夏に比べ、秋冬キャンプは寒さもあって荷物が増えがちですよね。みなさんは上手に積載できていますか?
テキトーに積めば、運転中に荷物の雪崩が起きてギアが破損するかもしれませんし、食材を買ったはいいけどクーラーボックスが奥の方にあって取り出すのに一苦労…なんてことも。
そんなことが起きないよう、今回はアウトドアコーディネーターの小雀陣二さんに、積載のコツや、車種にあったギアの選び方を教えていただきます!
上手に積載すれば安全なうえ、設営・撤収がもっとスムーズになるかも!?
目次
- 小雀 陣二(こすずめ じゅんじ)さん
- アウトドア関連の雑誌やWEBメディアなどを中心に活動し、アウトドア道具の企画デザインを行いコラボ商品などを販売。料理が得意でアウトドア料理教室を開催。「焚き火料理の本」(山と渓谷社)などアウトドア料理の著書多数。ルーフテント「FELDON SHELTER」スペシャルアドバイザー、「HELLY HANSEN」アンバサダーも務める。
- ホームページ 雀家
Hondaのミニバン「ステップワゴン」で積載
まずは積載容量たっぷりのミニバン「ステップワゴン」で教えていただきます。
積み込むギアはこちら。4人グループ想定です。
このサイズのミニバンなら気にせず好きに積んでも問題なさそうですが、スペースに余裕があるからこそ雪崩が起きやすいのでしっかり教えていただきましょう!
今回は傷や汚れ防止に純正アクセサリーのラゲッジトレーを敷いています。
早速ですが、どういう順番で積んでいったらいいでしょうか?
小雀さん:2列目シートの背もたれ下はデッドスペースになりやすいので、寝袋やマットなどで先に埋めておくとあとから積みやすいです。そのあとにクーラーボックスや設営で最初に取り出すテント以外の大物を積んでいきます。
小雀さん:テーブルやイスは平積みでもいいですが、下にあるものを先に取り出したいときに手間なので、スペースがあるなら立てて並べると便利です。小物類はパズルの要領で重いものから順に積んでいき、隙間には寝袋などのクッション性のあるものを入れると緩衝材の代わりにもなります。
今回用意したギアは、立てて並べることでギアの高さがそろうので、とても安定しています。最初にデッドスペースを埋めていることがポイントです。
クーラーボックスが手前にあるので、途中で買い出しをして食材を入れる際にもスムーズですね。
ギア選び・コーディネートのポイント ~ステップワゴン編~
実際に設営してみました。
流行のサンドカラーで統一された、落ち着きのあるおしゃれなコーディネート。さすがプロ!
小雀さん:ベンチ(写真左下)は人が座るだけでなく、物置きや作業台としても使えるので1つあると便利です。
ステップワゴンのサイズであればギア選びの自由度はとても高くなりますね。
小雀さん:選び放題ですね。今回もあえて大きめのイスを選んでいます。テーブルとイスはウッド調で統一しているのがコーディネートのポイントです。
ギアはコンパクトになるほど高価になりがちですし、サイズを気にせず様々な価格帯の中から選べるのもいいですね。
小雀さん:そこはメリットではありますが、あまり大きなものを選んだりモノが増えすぎたりすると、設営も撤収もどんどん大変になっていくのでしっかり考えながら選んだほうがいいですね。
STEP WGN e:HEV AIR
ボディカラー:フィヨルドミスト・パール
純正アクセサリー装着車 「SPORTS MIX」コーディネート
HondaのSUV「ZR-V」で積載
次はZR-Vに積み込んでいきましょう。
積み込むギアはこちら。3人グループ想定です。
ステップワゴンより、一つ一つのギアがコンパクトになるものが多いです。
ZR-Vにも傷や汚れ防止に純正アクセサリーのラゲッジトレーを敷いています。
当然ですが、ミニバンであるステップワゴンに比べるとコンパクトな荷室です。
今回はどうやって積んでいったらいいでしょうか?
