収納もテーブルも廃材利用で制作費50円以下? 徹底的にDIYされた車中泊エブリイに潜入

折り畳みテーブルを展開しエブリイ車内でカップ麺を用意するカメコローさん

スズキ「エブリイ」を車中泊仕様にDIYしている、沖縄在住のYouTuber/インスタグラマーのカメコローさん。前編ではフルフラットマットや天井収納、折り畳みテーブルなど、荷室まわりのギミックの数々を伺いました。続く後編では運転席を中心に、人気の変形テーブルや収納、さらにはカメコローさん愛用の車中泊グッズの数々を根掘り葉掘りチェック。ほとんどのアイテムが制作費50円以下だなんて…信じられます?

 

前編はこちら

▼お話をうかがった人

カメコローさん

カメコローさん
スズキ・エブリイを車中泊仕様にDIYする様子をYouTubeやInstagramで発信している自称「平凡な男」。その正体は、沖縄在住で家族思いのパパ。エブリイ用に開発した数々の便利アイテムはメルカリにて好評販売中!
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目次

 

ヒット商品だらけの運転席グッズ

カップ麺の沖縄そばとジューシーおにぎりを、車内で食べるカメコロー氏

気持ちのよいスポットにクルマを止め、カップ麺とおにぎりを食べるひとときが至福

もともとは持病のある奥さまのためお出かけ先でもすぐ横になれるよう、エブリイを車中泊仕様に改造したのがDIYのきっかけという沖縄在住のYouTuber/インスタグラマーのカメコローさん。次第に車内のあらゆる箇所に手を加えるようになり、SNSでの積極的な情報発信も相まって、ついにはオリジナルの便利アイテムを同じエブリイ乗りにメルカリで販売するようになったのだとか。

「なにそれ? 気になる〜」というわけで前編では荷室を中心にDIYの数々を拝見しましたが、後編では運転席まわりにて、くだんの便利アイテムを中心としたDIYの数々をチェックします。

自作の運転席ドアアームレスト

まずは序の口、運転席ドアアームレスト

荷室まわりもメモが追いつかないほどDIYされたポイント満載でしたが、運転席も早速気になる場所だらけです。早速ですが、このサンバイザーの上の収納は?

オーバーヘッドコンソールにサングラスを収納するカメコロー氏

木製のオーバーヘッドコンソール

カメコローさん(以下、カメ氏):オーバーヘッドコンソールですね。サングラスとかちょっとした小物を入れておくスペースです。購入したエブリイがハイルーフ仕様だったので、頭上のスペースがもったいないなと思って作りました。

ここでも「隙間という隙間を埋める」哲学と言いますか、法則が効いてます。助手席にはモバイル電源を常設されているんですね。

助手席足元に鎮座するモバイル電源と、その電力をコンセントでも使えるようにするインバーター

助手席足元に鎮座するモバイル電源と、その電力をコンセントでも使えるようにするインバーター

カメ氏:奥さんも娘も乗るのは後席なので、助手席にもっともかさばるモバイル電源を設置しました。

 

このインバーターが乗っているテーブルは?

カメ氏:これがメルカリで人気の高い「小物入れテーブル」です。エブリイの灰皿入れに差し込むことでジャストサイズのテーブルになるんですよ。スマホとかを乗せておくのにちょうどいいサイズですし、引き出すと小銭入れのスペースもあるので1台2役です。

灰皿スペースにすっぽり収まる小物入れテーブル

灰皿スペースにすっぽり収まるカメコローさんオリジナルの小物入れテーブル

いまや灰皿不要の方も多いですから、こうして収納+テーブルとして使えるのはいいですね。ちなみにメルカリでは沖縄からの送料込み2,800円(税込)で販売しているそうです。

カメ氏:メルカリで一番売れているのは「多機能テーブル」ですね。これは普段は助手席ドアポケットに収納しておいて、展開すれば助手席ダッシュボードと運転席のハンドルでテーブルとして使えるというアイテムです。

未使用時は助手席ドアポケットに収納する多機能テーブル

使わないときは助手席ドアポケットに収まる

展開して助手席ダッシュボードにはめる

展開して助手席ダッシュボードにはめると…

助手席テーブルとして使える

ちょっとした小物を置いておける助手席テーブルに変身

運転席テーブルとしても使える多機能テーブル

さらにハンドルにかませば運転席テーブルに変身

こ、これは、エブリイユーザーじゃないのに欲しくなっちゃいますね。こちらも送料込み2,500円(税込)だとか。むちゃくちゃ安くないですか?

 

廃材利用でコストは50円以下

自作コースターの背面は耐熱仕様

コースター類ももちろん自作。背面は耐熱仕様に加工

カメ氏:といっても、材料費は板だけですからね。実際、自分のエブリイでDIYした箇所なんて、フルフラットベッドと天井収納こそお金はかかりましたけど、他は廃材利用で1カ所50円もかかってないんですよ。

 

ご、ごじゅうえんっ! そもそもどうやって作ってるんですか?

