当サイト内のおでかけ情報に関して

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、施設によって営業時間の変更や休業の可能性があります。おでかけの際には公式HPでご確認ください。また、事前にお住まいの地域やお出かけ先の情報を確認し、ご計画をお願いいたします。

東京オートサロン2019特集 ホンダアクセスブースを見に行こう ~「TRIP VAN」編~

f:id:hondaaccess:20181227190047j:plain

いい波を求めて日本中を旅するクルマを作りたい

2018年7月に発売されたN-VANは広くて使いやすい四角い荷室空間に加え、リアシートだけでなく助手席まで畳むことでフラットで広い床面が作れる機構など、Hondaらしいユニークな作りを持つ軽貨物車です。

そんなN-VANはオーナーのアイデアや趣味を元にしたカスタマイズを施すことで“自分だけの1台”を製作できますが、今回のホンダアクセスブースにもとても魅力的なN-VANのカスタムカーが登場します。それが「TRIP VAN」です。

そのTRIP VANをデザインしたのは商品企画部のデザイナーである渡邊 岳洋さん。取材時は絶賛製作中!という状況だったのでお見せできるのはデザイン画と製作途中の写真だけになりますが、そのスタイリングはN-VANらしさを残したまま、アウトドア用の道具っぽいタフさが追加されたとにかくカッコいいものになっています。

デザインをするうえで渡邊さんが意識したことは「旅」というキーワードでした。

渡邊さんはサーフィンが趣味なので、休日にはあちこちの海へ出かけるそうですが、海外では短期間がっつり仕事をした後、いい波を求めて旅を続ける生活スタイルを取っている人も多いそうです。長期に渡って移動を続ける暮らしではVANタイプのクルマが拠点となります。こういった生活スタイルを「VANカルチャー」と呼ぶそうですが、渡邊さんも7年ぐらい前にオーストラリアのバイロンベイという小さな町で、VANを自分でカスタムして海沿いで生活している若者たちと出会いました。アメリカ西海岸を旅したときにもこの生活スタイルの人たちと出会う機会があり、そこで感じた印象から、いつかVANカルチャーをイメージさせるクルマのデザインをやってみたいという気持ちを持つようになったそうです。

 

そんな中、N-VANが発売されて、直感的に『これいいな!』と思ったそうです。「まず軽というのがいい。若い人も乗れるし、日本の生活習慣にもマッチする。それをベースに若者が日本中を旅することができるVANを作りたいと思ったんです」と、着想のきっかけを教えてくれました。

f:id:hondaaccess:20181227190436j:plain

TRIP VANのデザイナーである渡邊 岳洋さん。サーフィンが趣味で海外で出会ったVANカルチャーに影響を受けてTRIP VANをデザインした。

f:id:hondaaccess:20181227190451j:plain

渡邊さんが旅先で出会ったのがVANカルチャー。クルマの使い方や生き方に共感。いつかVANカルチャーをイメージさせるクルマのデザインがやりたいと思っていたそうです。(写真:渡邊 岳洋)

道具っぽさをイメージさせるエクステリア作り

「クルマは使えて当たり前。クルマを使って旅をする。クルマのデザインをしているのではなくそのシーンをデザインしているので、実際に使えるようにする。それを大前提として作っています」と話す渡邊さん。

TRIP VANのデザインにおいて、カッコいいことは大事な要素ですが、それは見せるために作られたカッコよさではありません。使い込まれた感じだったり、道具としての機能を感じられるそんな「存在自体にグッと来る」というような佇まいをカッコいいものと表現しているそうです。

まずはフロントまわりから説明しましょう。ポイントはフロントまわりのデザインのカタチを四角でまとめたことです。これは「このクルマはいろいろな道具を入れる箱」という考えから来たことで、グリルもよく見ると長方形の集まりで構成されています。

さらにフォグライトはノーマルのものより大型のワークランプふうのものに変更しています。また、ナンバー横のグリル部分も格子の形状を変えてはっきりした四角となっています。

このように四角を上手く使うことでどこかカワイイ雰囲気のあるN-VANの顔を道具的なかっちり感のあるものに作り替えているのです。

f:id:hondaaccess:20181227190606j:plain

製作途中の風景。四角いかたちを多く取り入れたフロントまわりのデザインがわかります。

ひと味違う塗料を使うことでタフなボディにする

日本中を旅するとなると荒れた道も走ることになります。するとボディは汚れや傷がつきやすくなるでしょう。

また、荷物の積み降ろしも頻繁に行うようになるのでテールゲート付近も傷がつきやすいし、TRIP VANではルーフキャリアも装着してそこに登るためのラダーをリアゲートに追加してあるので、ラダーの上り下りでゲートに靴がぶつかることだってあります。

