突然ですが、大自然の中でサウナを楽しむ「テントサウナ」をご存じでしょうか? テントサウナとは、文字通りアウトドアでサウナを楽しめるテントのこと。サウナ好きの人はもちろん、アウトドア好きの人からも注目を集めているキャンプギアです。
今回、テントサウナを一緒に体験してくれるのは、以前「車中泊のプロ」としてご登場いただいた野田クラクションベベーさん。実は野田さん、お遍路や車中泊で日本各地の温浴施設をまわるうちに、すっかりサウナのとりこに。好きが高じて長野県信濃町に本格的フィンランドサウナ「The Sauna」を作ってしまったのです!
現在は「車中泊のプロ」から「サウナビルダー」へと転身した野田さんから、「一緒にテントサウナを体験しませんか?」という素敵なお誘いが! さっそくカエライフ編集部のかまやんとちゃんせきがN-VANとともに、野田さんの待つ長野県信濃町に向かいました!
目次
- 野田クラクションベベー
- 長野県信濃町のゲストハウス「LAMP」内にある本格的フィンランドサウナ「The Sauna」支配人。サウナを通してひとりでも多くの「サウナー(サウナ好きの人)」を増やしたいと思っている。
サウナ好きもキャンプ好きも注目するテントサウナ
ということで、標高654mに位置する長野県の野尻湖のほとりにある「湖楽園キャンプ場」にやって来たふたり。撮影当日は、気温はそこまで高くなく、心地良い風も吹く絶好のサウナ日和!
※撮影のため、特別にキャンプサイトへのクルマの乗り入れを許可していただいています。
そこに、今回一緒にテントサウナを体験してくれる野田クラクションべべーさんが登場です。
背中に背負っているのは、なんとテントサウナ! 今回使うバックパックサウナ「Mobiba(モビバ)」は、薪ストーブのファイヤーサイド株式会社が販売するロシア製のテントサウナ。バックパックの中にテントと組み立て式のストーブがセットで入っているのに総重量12.8kgと軽量で、持ち運びもラクラクです。
Honda軽自動車「N-VAN」の荷室に積んでみましたが、本当にコンパクト! マルチボードを使えば上下段にキャンプ用品やバーベキューの食材なども積み込めるので、キャンプにも気軽に持って行けそうです。
- テントサウナとは?
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耐火テントの中で薪ストーブを燃やし、温度を上げて楽しむサウナのこと。通常は、薪ストーブで熱したサウナストーンの上に、アロマ水をかけることで発生する水蒸気で湿度を上げて、体感温度を高めます。
室温が熱すぎないので、サウナが苦手な方でも入りやすいのが特徴です。20〜30分くらい時間をかけて身体を暖めていくので、芯からポカポカと暖まります。
今回体験するモビバは、ストーブのタンクでお湯を沸かして蒸気を発生させるスチーム式。サウナストーンを使わないので手軽です。キャンプ場やホームセンターなどで手に入る薪で火を起こすので、初心者にもおすすめ。サウナファンはもちろん、キャンプをさらに盛り上げてくれるグッズとして、アウトドアファンからも注目されています。
さっそく実践! テントサウナを組み立てよう!
N-VANのテールゲートカーテンの中で、本場フィンランドさながらのサウナスタイルに着替えた野田さん。ポンチョはタオル代わりになり、メリノウール素材の帽子はサウナの熱から頭や耳を守ることができるのだとか。より気分を高めたい方はこんなアイテムを揃えてみるのも良いでしょう。
それでは、実際にテントサウナを組み立てていきましょう! はじめて目にするテントサウナに、興味津々のカエライフ編集部のふたり。
こちらがバックパックに梱包されているすべてのアイテム。左から、バックパック、テント、ペグ、テントフレームとドアフレーム、ストーブ(中に煙突)、張り網と至ってシンプル。ストーブと煙突以外は、アウトドアで使う一般的なテントと同じような内容です。
STEP① テントを広げる
野田さんと一緒に、カエライフ編集部のふたりもテントサウナの設営にチャレンジ!
