車中泊の進化系として、近年クルマ好きたちのあいだで注目される「バンライフ」。もともとはアメリカで始まったライフスタイルですが、日本でも著名インスタグラマーやYouTuberなど、数々のインフルエンサーたちがバンライフを実践しており、その人気は徐々に高まっています。
とはいえ、バンライフとは具体的にはどういうものなのでしょう? なんとなく興味はあるものの、実際に自分でもできるのか、そのためにはどうすればいいのか、イメージがわかない人も多いのかもしれません。
そこで今回は、バンライフのプロたちがどのようなライフスタイルを楽しんでいるかご紹介! バンライフの祭典「VANTERTAINMENT FES vol.0」に参加し、バンライフを楽しむ人=バンライファーの皆さんのライフスタイルを聞いてきました。
目次
- バンライフってそもそも何なの?
- バンライフの祭典「バンタメフェス」で調査!
- 気になるバンライファーにインタビュー!
- 家族で2拠点生活バンライフを楽しむイケさん
- 各地を旅する女子バンライファー! 車中泊暮らしのまるぴーさん
- 日本中を巡ってご当地の魅力を配信するYouTuber・菩薩さん
- 日本一周の夢を叶えるため婚約者とバンライフ。ケンケンさん&やまめさん
- 二人の時間をバンライフで取り戻した とおるんさん・よしみんさん
- 平日休みを利用して気ままにバンライフを楽しむTaK(タク)さん、haru(はる)さん
- 他にも色々!十人十色のバンライフの楽しみ方
- 夫婦でゼロからのバンライフをスタート。わたなべ夫婦さん
- 愛犬とともにバンライフを楽しむ小澤 貴裕さん
- まずは週末バンライフからスタートしてみては?
バンライフってそもそも何なの?
バンライフとは、「バン(VAN)」と「ライフ(LIFE)」を掛け合わせた造語。クルマを中心としたライフスタイル全般を意味します。
2011年にラルフローレンの元デザイナー、フォスター・ハンティントン氏が、フォルクスワーゲンに乗って自由気ままな旅に出かけ、その様子を発信したことが、バンライフのムーブメントの始まりだといわれています。
バンライフという言葉には、今のところ明確な定義はありません。現在は国内で多くのバンライファーたちが活動していますが、完全にクルマの中で寝泊まりする人もいれば、自宅とクルマでの生活を両立させる人も、なかにはコワーキングスペースなどを利用して日本各地を転々とする人もいます。
目的も動機も、人によってさまざま。正解がひとつでないのが、バンライフの面白いところです。それではさっそく、バンライファーたちを見ていきましょう!
バンライフの祭典「バンタメフェス」で調査!
今回インタビューを実施したのは、山梨県の西湖キャンプ・ビレッジ「ノーム」で 2020年11月28日・29日に開催された「VANTERTAINMENT FES vol.0」(以下、バンタメフェス)。キャンピングカーや車中泊仕様バンのカーシェアサービス、車中泊スポットのシェアサービスを行なうCarstay株式会社が主催した初のイベントです。
会場内には自作のバンライフ車やモバイルハウスカーに乗ってやってきた参加者が200名以上集結。サウナワゴンや子ども向けのアトラクション、フードブースなど、様々なエンターテイメントコンテンツが出展していました。
主催者であるCarstay株式会社のCEO・宮下晃樹さんは、日本で早くからバンライフ文化を実践していた第一人者。今回のイベントを機に、バンライフのムーブメントをより広めていきたいと熱い想いを語ってくれました。
カエライフでは、宮下さんにバンライフの魅力をじっくりと聞いた記事も掲載しています。ぜひこちらもご覧ください。
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VAN LIFE(バンライフ)って何だ? クルマ×暮らし=車中泊の進化系!
2019.08.20気になるバンライファーにインタビュー!
バンタメフェスに参加している多数のバンライファーから、特に素敵な雰囲気の方々をピックアップ。愛車や費用についてはもちろん、現在のライフスタイルになったきっかけ、楽しいバンライフを過ごすためのコツなどを伺いました。クルマ好きだけでなく、車中泊に興味がある方も刺激されること間違いありません!
