燃費向上のメンテナンスとアイテムをプロに習う【連載|車中泊でノマドワークvol.4】

連載「車中泊でノマドワーク」、燃費をよくするメンテナンス方法を紹介します

こんにちは、観音クリエイションです。

デカいアメ車「リンカーン ナビゲーター」を買って車中泊カスタムをしながら、いかに快適にノマドワークできるかに挑戦するこの連載もついに4回目。

 

リンカーン ナビゲーターの横に立つ観音クリエイション

前回までは準備編で、テーブル内蔵式のベッドとソーラーパネルを導入して快適な睡眠環境と仕事環境を手に入れました。

その後、暇を見つけては関東近郊に出かけて自然の中でのんびり仕事をして、そのままクルマで一泊する小旅行を楽しんでいます。車中泊最高。みんなもやろう。楽しいよ。

 

リンカーンナビゲーターの荷室

楽しいのですが、1つ問題が。僕のナビゲーター、とにかくガソリンを食うのです。大きいアメ車(排気量5,400cc)なので6km/Lぐらい走れば良いほう。毎月のガソリン代がお財布を直撃し続けています

で、地元の大阪でクルマ屋さんを営む先輩に相談したところ、どうやら燃費を良くするメンテナンス方法があるらしい。というわけで東京から車中泊を1泊はさんで、クルマで大阪までやってきました。

 

目次

トラックメイカーでライターの観音クリエイション

観音(かんのん)クリエイション
神門、不可思議/wonderboy、あっこゴリラ、daokoなどのヒップホップ・アーティストに楽曲提供をしているトラックメイカー。外資系企業に勤務しインド、シンガポールなどで働いたのち、2012年、会社を辞めて旅人となり世界一周旅行に。音楽活動に加え、2017年より株式会社LIG所属のライターとしても活動中。
個人ブログmozlog
Twitter @kannnonn

 

大阪で輸入車・国産旧車専門店を営む先輩に力を借りよう

大阪府堺市にある輸入車・国産旧車専門店「カースピリッツ」の前に立つ観音クリエイション

やってきたのは大阪府堺市にある輸入車・国産旧車専門店「カースピリッツ」。ここでは僕の中学時代の1つ年上の先輩、いーちゃんこと今本 健太郎さんが店長を務めています。

カースピリッツの今本健太郎さん

今本 健太郎さん
観音クリエイションの中学時代の先輩で、現在は輸入車・国産旧車専門店カースピリッツの店長を務める。愛車はキャデラックの1966年式デビルクーペと日産のS30フェアレディZ。
カースピリッツ公式サイト http://www.carspirits.jp
Instagarm @imaken63

 

大阪府堺市にある輸入車・国産旧車専門店「カースピリッツ」のショールーム

 

カースピリッツのショールームにあるシボレー

 

カースピリッツのピット

カースピリッツのショールームに並ぶクルマは、迫力あるアメ車から昭和40年代の国産旧車までかっこいいものばかり。販売後のメンテナンスにも力を入れており、クルマ屋さんの総合サイト「カーセンサー」の店舗ページでは総合評価5.0(満点)を維持し続けています。

 

まず先に整備のビフォー/アフターをご覧ください

整備前、オドメーターの数値は16.5L/100km

今回、まず先に数字で結果をお伝えしたいと思います。整備前の燃費は16.5L/100kmなので、ちょうどリッター6kmぐらい。

このクルマを購入してから運転するのが楽しくて楽しくて、暇を見つけてはあちこちに出かけまくり、ふとオドメーターを確認したところ2カ月で6,000kmぐらい走っていました。つまり、この2カ月で約1,000Lのガソリンを消費しているわけで、ガソリン代だけで12万円以上使っている計算になります。クレジットカードの請求に怯える毎日です。このままだとティッシュを食べて飢えをしのぐしかありません。助けてください。

 

整備後、オドメーターの数値は12.5L/100km

そして今回、大阪でいーちゃんに整備してもらったあとの燃費がこちら。12.5L/100kmなので、リッター8kmぐらい。大改善! ティッシュ食べなくて済む!!

 

整備後、高速道路ではオドメーターの数値は9.8L/100km

高速道路だと、リッター10kmを超える(ナビゲーターにしては)高燃費な数字を叩き出しました。すごすぎる。

というわけで今回は、この燃費を向上させるためにやってもらった整備の内容をシェアします。「大きい中古車を買ったけど燃費が悪くて維持がつらいぞ……」という方のお役に立てれば幸いです。

ちなみに最近のクルマは、軽自動車だと2倍、3倍くらい走るので(リッター20〜30kmくらい)、僕のナビゲーターがどれほどガソリンを食うか、おわかりになると思います。

 

WAKO’S(ワコーズ)の「RECS(レックス)」でエンジンに溜まった汚れを落とす

エンジン洗浄液、WAKO'S(ワコーズ)のRECS(レックス)

今回やってもらう整備はこちら。WAKO’S(ワコーズ)の「RECS(レックス)」という製品によるエンジンのクリーンアップ。

クルマのエンジンは、走行距離を重ねるにつれてカーボンスラッジ(燃えかす)が溜まってしまうつくりになっていて、その燃えかすが溜まりすぎるとアイドリングが不安定になったり、動作効率が悪くなったりと、エンジン本来の性能を発揮できなくなってしまいます。無理やり人間に例えると、鼻水が溜まりすぎて鼻呼吸しづらくなってゼーゼー言ってて「仕事になんねえ」みたいな感じ。

