女子ソロキャンプの楽しさとは? こいしゆうか×森風美が語る女子ソロキャンプの魅力

こいしゆうかさん、森風美さんの女子ソロキャンプ対談記事アイキャッチ

近年のアウトドアブームの中でも、ひとりの時間を満喫したい人を中心に注目を浴びているソロキャンプ。最近は女性がひとりでキャンプをする、通称「女子ソロキャンプ」を楽しむ人たちも増えてきているようです。

今回は女子ソロキャンプの第一人者「こいしゆうかさん」と、カエライフでもおなじみ、年齢=キャンプ歴の女子キャンパー「森風美さん」に、年々注目が高まる女子ソロキャンプのリアルについて教えていただきます。

おふたりはテント泊と車中泊、ともに経験豊富でアドバイスも的確! そこで今回はこいしさんにテント泊、森さんに車中泊をメインに、両者のキャンプスタイルの違いはもちろん、魅力や注意点などについて、女性ならではの視点で語っていただきました!

目次

 

こいしゆうかさんのプロフィール写真
こいし ゆうかさん
イラストレーター、キャンプコーディネイターとして、雑誌、テレビ、ラジオ、イベント出演など幅広いメディアで活躍。「女子キャンプ」の先駆者であり、最近では中高年層の女性ソロキャンパーを応援。オリジナルテント「PANDA」を手がける。最新著書『1日5分で美若体型 若返り筋トレやってます!!』を3月25日に発売。
Instagram @koishi_yuka
Twitter @koipanda
公式HP こいしゆうか

 

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森風美さんのプロフィール写真
森 風美(もり ふうみ)さん
女子でも楽しめるキャンプスタイルをSNSで発信する女子キャンパー。雑誌、テレビ、イベント出演など幅広いメディアで活躍。女性向けアウトドアWebメディア「なちゅガール」の編集長を務め、アウトドア料理の万能スパイス「motteco」の開発も手がける。著書「はじめよう! ソロキャンプ」を発売中。
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Twitter @fu_uyu
YouTube もりふうみチャンネル

 

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今回の撮影場所「喜多川キャンピングベース」は全サイトウッドデッキ

取材場所の喜多川キャンピングベースの全景

2019年にオープンした、埼玉県飯能市にある「喜多川キャンピングベース」。自然の地形を活かして作られた、緑に囲まれたキャンプ場。全サイトウッドデッキ仕様のためテントが汚れにくく設営・撤収がスムーズ。レンタル用品も揃っているため、初心者やソロキャンパーの利用者も多いようです。

 

1.ソロキャンプの魅力とは?

喜多川キャンピングベースのウッドデッキから景色を眺めるこいしさんと森さん

キャンプといえば、自然に囲まれながらご飯を食べたり、たき火にあたったりと、非日常感を楽しめるのが魅力。ソロキャンプの場合は同行者がいないので、行きたいときに好きな場所でキャンプを楽しめる手軽さもポイントといえます。

こいしさんと森さんは、キャンプのどのような点に魅力を感じたのでしょう。また、女性ひとりでキャンプをする不安をどのように解決したのでしょうか。こいしさんが女子キャンプを提唱した背景や、森さんが車中泊をはじめる前の姿など、気になるルーツにも迫ります。

 

こいしさん、森さんがソロキャンプにハマった理由

こいしさんがキャンプを始めたばかりのころの写真

こいしさんがキャンプを始めた頃の写真(写真提供:こいし ゆうか)

こいしさん:私は2008年頃、当時勤めていた会社の人がキャンプに連れて行ってくれたことがキャンプにハマったきっかけです。その時は「キャンプ=ファミリーで行くもの」という子供ありきのイメージが強かったのですが、ご夫婦や大人がのんびりと自由に過ごしている風景に驚き、自分も道具を集めてキャンプへ行きたいと思いハマっていきました。

 

森風美さんがキャンプを始めたばかりのころの写真

森さんがキャンプを始めた頃の写真(写真提供:森 風美)

森さん:それこそ私は幼少期から家族でキャンプへ行くようなファミリーキャンパーでした。大学2年生の時に今も愛用しているキノコ柄のテントを見つけて一目惚れ。それからキャンプをおしゃれに楽しむことにハマっていき、こいしさんの本なども参考にしていました!