家族で2拠点生活バンライフを楽しむイケさん
普段は千葉で暮らし、冬だけ家族全員が新潟に移住する、2拠点生活を楽しんでいるイケさん。クルマでの四国一周をファミリー揃って経験し、現在の愛車ハイエースに買い替えたあとには3年がかりで日本一周の旅まで。会社を経営する傍らYouTuberとしても活動する、明るくやさしいお父さんにバンライフを楽しむコツをお聞きしました。
- イケさん
- 映像・WEBの制作会社を経営しており、YouTuberとしても活動。妻、子ども2人と家族全員で千葉と新潟の2拠点生活を行っている。大型連休がきたら10日くらいかけて北海道に行くなど、家族4人でクルマ旅をするのが楽しみ。
ブログ とうちゃんはテンネンパーマ
YouTube とうちゃんはテンネンパーマ
- 基本データ
- 車種:トヨタ「ハイエース スーパーGLワイドミドルルーフ」
バンライフ歴:21年
きっかけ:サーフィンの前乗りで車中泊をしたこと
初期費用:約400万円
メインの仕事:映像・WEB制作会社の経営
イケさん:トヨタの「ハイエース スーパーGLワイドミドルルーフ」です。ハイエースのラインナップ中では最も車幅が広く、家族みんなで一列になって寝られるんです。車中泊のネックである狭さも気にならなくなりますよ。
以前乗っていた日産の「エルグランド」から、2017年に買い替え。内装のカスタムと諸々込みで400万円ほどかかかっています。
イケさん:三菱の「デリカスターワゴン」に乗っていた26歳の時から、サーフィンやスキー、スノボが趣味で、夏は夜のうちにビーチの近くまで前乗りを。夜明けすぐサーフィンができるようにと車中泊を始めました。妻とは当時から付き合っていたのですが、いつも夜は車内で過ごしていましたね。どこかに旅行をしたときもホテルに泊まったことがないかもしれません(笑)。
イケさん:一緒の時間がすごく長いおかげで会話が生まれ、あらゆることを家族揃って経験できること。子どもたちと一緒に旅をしていると、日本地図を見るだけではわからないことも直接教えられる。例えば実際の距離や気候の変化もそう。これって空間が限られ、野宿に近い感覚の車中泊だからこそのメリットだと思います。
逆に大変なのがトイレ問題。例えばサーフィンで前乗りしたときは、近くにトイレがなくて困るときもあります。事前に周辺の環境を調べておくなど、対策をしておいた方がベターです。
イケさん:ファミリーなら子どもたちに無理をさせないことが第一です。ドライブが長くなると子供が飽きちゃうんですね。そんなときはiPadを渡して動画を見せたり、イラストを描かせたりと、なるべく創作意欲を伸ばせるような対策をしています。つまらないと思ってしまうと行きたくなくなるでしょうし、けっこう気を遣っていますね。
イケさん:ファミリーなら子どもたちに無理をさせないことが第一です。そのために快適に過ごせるよう工夫を。特に寝る時がとても大事なんです。寒さ、暑さ対策はもちろん、寝心地の良いスペースを作るのは欠かせません。まずは大袈裟に構えず、今乗っているクルマで一晩過ごしてみては?
各地を旅する女子バンライファー! 車中泊暮らしのまるぴーさん
大きなハイエースを駆って自由気ままなバンライフを送っているまるぴーさんは、広大なラゲッジスペースにタンスやマットレスなど、生活に必要なアイテムを搬入。どこに行っても自分の部屋がある感覚の、安心できる車内空間を実現しました。ほぼ毎日車中泊という彼女のバンライフスタイルに迫ります。
- まるぴーさん
- 2019年10月からバンライフをスタートし、単独で車中泊生活している。WEBライターとして活動。日本におけるバンライフの先駆者・渡鳥ジョニー氏が昨年8月に開催した「バンライフフェス」プロジェクトもサポート。
YouTube まるぴーVAN LIFEチャンネル
- 基本データ
- 車種:トヨタ ハイエース スーパーロングバン
バンライフ歴:約1年半
きっかけ:世界の色々な景色・魅力を知りたいと思ったから
初期費用:約220万円
メインの仕事:WEBライター
まるぴーさん:昔からキャンピングカーに憧れていたのですが、価格と大きさがネックで、ハードルが高く……。ちょうど良い感じの「ハイエース スーパーロングバン」を2019年7月に購入しました。空間がとにかく広くて、自分の家で移動しているような安心感があります。初期費用は約220万円でした。
