いま空前の大ブームを巻き起こしているキャンプ。今年こそはキャンプデビューを果たそう!と意気込んでみたものの、何を購入すればいいかわからない…。そんな人、多いのでは?
そこで、今回アウトドアグッズ専門店「アルペンアウトドアーズ」の旗艦店に潜入し、おすすめのキャンプ用品と選び方をプロに教えてもらいました。相談したキャンプの想定人数は初心者が始めやすい2〜3人です。日帰りキャンプや家でも使える(!?)秀逸グッズたちも登場。
見ているだけでキャンプに行きたくなりますよ!
見て触って選べるラインアップが魅力のアルペン旗艦店
今回、訪れたのは2019年4月19日にオープンした「アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店」。世界最大級となる約2,300坪の売り場に、キャンプから登山用品まで450ブランド、10万点以上もの商品が集結! ほかに類をみない圧倒的な品ぞろえが、外遊びラバーたちのあいだで話題になっています。
店内は3フロア構成で、1階はすべてキャンプ用品。テントやチェア、ランタンなど、さまざまなメーカーの商品が一堂に会しているので、見比べながら選ぶことができます。なにより、実際に広げた状態のテントのサイズ感や、マットの寝心地など、現物を見て体験できるというのがネット通販にはない大きなメリット!
住所:千葉県柏市風早1丁目6-1
TEL:04-7192-3671
営業時間:10時~21時
定休日:無休
駐車場:250台
https://www.alpen-group.jp/store/outdoor/kashiwa/
オートキャンプを楽しみたい初心者は“サイズ感”と“設置しやすさ”に注目しよう
今回、キャンプ用品について教えてくれたのはスタッフの宮入 弘光さん。相談したのはこんなキャンプの想定です。
- 2〜3名で、カジュアルに始めたい
- 初心者でも使い勝手よく、外での快適性を追求したい
- クルマで乗り入れができるオートキャンプ場を利用
- 軽自動車など小さいクルマでも収納できる荷物量に
教えてもらったキャンプ用品はこちら。
小物系
大物系
さっそく宮入さんに店内を案内していただき、おすすめ商品と選び方を教えてもらいます。よろしくお願いします!
【1】非日常が味わえる「焚火台」は初心者こそマスト!注目はミニサイズ
芝生の保護の意味でも地べたに直接火を起こす「直火NG」のキャンプ場が増えていて、多くのメーカーが「焚火台」を作るようになったそう。以前は大きなサイズが主流でしたが、いまは驚くほどコンパクトな焚火台がグッと増えたのも“焚火ブーム”をけん引する理由の1つ。1人でも手軽に楽しめるミニ焚火台なら、値段も安いし手軽に導入しやすいというメリットも。
宮入さんに、タイプの違う焚火台を3点おすすめしてもらいました。
見てください、この小ささ! 焚火といったらキャンプファイヤーなイメージしかなかっただけに、片手でも持てるサイズ感に驚愕。そして並べてみると形がまったく違います。どうやって使うのでしょうか。具体的に1つずつ見ていきましょう!
① 焚火台S(スノーピーク)
「焚火台の定番といったらスノーピークといわれるほど、キャンパーに支持されているアイテムです」と宮入さん。S・M・Lと3サイズあり、Sは30cm四方以下。見た目は小さいけれど重さがあるので安定感もばっちり。ガンガン使っても壊れにくく、経年変化も楽しめる耐久性の高さもおすすめのポイントです。
構造は4枚の三角パネルを組み合わせで成り立っていて、パタンと折り畳んで収納できます。逆ピラミッドの形状は薪を並べやすく、焚火の炎が美しいフォルムで燃え上がるのも魅力なのだそう。オプションのグリル用の網をのせれば、写真右のように焚火や炭火でクッキングもOK。
② Solo Stove Titan(ソロストーブ タイタン)(ソロストーブ)
「こちらのソロストーブは空気の流れが計算されていて燃焼効率がとても高いんです。少量の薪でも長く燃やせる構造になっていて、軽くて丈夫」と宮入さん。アメリカ・テキサス生まれの小型ストーブで、拾ってきた小枝や松ぼっくり、割りばしをくべて焚火をすることができます。
写真右のように五徳を設置すれば重たいスキレットをのせても安定感があり、こんなに小さいのに素早くお湯が沸かせて、簡単な料理もできて大活躍。「ライト」高さ14.5cm、直径10.8cm、「タイタン」高さ20cm、直径13cm、「キャンプファイヤー」高さ23.5cm、直径17.8cmなど、サイズ展開が豊富。宮入さんのおすすめは「タイタン」です。
③ カマド スマートグリル B5型(キャプテンスタッグ )
「焚火も料理も楽しみたいなら、キャプテンスタッグのスマートグリルもいいですね。五徳の網とバーベキュー網がセットされているので、焚火や炭火で肉や野菜を焼くことができます。写真右のような鍋を置けば煮炊きもOK。安定感がありふらつきません」と宮入さん。