こいしさん:ありがとうございます! 私がキャンプを始めた当時、周りの女友達を誘うと「え? 女の子だけで?」と驚かれたり「虫が苦手」と断られてしまい……。

インターネットで「女子 キャンプ」などと検索するも全くヒットしなくて、それなら自分で作ろうと【女子キャンプ】と命名してSNSのmixi(ミクシィ)でコミュニティーを作ったことが、ソロキャンプを本格的に始めたきっかけでした。

森さん:コミュニティーではどんな活動をしていたんですか?

 

こいしさんがキャンプを始めたころの写真

こいしさんの当時の写真(写真提供:こいし ゆうか)

こいしさん:当時は女子ソロキャンパーが40人ほど集まって、キャンプ場でオフ会をしていました。他にもキャンプ仲間と一緒に徒歩部や釣り部などを結成したり、共通の趣味をもつ仲間が集まることも。それでいて自由で、すごく楽しかったです。

ふうみちゃんも当時は徒歩でキャンプをしていたよね?

 

森さんがキャリーキャンプをしていたころの写真

森さんの当時の写真(写真提供:森 風美)

森さん:学生時代は免許がなかったので、キャリーカートにキャンプ道具を一式詰めて、電車・バス・船・飛行機などを使ってキャンプを楽しんでいました。その時にこいしさんと出会っていろいろお話をして、「キャリーキャンパー」というワードが生まれたんです。

しばらくキャリーでキャンプを楽しんだ後、2019年にHonda「バモス ホビオ」を購入し、車中泊スタイルのキャンプも始めました。(徒歩から車中泊キャンパーになった理由はこちら)その時に「(徒歩キャンプに)もどれなくなるよ」とこいしさんに助言をいただき(笑)、その通りになってるかも!

こいしさん:懐かしい! たしかにそんな話をしたね(笑)。

 

それぞれが感じるソロキャンプの魅力や楽しさとは?

ソロキャンプの魅力を語るこいしゆうかさん

森さん:こいしさんにとって、ソロキャンプの魅力ってなんですか?

こいしさん:ソロキャンプの魅力は、徒歩でも車中泊でも、自分が行きたい場所、食べたいもの、見たい景色を自分のペースで堪能できるからいいなと思う。

それとソロとは関係ないのですが、私にとってキャンプは、観光地でもなく僻地でもないその中間にある“里”のような存在だ思っています。便利さと自然のいいとこどりのようなことができるのがキャンプの魅力かもしれません。

 

カスタムしたクルマに寝転がる森風美さん

森さん:私も思い立ったときにすぐにキャンプできるのが、ソロキャンプの魅力だと思っています。今ではキャンプを軸に、幼い頃から好きだったおままごとやひとり遊びが全部リンクして、自分の好きが詰まった自由なキャンプスタイルを楽しめてるけど、はじめは女性ひとりで過ごすのが不安に感じることもありました。でもキャンプ場のHPやSNSでどんなところかチェックしたり、車内が見えないようにカーテンをつけたりと、下調べや準備を徹底することで自信へと繋がっていったと思います。

 

2.女子ソロキャンプを楽しむためのポイント・注意点は?

こいしさんがキャンプをしている写真
キャンプ中のこいしさん(写真提供:こいし ゆうか)
森さんが釣りを楽しんでいる写真
釣りを楽しむ森さん(写真提供:森 風美)

ソロキャンプの魅力にすっかりハマって、それが現在のお仕事にまでなっているおふたり。そんなふたりに、これから始めようと思う人が特に気になるキャンプ場選びについてのポイントから教えていただきましょう!

 

キャンプ場選びは下調べが肝心!