カメ氏:何も特別なことはしてなくて、設置したい場所を採寸して、それに合わせて木をカットして、組み立てるだけです。不思議と大きな失敗はないですね。なので、みなさんも気軽にDIYに挑戦してみたらと思うんですけどね。

 

うう、しょっちゅう自宅のDIYに失敗している筆者には耳が痛いお言葉。ともあれ、気を取り直してDIYポイントのご紹介を続けましょう。助手席がテーブルになるのは?

カメ氏:ああ、これはそのまんま「助手席シートテーブル」なんですが、変形させるとフルフラット時に便利な座椅子になります。

助手席シートテーブル

後席のご家族とお菓子などをシェアするのに便利な助手席シートテーブル

助手席シートテーブルは座椅子にも変形する

変形させると座椅子に早変わり

こ、これは! カヌーイスト御用達の、Crazy Creek「The Chair」と同じ構造じゃないですか。座面と背面にテンションがかかってめちゃくちゃ座りやすいんですよね。

カメ氏:え、そんなのあるんですか? 自分は「こういうのあったら楽だなー」と思って作っただけなんですが…。

 

マジでカメコローさん、発明の才能があるのかも…。ひとまず車内に対するDIYは以上でしょうか。続いて愛用グッズのご紹介をお願いします。

 

小物類にまでアイデアが満載

自作のアルコールストーブでお湯を沸かすカメコローさん

この日は自作のアルコールストーブでお湯を沸かすカメコローさん(※必ず換気いたしましょう)

まず、誰もが気になる湯沸かしと言いますか、ストーブ類は何を愛用されてますか?

カメ氏:ストーブ類はTPOに応じて使い分けています。ガスを使っていいのであればSOTOのシングルバーナー「ST-310」。ダメだったら自作のアルコールストーブ。あるいは、炭が使える「ミニマル囲炉裏」。火そのものがNGでしたら、これはリサイクルショップで買ってきて自分で改造した電熱コンロをモバイル電源で使いますね。

リサイクルショップで見つけてきた電熱コンロを改造した自作ストーブ

リサイクルショップで見つけてきた電熱コンロを改造した自作ストーブ

懐かしい電熱コンロ! どんな状況でも煮炊きできるので、カメコローさんのエブリイは災害時にも活躍しそうですね。そんな電熱コンロの電源は?

カメ氏:助手席にあるモバイル電源のほかに、Amazonで買った「FlashFish」というメーカーのモバイル電源を使っています。評価も高いし、4万mAh/151Whの割に安かったので満足しています。

カメコローさん愛用のモバイル電源FlashFish

カメコローさん愛用のモバイル電源FlashFish

その他には?

カメ氏:炊飯にはサンコーの「おひとりさま用超高速弁当箱型炊飯器」を使っています。あとは後席用の扇風機とか、スマホホルダーとか、カーテンとか、ありきたりのモノですよ。

サンコーのおひとりさま用超高速弁当箱型炊飯器

サンコーのおひとりさま用超高速弁当箱型炊飯器

ドライブ中、お子さんがカラオケを楽しめるようスマホホルダーやカラオケマイクも完備

ドライブ中、お子さんがカラオケを楽しめるようスマホホルダーやカラオケマイクも完備

一人の時間を楽しみつつも、ご家族一緒の時間もしっかりフォローしているカメコローさんのDIYバランスが素晴らしいですね。最後に、気になったこれは?

カメ氏:あ、これですか。これは開いて磁石の上にネジを立てると、ほら、蚊取り線香スタンドになるんですよ。

カメコローさん自作の蚊取り線香スタンド

六角形の箱を開いて、ネジを中央の磁石に立てると蚊取り線香スタンドに変形するオリジナルアイテム

(ちょっと気にかけた小物ですらギミック満載につき)絶句…。カメコローさん、発明家に転身されたほうがよいのでは?

という冗談はさておき、目に見えるもの触れるもの、ありとあらゆる箇所に、アイデアと工夫そして愛情がギュウギュウに詰まったカメコローさんのエブリイ。もはや隙間という隙間を埋めまくった結果、手を加える場所なんてないと思うんですが、それでもまだ今後の計画はございますか?

カメ氏:そうですね…。本人特定されたくないので外観はこのままにするとして、あとは内装を木目調というかウッドパネルで温かみのある空間にしたいですね。

 

それ、いいと思います。将来的な夢は?

カメ氏:娘がまだ4歳ではありますけど、二十歳になったら家族で日本一周の旅に出たいですね。

 

そのときもまた、お父さんの工夫と愛情満載のDIY車中泊マシンで出かけるんでしょうね。本日はありがとうございました。さらなるアイデアグッズの開発を期待しています!

 

文・写真/熊山 准
編集/熊山 准、TAC企画
撮影協力/くるくまキャンプサイト

 

カメコローさんからいただいた筆者のオリジナルコースター

マジでいい人のカメコローさん。取材の記念に筆者のSNSアイコンでコースターを自作してプレゼントしてくださいました