そこで渡邊さんは負荷の掛かる部分には黒の塗装をすることを考えましたが、ただ黒くするだけでは「作り込みとして弱い」と思ったので、黒い部分は耐衝撃性、耐摩耗性、防錆、防蝕性などに優れた「LINE-X」という特殊なコーティング塗料を使用することにしました。

これは戦車や装甲車の防弾パネルなどにも使われるもので、塗布することで素材の強度も高める効果があります。そのためバンパーなどクルマの下部に塗ると傷が付きにくくなるし、少しくらいぶつけても大丈夫な頑丈さが実現できます。

さらにリアゲート一面に「LINE-X」を塗ることで、ここの鉄板自体の強度を高められるので、特徴的な装備であるリアゲートラダーをガンガン使ってもゲートの鉄板が凹んだり変形したりすることから防げるのです。

また、「LINE-X」は乾燥させるとザラザラした表面になるので見た目にも丈夫なイメージが作れます。さらにこの塗料をラダーにも吹きつけることで、リアまわりの統一感とラダーの滑り止め効果も狙っています。

f:id:hondaaccess:20181227190633j:plain

専用ラダーはTRIP VANのために達人と言われる方にお願いして作ってもらった一品もの。素材はアルミで丈夫な作りでもちろん実際に登ることもできる。

f:id:hondaaccess:20181227190645j:plain

純正スチールホイールをハケ塗りっぽいラフな感じで再塗装する。ホイールナットには黒いキャップを被せて色の統一を図る予定。

革と木という天然の素材を使う雰囲気のいいインテリア

内装のポイントはアームレストからインパネを圧縮木材を使って作り直しているところです。木目というだけで質感はよくなるのですが、今回は木の表面に自然塗料である蜜蝋を塗るので自然な艶が出るだけでなく、使いこむといい風合いになっていくことも楽しめるようにしています。

シートは80年代のベンチシートをイメージしたものに交換。素材は天然の革で、シートの背面には木の板を付けることで折り畳んだときにテーブルとしても使えるようになっています。また、N-VAN用の純正アクセサリーにある有孔ボードやクロスバーをリアルウッドで作り直したものを装着して雰囲気を作っています。

このようにTRIP VANでは、インテリアとエクステリアに質感を楽しめる作り込みを多く施しているので、ホンダアクセスブースでその質感もぜひチェックしてください。

f:id:hondaaccess:20181227190754j:plain

圧縮木材を使った木目仕様。仕上げに蜜蝋を塗る。使い込むと木製家具のような風合いが出る。

f:id:hondaaccess:20181227190807j:plain

ステアリングはウッドに変更。有孔ボードやクロスバーもリアルウッドで作り直す。

ボディカラーは「VAN」らしい雰囲気を持つ黄色をチョイス

ボディカラーは黄色ですが、N-VAN純正色のプレミアムイエロー・パールⅡではなく、昔にあったような主張しすぎない色合いの黄色です。黄色はそれだけで元気さを感じさせる色ですが、旅先で見たときのその風景に元から置いてあったかのような落ち着きも欲しかったので、クラシックな雰囲気のある半ツヤの黄色を塗っています。バンパーやリアゲートに塗った「LINE-X」と合わせてこのカラーコーディネートがどんな仕上がりになるのかも楽しみにしていてください。

f:id:hondaaccess:20181227190837j:plain

TRIP VANの製作チームの皆さん。「展示後に、TRIP VANといろいろな所へでかけたい。デザインして終わりではなく、味が出てくるまで、実際に使ってみたい。使うことで見えてくる課題を、今後の純正アクセサリー開発にもフィードバックしていきたいですね」と語る渡邊さん。

f:id:hondaaccess:20181227191645j:plain

商品企画部 渡邊 岳洋さん
2006年入社。N-WGNやVEZELの用品、コンセプトカーなどのデザインに携わる。モットーは長く愛用できて次の世代に引き継いでもらえるようなものをデザインすること。

 

東京オートサロン2019 ホンダアクセスブース特設ページ

 

企画/カエライフ編集部
文・写真/深田 昌之