こいしさん:無料のキャンプ場だとトイレが汚れていたり、人が少なくて治安が心配な場所もあります。初めての女子ソロキャンプであれば「高規格」と呼ばれるキャンプ場が間違いなく安心。手入れが行き届いたトイレや、お風呂や売店などの 設備が充実しているのが特徴です。その反面、ファミリーやグループが多く賑やかだったり、自然をダイレクトに堪能できなかったりするところもあります。

森さん:場所によっては管理人さんが24時間在中しているところもあって女性はとくに安心ですよね。でも周りに人が多いと、あまりリラックスできないことも……。

 

女子ソロキャンプ対談をするこいしさん

こいしさん:そんな時は予約時に電話で連絡してみるのがおすすめ! 電話の声だけでもキャンプ場の雰囲気が分かったりします。それと、キャンプ場にもよりますが、「女性ひとりなので、できればグループから離れたところを希望」と、伝えてみると配慮してくださるところもありますよ。

森さん:最近ではホームページ以外にもSNSを利用しているキャンプ場も多いので、投稿を見てサイトの雰囲気や口コミをチェックしたり、ダイレクトメッセージやコメントで質問をして、行く前に軽く顔見知りになっておくのも1つの手段です。

こいしさん:車中泊の時はどんなことに気をつけてキャンプ場を選んでる?

 

女子ソロキャンプ対談をする森さん

森さん:実はキャンプ場によっては、テント泊よりキャンピングカー利用のほうが値段が高いところもあるので、事前に料金を調べるようにしています。

あと、車中泊も地面が傾いていると影響を受けやすいので、フリーサイトでなるべく平らなところを探したりします。

こいしさん:たしかに、平らなところを選ぶのは大事だよね。キャンプをはじめる上で事前調査は重要で、体力に自信がないという方も、最初から全部揃えずに施設のレンタルを利用したり、デイキャンプからはじめてみるとよいですね。外で過ごす気持ちよさや楽しさを、少しでも堪能できればいいなと思います。

 

女子ソロキャンパーにおすすめのキャンプ場

森さん:これからキャンプをはじめる方におすすめのキャンプ場はどこですか?

こいしさん:今日のロケ地の「喜多川キャンピングベース」はおすすめです! ウッドデッキだから雨でもペグが緩むことなく撤収もしやすくて、レンタル品も充実。何よりオーナーさんが親しみやすくて素敵なキャンプ場です。

 

女子ソロキャンプ対談の取材場所喜多川キャンピングベース
喜多川キャンピングベースオリジナルのペグ
「喜多川キャンピングベース」はサイト同士の間が広く、周りを気にせずゆっくり過ごせるのもポイント。テントを立てる際は板の間に簡単に固定できるオリジナルのペグを無料で借りられる

森さん:私のおすすめは「TINY CAMP VILLAGE」という神奈川県厚木市にある、1日限定5組のプライベート感のあるキャンプ場です。管理人さんが優しくて頼りになる方で、レンタルはもちろん手ぶらで行っても楽しめる素敵な場所です。近くにお風呂やコンビニ、ラーメン屋さんがあるので、何かあっても安心です。

 

森風美さんお気に入りのTINY CAMP VILLAGE

森さんおすすめの「TINY CAMP VILLAGE」は、近隣施設も充実していて初心者に優しいキャンプ場(写真提供:TINY CAMP VILLAGE)

 

3.女子ソロキャンプの持ち物

こいしゆうかさんの女子ソロキャンプお気に入りアイテム
森風美さんの女子ソロキャンプお気に入りアイテム

ソロキャンプで必要な道具には何があるのでしょうか? 実際に使っているものから、道具選びのポイント、環境に優しいアイテムなど教えていただきます。

 

「大は小を兼ねる」は通用しない!

こいしさん:キャンプ道具を揃える時は、長く続けることを考えて軽量かつコンパクトなものを選ぶのがおすすめです。若いうちは重たいものを楽に運べたけれど、年齢を重ねるごとに体力に自信がなくなってきた時、設営・撤収が楽にできるものが良いと思います。アウトドアにおいて、大は小を兼ねるという言葉は通じませんね!

森さん:たしかに! クルマで行くから多少重たくても大きくても大丈夫……ではなくて、車内や家に収納することを想定して選ぶことが大切ですね。こいしさんはどこでキャンプ道具を買っていますか?

