この記事では、車の屋根にソーラーパネルを取り付ける方法を紹介します。
こんにちは、観音クリエイションです。前回ベッドとテーブルをDIYで制作して、愛車のリンカーン ナビゲーターで旅をしながら仕事ができる「車中泊ノマドワーク仕様」にすることができました。

DIY初心者がクルマの車中泊カスタムに挑戦【連載|車中泊でノマドワークvol.1】
2020.06.15便利になったクルマで実家のある大阪に向かいながら、車中泊でノマドワークをしてみたところ、改善したくなったのが電源まわり。僕は作曲の仕事をしているのですが、作曲用のソフトはものすごくマシンパワーを使うので、MacBook Proのバッテリーがすぐになくなってしまうのです。
そこで今回は、愛車にソーラーパネルを設置して、ポータブル電源に蓄電できる仕組みを作り、電気の心配をせず快適に仕事ができるクルマに進化させたいと思います。
いざ、オフグリッド※化!
※オフグリッド:電力会社に頼らず電力を自給自足すること。グリッド(電力会社などの送電線網)からオフ(繋がっていない)の状態。
目次
快適な車中泊ノマドワークに必要なソーラーパネルのW数を考える
さて、今回購入したソーラーパネルは、RENOGY(レノジー)というメーカーのフレキシブルソーラーパネル 単結晶100W という製品。18,000 円くらいでした。もっと高いかと思っていたんですが、意外とリーズナブル。
ちなみに、僕が使っているポータブル電源は suaoki ポータブル電源 G500。
バッテリー容量は137700mAh/500Whなので、「パソコン仕事で使った分を、日中の太陽光でじわじわ充電する」ことを考えると、50Wのソーラーパネルでも十分なのですが、これからやってくる暑い夏の夜に扇風機を使ったり、真冬に朝まで電気毛布を使ったりすることを考えて、少し大きめの100W を選択しました。大は小を兼ねるはず。
ソーラーパネル設置に必要な4つのアイテムと総費用
今回、ソーラーパネルを設置するにあたって用意したアイテムは、この4つ。手順としては
- 写真右上の「 Cosego 超強力マグネットフック」でソーラーパネルを固定して
- 写真左上の「コニシ 強力補修テープ(50mm)」でソーラーパネルを貼り付けて走行中に空気が入らないようにして
- 写真右下の「ソーラーケーブル5m( MC4型コネクター付)」を接続して
- 写真左下の「ニトムズ 自己融着ブチルゴムテープ No.15」でソーラーケーブルとの接続部分をぐるぐる巻きにして雨から守る
という流れです。作業自体は難しいものではないので、大人1人で1時間もあればできます。費用的にも、ソーラーパネルに上記の4アイテムを合わせて、総額25,000円以内で収まります。
クルマのルーフにソーラーパネルを設置しよう
ルーフにのぼって作業開始。クルマの上にのぼると冒険感が出るので楽しくなって笑ってしまいます。
ルーフを綺麗に拭いてソーラーパネルの位置を決める
まずは濡らしたタオルでルーフの汚れを拭き取ります。
そして位置決め。ど真ん中に貼り付けることにします。
マグネットフックには強力補修テープを貼って車体を守る
超強力マグネットフックの設置面には、強力補修テープを貼っておきます。ルーフの傷と錆対策。
マグネットフックはネジ構造になっているので固定力抜群。こんな感じで6カ所の穴全部にガチッと接着。
ソーラーパネルの下に空気が入らないように補修テープで貼り付ける
あとは端の部分を強力補修テープでペタッと貼り付けて、走行中にソーラーパネルの下に空気が入り込まないようにします。念のため4つの辺をすべて貼り付けました。
これで、パネルの設置は完了! と思ったんですが、念には念を。ワイヤーでも固定しておくことにします。
ソーラーパネルの穴2つにワイヤーを通して、左右のルーフレールにしっかり固定しました。これで万が一、予期せぬ事態が起こりマグネットフックが外れて強力補修テープがすべて剥がれてしまうようなことがあっても、ソーラーパネルが車体から外れて飛んでいくことはないはず。
なお、今回はソーラーパネルを固定する方法として強力なマグネットネジと補修テープ、さらに針金を使用しましたが、車種や屋根の形状、環境に応じて最適な方法は異なり、また絶対に外れないという保証はありませんので、参考にされる場合は、自己責任にもとづいてご判断のうえ、行ってくださいね。「自分でやるのはちょっと不安」という方は、専門の業者さんに依頼することをおすすめします! そして毎回、運転する前に点検して、しっかり固定されているかを必ず確認してくださいね!
ソーラーケーブルは自己補修テープで防水対策
ソーラーパネルにソーラーケーブルを接続して、
防水のために自己補修テープでぐるぐる巻きにしておきます。これで大雨が降っても安心。あとはこのケーブルを車内に引き込むだけ。
ソーラーケーブルをルーフから車内に引き込む
ソーラーケーブルの引き込みをどうしたものか、と考えていたところ、リアゲートを開けたところにいい感じの穴を発見。
ソーラーケーブルを引き込むためのスペースを無理やり作り出します。
引き込み成功!
内張りをバコッと外して、内装に沿わせて車内に引き込みました。最後にこのケーブルをポータブル電源に接続して動作確認です。果たして無事に充電できるのか……?
太陽の恵みで快適な車中泊ノマドワークを実現
suaokiのポータブル電源 G500に接続している様子。
無事に充電できました! この日は曇り空だったのですが、それでも26Wの数値を出しています。
後日、晴れた朝に充電してみたところ53Wを叩き出しました。これで電気の心配をせずに旅ができます。
ソーラーパネル→ポータブル電源→MacBook Proと繋いで実際に仕事をしてみました。自宅で仕事しているときと遜色なし。これでバッテリー残量を気にせず、好きなだけMacBook Proを使い続けることができます。
ちなみにこのソーラーパネルを設置した後、確認のために高速道路に乗ってみたのですが、100km/h出しても運転感はいつも通り。何の問題もありませんでした。
ソーラーパネルを導入すると快適と安心が手に入る
ソーラーパネルを導入して何より良かったのが、ポータブル電源を充電するために毎回駐車場から自宅に持ち運ぶ必要がなくなったこと。キャンプなどでポータブル電源の電気をガッツリ使っても、翌日の走行中にソーラーケーブルに繋いでおけば帰る頃には満充電になっています。本当に快適です。
あとは災害時の対策にもなるんですよね。台風や震災が起きて自宅で生活できなくなってしまってもクルマで発電できるので、避難生活中も電気に困ることはなさそうです。
25,000円前後で便利と安心が買えると考えれば安いもの。頻繁に車中泊をする方は設置してみてはいかがでしょうか。
【おまけ】車中泊メシ in 三重県鈴鹿市
東京から大阪に向かう途中、三重県の鈴鹿市で国道1号線を走っていたところ、「名物とんてき」という大きな看板に惹かれて「來來憲」というお店に入りました。グローブみたいな大きさで、厚みがあるのに柔らかくてジューシー。ニンニクがごろごろ入っていて、食べれば食べるほど元気になるスタミナ飯でした。
- 來來憲(らいらいけん)
- 三重県鈴鹿市自由ヶ丘4丁目7-28
Webサイト http://www.tonteki.net/
さて次回は、整備編。僕が乗っているこのナビゲーター、燃費がリッター6kmぐらいでお財布を直撃し続けているのが悩みの種。そこで僕の地元・大阪でアメ車屋さんを営む先輩に、燃費が向上する整備を教えてもらいます。
文・写真/観音クリエイション
編集/平林 享子(LIG)
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