N-VANに乗りはじめたことで、DIYやキャンプなど、趣味の幅が広がったという鮎沢純一さん。アウトドアライフを満喫する鮎沢さんのこだわりのN-VANカスタムは、個性が光るものばかり! 車中泊カーにするなら必ず実践したほうがいいポイントを聞いてみました。
釣りもキャンプもDIYも、N-VANで広がった車中泊の達人のアウトドアライフ
2023.12.12- 鮎沢純一さん
- 山梨県甲府市在住の会社員で、N-VAN歴は約1年半。クルマのカスタムは学生時代からと経験豊富だが、DIYはN-VAN購入がきっかけ。N-VANのお気に入りポイントは、DIYして自分のオリジナリティを出せるのと、6速マニュアル設定と操作する楽しみまで兼ねそなえた希少なクルマだから。
自分好みにDIYして、個性を出す
前編では、N-VANで広がった鮎沢さんのアウトドアライフをお聞きしましたが、男も惚れるN-VANのカスタム具合が、ずっと気になっていました。後編では鮎沢さんのカスタムのこだわりについてお聞きしたいと思います。早速ですが、そもそもカスタムにハマったのはどのようなきっかけだったのでしょうか?
鮎沢さん:大学生のときに自動車部だったこともあり、1年生のときにスポーツカーを中古で購入し、そこでイジリはじめたことがきっかけでした。こんなクルマに乗りたい、ここがちょっと気になるな…というのが自分で変えられるのが楽しくって。はじめはステアリング、シート、足元のカスタムからでした。一番ハマっていたときは、毎週ミッションを降ろしたりするほどでしたね(笑)。
学生のころからということは、カスタム歴は相当長いですね! カスタムの楽しさはどこにあるのでしょうか?
鮎沢さん:カスタムの楽しさは、思い描いた仕上がりや使い勝手、乗り心地がアップすることですかね。見た目のクオリティが上がるというのも個人的には達成感を味わえる要素です!
確かに、欲しいと思うものを自分で作れたら愛着もさらに湧きそうです。鮎沢さんのDIY歴も長いのでしょうか?
鮎沢さん:全然長くなくて、実はまだ1年ちょっとですよ。それもN-VANの購入がきっかけでした。N-VANをYouTubeで検索したら、車内をカスタムする動画がたくさん出てきまして。そのなかでも木工のDIYの動画をいくつか閲覧したことで、チャレンジしてみたい気持ちが湧いてきたのを覚えています。
え、まだDIY歴1年ですか!? すでに多くのものにチャレンジされているかと思います。一番はじめにDIYしたものはどんなものだったのでしょうか?
鮎沢さん:最初のDIYは車内のものではなく、キャンプ用のローテーブル。第1作目は家具にも使われるラワン材で作ったのですが、色味が好きじゃなくて(笑)。それと、スノーピークのフラットバーナーをテーブルにはめられるようにするために天板をスライドさせられる仕様にしました。スライドさせるための溝のクリアランスを1mmにしたら、軽くテーブルを傾けただけで天板が動いてしまい、使いづらかったので、改良版ではクリアランスを0.3mmにしたらうまくいきました。天板もウォールナットにして落ち着いた雰囲気を出してみたところ、しっくりきて満足しています。
一見完璧なテーブルも、そういった変遷をたどっているのですね。
お気に入りを厳選! 鮎沢流カスタムポイント5選
ここからは、鮎沢さんの車内カスタムのこだわりポイントを5つほど見せていただければと思います。まず、1点目はどちらになりますか?
鮎沢さん:そうですね、車内のカスタムではじめに木工DIYをした、バックドアのところに設置してあるテーブルから。このテーブルは、カフェ板(杉を使った板材)3枚をつないで1枚の板にしています。そして、1,200番のヤスリで表面の肌触りをアップ。最後にオイル塗装しているのですが、これのおかげで杉のきれいな木目がはっきり浮き出て見た目がより好みに仕上がりました。実はこれより前に合板で作ったのですが、肌触りと木目の感じが好みじゃなくて、いろいろ調べた結果、カフェ板がいいと知り作り直しました。
このクオリティまでたどり着くまでに試行錯誤されているのですね…。
鮎沢さん:一発で納得できるものができればいいのですけどね(笑)。日帰りでいい景色のスポットに出かけるのが好きで。いい景色の方向にバックで停め、バックドアを開けてコーヒーを淹れ、ゆったり景色を見るのが休日の贅沢となっています。
鮎沢さん:次に紹介したいのは、同じ後ろに設置した床下の収納です。レールの長さは目一杯長くしたかったので、耐久性のいいパーツを慎重に吟味しましたね。基本安く仕上げたいとは思っていますが、長く使うことを考えると、負荷がかかるところはしっかりしたパーツを選ぶのも大切かなと。
鮎沢さん:天板は半自動でポップアップするようになっていて、これは本来、自宅でPCを使用する際に目線を上げて操作できるようにするためのものらしいのですが、これを天板につければ開け閉めが楽だなとひらめいて取り付けました。
つねにDIYのことを考えていらっしゃるのですね。収納部分のDIYはけっこう大変そうだなと思うのですが、何か気をつけることはありますか?