まるぴーさん:2018年3月に結婚したのですが、夫婦で世界一周してみたいと思っていたんです。そのときにバンライフのことを知って、チャレンジしてみようと当時住んでた家も解約しました(笑)。翌年の7月にハイエースを購入後、10月にはバンライフをスタート。最初のうちは二人で過ごせていましたが、夫は仕事のため大阪の自宅に戻り、今は私だけ完全車中泊生活となっています。
まるぴーさん:バンライフを始めてから、いろんな場所に行くことが楽しくなりました。拠点を変えながら、いろんな場所でワーケーションを楽しめるのも魅力です。
ただ、人と喋れない日が続くとしんどいし、トイレとお風呂は定番の悩み。駐車時はアイドリングしないよう気をつけているため、夜の寒さも大変です。電気毛布を使ったり、服を着込んだり、冬場は南の方に行ったりと工夫しています。
まるぴーさん:小さいことを気にしない! お風呂に入れないのが気になってストレスになる方なら、設備の整ったキャンピングカーを選択する方が良いかもしれません。バンライフは、大変なことも楽しめて、フットワークが軽い人に向いていると思います。
まるぴーさん:自分に合うスタイルかどうか、身近な場所で試してみては? 自分の家の駐車場で車中泊をテストするのがお手軽でオススメです。クルマの中でカップ麺を食べるだけでワクワクできるはず。今のライフスタイルにバンでの生活を少し取り入れみるところから始めて、自分らしいバンライフを探すのもいいのではないでしょうか?
日本中を巡ってご当地の魅力を配信するYouTuber・菩薩さん
菩薩さんは日本各地で出会った女性とデートしながら、名物や名所を紹介する旅バラエティYouTuber。毎日クルマで寝起きし、土地土地の魅力を発掘しています。旅行事業起ち上げを夢見て、自ら日本中駆け回る彼のバンライフはどんなスタイルなのでしょう?
- 菩薩 さん
- 大学卒業後の失恋を機にナンパ師に転向する。数多くの女性とコミュニケーションを取ってきたノウハウを生かし、恋愛に悩む男性のアドバイザーに。現在は日本各地で現地の女性と地元を巡りデートする様子を配信する、車中泊YouTuberとして活躍。
YouTube 菩薩【日本の出会いと旅】
- 基本データ
- 車種:トヨタ ハイエース 標準ボディ 2.8Lディーゼル
バンライフ歴:約1年
きっかけ:YouTubeで各地の魅力を発信しようと決めたこと
初期費用:約600万円
メインの仕事:YouTuber
菩薩さん:トヨタ「ハイエース 標準ボディ 2.8Lディーゼル」を2019年2月に購入しました。路面を選ばずどこでも走れる4WD車で、テントやカヤック、キャンプギアなどをタップリと積んでいます。車中泊用に買ったアイテムなど全て含めて、約600万円かかりました。
菩薩さん:大学卒業後、金融の仕事に就いたのですが、手酷い失恋を経験しまして……。彼女を見返そうとナンパ師になり、得たノウハウを恋愛で悩んでいる男性に教えるようになりました。その収入でハイエースを購入したんです。
その後、日本各地を巡って、さまざまな土地の魅力を発信するYouTubeをスタート。ナンパ師として培ったコミュニケーション能力を生かして、現地の女の子と一緒に名所巡りしたり、名物を食べたりするデート動画を配信するように。
菩薩さん:色々な場所の、そこでしか見られない景色を楽しめるところです。あと、僕のスタイルだと単純に女の子とのデートが楽しいです(笑)。幸い、いまのところ辛い思いはしていないんです。毎日ストレスや不便を感じることなく、快適に過ごせていますよ。
菩薩さん:ベッドを整えること! 車中泊生活が始まった当初はソファベッドを持ち込んで使っていたのですが、床とベッドの境目が気になって寝づらかったんです。今はエアウィーヴのマットレスに変更。断然深く眠れるようになりました。睡眠は毎日のことですから、装備には気を遣った方が良いと思います。
菩薩さん:自分が主役だと思って冒険しましょう。人生は一度切りなので、思い切って後悔しない選択を! やりたいことを追求できている今の自分は、生涯で一番ハッピーだと思っています。
日本一周の夢を叶えるため婚約者とバンライフ。ケンケンさん&やまめさん
もともと会社員だったケンケンさん。日本一周の夢が諦められず、2020年より車中泊をしながら全国を旅しています。今はデザイナーとして活動しつつ、婚約者のやまめさんとバンライフやキャンプについての動画を配信するYouTuberとしての側面も。自然体でクルマ暮らしする、お二人のバンライフとは?
