キャンプなおしゃれクルマを拝見!GO OUT CAMP 猪苗代に見るカスタム事情【後編】

猪苗代湖で開催されているGO OUT CAMPのイメージ

おしゃれなアウトドア好きたちが集まるキャンプイベント「GO OUT CAMP(ゴーアウト キャンプ) 猪苗代」。2019年初夏に開催された第6回に集まった、外遊びの達人たちに取材を決行!個性的な3名をご紹介した前編に続いて、後編でも愛車のカスタムを楽しんでいる3名をご紹介します。

目次

 

①家族の絆が描かれるアートなペイント 【Honda ステップワゴン】

アートペイントをほどこしたHonda ステップワゴンの前に立つ神谷さんファミリー

神谷 直人さん 53歳(神奈川県・藤沢市) 愛車名:Honda ステップワゴン

そのクルマは遠くからも目をひき、近くを歩くと誰もが立ち止まる、大胆かつ華やかなペイントのHonda ステップワゴン。遠くからは花びらのように見えましたが、近くでじっくり眺めるとキリンやサル、ゴリラにチーターと、動物がいっぱい描かれていました。

 

キャンプで知り合ったアーティストに依頼

アートペイントの中にはキリンやチーターなど家族が描かれている
アートペイントの中にはキリンやチーターなど家族が描かれている
サイドミラーにもペイントが施してある。仕事が細かい!
サイドミラーにもペイントが施してある。仕事が細かい!

「このクルマにはぜんぶで6匹の動物が描かれているんです。僕ら夫婦と子どもたち3人+愛犬の6人ファミリーをイメージして描いてもらいました」と話す神谷直人さん。ペイントしたアーティストは、過去に参加したGO OUT CAMPのワークショップで知り合い、絵のタッチに惚れ込んだodarianこと小田 佑二さんです。

お兄ちゃん2人は遊びに出ていましたが、お留守番の三男の琉太くんは今日がちょうど誕生日。琉太くんが生まれる少し前、昨年の1月に新車が納車され、すぐにアーティストの小田さんにペイントを依頼したそう。「新車に描いてもいいの!?」と小田さんもびっくり。塗料は特注カラーを専門業者に作ってもらい、小田さんは神谷さんのご自宅に泊まり込んで1週間かけて完成させたそうです。

 

親の代から受け継いでいるキャンパーの血筋!?

Honda ステップワゴンに設置したルーフボックス
Honda ステップワゴンに設置したルーフボックス。見た目より荷物が入るのだとか
テントでくつろぐ神谷さんご夫妻と、三男の琉太くん
テントの前にタープを張ってくつろぐ神谷さんご夫妻と、三男の琉太くん

神谷さんは、生まれてすぐのときから親がキャンプに連れて行ってくれたという、生粋のキャンプっ子。GO OUT CAMP 猪苗代は6回すべて参加し、暑すぎないシーズンは毎週のようにキャンプを楽しんでいる上級者。チェアや寝袋などかさばるキャンプ道具はクルマの屋根に設置したルーフボックスに収納し、車内は広々快適に過ごしています。

 

長年乗り馴れた安全なクルマを選びつつ、遊び心は忘れない!

ステップワゴンのフロント

ステップワゴンの前も、ずっとHonda車を乗り継いでいるという神谷さん。「年齢も上がったのでなるべく楽に移動できるクルマをと思い、ステップワゴンを選びました。このステップワゴンに乗り換えてからは、長距離移動も苦にならない、快適なドライブを楽しんでいます。Hondaは安全性にとくに注力している会社なので、信頼しているんです」

それにしても、こんな大胆なペイントを愛車にほどこそうなんて発想がすごい。アートやデザイン関係のお仕事をしているのかと思いきや「普通の会社員ですよ」という意外な回答でした。「大人は遠巻きに見ている感じですが、子どもたちの反応はぜんぜん違う。通学途中の子どもたちが、クルマを取り囲んで眺めていることも少なくないんです(笑)。うちの子たちもクルマに乗りたがるようになりましたね」

 

②軽トラ=仕事のイメージをカスタムで払拭! クルマと遊びの距離がぐっと近づく【ダイハツ ハイゼットトラック ジャンボ】

ダイハツ ハイゼットトラック ジャンボと一緒に立つ土田さんと近藤さん

土田 大介さん 31歳、近藤 正之さん33歳(兵庫県・神戸市) 愛車名:ダイハツ ハイゼットトラック ジャンボ

装甲車みたいなデザインのおしゃれなクルマ。ホロのようなシートの荷台に、自転車をのせたルーフ。カーキ色の塗装もいい感じのこのクルマ、あまり見ないデザインだけれどベース車はなんでしょうか? 気になって声をかけてみると「これダイハツのハイゼット、軽トラックですよ」と土田 大介さん。こんなかっこいいのに軽トラなの!?