鼻水の場合は鼻をかめば済みますが、クルマのエンジンはそう簡単にはいきません。分解して掃除する必要があります。けど分解は手間も時間もかかってしまう。

そこで開発されたのがこのRECS。分解作業を必要とせず、短時間でエンジン周りを洗浄してくれる優れものなわけです。ちなみにRECSは

  • Rapid(すばやく)
  • Engine(エンジンを)
  • Cleaning(キレイにする)
  • System(システム)

の略だそう。

 

WAKO'S(ワコーズ)のRECS(レックス)を容器に移す

というわけでさっそくやっていただきましょう。薬剤を専用の容器に入れて、

 

容器をボンネットに吊るして洗浄液をエンジンに注入しているところ

ボンネットに吊るして専用の器具でエンジンに注入。僕は普段なんでもかんでもDIYで自分でやってみるタイプなのですが、この作業に関しては「難しそう & ミスったら最悪クルマを壊してしまいそう」なのでプロに任せてよかったなーと思いながら作業を眺めていました。

 

洗浄液をエンジンに注入する機器

作業風景は点滴みたいな感じ。クルマの整備と人間の治療は似ていると思いました。

 

洗浄液をエンジンに注入するところを見ているカースピリッツの今本店長

注入が終わるまで作業を眺めながら、いーちゃんと雑談。「このクルマで車中泊しながら働くってホンマおもろいことやってるなぁ。車中泊ってどうしても『節約』っていうイメージがついて回ると思ってたけど、こういうクルマでやると『ワイルドでかっこいい旅のスタイル』っていう印象に変わるよな」というコメントをいただきました。何気ない会話だったのですが、この連載で車中泊の良さを伝えていく自信が湧いてきました

 

エンジンに専用液を注入し終わったところ

30分ほどで容器は空に。注入完了。

 

運転席に座る今本店長

あとはエンジンを空ぶかししてもらって、洗浄剤を全体に行き渡らせます。これで作業はすべて完了しました。

「ちょっと走ってきてみ」と言われてカースピリッツの周りをぐるっと運転してきたところ、その効果に衝撃を受けました。もう乗り心地が全然違う。音は静か。アクセルを踏むと加速は超スムーズ。信号待ちのアイドリングの振動も気にならないレベルに軽減されています。

なんというか、全体的にめっちゃ軽やかになった印象。20年落ちのデカい中古車がびっくりするぐらいスッと走る。ここまで変わるものなのか……! RECS、デキる子……!

 

F-1 フューエルワンをセットで実施すると相乗効果が見込めるぞ

フューエルワンという清浄系燃料添加剤を燃料タンクに入れているところ

RECSの整備をするとき、フューエルワンという清浄系燃料添加剤の注入もセットで行うと相乗効果が見込めるとのことで、こちらも実施してみました。ガソリンを入れる前に燃料タンクに入れるだけ。燃料20~60Lに1本を使用するのが目安。僕のナビゲーターのタンクは100Lなので2本入れておきました。

 

燃費改善にかかった費用は?

エンジン洗浄液、WAKO'S(ワコーズ)のRECS(レックス)を手に持つ観音クリエイション

そんなこんなで最大リッター10kmを超える燃費を叩き出すほどにエンジン本来のポテンシャルを取り戻し、全体的に調子がよくなったというわけです。

ちなみに今回のメンテナンス費用はRECSの実施とフューエルワン2本で15,000円でお釣りがくるぐらい。何度かガソリンを満タンにする頃には、じゅうぶん元が取れることを考えるとめちゃくちゃ安いと思います。

いーちゃんによると、走行距離7万kmぐらいがRECSを実施する目安とのこと。燃費に悩む方や、エンジンのコンディションを良い感じにしたい方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

 

車中泊のために知っておきたいクルマの知識

観音クリエイションとカースピリッツの今本店長

 

最後に、いーちゃんに「車中泊するにあたって最低限知っておくべきことって何かある?」という質問をさせてもらいました。教えてもらったのは2点。

1つ目は就寝時にアイドリングせず、毎回ちゃんとエンジンを切ること。クルマは走っているときは風を受けて車体が冷えやすくなる仕組みになっているのですが、アイドリング中はクルマのグリルファンからの送風だけが車体を冷やす頼りになり、車体の温度が上がってダメージが蓄積してしまう可能性があるのだとか。

2つ目は運行前点検をしっかりやること。特にラジエーターのリザーブタンクの水の量とエンジンオイルの量はこまめにチェックして補充・交換することで、愛車を健康的な状態に保つことができるそうです。

みなさん、この点に気をつけて車中泊を安全に楽しんでくださいね!

さて次回は長野県へ。野尻湖のほとりでレストランを営む友人の料理人から、車中泊の食生活を一気に向上させるキャンプ飯のレシピと、アウトドアに最適な調理道具について教わります。

 

取材・文/観音クリエイション
撮影協力/カースピリッツ

 

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