高さは25cmと低く、テーブルの上に置いて料理をすることもできます。ドライバー無しで組み立てられ、収納も折り畳むだけと簡単。しかもお手頃価格で、ちょっと焚火を試してみたいな…という初心者にぴったり。ちなみにソロキャンプ向きのB6型3,480円も人気です。
【2】「バーナー」は初心者でも扱いやすいカセットボンベタイプを
家庭用と屋外専用の卓上カセットコンロの違いは、風避けがついていて火力が強いこと、重く高温になるダッチオーブンが使用できること、持ち運びしやすい工夫がされていることです。色やデザインが可愛いものもあって、女子キャンパーにも人気があるそう。
そんな中から宮入さんが「ダッチオーブンやスキレット料理はできませんが、初心者キャンパーに売れているんです」とおすすめしてくれたのはこちら。
HOME&CAMPバーナー(スノーピーク)
2019年夏に登場し、あっという間に完売・入荷待ちとなったスノーピークのHOME&CAMPバーナー。「キャンプ道具だけど“屋外でも家でも使える”というコンセプトが、じわじわ人気を集めています。これはまさにソト&ウチ両用※の画期的なバーナーで、春から秋は屋外、冬は家で鍋料理と一年中活躍します」と宮入さん。
注目すべきは、コンロのゴトクを折り畳んで右写真のようにボトル状に収納できるコンパクト設計。屋外専用の卓上コンロはタフなデザインが多く、3kg近く重量がありますが、こちらは普段の食卓にもおしゃれになじむデザインで、1.4kgと軽量です。
※HOME&CAMPバーナーは家庭仕様の卓上コンロなので、ダッチオーブンやスキレットなどの鋳鉄やセラミックの網、燻製器など輻射熱が強い調理器具はCB缶の異常加熱を防ぐため使用できません。
【3】「チェア」は座り心地と扱いやすさが決め手のロータイプを選ぶ
人気のヘリノックスやコールマンを中心に、さまざまなチェアがズラ〜ッと並ぶ店内。さすが世界最大級の広さを誇る店舗。テキスタイルのデザインやカラーも豊富で、あれこれ座って試せるのがうれしい!
この中から「まずは座ってみて比べてください。座り心地が全然違うんですよ」と宮入さんが出してきたのは2つのローチェアです。
① ファイアープレイスフォールディングチェア(コールマン)、② ホームチェア(ヘノリックス)
早速、試してみると…。写真左のコールマンは背中やお尻をホールドする安定感がしっかりして、座りながらでも料理がしやすそう。ひじ掛けもあるから読書するには楽かも。写真右のヘノリックスは体を包み込んでくれるかのような、ハンモック的な座り心地。うーんこれ、どっちが好きか、好みが分かれそうです。チェアは座ってみないと本当にわかりませんね!
持ち運びやすさ、設置のしやすさも選ぶときの大きなポイントです。写真左のコールマンはパタンと2つに折りたたんでそのまま運べ、まったく手間がかかりません。写真右のヘリノックスは脚と座面を分解して畳む手間はありますが、付属の巾着にしまうと驚きの小ささになり、重さは1kg以下。ザックに入れて運べるコンパクトさで、バイクや自転車キャンパーにも需要が高いそうです。
【4】ローチェアと合わせて「テーブル」もロータイプで統一を
焚き火テーブル(ユニフレーム)
ローテーブルも各メーカーからたくさんの種類が出ていますが、宮入さんのおすすめはユニフレームの焚き火テーブル。
「その名の通り、焚火台の横に置けるテーブルで、少々の火の粉が飛んできても大丈夫」と宮入さん。ステンレス製の天板なので熱や傷、汚れに強く、アツアツの重たいホーロー鍋やダッチオーブンを置いてもOK。収納するとわずか2.5cmの厚さになり、クルマのトランクにも簡単に収納できます。
【5】「クーラーボックス」は30ℓ、15ℓの2サイズ持ちがベスト
ソフトタイプは軽くて便利そうですが保冷力は劣るので、ドリンクを入れるなどサブクーラーとして利用するのがおすすめです。
店内には色や形もさまざまなクーラーボックスがいっぱい。大きくて目立つものはキャンプの雰囲気にも影響するので、好きなデザインを選ぶのも大事なポイントかも。
宮入さんに「初心者が最初に買うなら?」と選んでもらったのはこちら。
エクスカーションRクーラー 30QT、エクストリームRアイスクーラー 15L(コールマン)
「肉や魚介など絶対に冷やしておきたい生鮮品は、ハードタイプのクーラーボックスに、ビールやドリンクはソフトクーラーに分けて収納すると、ビールを出し入れするうちにボックス内の温度が上がってしまうこともありません」と宮入さん。ハードタイプはふたに物が置けるのでちょっとしたサブテーブルにもなりそうです。
【6】「ランタン」は安全で使いやすい電池式LEDを2サイズ持つ
LEDからオイル式まで、さまざまなランタンが並ぶ店内。実用的なものから、飾り用のライトアップまで豊富にそろっています。この中から宮入さんが選んでくれたランタンは機能性抜群の2つ!