 

タイヤを変えるだけで印象ががらりと変わる

傷防止にもなるカッティングシートを貼っている。薄いので車体になじむ!
傷防止にもなるカッティングシートを貼って、よりハードな印象に!
リフトアップして太いタイヤをはかせている
リフトアップしてマッドタイヤをはかせてカスタムしている

カーキの塗装はダイハツで選べるオプションの純正カラー、そこにマットブラックのカッティングシートを貼って装甲車風の見た目にチェンジ。シートを貼ると傷防止にもなるそうです。リフトアップして太いマッドタイヤをはかせることで、アウトドアギア感あふれる迫力が出ていました。

 

荷台のキャリアはアウトドアでも大活躍

カバーを装着したハードカーゴキャリアなので、中で着替えもできる
カバーを装着したハードカーゴキャリアなので、中で着替えもできる
自転車もサップものせられるハードカーゴキャリア
自転車もSUPものせられるハードカーゴキャリア

荷台には「ハードカーゴキャリア」というパーツを組み立て、専用のカバー(幌)を装着。2つ合わせて18万円ぐらいのカスタムなんだそう。「カバーは三方ファスナーの、内からも外から開けられるダブルチャックなので、サーフィンや水遊びのあとに中で着替えるのにも便利。ハードカーゴは耐荷重100kgなので、なんでも載せられますよ!」

 

クルマ離れの若い世代でも、工夫次第でカーライフが楽しめる!

自転車をのせたハイゼット

農業や建築関係の人が使っているイメージの強い軽トラ。こんなにおしゃれになるなんて、ちょっと乗ってみたくなりますね。「軽トラって商業車のイメージが強いけれど、カヌーやSUP、釣りなど、長い道具も荷台にラクにのせられるので、実はアウトドアレジャーにぴったり。同じハイゼットでも、ジャンボは運転席も広くて座り心地もいい。なによりリーズナブルな軽トラは若い世代にも人気なんです」

 

③初心者ソロキャンパー。個性的なカスタムで“等身大のおもちゃ箱”を遊ぶ【トヨタ FJクルーザー】

ミリタリー調にカスタムしたトヨタ FJクルーザーと高田さん

高田 太郎さん 35歳(山形県・山形市) 愛車名:トヨタ FJクルーザー

カフェのように居心地のよさそうなテントで、コーヒーを飲みながらくつろいでいた高田 太郎さん。ミリタリーなファッションがぴしっと決まっています。そして、傍らのFJクルーザーもミリタリー調で、高田さんのスタイルにしっくりなじんでいて声をかけてみました。

 

普段のファッションにクルマのカスタムも寄せていく

大きめのタイヤにはきかえてカスタム
グリルガードやテールレンズガードでミリタリー感アップ! タイヤ、アルミもはきかえてカスタム
フューエルリッドに貼ったステッカーはネットでオーダー
フューエルリッドに貼ったステッカーはネットでオーダー

 みんなが乗っているクルマは苦手だという高田さん。日本では終売してしまったFJクルーザーを、アメリカから逆輸入したのは1年半ほど前のこと。フロントフェンダーのステッカーは車体番号をミリタリー調に入れたもので、ネットでステッカーをオーダーして貼り付けています。「あちこちにステッカーを貼りましたが、全部で2万円ぐらいでできましたよ。ふだんのファッションにクルマをよせてきているんです」

タイヤもほかの人とかぶらないよう2インチアップ。頑丈そうなルーフラックは純正品をチョイスしていました。「純正品を選んだのは、完成されている感じがしたから。このクルマによくなじみますよね。カスタムするのはこのクルマが初めてですが、個性的なクルマがさらに個性的になって大満足!」

 

カスタムは大人のプラモデル遊び

ステアリングホイールにもステッカー 
ステアリングホイールにもステッカー
FJクルーザーの車内
取っ手も車体のイメージと合わせてカスタム!

クルマが好きなので、キャンプのときもクルマのすぐ近くに一緒にいられるのがいい、と話す高田さん。「カスタム用のパーツをネットで探して自分で取り付けています。等身大のプラモデルで遊んでいるみたいで、クルマはおもちゃ箱。今後は中の装備を充実させていきたいですね」。面倒くさい作業もあるけれど、でき上がった満足感はひとしお、と笑顔で話していました。

 

クルマがあるからできるソロキャンプ

キャンプグッズはスノーピークのナチュラルなカラーで統一
キャンプグッズはスノーピークのナチュラルなカラーで統一
この日はカラッと晴天。猪苗代湖の向こうに磐梯山が美しく映える
この日はカラッと晴天。猪苗代湖の向こうに磐梯山が美しく映える

実はキャンプはビギナーで、今年始めたばかり。「写真が趣味で、あちこちにでかけています。クルマがあればひとりでも気軽にキャンプに行けるし、車中泊すれば朝焼けとか、クルマがないと撮れない景色にも出会える。今朝も猪苗代湖の朝焼けを撮影したんですよ」

 

カスタムは、乗り手の人生をあらわしている

カーペイントから家族愛があふれだしていたHonda ステップワゴンの神谷さん、アウトドアスポーツを満喫しているダイハツ ハイゼットトラック ジャンボの土田さん、趣味の写真の世界をクルマで自由に広げているトヨタ FJクルーザーの高田さん。

みなさん、ライフスタイルを充実させるもののひとつに、キャンプがあり、クルマがありました。ひとつとして同じものがないカスタムしたクルマは、まるでひとりひとりの人生そのもの。カスタムが日々の暮らしを豊かにしていることを実感できるキャンプイベントでした。

 

取材・文/嶺月 香里
写真/矢野 宗利