 

女子ソロキャンプでたき火をするこいしゆうかさん

こいしさん:キャンプをはじめた時は、アウトドア用品が集結しているショップ「WILD-1」で買い揃えました。最近はキャンプ友達が持っているギアの使用感を聞いて、影響を受けて買っちゃうこともあります。

ネットではサイズ感や重さがわからず失敗することもあるので、大型店舗などで店員さんに相談したり、実際に見て、聞いて、触ってから購入することをおすすめします。

森さん:ネットではサイズ感や重さがわからず失敗することもあるので、大型店舗などで店員さんに相談したり、実際に見て、聞いて、触ってから購入することをおすすめします。

こいしさん:わかる! 私もローカルショップや海外で一目惚れした道具があって、それは今も大事に使い続けています。

 

おふたりの厳選されたアイテムを紹介

こいしゆうかさんの女子ソロキャンプに持っていくアイテム一覧

こちらはこいしさんのソロキャンプ道具一式。必要最低限のものといえど、どれも非常にコンパクトです。

 

こいしゆうかさんの女子ソロキャンプアイテム。スキンケアグッズやサプリなど

左からマジックソープ、クレンジングオイル、サプリや化粧水など小分けして入れたポーチ、geosoap(ジオソープ)

こいしさん:基本のキャンプ道具以外にスキンケアなども欠かせませんが、私が選ぶポイントとしては2つ。①自然の中で使うため環境に配慮したもの、②持ち物を最小限にするため小分けや兼用使いできるものです。

マジックソープは天然由来成分100%で、水の量を調整することで食器用洗剤やペット用シャンプーとしても使えるオールインワンソープ。ジオソープは河川や湖の浄化にも使われているゼオライトという天然鉱物で作られたソープです。洗い流した後も排水溝、川、海へと流れていく過程で、汚れや匂いを吸着する効果があると言われています。

 

森風美さんの女子ソロキャンプアイテム。こてを使っているイメージ
森風美さんの女子ソロキャンプアイテム。こてなど

森さん:キャンプ場では乾燥することが多いため、N.(エヌドット)のヘアオイルを使っています。髪の毛以外にも手や肌の保湿としても使えるのですが、サラッとしてべたつかないのでハンドルを握っても気になりません。

以前メイクさんが教えてくれた、コードレスで充電式のコテも愛用していて、前髪や寝癖を直したい時に重宝しています。

 

こいしゆうかさんの女子ソロキャンプアイテム。ニット帽とつばのある帽子を使い分け

こいしさん:私は帽子をかぶることが多いですね。日中はツバのあるタイプで日差しをカットして、寒い夜はニット帽で暖かさをプラスしたり使い分ける時もあります!

帽子をかぶればヘアスタイルをセットしなくてもいいという点でも、女子ソロキャンプにとってはある種の必需品ですね! (笑)

 

森風美さんの女子ソロキャンプアイテム。シカゴアベニューウィメンズオーバーオール
森風美さんの女子ソロキャンプアイテム。エンバーモック
左からシカゴアベニューウィメンズオーバーオール、エンバーモック

森さん:ファッションではcolumbiaとYURIEさん(アウトドア女子に人気のインスタグラマー)がコラボしたオーバーオールと、Tevaのエンバーモックというシューズがお気に入りで、このスタイルでいることが最近多いです!

 

4.よく使うおすすめの調理グッズと、おすすめソロキャンプ飯レシピ

キャンプといえば料理も欠かせません。自然の中で食べるキャンプ飯は格別ですが、ソロキャンプの場合は、グループキャンプのときと使うグッズや準備も異なります。ここからはベテランキャンパーのこいしさんと森さんに、ソロキャンプに便利な料理グッズやおすすめのソロキャンプ飯について聞きました。

こいしさん:ひとりぶんのご飯っていつもどうしてる?

森さん:現地で食材を購入すると食べきれないので、家で下準備をしてジップロックに小分けにして持っていき、使った食器をジップロックに入れて家で洗っています。

 

ジップロックを使って後片付けを楽にする方法を説明する画像

ジップロックは食べ終わった後の食器類などをまとめるときにも便利(写真提供:森 風美)

 

 

森風美さんの女子ソロキャンプ料理アイテム。オーガニックコットンのワックス(蜜蝋)ラップ
蜜蝋ラップの使用イメージ
森さんが愛用するオーガニックコットンの蜜蝋ラップ(右写真提供:森 風美)