クアッドマルチパネルランタン(コールマン)
宮入さんが「メインの灯り」として選んだのがこちら。画期的な多機能バッテリーランタンとして大ヒットした、コールマンのLEDランタン。電池式でこんなに明るいの!?と驚く光の強さ(最大で800ルーメン)が頼もしく、ユニークなのは側面についた4枚の発光パネルが、それぞれ取り外して使えること。懐中電灯やサブの灯りとして使えるのがスゴイ。
「USBポートがついているので携帯電話の充電もできますよ。車中泊など、火を使えないシーンでも活躍すること間違いなし」と宮入さん。
タッチLEDランタン(IGNIO)
続いて「サブの灯り」におすすめなのが電池式のLEDランタン。トントンとライトをタップするだけで発光するから、就寝時の枕元などにあると安心です。タッチ操作で赤緑青など多彩にカラーを変えることもできるので、見ているだけでも楽しく、家での間接照明にも使えそうです。携帯電話と同じようにUSB充電式なのもいいですね。
以上が小物系のキャンプ道具でした。コンパクトで機能性が高いものばかりでしたが、使ってみたい! おもしろそう! といったワクワクするアイテムが多かったのも、キャンプを楽しむために必要な要素かもしれませんね。続いて、大物系のキャンプ用品を見ていきましょう。
【7】「テント」と「タープ」があるとキャンプはぐっと楽しくなる
タープはデイキャンプのときにも活躍します。日よけや雨よけになり、タープの下でバーナーを使った料理も楽しめる、とても便利なアイテム。
店内にはたくさんのテントやタープが設置され、テーブルやチェア、調理道具なども一緒にスタイリングしてあるので、実際のキャンプシーンがイメージしやすいのが、この店ならではのメリット。テントの中にもぐりこむと、フィールドに遊びに来たみたいな気分になって、思わずはしゃいでしまいます。
そんな中から宮入さんがおすすめしてくれたのがこちら。
エントリーパックTT(スノーピーク)
「これさえあれば、ベーシックなキャンプは大丈夫!」と太鼓判を押すのは、スノーピークのタープとテントがセットになったエントリーパックTTです。デイキャンプのときはタープだけ、日陰の多い林間のサイトはテントだけと別々にも活用でき、ドッキングすれば寝室(テント)からリビング(タープ)への移動もスムーズな快適な基地のでき上がり。
「テントは設営できるか心配という初心者の方も多いのですが、こちらはフレームの構造がシンプルな、いわゆる“カマボコ式”で、初めて使うときも間違えずに直感的に組み立てられるのが特徴です」と宮入さん。
アルペンアウトドアーズ フラッグシップストア柏店では、週末に1階入口前の芝生にテントを設置することもあるので、よりキャンプ場で使っている雰囲気がつかめます。テントやタープの設営方法も丁寧に説明してくれるので、テント設営は初という人でも納得してから購入できますよ!
【8】「寝袋(シュラフ)」は封筒型が寝心地よく、初心者でも収納が簡単!