- ケンケン さん(右)・やまめ さん(左)
- 2020年に会社員からバンライファーへシフト。ケンケンさんの夢である日本一周を果たすべく、婚約者のやまめさんと一緒に日本中を旅している。また、車中泊生活やアウトドアアイテムを紹介するYouTuberとしても活躍し、アウトドア好きのフォロワーが多数存在。
YouTube ケンキャン
- 基本データ
- 車種バロッコ(ダイハツ ハイゼットトラックをベースとした特装車)
バンライフ歴:約1年
きっかけ:日本一周の夢を叶え、動画配信を仕事にしようと思って
初期費用:約420万円
メインの仕事:デザイナー、YouTuber
ケンケンさん:ダイハツの「ハイゼットトラック」がベースの軽キャンピングカー「バロッコ Kパッケージ」が相棒です。ハイゼットトラックには2014年から乗っていましたが、イマイチ使いにくかったんです。そこでバロッコを製作している、群馬県渋川市のフィールドライフ社に依頼。一緒にKパッケージをデザインして、新たなパートナーとして迎えました。
初期費用は車両も込みで約420万円。キャンピングカー仕様なので、ベッドモードにすればノーストレスで寝られます。コンパクトなモデルですが2人で使うのにちょうど良く、とにかく快適なんです。座ったままで車内どこでも満遍なく手が届きますからね。
ケンケンさん:以前から日本一周したいという夢があり、会社員時代は週末のキャンプで気を紛らわしていたんです。しかし、2019年の2月に一念発起。日本中を旅するため、車中泊生活に突入しました。同時に動画で食べていこうと、婚約者のやまめと一緒にYouTubeの配信も行うように。
やまめさん:私もその夢は以前から知っていたので、一緒に日本を回ることに不安を感じることはありませんでした。
ケンケンさん:全国各地で開かれる、いろんなイベントに参加できるのはバンライフならではかも知れません。どんどん仲間が増えるのってとても楽しいですよ。
やまめさん:意外と辛いことはないんです。ただ、2人が同時に具合悪くなったときは大変でした。軽自動車だと車内が狭いので、ひとりが寝てると、もうひとりは動けなくなっちゃうのがちょっと不便です。
ケンケンさん:素でいることでしょうか。バンライフを意識すると「オシャレじゃないと」、「木の内装にしなきゃ」とハードル高く感じてしまいます。でも、力むと疲れてストレスに。僕たちもオシャレな動画を撮ろうとするとヘトヘトになっちゃいますから。ナチュラルにオシャレな人もいますけど、無理に真似したって楽しめません。自分のできる範囲でやれば良いんです。
ケンケンさん:やるかやらないかで悩むということは、やりたいから悩んでいるわけですよね。それなら人生一度きり! まず、やってみてはどうでしょう。最初は週末だけバンライフでも良いかと。僕も週末バンライフを5〜6年やっていましたから。
やまめさん:私は親が厳しいのですが、彼と一緒に日本一周したいと人生で初めて自分の気持ちを強く伝えたら、優しく認めてくれました。本当にやりたいことがあるなら、自分の気持ちを周りに伝えることも大切。私もこの選択を全く後悔していません!
二人の時間をバンライフで取り戻した とおるんさん・よしみんさん
結婚早々のすれ違い生活に危機感を持った、とおるんさんとよしみんさん。二人の時間を最優先にしようと考えた結果、バンライフをスタートしました。オークションで手に入れたバンをカスタムし、新しい住処として日本中を旅する二人が思うバンライフの魅力とは?