小雀さん:基本的にはステップワゴンと同じです。SUVですしアウトドア向きで荷室も十分な広さだと思いますが、ステップワゴンほどの余裕はないので、デッドスペースを無駄なく活用していきます。
小雀さん:まずはステップワゴン同様に2列目シートの背もたれ下にデッドスペースができているので、寝袋やマットなど柔らかモノで埋めます。高さのあるギアは縦にして収納するとリアウインドウに干渉したり、テールゲートが閉まらなくなる可能性があるので平積みにします。
小雀さん:サイドの窪みもしっかり埋めていきます。ZR-V Xタイプの右側にはネット付きポケットがあり、収納袋に入れたイスが3つきれいに収納できました。
あとはステップワゴンで習ったように重いものから順番に平積みし、最後に道中で使用する可能性のあるクーラーボックスや、設営時最初に取り出すテントを手前に積んで完成!
コンテナボックスに小物をまとめている人をよく見ますが、小雀さんは使わない派ですか?
小雀さん:使っています。ただ荷室が広くないクルマの場合、コンテナボックスを我慢するほうがより収納性は高まるんです。コンテナの高さが原因でテールゲートに干渉して閉まらなくなることもありますし…。でもコンテナがあれば、スッキリ収納することができるので、スペースに余裕があれば使っていいと思います!
小雀さん:荷室に積みきれないときは、1列目シート下の隙間や2列目シートも立派な収納スペースですので活用しましょう。2列目シートを倒すかそのまま積むかは、荷物の形状や積みやすさで臨機応変に!
ギア選び・コーディネートのポイント ~ZR-V編~
実際に設営してみました。
エメラルドグリーンの食器や笠の青いランタンがアクセントになっていて、こちらもさすがのコーディネート! メインカラーを落ち着いた色にすると、カラフルな小物が映えますね。
小雀さん:イスやテーブル、ウォータージャグはコンパクトに、キッチン台にはツーバーナーを設置しているのでしっかり料理ができると思います。ステップワゴンの設備と比べて見劣りしないようコーディネートしました。
コンパクトなギアは値が張るものが多い傾向にありますが、失敗しないためのポイントはありますか?
小雀さん:良い素材や研究された製品は高価になりますが長く安心して使えます。しかし、「高価なものはちょっと…」という方には、今レンタルがすごく充実しているのでキャンプ場ごとに何がレンタルできるのか調べて、実際に試してみるのがいいと思います。あとはアウトドアショップに行き、じっくりアイテムを見て分からないことは遠慮せず店員さんに聞いてみるのもいいですね。
ZR-V e:HEV Xタイプ
ボディカラー:プレミアムクリスタルブルー・メタリック
純正アクセサリー装着車 「Premium Style」コーディネート
設営・撤収はルーティンに
キャンプで最もめんどうな作業といっても過言ではない撤収作業。
朝はゆっくり過ごしたいし、少しでも早く終わらせたい…!
小雀さん:撤収は基本的に設営と全く逆の順番で進めます。設営ではテントを最初にセッティングしましたが、撤収では最後です。つまり、最初にクルマに積み込んだ順番と同じです。積み込み時にスマートフォンで写真を撮っておくと、撤収で積み込み直すときにとても便利です。
自宅で積み込んだときと同じなら分かりやすいし覚えやすいですね!
小雀さん:設営や撤収はルーティンにしたほうがいいです。自宅でギアをクルマに積み込み→設営→キャンプを楽しんでまたクルマに積み込み→帰宅してギアをしまう…もはやちょっとした引っ越しですよね。ルーティンにしておけば、一緒に行った人に手順を伝えやすいし自分自身も楽です。
荷室広々でキャンプギアが選び放題のミニバンはもちろんのこと、スタイリッシュで走りやインテリアにこだわりたい人が選ぶSUVだって、しっかりギア選びをして手順さえ守って積み込めば十分に積載が可能であることがわかりました!
ZR-Vは今回の装備であれば2列目シートを倒さずに収納できたので、まだ積載の余力を残していますし、このギアは持っていけない…と我慢することも少なそうです。
まずは収納、設営、撤収をルーティン化! みなさんもチャレンジしてみてくださいね。
小雀さんありがとうございました!
文・写真・編集/カエライフ編集部
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