねて配置する必要があります。
ニトリの折りたたみできるシングルマットを敷いてみました。横はぴったりサイズですが、縦は入りきりません。マットを少し折るなど工夫して使うと良いでしょう。
2列目・3列目シートの背もたれを倒すスタイルの車中泊レイアウト
2列目・3列目シートの背もたれを倒すスタイルは、縦幅が長く余裕をもってキャンプシートを敷くことができます。クッションやマットで段差を埋めるとさらに快適です。
キャプテンシート(7人乗り)でも、2列目シートを内に寄せることができるのでスペースを有効活用できます。
1列目・2列目シートの背もたれを倒すスタイル
1列目・2列目シートの背もたれを倒すスタイルも段差はあるものの、縦幅に余裕があるので余裕をもってキャンプマットを置くことができます。ただし、運転席と助手席の間には30cmの隙間があってシングルサイズのマットなどの横幅が大きいマットを置くことができないので注意が必要。
小さい子どもであれば3列目シートを床にしまったスペースで2人寝ることができて、合計4人で車中泊をすることができます。床は段差がなくフラットですが、金具や多少の凹凸があるためマットやラグを敷くようにしましょう。
ステップワゴンで広々車中泊
ステップワゴンなら、広々とした空間で快適に車中泊が楽しめます。小さい子どもがいる家庭なら、家族4人での車中泊も可能です。さらに、車中泊をより快適にする純正アクセサリーが豊富にそろっています。ぜひ、ステップワゴンで快適な車中泊を体験してみてくださいね。
文/ヨシダコウキ
写真/宮越 孝政
編集/ヨシダコウキ、TAC企画