フリースフットEZキャリースリーピングバック/C5(コールマン)
宮入さんが初心者向けにすすめてくれた寝袋は、洗濯機で丸洗いもOKな封筒型で、家でも使えそうなお布団感! 触り心地もふわふわです。
「シュラフの価格もピンキリで、同じコールマンでも『パフォーマーⅢ/C15』なら2,719円からありますが、触り心地がビニールっぽいんです。中綿は化繊やダウンがありますが、生地の触り心地や寝心地を重視するのも大事。睡眠が最悪だと、キャンプの楽しさも半減してしまいますから」と宮入さん。
【9】「マット」は扱いやすさと寝心地でインフレーターマットを選ぶ
キャンパーインレフーターマット/シングルIII(コールマン)
宮入さんが選んでくれたのは厚み5cmのマット。インフレ―ターマットというタイプで、収納袋から取り出して栓を開けるだけで半自動的に空気を取り込み、ふかふかの状態になる仕組みになっています。
収納も簡単で、栓を開けて空気を逃がすようにぎゅうぎゅう押さえながら巻くだけ。土がつくなど、多少の汚れはさっと水拭きすればいいので、お手入れも簡単です。
実は車中泊の経験者という宮入さん、「車中泊」用品ってありますか?
テントやタープを設営する自信がないキャンプ初心者のあいだで、じわじわ注目が集まっているのが「車中泊」。
宮入さんに相談すると、なんと宮入さんは車中泊の経験者! 趣味の釣りやスキーを楽しむために深夜に出かけて車中泊で仮眠をとり、早朝から活動をスタートするスタイルで楽しんでいるそうです。
アルペン限定商品 シングルビッグマット(コールマン)
「テント内に敷くマットは5cmの厚さを紹介しましたが、車中泊するなら8cmの厚さは欲しいですね。こちらはアルペン限定商品でして、こんなに分厚いのにインフレータマットなので扱いやすい。シートのでっぱりで背中が痛くなることはありませんよ!」
N-VAN専用用品をチェックした感想は?
「ほかにも、車中泊のときには防犯の意味もあって、車内を目隠しするカーテンがあると安心です」と宮入さん。車種にジャストサイズのマットやカーテンを探すなら、やっぱり車種専用用品がおすすめです。
今回、N-VANの車中泊向け用品を、車中泊経験者の宮入さんにチェックしてもらいました。
まずは「N-VAN用クイックエアマット(ダブル)※」。付属のポンプで空気を入れるタイプのマットで、空気入れの作業は1分程度。純正用品の「マルチボード」を設置すれば下に収納スペースが確保できます。
「N-VANの形にぴったりはまるのは大きなアドバンテージ。寝返りを打ってもマットがずれないし、完全にフラットになって凸凹をまったく感じないのがすごくいいですね」と宮入さん。
「プライバシーシェード」は吸盤で簡単に取り付けられる全部のウインドウを覆うシートで、昼は日よけに、夜寝るときは目隠しにもなります。
宮入さんは「カーテンは車中泊では必須のアイテムですね。運転席側のシェードがメッシュにもできるので、窓は開けておきたいが虫は入ってきてほしくないというときに重宝しそう」と納得。
簡単に日よけを設置できる「N-VAN用サイドオーニング&専用取付ブラケットセット※」。車体側面上部に設置したオーニングを引き出すだけで、簡単にくつろぎの空間が生み出せます。
「これ、いいですね。女性でも1分で日よけを設営できる手軽さで、急な雨にも安心。オートキャンプのときにはタープ代わりになりますね」と宮入さんも高評価。
最後にオートキャンプ場などの外部電源設備から、車内にAC100Vを引き込める「外部電源入力キット」。エンジン停止中でも、車内で電化製品が使えるようになります。
「火を起こさなくてもIHコンロで料理ができて便利ですね。ドライヤーも使えるから、女性は大助かりじゃないですか」と宮入さん。
※「N-VAN用クイックエアマット(ダブル)」、「N-VAN用サイドオーニング&専用取付ブラケットセット」はホンダアクセスとホワイトハウスが共同企画した製品であり、Honda純正用品ではありません。購入の際はホワイトハウスにお問い合わせください。
キャンプを気軽に楽しめる時代がやってきたことを実感!
キャンプって道具も多いし、ちょっと面倒かも…と躊躇する気持ちがあったけれど、今回、コンパクトなキャンプ道具でも機能性抜群で、十分キャンプが楽しめると納得しました。
こんなに軽くて優秀なキャンプ用品ならば、大きなクルマじゃなくても、軽自動車に十分積みこめるから、気軽に「週末、天気がいいからキャンプに行こう」という気持ちになれそうです。
世界最大級の「アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店」に行けば、自分らしく楽しめるキャンプ用品がきっと見つかります! ぜひ行ってみてくださいね。
●掲載の内容は取材時点の情報です。予告なく変更される場合があります。
文/嶺月 香里
写真/菅井 淳子