記事提供元/KURU KURA
文/宮本 菜々(KURU KURA編集部)
秋になるとスタッドレスタイヤのCMも流れ始める。冬タイヤに履き替えるドライバーも、買い替えを意識し始めているかもしれない。いざ買い替えとなると、冬が来る前に店舗の在庫が減ってしまうこともある。少し早いが、買い替え判断のポイントを紹介。
スタッドレスタイヤの寿命は使用開始から何年?
雪道に欠かせないスタッドレスタイヤ。気が早いようだが、特に雪の多い地域では、夏が終わったら「今年は買い替えるか……」といった話も聞かれるようになる。早めに準備しないと、欲しいタイヤが在庫切れになったりすることもあるためだ。
では、スタッドレスタイヤは何年で交換するとよいのだろうか。雪道をよく走る知人達に聞いても、「3年だ」「4年だろう」「5年はもつ」とバラバラだった。
結論からいうと、何年という期間では決められない。スタッドレスタイヤの寿命は、摩耗度とゴムの劣化などで決まるが、それらは使用条件や保管状況によって左右されるため、一概に「寿命は何年」とはいえないのである。
では、摩耗度とゴムの劣化はどのように判断すればいいのか。摩耗度は溝が50%以上摩耗していないこと、ゴムの劣化はタイヤのひび割れや偏摩耗などを目安にするのが分かりやすい。
スタッドレスタイヤの寿命を確認する方法
①プラットフォームで確認
スタッドレスタイヤには「プラットホーム」という溝が50%摩耗したことの目安となる突起がある。この突起の頭の部分が、ブロックの高さと同じになったら摩耗度50%ということだ。プラットホームの位置はタイヤ側面の矢印のマークで示されている。
なお、摩耗度50%は雪道等を走る際の基準で、それ以上摩耗していても夏タイヤとしては使うことができる。ちなみに、夏タイヤとしての摩耗の基準は残り溝が1.6mmだが、ここまで溝が減ってしまうと夏タイヤとしての性能、特に雨天時の性能はかなり落ちるので、夏タイヤとして使うにしても、より早めの交換をお勧めする。
②ひび割れを確認
ゴムの劣化は、タイヤの表面にひび割れがないかを確認しよう。ひび割れが深部に達すると、内部のタイヤコードが断裂し、バーストしやすくなるといった危険もある。
③摩耗の偏りを確認
スタッドレスタイヤの摩耗の偏り(偏摩耗)も確認しておこう。夏タイヤでも冬タイヤでも道路条件や使用条件によって、部分的に摩耗することがある。特に、スタッドレスタイヤでは、タイヤが摩耗すると接地面が減るため、性能を発揮できずスリップしやすくなる。
※この記事は、KURU KURAに2023年8月25日掲載されたものです。