モースポフェス2019 SUZUKAで見た、カスタマイズカーのあれこれ

モースポフェス2019 SUZUKAのイメージ

2019年3月2日、3日に鈴鹿サーキットで行われた「モースポフェス2019 SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~」に潜入。

Honda、TOYOTA、モビリティランド鈴鹿サーキットの3社による共催で実現。車両展示に加え、さまざまなイベントが行われ、5万人が来場しました。

その模様をレポートします!!

 

モータースポーツイメージだけではない、TOYOTAとHondaのさまざまなカスタマイズ指向

TOYOTAは2019年の春ごろに発売予定のGR SUPRAをイメージリーダーに、TOYOTA 86やダイハツCOPENなどのカスタマイズカーを展示。

 

GR SUPRA

GR SUPRAには赤く塗装されたブレーキキャリパーやカナードを模したフロントスポイラーなど、いろいろとカッコいい要素がふんだんに取り込まれています。しかし発売前とあって、これがカスタマイズなのかノーマルなのかがよくわかりません。

 

GR SUPRA のイメージを落とし込んだTOYOTA 86
GR SUPRA のイメージを落とし込んだTOYOTA 86のホイール

そのGR SUPRAのイメージを落とし込んだと見られるTOYOTA 86は、間違いなくカスタマイズカー。エアロなども魅力的に見えますが、ここで注目したいのは対向ピストン式に改められたブレーキキャリパーです。 

ブレーキ性能をうんぬんいう前に、この赤く塗装されたキャリパーがイメージを大きく変えていることに気づきます。そしてそのキャリパーを目立たせるためか、最近トレンドのリム部の細いホイールを装着しレーシーな雰囲気を醸し出しています。

 

TOYOTA 86のカスタマイズバージョン「14R60」
ルーフにカーボンを使用しているTOYOTA 86のカスタマイズバージョン「14R60」

こちらはすでに販売が終了している100台限定で630万円というTOYOTA 86のカスタマイズバージョン「14R60」。

エアロ追加やホイール変更だけにとどまらず、軽量化や重心を下げるということでルーフをカーボンに変えてしまう猛者といえるカスタマイズも出展されています。これはサーキットまで自走してのサーキット走行を主眼に置いたカスタマイズといえます。

この14R60をご覧になっていた30代の男性の方は「なんか究極という感じがします。でもここまで作り上げてしまうと用途が限られてしまって、普段乗りにもう一台必要になりそうですね」と語っています。複数所有のうちの一台といったイメージでしょうか。

 

COPEN GRMN
COPEN GRMNのシート

カスタマイズのテーマをどこに置くかは非常に重要なテーマといえます。

普段の街中での走行をきびきびと快適に気持ちよく走りたいと思う方には、14R60のようなカスタムカーはハードすぎるでしょう。そういった方に向けては軽自動車のオープンをベースにしたカスタマイズもあります。

ダイハツのCOPENをベースにエアロ追加やサスペンションチューニングを施したGRMNというバージョンがそれで、ファッション性が重視されがちなFFのCOPENでも街をスポーティーに駆け抜けていくことができます。

このCOPEN GRMNを熱心にご覧になっていた60代の男性の方は「夫婦で楽しめる雰囲気が楽しそう。ただ実際に走ってみないとわかりませんが、FFなのにスポーツ性にふっている気がするのでわりと若い人向けかも」と語っています。

 

Honda S660
Honda S660に乗車した蒼乃茜さん

同じ軽自動車のオープンでもスポーツカーといいきれるのがHonda S660。展示されていたのは、このモースポフェス2019 SUZUKAでカラーリングがお披露目されたSUPER GTのGT500クラス64号車「Modulo EPSON NSX GT」のレプリカカラーリング。レーシングカーのレプリカカラーを施すだけで気分もかなり上がってきます。

この64号車レプリカに乗り込んだModuloプリティの蒼乃茜さんは「レースを戦っているドライバーさんと同じ気持ちになれそうで、応援する気持ちが高まってきます」と語っています。

 

ステッカーを貼ったHonda S660
ステッカーを貼ってカスタマイズした様子

カスタマイズをするうえで重要なのは、雰囲気ではないでしょうか。この64号車レプリカやS660 Modulo Xに施されたF1 Toro Rossoチームのレプリカカラーリングを見ると、ステッカーを貼るだけで気分が変わること、クルマに乗ることが楽しくなることを教えてくれる気がします。

 