森さん:レシピを考える時も、なるべく調味料をたくさん使わない料理にして荷物を少なくしています。あとはテーブルにちょっと彩りを加えたい時や、食材が余った時に包んで保存するために、洗って繰り返し使える蜜蝋ラップを使っています。これはオーガニックコットン生地に蜜蝋ワックスをコーティングしたもので、ラップのように器や食材を保護してくれる上に、洗って何度も繰り返し使える持続可能なアイテムです。

こいしさん:私も料理の下準備にジップロックを使っていて、キャンプ場で出るゴミを減らしたいので、生ゴミが出たらそれに入れて家で処分しています。

あとアルミホイルも万能で、食材をアルミでまいて焚火に入れて焼き料理をしたり、アルミを蓋の代わりにして蒸し料理をしたりと、マルチに活用できるので必ず持って行きます。

 

こいしさんと森さんに聞いた! おしゃれ&簡単キャンプ飯

【こいしさんのキャンプ飯①「マッシュルームとアスパラとベーコン炒め」】

 

こいしゆうかさんの女子ソロキャンプ料理。マッシュルームとアスパラとベーコン炒め

(写真提供:こいし ゆうか)
  1. 材料をカットする
  2. 油をひいたフライパンに材料をすべて入れて炒める
  3. ブラックペッパー、クレイジーソルトなどお好みのスパイスでアレンジして完成

 

【こいしさんのキャンプ飯②「スープカレーラーメン」】

 

こいしゆうかさんの女子ソロキャンプ料理。スープカレーラーメン

(写真提供:こいし ゆうか)
  1. 市販のインスタントスープカレーラーメンを作る
  2. お好みの野菜を入れる
  3. 最後に卵を落として完成
    ※お湯は少なめにすると麺にしみこんで美味しくなる

 

【森さんのキャンプ飯①「基本の鯖缶パスタ」】

 

森風美さんの女子ソロキャンプ料理。基本の鯖缶パスタ

(写真提供:森 風美)
  1. メスティンでパスタ1束を茹でる
  2. 茹で終わったら火からおろして、メスティンの蓋にオリーブオイル、水気を切ったサバ缶、アウトドアスパイス「ほりにし」を入れて炒める
  3. パスタと和えて完成
    ※お好みでパセリやネギをトッピングすると◎

 

【森さんのキャンプ飯②「蒸し野菜のバーニャカウダとリエット」】

 

森風美さんの女子ソロキャンプ料理。蒸し野菜のバーニャカウダとリエット

(写真提供:森 風美)
  1. メスティンに底網を入れ、少し水を注ぐ
  2. 野菜をカットして①に入れて蓋をして蒸す
  3. フランスパンを蓋の上で温める
  4. 野菜を取り出し、入れ替えにバーニャカウダソースを温める
  5. フランスパンにリエット(パテに似たフランスの肉料理。カルディなど量販店で瓶詰めのものを販売している)を塗って飾り付けをして完成

 

5.アクティビティでワンランク上のキャンプを楽しもう

キャンプ初心者の方は「キャンプのときって料理以外でどうやって過ごしているの?」というのも気になるのでは。のんびり過ごすのもキャンプの魅力ですが、豊かな自然の中だからこそできるアクティビティを楽しんだり、非日常感を活かしたおしゃれな写真を撮る人も多いようです。

ここからはおふたりが楽しんでいるアクティビティについてや、写真が趣味のおふたりに、ソロキャンプ以外のシーンでも役立つおしゃれな写真の撮り方を聞きました。

 

パックラフトを楽しむこいしゆうかさん
パックラフトを運ぶこいしゆうかさん
(写真提供:こいし ゆうか )

こいしさん:最近はパックラフト(小型軽量のインフレータブルボート)や折りたたみ自転車を積んで、キャンプ場付近で楽しんでいます!

森さん:パックラフト! 私も気になっていたんですけど、収納時はどのくらいの大きさになるんですか?

