はじめまして、観音クリエイションと申します。ヒップホップの作曲をしたり、文章を書いて生きています。
今回、車中泊もDIYもまったく初心者の僕が、クルマの車中泊カスタムをして快適な空間を作り、カスタムしたクルマで日本各地を移動しながら、いかに快適にノマドワークができるか挑戦する連載をスタートさせていただくことになりました。
この連載を通して、車中泊やクルマを使ったノマドワークの良さを皆さまにお伝えできれば幸いです。
目次
車中泊で旅のスタイルをガラッと変えてみたい
僕は旅行が好きで、1年のうちの半分ぐらいは自宅を空けてどこかに出かけています。これまでバックパッカースタイルで世界一周したり、ネパールのポカラという街が気に入ってそのまま数カ月滞在したり、タイやロシアでレンタカーを借りて町から町へ走り回ったりと、スタイルを変えつつ旅を楽しんできました。そしてここ最近は国内旅行で自然に触れることにハマっています。
「宿のチェックアウトをするのが名残惜しい。もっとここにいたい」
そう思ったのは富士山が見える伊豆の田舎町を旅していたときでした。誰かが決めた時間や次の予定に急かされることなく、自分のペースでのんびり旅をする方法はないものか。
そこで頭に浮かんだのが車中泊。デカいクルマを買えば車内で眠れるのでは? そしたらホテルも取らなくていいし、旅のスタイルがガラッと変わって人生がもっと楽しくなるのでは? そう考えました。
迫力あるアメ車「リンカーン ナビゲーター」をメルカリで購入
そんな経緯でリンカーンのナビゲーターというアメ車を買いました。めっちゃデカい。足を伸ばして寝られる。全長518cm、全幅208cm、全高195cm(ルーフレールの高さも含む)。写真だとあまりサイズ感が伝わらないかもしれませんが、見た人からは必ず「デカッ!」と言われます。実際にかなりデカいです。身長175㎝の僕より、20㎝も高いです。
製造は2001年。排気量は5,400cc。お値段はメルカリで30万円。そう、今回はメルカリでかなりお得に購入することができたのです。中古相場を検索していたところ、関連ページにメルカリの商品ページが出てきたのでアクセス。「自動車本体」という初めて見るカテゴリーに並ぶのは、中古車屋さんよりもはるかにお安い車両の数々。調べてみると個人売買の手続き方法もどうやらそこまで難しくなさそう。
ざっと見た中でもひときわデカくてカッコ良くて運転してみたくなったのが、このリンカーンのナビゲーター。たまたま静岡県の出品者の方だったので、勢いでコンタクトを取って、伊豆旅行の途中で現車確認して、その流れで購入しました。
「クルマを買えば旅のスタイルがガラッと変わって人生がもっと楽しくなるのでは?」と思ってから納車までは約1週間。やりたくなったらとりあえずやってみるがモットーです。
ちなみに、個人売買でクルマを取得する方法については、僕の個人ブログの記事に詳しくまとめていますが、必要な手続きは2つ。最寄りの警察署で車庫証明を取得して、管轄の陸運局で名義変更の手続きをするだけです。費用は全部合わせて7,000円ぐらいでした。警察署と陸運局の窓口へ行くため平日に時間を確保する必要がありますが、手続き自体はそれほど難しくはなかったです。
その場の気分で行動できるのが車中泊の良いところ
茨城県にある星空スポット「神磯(かみいそ)の鳥居」で撮影した星空と朝焼け。
ナビゲーターの購入後、運転の練習がてら車中泊で訪れたのが茨城県。ここで「クルマを買ったのは本当に正解だった」と確信しました。
このときは星空を撮りに行ったのですが、「せっかくだから朝日も撮りたいな」と思ったらすぐそばの駐車場には大きな愛車。そう、クルマの後部座席でゴロゴロしながら朝を待てばいいのです。その場の気分で好きなように行動できる。車中泊ってこんなに自由だったのか!
荷物を好きなだけ積み込めるので、旅の快適度も飛躍的にアップ
また、荷物を好きなだけ積み込めるのもクルマ旅の良いところ。
バックパックやキャリーバッグで旅行していたときは、カバン1つにすべてを収めることを最優先に考えて「カメラは小型のコンデジにしておくか」とか「かさばらない服を選ばなきゃ」と無意識のうちにどこか我慢していました。
それがクルマを手に入れてからは「せっかく普段見られない景色を撮る機会なんだから一眼レフを2台持っていこう」「いつでもキャンプできるように、キャンプ道具は全部積みっぱなしにしておくぞ」など、荷物に関わるストレスがゼロに。旅行中の快適さが今までと段違いに向上しました。
この連載では、愛車ナビゲーターを「車中泊できて仕事もできるクルマ」に進化させつつ、日本中を旅しながら旅先でしっかり仕事する様子をお届けします。
そのためにまず必要なものは、ベッド(寝床)とテーブル。
そこで、カエライフにも登場されたVAN LIFEビルダーの鈴木 大地さんのお力を借りて、快適に眠れるベッドと、仕事にも食事にも使えるテーブル(デスク)が一体型になったものをDIYで作ります。
VAN LIFEビルダーの鈴木大地さんにDIYを教えてもらう!
某日、愛車のリンカーン ナビゲーターを快適な車中泊仕様にするべく、東京都足立区にある「いろどりの杜」にやってきました。
いろどりの杜は、かつて東綾瀬団地と呼ばれていたリノベーション団地。北綾瀬駅から徒歩13分の閑静な住宅地にあり、「おうちキャンプ」をテーマに、広い敷地内でキャンプやBBQなどのアウトドアライフが楽しめます。さらに、入居者が自室をDIYするための作業場を備えているのが特徴です。
このいろどりの杜でDIYアドバイザーを務めるのが、VAN LIFEビルダーとしても活躍している大工の鈴木 大地さんです。
今回はこちらの作業場をお借りして、鈴木さんに相談しながら快適に眠れるベッドと、旅先でもパソコンを広げて仕事ができるテーブルをDIYで作っていきます。
- 鈴木 大地(すずき だいち)さん
- その道20年のベテラン大工として、主に店舗やマンションなどの改装を手がけつつ、2018年からVAN LIFEをスタート。ハイセンスなカスタムがまたたく間に話題を呼び、現在は「VAN LIFEビルダー」としても活動。BS日テレ『極上!三ツ星キャンプ』をはじめ、テレビや雑誌、イベントでVAN LIFEのDIY術を披露するほか、依頼を受けてクルマのカスタムも行う。
Instagram @daichi_suzuki.jp
現役大工がクルマをカスタムしたら、こうなった!職人のワザが光る本気のVAN LIFE
2020.04.02
快適な車中泊ノマドワーク生活を実現するために必要な設備を洗い出そう
作業の前に、まずはこれからの旅を始めるにあたって必要な要素を洗い出します。必須条件は以下の4つ。
- ベッド部分はフルフラット
- 身長175cmの僕が足を伸ばして眠れるスペースを確保
- 仕事用のデスク(テーブル)は使うときだけ展開できるスライド式
- 車検や将来売るときのことを考えて現状復帰できる構造
これらの要望を鈴木さんにお見せしたところ、「やりがいのありそうなカスタムですね。大丈夫です。やりましょう」とのお返事が。VAN LIFEと大工のプロからの言葉は心強い!
次回は、実際にベッドとテーブルをDIYする様子をお伝えします!
取材・文/観音クリエイション
写真/観音クリエイション、藤井 洋平
撮影協力/いろどりの杜