まずはテントの入り口の向きを決めて、地面の凹凸のない場所を確認してからテントを広げていきます。
STEP② ペグでテントを固定する
次に、テントに結んだ張り網をしっかりと伸ばし、ペグにループを掛けて打ち込んでいきます。地面が硬くて打ちにくい場合は、トンカチや石を使ってしっかりと打ち込んでください。
STEP③ テントフレームを立ててトグルボタンで固定する
2本のテントフレームを同時に立てて中央で交差させ、テントの頂点にあるトグルボタンを掛けて、テントを吊り下げます。
同じ要領で、テントの四隅にある帯にテントフレームを巻き込みながらトグルボタンで固定していきます。
STEP④ ドアフレームを差し込む
入り口の縁にあるファスナーを開き、ドアフレームを差し込みます。ドアフレームはテント内の気密性が高められ、熱を外に逃さないよう工夫がされています。ただし、ストーブの焚きはじめは、テント内に煙が逆流することもあるので、安定するまで入り口を開けておきましょう。
注意するポイント!
一酸化炭素中毒を防ぐために、必ずテントの換気口を開けましょう! 草や落ち葉で換気口が塞がらないよう十分に注意してください。
テントサウナのストーブを設置しよう!
テントが完成したら、いよいよストーブを設置していきます。取り扱い説明書に詳しく書いてあるので、見ながら設置しましょう。組み立ての順番さえ覚えてしまえば簡単です。
※焚き火禁止のキャンプ場ではテントサウナの使用はできません。あらかじめご確認ください。
STEP① ヒートシールドを設置する
テントとストーブは30cm以上離し、地面が熱くなりすぎないよう、ヒートシールド(台)を置きます。ヒートシールドが地面と水平になっていることを確認しましょう。
STEP② ストーブとタンクを差し込む
その上にストーブ、タンクを順番に差し込んでいきます。
STEP③ 蛇口を取り付ける
タンクに蛇口を取り付けます。サウナ後に残った熱湯でぬるま湯をつくり、身体の汗を洗い流すときになどに便利です。
STEP④ 煙突を取り付ける
煙突を天井の穴に通して繋げます。煙突使用後は、柔らかいスポンジを使って水で洗い流すか、濡れたタオルなどで汚れや水分を拭き取りましょう。
注意するポイント!
煙突の上から周囲の木々や葉っぱまでは、十分な距離があるか確認をしましょう。
STEP⑤ タンクに水を注ぐ
煙突を取り付けたら、タンクに水を注ぎます。9リットルの水が入りますが、沸騰したときにお湯があふれないよう、フタから下に約5cmのスペースを残しておきます。8リットルの水で、大体1時間ほどテントサウナを楽しめます。アロマオイルを垂らせば、アロマの香りを楽しむこともできますよ。
STEP⑥ 火をおこす
最後に着火剤などを使ってストーブの薪に火をつけます。温度や環境によって差はありますが、30分ほどで充分な温度になります。
温度の目安は、煙の色。火を付けた直後はもくもくと白い煙が上がりますが、次第に煙が透明になり、高温になったことが分かります。
※はじめてストーブに火を入れるときは、少量の薪で「慣らし炊き」を行ってください。
注意するポイント!
くれぐれも火傷に注意して、ストーブの近くには燃えるものを置かないようにしましょう!
組み立て完了! テントサウナに入ってみよう!
設営が完了したので、いよいよテントサウナ初体験です! 脱水症状を起こさないように、こまめな水分補給を忘れずに。テント内では地面に座っても大丈夫ですが、少し高さのある椅子があるとサウナの熱をより感じられます。
〜10分経過〜
〜約30分経過〜
〜1時間ほど経過〜
はじめはサウナブームに疑心暗鬼だったカエライフ編集部のふたりもこの表情! サウナの魅力に気がついてしまったようです。すっかり意気投合し、絆を深めた3人は、N−VANとテントサウナの前で日光浴を楽しみます。
※キャンプ場に許可を得て撮影しています。場所によっては遊泳や川遊びを禁止していることがあります。事前にご確認をお願いします。また、水に入る際はいきなり入るのではなく、心臓から遠い場所から掛水をするなどして、ゆっくり身体を慣らしてから入りましょう。冬場は水温が低いため、十分にご注意ください。
すっかりサウナのとりこになったカエライフ編集部のふたり。荷室ひろびろのN-VANなら、テントサウナをひょいっと乗せて、気軽にサウナキャンプを楽しめます。アウトドアライフをさらに充実させてくれるN-VANとテントサウナで、大自然の中だから味わえる、とっておきのサウナ体験を楽しんでみてはいかがでしょうか?
楽しんだあとは……。
ある程度ストーブの火が消えるまで待って、燃やしたあとの炭を捨てる場所がない場合は、バケツなどに入れて持ち帰りましょう!
文/五十川 ルリ子
写真/山岸 惇
撮影協力:湖楽園キャンプ場
テントサウナ提供:ファイヤーサイド株式会社