 

パックラフトの収納時の状態

パックラフトの収納時の様子。コンパクトに持ち運びできるのが魅力(写真提供:こいし ゆうか)

こいしさん:私が持っているのはFRONTIER(フロンティア)というメーカーで、本体、パドル、ライフジャケット、ヘルメットと必要なもの全てが60Lのバックパックに収納できます。これとキャンプ道具を背負って電車に乗り、上流でパックラフトを広げて道具を乗せて降りていきます。最初はツアーやプロの人と行くのがおすすめです。

 

釣りを楽しむ森風美さん

(写真提供:森 風美)

森さん:私は春秋は釣りが多めで、夏はシュノーケリングを楽しんでいます。海水温が高すぎないほうがよく釣れて、川や堤防を狙う時もあれば、確実に釣りたい時は漁船に乗って船釣りをしに行くこともあります。

 

シュノーケリングを楽しむ森風美さん

(写真提供:森 風美)

森さん:釣りもシュノーケリングも、装備は意外とコンパクトで、釣りなら釣竿、えさ、ベルトタイプの救命胴衣、シュノーケリングは水着、ラッシュガード、シュノーケル、マスクです。いつも車内上部のラックに収納しているので、寝る時も邪魔になりません。

こいしさん:最初はアクティビティを詰め込みすぎず、自然の中で過ごすキャンプ時間を満喫して、「次はこれをやってみよう」と楽しみが増えて行くのもキャンプの魅力です。

森さん:キャンプ場内にある釣り堀やワークショップを体験してみるのも、手軽に楽しめるアクティビティの1つなので、ぜひチェックしてみましょう。

 

ポイントを押さえて雰囲気のあるおしゃれ写真を撮ろう!

森さん:キャンプでは写真や動画を撮るのも楽しみの1つで、こいしさんが書いた『カメラはじめます!』という本がとってもわかりやすくて参考にしています!

 

こいしゆうかさんのキャンプサイトとパックラフトを映した写真

パックラフトとPANDA(こいしさんとテンマクデザインのコラボテント)と夕焼け(写真提供:こいし ゆうか)

こいしさん:嬉しい! 私はキヤノンの一眼レフカメラを使っていますが、サッと撮りたい時とかはスマートフォンが多くて。その時も撮りたい対象を真ん中ではなく1/3に収まるように撮影したり、夕日が出るタイミングを利用して雰囲気をアップさせたり。

自撮りをするなら白いタープの下とかで撮ると、レフ板と同じ効果で盛れる写真が撮れます! 料理も直射日光よりタープ下で撮ると、優しいふわっとした印象になりますよ。

 

森風美さんの愛犬・どんちゃんと車中泊イメージの写真

愛犬のどんちゃんと精進湖を眺める(写真提供:森 風美)

森さん:車中泊の様子を撮影する時は、バッグドアを開けて正方形や縦長で撮った方が収まりが良く、背景がごちゃごちゃしないように抜け感を大事にしています。

こいしさん:Instagramに投稿する時に気をつけていることはある?

森さん:写真を撮る時の角度や色味を統一すると、全体的にスッキリとして世界観のある見やすいアカウントになります。とはいえ、私は投稿したい気持ちが優先して、そこまで考えられない時もあります(笑)。

 

6.女子ソロキャンプは車中泊・テント泊どっちがいい?

女子ソロキャンプ対談を続けるこいしゆうかさんと森風美さん

女子ソロキャンプの楽しみ方や過ごし方に触れたところで、ここからはテント泊と車中泊の魅力や気になるポイントを教えていただきます。

 

テント泊は自然と一体になれるのが魅力

こいしゆうかさんのキャンプサイト

こいしさん:テント泊の一番の魅力は、自然を直に感じられるところ。布一枚挟んだ向こうには大自然が広がっていて、鳥の鳴き声や陽の光で自然と目が覚める、普段では体験できない非日常が味わえるところが魅力ですね。

森さん:そうですね、自然と一体になっている感じがして、本当に贅沢な時間を過ごしているなって思います。(笑)。

 

PANDAテントを設営するこいしゆうかさん

こいしさん:あと車中泊にない魅力としては、クルマで行けないような山深いところや、ボートで渡るような自然に囲まれた場所にテントを張れること。木と木の間にハンモックテントを張るようなスタイルも、テント泊ならではの魅力です。

森さん:テントを張る場所やレイアウトを考えるのも楽しいですよね。逆にデメリットだと感じる事は?