- とおるん さん(左) よしみん さん(右)
- ネットオークションで日産「キャラバン」を落札し、知り合いの工場を借り、2週間かけてDIYでカスタム。2019年にバンライフをスタートし、現在は日本全国をまわりながら、VANtuberとして車中泊ギアや設備などの情報配信を行なっている。
YouTube とおるんよしみん VANtuber
- 基本データ
- 車種:日産 キャラバン
バンライフ歴:約1年半
きっかけ:ピースボートでバンライファーから話を聞いて
初期費用:約50万円
メインの仕事:YouTuber・ライター・ブロガー
とおるんさん:日産のキャラバンを2019年3月にヤフオクで落札しました。地元の山口県から神奈川県まで、ヒッチハイクして引き取りに行ったんですよ。クルマ自体は38万円でしたが、収納スペースやベッド、窓パネルなどを作ったDIY費用が約3万円。そのほかにポータブル電源や折り畳みのソーラーパネルなどが約9万円。初期費用は合計約50万円です。
2020年7月にルーフテント(約50万円)と、天井に新しいソーラーパネル(約5万円)を追加で取り付けました。
とおるんさん:結婚後、お互いの仕事のシフトの都合で2人の生活サイクルがズレてしまい、家でもコミュニケーションが取れないでいたんです。このままではダメだと話し合い、一緒にいる時間の確保を最優先にしようという結論に。
よしみんさん:翌日、私は会社を辞めると言ってきました。その後、夫婦でピースボートに参加して3ヶ月の船旅に。2人の時間を作るためでしたが、船内でキャンピングカー愛好家の集まるイベントがあったんです。リタイヤ後にハイエースで旅している人をはじめ、いろんな方のお話を聞き興味が湧きました。
とおるんさん:帰ったら日本一周しようと思っていたのもあり、「車中泊って面白そうだね」とチャレンジを決意。もともと僕たちはアウトドア好きで、出会ったのも登山きっかけ。家以外で寝ることに抵抗もありませんでした(笑)。
とおるんさん:一緒の時間を過ごせること。お風呂とトイレのとき以外、23時間くらい一緒にいます。
よしみんさん:「今日はどこ行く?」、「ご飯どうする?」とか、ふたりで一緒に決めていくことが多いのでコミュニケーションが増えました。運転で疲れたらその場で寝られちゃうのも車中泊だからこそ。
とおるんさん:手探りでのスタートだったので大変なことはたくさんありましたけど、1年やってみると当たり前になるんです。最初のうちは食材、コインランドリー、お風呂を探すのに一苦労。毎日場所が変わりますし、ようやくたどり着いたのに定休日だったなんてことも(笑)。
とおるんさん:毎日違うもの、新鮮な土地に触れられるのは刺激的ですし、不便をどう改善するか、工夫していくのも楽しめば良いと思います。困ったらバンライファーの仲間にアドバイスしてもらうと良いでしょう。
よしみんさん:気になることがあれば、どんな小さいことでも伝えるようにしています。前はちょっとしたコミュニケーションのズレからイライラすることもありました。いまは小さなズレもすぐに解消して、毎日仲良く過ごしています!
とおるんさん:1泊2日の車中泊旅から踏み切ってはいかがでしょう。クルマはレンタルすれば問題なし。電車旅行と違って自由ですし、気分で予定変更できますから、ハマる人は絶対に多いですよ!
平日休みを利用して気ままにバンライフを楽しむTaK(タク)さん、haru(はる)さん
休日を利用して週に2日はどこかしらに出かけるというTaKさんとharuさんご夫婦。車中泊するのは月2回ほどですが、セルフカスタムした愛車にはベッドやソーラーパネルといった、本格的な宿泊用設備が。二人の気ままなバンライフスタイルについて伺いました。
- 休日バンライフ TaK さん(左)、haru さん(右)
- 会社員のTaKさんとフリーランスライター兼カメラマンのharuさんご夫妻。平日に週2日あるTaKさんの休みを利用してバンライフを楽しんでおり、「箱根移住夫婦の休日バンライフ」というチャンネルでYouTubeに動画も投稿している。いずれはキャンピングカーを購入し、自分たちで内装カスタムするのが夢。
YouTube 箱根移住夫婦の「休日バンライフ」
- 基本データ
- 車種:マツダ ボンゴ ブローニイバン
バンライフ歴:約2年
きっかけ:雑誌で見た週末バンライフが響いて
初期費用:約120万円
メインの仕事:会社員(TaKさん)、フリーランスライター・カメラマン(haruさん)
haruさん:マツダの「ボンゴ ブローニイバン」を2018年に購入し、カスタムは旦那がDIYで行いました。2019年1月にベッドキットが出来あがり、そのあとも本棚をつけるなどアップデートしながら楽しんでいます。