S660 Neo Classic
S660 Neo Classic

雰囲気を重視するなら、いっそのことボディスタイルを変えてしまってもいいでしょう。

ここに並べられた2台はホンダアクセスが「普遍的な美しさを持つ新しいスポーツカーを」ということで開発したS660 Neo Classic。丸みを帯びたカタチがどこか懐かしい気分にさせるのですが、このクルマのベースは先述のHonda S660。

 

S660の外側のアウターパネルをまるごと交換した様子

外側からはその面影はほとんど見当たりません。それもそのはずで、外側のアウターパネルをまるごと交換してしまう手法で、まったく別の雰囲気をもつクルマになってしまいます。

S660 Neo Classic をご覧になっていた50代の男性の方は「S660だとHondaのスポーツカーにある攻撃的というか硬派なイメージが強いので、乗りこなすのに気合がいりそうですが、こちら(S660 Neo Classic)だとゆったりと流していても問題なさそうです」と語ります。

また20~30代のカップルやご夫婦では男性はS660の支持が高いのですが、女性は圧倒的にS660 Neo Classicを支持しています。

 

S660 Neo Classic

S660にまったく違う魅力を与えたS660 Neo Classicですが、その中でもカスタマイズの度合いで魅力が違ってきています。ボンネットにストライプを入れて70年代のスポーツカールックとなったソリッドレッドのS660 Neo Classicは、随所にカスタマイズが光ります。

 

S660 Neo Classicのホイール
S660 Neo Classicのホイールのカスタマイズ

ストライプの入ったS660 Neo Classicではホイールもクラシカルなタイプ(写真右)にしてあり、これだけでもかなり雰囲気が変わります。

 

Hondaのロゴを入れていない車の後方
メーカーのロゴを車体に入れるカスタマイズの比較

またHondaのメーカーロゴを入れてみる(写真右)など、ほんのちょっとしたことだけでも雰囲気は変わってくるのです。

 

車内のカスタマイズ例。シフトノブにチタン削り出しを使う
ヘッドレストにスピーカーを付けるカスタマイズ

車内を見てみるとストライプの入ったS660 Neo Classicは、シフトノブにチタン削り出しを使うなど雰囲気作りも行っています。

また音が散らばりがちなオープンカーのオーディオですが、より高品質な音を楽しめるようにヘッドレストにスピーカーを付けるなど、こだわればいくらでもこだわることができるということを提案しています。

 

カスタマイズしたクルマを眺める人々テーマやこだわりをいかにクルマに織り交ぜていくか。そういう楽しみ方がカスタマイズとしてクルマに個性を与えていきます。

またその個性はクルマに乗る方の個性の具現化であり、あなたのライフスタイルの主張となっていくのです。

モースポフェス2019 SUZUKAで見たカスタマイズカーは少し尖った印象があるかもしれませんが、その分だけ個性と主張がわかりやすい提案だったといえるでしょう。

 

今年の“鈴鹿ファン感謝デー”はHondaとTOYOTAがコラボ。“モースポフェスSUZUKA”に発展

日本を代表するレーシングカーの2019年モデルがお披露目されるモースポフェス2019 SUZUKAのイメージ

2019年3月2日、3日に鈴鹿サーキットで開催されたモースポフェス2019 SUZUKA。これまで鈴鹿サーキット主催のファン感謝デーとして開催されていたイベントに、メーカーとしてHondaとTOYOTAが協催として参加、コンテンツを大きく様変わりさせてのモータースポーツイベントとなりました。

SUPER GTやスーパーフォーミュラといった、日本を代表するさまざまなカテゴリのレーシングカーの2019年モデルがお披露目されるなど、モータースポーツファンにとってはたまらない内容です。

 

Indy500mileレースのイメージ
Indy500mileレースのイメージ

また世界三大レースとのひとつとして数えられるIndy500mileレースで2017年に優勝を果たした佐藤琢磨選手が、その優勝マシンで鈴鹿サーキットを走るという前代未聞のコンテンツも行われ、来場者も2日間で5万人を超えるという大変大きなイベントとなっています。

 

モースポフェス2019 SUZUKAに登場するプロドライバーのイメージ
モースポフェス2019 SUZUKAのイメージ

そんなモースポフェス2019 SUZUKAですが、コンテンツはサーキットのコースだけではなくグランドスタンド裏手のイベント広場でもHondaとTOYOTAが入り混じっての、さまざまなトークショーやプロドライバーによるコンテンツが満載! 多くの来場者を楽しませていました。

 

 

HondaとTOYOTAがメーカーの枠を超えたモータースポーツファンに向けた新たなチャレンジ、来年もぜひ開催していただきたいイベントです。

 

文・写真/松永 和浩