鮎沢さん:収納時のサイジングはコンマ数ミリ単位で調節しないと走行中にガタガタいうので神経を削りましたね(笑)。少し削ってはレールにはめて、また削ってという工程を繰り返すといいですよ。あとは、間仕切りが全くないと物が遊んじゃうので取り付けることをおすすめしますが、あらかじめ何を入れるか想定しておくと後悔が少ないと思いますよ。
N-VANに限らず、これをやっておくといいよ! みたいなカスタムはありますか?
鮎沢さん:ありますよ。購入したらまずやったほうがいいのが、防振と断熱シートを天井部分に貼ることです。いろいろカスタムしてからだとできないので、ぜひ試してほしいですね。クルマって、要は鉄の塊じゃないですか。だから音は響くし、熱はこもりますからね。ですが、これを貼ることで雨音が気にならなくなって、夏に熱がこもるあのしんどさもかなり軽減されますよ。
これは全車中泊好きに実践してほしいですね。そのほか、クルマイジりをされていた鮎沢さんだからこそのカスタムはありますか?
鮎沢さん:かなり昔にNARDI(ナルディ)のステアリングを使っていたのですが、久しぶりに運転を楽しめるクルマにしたので、少し高価ですが取り付けまして。ハンドルってずっと握るものだし、カスタムに興味がない人でも手に馴染むものを探したほうがいいと思っています。私の場合は、レザーが手に馴染むし、細身のグリップが心地よいんですよね。車中泊の話をすると、ハンドルは簡単操作ですぐに外せるようにしています。運転してそのまま後部座席に移動することって多いじゃないですか。そのときにハンドルが足に当たって邪魔することはありませんか? 移動をスムーズにするために取り外せるようにしておけば、その問題も解決します。ハンドルは走行に関わる大事なパーツなので、しっかり装着することも忘れずに。
鮎沢さん:変えて良かったことで言うと、カーナビをアンドロイドカーナビにしたことです。ふだん使用しているアプリを使えますし、ナビはGoogleマップで自動更新されて常に最新の道路情報を表示してくれますからね。画面が大きいので、YouTubeを観たり、テレビもBSまで観られるようにしているので、さながら家と同等の環境です(笑)。
はじめてのDIYなら、テーブル作りがおすすめ
ここまで、こだわりのカスタムポイントを教えていただきました。N-VAN以外の車種に乗られている方々にとっても有益な情報だったのではないでしょうか。ここからは、はじめてクルマのDIY・カスタムをしようと思っている方に向けて、はじめの一歩で何をしたらいいか、鮎沢さんに教えていただきたいと思います。
鮎沢さん:はじめてDIYにチャレンジするなら、私と同じように独立型のテーブル作りからはじめてみてはいかがでしょうか? はじめから車内のカスタム用となると、クルマのサイズを気にしながら考えなくてはならないですが、キャンプ場などに出かけた先でササっと自分で作ったテーブルでコーヒーを淹れて飲んだりしたら、充実感ありますよ。
なるほど。では、車内のカスタム用に作る場合は、どうでしょうか?
鮎沢さん:もし車内のカスタム用に作りたいのであれば、後部に取り付けるテーブルとサイドウォールのカスタムがおすすめです。理由はやはり比較的簡単だから。テーブルは、イレクターパイプ(スチール製のパイプにプラスチックの加工を施した、棚など作る際に使用するパイプ)をクルマに取り付けて、クルマの横幅に合わせてホームセンターで板を切ってくればOK。もちろん固定したり、色味やプラスの要素を足したりはいくらでもできますが、まずはやってみるというのが重要かなと。サイドウォールは、私はMilwaukee(ミルウォーキー)という工具メーカーが好きなので、その商品を取り付けています。そのほかのことも含め、参考資料はYouTubeにたくさん転がっているので、実はハードルは高くないですよ!
鮎沢さんのカスタムやDIYを目の当たりにすると、自然とチャレンジしたくなってしまいます。達人たちのこだわりのカスタム事例を参考にしながら、「まずはやってみること」ですね。
文/濱松 教道
写真/烏頭尾 拓磨
編集/濱松 教道、TAC企画
撮影協力/神之川キャンプ場