「クルマ好き」と聞くと、男性が多いというイメージを持っている人が多いでしょう。
実際に自動車業界に身を置いているカエライフ編集部の体感からも、クルマ好きな女性は男性に比べると少ないと感じます。ましてや「カスタム」や「クルマいじり」まで嗜んでいる女性となると、なかなかお目にかかれません。
では、そんな希少な存在である彼女たちはどのようにカーライフを楽しんでいるのか?
今回はボロボロのロードスターを自分だけの特別な一台にカスタム・レストア※した、はなえ さんに話を伺いました。
※ 経年劣化した古いクルマを修理し、キレイな状態へ戻すこと
- 愛車を持ったきっかけは?
- どんなクルマに乗っているの?
- DIYの内容は?
- 運転する頻度は?
- クルマを所有する前と後で生活は変わった?
・・・などなど、気になる疑問を編集部のかまやんがぶつけてきました!
この記事をきっかけに、クルマやカスタムの楽しさに目覚める女子が一人でも増えてくれたらうれしいです。
- はなえ さん
人と関わることが好きな性格で、大学時代のインターン先であるシブヤ大学の運営に現在も関わるなど、さまざまなコミュニティに属している。趣味は料理、ディジュリドゥ演奏(アボリジニの伝統楽器)。自動車関連会社勤務5年目。
愛車との出会い クルマを持ったきっかけは?
― 詳しいお話は後ほどじっくり伺うとして・・・早速ですが、愛車を見せてください!
― マット調の水色がかわいいですね!しかも2003年式とは思えないほどキレイ!
― !?…衝撃のビフォーアフターですね!?
実は先輩から23万円で譲ってもらったボロボロのクルマをレストアしたんですよ。
― しかも自分で!?
自動車関連会社に勤務されてますし、もともとクルマ好きだったのですか?
― 具体的にどんなアクションをとったんですか?
― どんな活動をするのですか?
― 初心者でいきなり飛び込む行動力がすごい。
クルマ好きのコミュニティって敷居が高いというか・・・一見さんお断り!みたいなイメージなんですけど、大丈夫でしたか?(汗)
― ……偏見でしたね、すみません!!(笑)
それで、徐々にクルマに興味を持ってマイカーを持とうと?
― 新車を購入する選択肢はなかったのですか?
― それでボロボロのロードスターを譲ってもらったと。周りからの反応は?
あとはいつも駐車場のお隣さんが、私のクルマと距離をとって塀すれすれに停めるんですよね。おそらく助手席からおりてます(笑)
― 運転が下手な人だと思われて、警戒されてたんでしょうか(笑)マイカーを手に入れて、新しい発見や苦労はありましたか?
あとは雨漏りでフロアがびしょびしょになってしまったり、ドア連動機能なんてもちろんないので室内灯つけっぱなしでバッテリーが上がってしまったり、アイドリングがおかしくなったり……常にトラブルだらけでしたが、その度に周りの人に助けてもらいました。クルマを持つ人にしかわからない苦労を知れてよかったと思っています。
カスタマイズというより大工事!世界に一つだけの愛車になるまで
― そこからカスタムしていった過程を教えてください。
― ???
― さらにボロボロになってしまったと!
― 狭い道で対向車がくると焦りますよね…しかもカイエンだとなおさら(笑)2回目は?
あの時の自分に言ってあげたいです。「焦らなくても大丈夫、切り返しが下手くそでもみんな優しく見守ってくれるよ」ということを。
― 世のペーパードライバーに刺さる教訓ですね。
あまりに図星すぎたので、修理することにしたんです。結局、修理というより大工事になってしまいましたが(笑)
― 業者に頼む、という選択肢はなかったんですか?
― それで自分でやろうと。
― どんな作業から着手したんですか?
※ ブレーキ部品を分解して点検し、清掃・交換・再組立てすること。
― ええ??いきなりブレーキから着手するんですか!?
― 修理期間はどのくらいかかったのですか?
― オーバーホール合宿ですね。次の工事は?
― どうやって直すのですか?
― どこからパーツを探してきたのでしょうか?
― ガラクタの山からお宝を発掘する感覚で楽しそう。赤と黒のツートン時代もあったんですね。これはこれでオシャレじゃないですか(笑)
― どうして最初に削るのですか?
― すごく簡単そうに説明してますが、実際難しいんですよね?
― スーパーポジティブですね。平らになった後はいよいよ塗装ですか?
― マットな水色が可愛いですもんね。自分で塗ったようには見えない!経緯を教えてください。
― マット塗装は柔らかい雰囲気でいいですよね。そういえば最近はレーシングカーでもマット塗装が流行ってる気がします。色はどうやって決めたのですか?
しかも、実際に調色で再現できるカラーに基づいているんです!これを見て、オレンジと迷ったのですが、一番マット調が映えそうな水色に決めました。
― マカロンみたいですね(笑)どうやって塗るんですか?
― 刷毛で塗っていくって果てしない作業ですね。
大工事を振り返って
― カスタマイズならぬ大工事を振り返ってみてどうですか?
たとえば、カッチカチの錆びたボルトを緩めたり締めたりしてくれたのはいつも男の先輩だったし、エンジンがおかしくなった時に原因を探してくれたのは、メカニックに強い理系の先輩でした。
― 時間やお金だけじゃなく、みんなの想いが詰まった特別な愛車になりましたね。実際、工事期間はどのくらいかかったのですか?
周りにあおられながらカメのスピードで進んだ感じです(笑)慣れてる人であれば1ヵ月もかからないと思います。
― サポートしてくれた先輩たちは、クルマいじりに詳しかったんですか?
― さらなるカスタマイズも計画しているのでしょうか?
― 最近はDIYが流行っていますが、クルマいじりやカスタマイズに通じるものはあると思いますか?
手を動かして知ることは大切だし、一緒に手伝ってくれた周りの人との繋がりも強くなった。全部自分の糧になります。DIYは自分だけの体験なので、100人いたら100通りのストーリーがあると思います。
― 最後に愛車と出会って変わったことを教えてください。
それと、行動範囲が圧倒的に広がりましたね。日常の買い物、旅行、趣味のディジュリドゥ演奏をするときに、クルマを持っていないと絶対行かないようなところに行ってみたり。そこで新しい発見があったりして、移動することで得られる価値は大きいなと思います。
私のような大工事はおすすめしませんが、カスタマイズをすれば愛着がわいてさらにカーライフが楽しくなると思いますよ。
― ありがとうございました。
- 編集後記
-
はなえ さんは元々クルマ好きだったわけでもなければ、クルマが必要な生活環境に置かれていたわけでもありません。最初のきっかけはクルマに関する仕事をしていたから。それだけでしたが、今ではとっても素敵でオンリーワンなカーライフを楽しんでいます。きっとクルマの世界に足を踏み入れた当初は、想像もしていなかったでしょう。それだけクルマやカスタムの世界は奥深いのかもしれません。
「プロセスの中で得られるものに価値がある」という言葉が印象的でした。持前の行動力で新しい世界に飛び込み、いろいろな人のサポートを得て、ボロボロの中古車が特別な一台になっていく過程。そこにはこの記事では書ききれないほどのストーリーがあるのだろうと思いました。
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文/カエライフ編集部
写真/カエライフ編集部(一部、はなえ さん提供)
イラスト/山口 オサム