Takさん:車体自体は中古で38万円ほど。バッテリーやソーラーパネルなどの装備も含めると初期費用は約120万円くらいでした。
haruさん:もともとキャンピングカーに憧れていたんです。でも値段も高いし、楽しむのは老後になってからかなぁと諦めていました。ところが、たまたま雑誌で週末バンライフの特集を見て、これなら私たちにもできそうだと思ったんです。
Takさん:それで妻に「(クルマのカスタムを)できる?」と聞かれたので「やってみようか!」とチャレンジを。海外のバンライフ車の動画などを、よく参考にしながら人生初のDIYに挑みました。
haruさん:いつでも昼寝ができるところ。湖畔の景色を見ながらベッドでゴロゴロなんて、自宅ではできません。家ごと移動している気分で楽しめるバンライフ車ならではですよね。
とはいえ、トイレがないのと寒いのは厳しいですよ。お風呂なら温泉だってあるし、1日くらい入らなくてもなんてことないですが……。
Takさん:私の身長が184cmあり、車中で立てないのも個人的な悩み。次に乗り換えるならもっと天井の高いクルマがいいかな。
haruさん:旦那さんが怒らないことかな(笑)。
Takさん:なんでも言うことを聞いてます(笑)。
haruさん:このクルマも、デザインや雰囲気は私がアイデアを出して、旦那さんがそれを実現するという役割分担をしています。ふたりが好きなデザインを言い合うと、ちぐはぐな雰囲気になっちゃうのが嫌だったので。
haruさん:まずは今の愛車で一度車中泊してみるのがいいと思います。楽しければバンライフ用のクルマを探すのがおすすめです。カーシェアを利用してキャンピングカーに乗ってみるのも参考になりますよ。リーズナブルですしね。
他にも色々!十人十色のバンライフの楽しみ方
今回のバンタメフェスで出会い、紹介させていただいた方々以外にも、カエライフでは過去に熟練バンライファーを取材しています。日本中を夫婦で旅するYouTuber、危機管理のプロである救急救命士、いずれのお話も参考になること請け合いです。
夫婦でゼロからのバンライフをスタート。わたなべ夫婦さん
夫婦2人で車中泊での日本一周に挑む動画から始まり、現在は旅行や日々の暮らしの動画を投稿しているYouTuberのわたなべ夫婦さん。チャンネル登録者数16万人を超える人気者になるまでには、様々な紆余曲折がありました。
2017年の結婚直後、仕事でベトナム暮らしに突入。忙しさからすれ違いが生まれ、異国生活のストレスもあって夫婦崩壊寸前に。そこで帰国し、マツダのボンゴバンを購入。2人を取り戻すための日本一周旅行を始めます。ニトリで買ったセミダブルのマットレスを置いただけだった車内は徐々にアップデートされ、当初は外食ばかりでしたが自炊できる設備も整っていきました。
バンライフって想像よりもずっと簡単にできて驚いたというお二人。一番大切なことは「夫婦一緒に楽しく暮らす」だそうです。
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2019.11.01愛犬とともにバンライフを楽しむ小澤 貴裕さん
救急救命士の小澤貴裕さんは愛犬ロノくんと、ホンダのフリードスパイク ハイブリッドでバンライフを楽しんでいます。
かつて自宅のある千葉県富津市から都内の職場までクルマで通っていた小澤さんですが、通勤時間が長く寝る暇もないくらい忙しかったそう。ある日、2匹いた愛犬のうち1匹が亡くなったため、クルマに布団を積み込んで傷心旅行に出かけました。ロノくんと大雪の山形へ。強烈な悪天候の中でしたが、クルマでの就寝は意外と快適だと気付きます。そして自宅に帰らずそのまま職場へ。移動時間やコストを圧縮できて、業務効率の向上も実感。気づけばそのままバンライファーになっていたとか。
今ではクルマはコックピットようなものと感じ、寝泊まりはもちろん、リモートオフィスとしても快適な環境だと思えるそうです。
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2020.01.14まずは週末バンライフからスタートしてみては?
今回紹介したバンライファーたちを見て分かるように、ひとくちにバンライフといえど、そのスタイルは様々。全く知識がない状態から独学でクルマをDIYした人もいることから、決してハードルが高いものではないといえます。
バンライフを楽しむコツは、自分のペースを守ること。毎日クルマの中で過ごさずとも、週末だけ、休日だけなど、自分のライフスタイルにあわせて無理なくクルマと付き合うことが大切です。
興味がある人は、まずは数日間の車中泊からチャレンジを。自分なりのバンライフの道を切り拓く、第一歩につながるはずです!
文/金井 幸男
写真/木村 琢也