こいしさん:一番は天候に左右されること。とくに風は強敵で、設営時に風が強いと布が飛ばされて思うように建てられなかったり、ポールが折れてしまったなんてこともあります。

雨での設営撤収も体力を使いますが、濡れたテントはしっかり乾かさないとカビの原因になってしまうので注意が必要。

森さん:雨の日は洋服や靴が濡れて風邪をひいてしまう可能性もありますよね。

こいしさん:そうそう、悪天候時は道路も滑りやすく危険も伴うため、無理せず「また次を楽しみに!」と前向きに捉えていきましょう。

 

車中泊はどんな状況でも安心して過ごせる

森風美さんのカスタムしたHondaバモスホビオの車内

森さん:車中泊のメリットは、天候に左右されずどこでも快適に過ごせること。移動式の家そのものなので、キャンプはもちろん災害時の避難場所としても使える心強い存在です。

とくに私は長時間の運転が苦手なので、道の駅やSAで仮眠をとるなどしっかり休憩できるのもポイントです。

こいしさん:テントと違って設営の時間が省けるから、キャンプ場についてすぐ一息ついたり、アクティビティを楽しんだりと、自由度が高まるよね。

 

森風美さんの車中泊イメージ

森さん:それこそいろいろなところを転々として、様々なアクティビティを楽しむ手段として使うのに車中泊は最適です。

あと鍵がかかるので防犯面において非常に心強いこと。寝る時やその場を離れる時に、道具をしまって鍵をしめれば安心。とはいえ、貴重品は必ず持ち歩くように心掛けています。

こいしさん:テントに鍵をつけるという方法もあるけれど、布とクルマのボディを比べたら圧倒的にクルマのほうが安心感は高まるよね。

森さん:守られている安心感と引き換えに、テント泊のような自然との一体感は薄く感じます。カーテンを閉めて寝ると陽の光が入らずそのまま寝すぎてしまったり、レイアウトを考える時も自然の中というより車の中で完結できてしまうので、これがデメリットでもあるのかなと思います。

テント・車中泊のメリット・デメリットまとめ

◆テント泊のメリット◆

  • 自然と一体感が生まれる
  • 車で行けないところでキャンプができる
  • 免許がなくても楽しめる

 

◆テント泊のデメリット◆

  • 天候に左右される
  • 防犯性が低い

 

◆車中泊のメリット◆

  • 天候に左右されない
  • 設営の手間が省ける
  • 防犯性が高い

 

◆車中泊のデメリット◆

  • 自然との一体感が薄い
  • キャンプ場によってはテント泊より料金が高い

 

◆キャンプ場で過ごす際の注意点◆

  • わからない事があったら管理人さんに相談する
  • 移動する際は必ず貴重品を持ち歩き、道具は前室や車内にしまう
  • テント泊が不安になったら、無理せず車内で過ごす
  • テント前に男物のサンダルを置く

 

7.今後挑戦してみたいキャンプは?

女子ソロキャンプ対談のまとめ

最後に、おふたりに今後挑戦してみたいキャンプについて伺ってみました。

こいしさん:ずっと憧れだったシーカヤックキャンプ旅に挑戦してみたいです! 以前習ったことはあるのですが、自然のことをしっかり熟知していないといけないし、経験値も大事。もっとレベルを上げて、自分の力でシーカヤックで島旅ができたらいいなと!

森さん:カーフェリーを使って北海道と四国に行ってみたいですね! キャリーキャンプと車中泊の装備を積んで、行く先によって自由に楽しみたい。あともう一つあって、『桃鉄』(サイコロをふり、電車で全国の駅を周遊して資産を貯めていくゲーム)で出た目のところに泊まる(笑)。ちょっとまだ勇気が出ませんが、どれも実現させたいです!

 

ーーーーーー

 

おふたりの対談を終えて、キャンプ場の選び方や持ち物など、必要なことさえ気をつければ、女性ひとりでも気軽にソロキャンプが楽しめることがわかりました。ソロキャンプなら思い立った時に好きな場所に行けて、自然の中でひとりの時間を満喫できます。

料理をしたり、アクティビティを楽しんだりと、キャンプの過ごし方は自分次第。今回こいしさんと森さんが紹介したコツやアイテムを参考に、無理なく自分のスタイルにあったキャンプを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

文/内舘綾子
写真/木村琢也

取材協力/喜多川キャンピングベース