夏はキャンプや釣りなどのアウトドアを楽しむのに最適な季節! その一方で、暑さや虫の多さといった夏ならではの悩みもありますよね。
車中泊を楽しむ人たちにとっても例外ではなく、快適に車中泊を満喫するためには暑さや虫への対策が必要です。
そこで今回は、ほぼ毎週車中泊を楽しんでいる筆者が、車中泊の暑さ対策や虫除けに効果的な「クルマ用網戸」について解説します。クルマ用網戸の選び方や100均グッズで自作する方法、網戸とあわせて使いたい虫除けグッズも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
▼筆者プロフィール▼
- 藤永 祐人
- 神奈川県横浜市生まれの車中泊&キャンプライター。YouTubeをきっかけに車中泊キャンプを始め、最近はほぼ毎週車中泊を楽しんでいる。現在の愛車は軽バン。低コストで車内を改装中。
- Instagram @yuutofujinaga_camp
目次
クルマ用網戸は夏の車中泊の暑さ対策や虫除けに効果的!
クルマ用網戸は車中泊の暑さ対策や虫除けに効果的なアイテムです。
ここでは、クルマ用網戸のメリット・デメリットや使い方を解説します。
暑さ対策と虫除けを同時にできるのがメリット
クルマ用網戸を活用する一番のメリットは、暑さ対策と虫除けを同時にできる点にあります。
車中泊では安全や騒音の観点から、エンジンをかけっぱなしにしてはいけません。そのため、窓を開けて外気を取り入れることで暑さ対策をするケースが多いですが「窓を開けたまま就寝したら、朝起きたときに30ヶ所以上も蚊に刺されていた……」なんてことも。
クルマ用網戸を設置すれば、窓を開けた状態でも虫の侵入をブロックできるので、車内で快適に過ごせます。
またちょっとした目隠しになるのもクルマ用網戸のメリットです。カーテンやサンシェードのようにしっかりと隠せるわけではありませんが、何もしないで窓を開けているよりも外からの視線は気になりづらいですよ。
防犯の面でデメリットもあるため要注意
夏の車中泊時に便利なクルマ用網戸ですが、防犯面ではデメリットもあります。
一般的なクルマ用網戸は柔らかい素材でできており、刃物を使えば簡単に切れてしまいます。ひと気が少ない場所で窓を全開にしてクルマ用網戸を使っていると、トラブルに巻き込まれる危険性もあるので注意しましょう。
安全のために走行中は外しておこう
安全の観点から、走行中はすべての窓から網戸を外しておきましょう。
「走行中飛んでしまう」「狭い道で木の枝や人に引っかかる」などの思わぬ事故を起こしてしまう可能性があるだけでなく、運転席や助手席の窓に網戸を付けたまま走行すると、道路交通法違反として取締りの対象になります。
運転の妨げにならない範囲で、後部座席に設置する分には違反にならない可能性も。しかし、設置方法によっては違反になり得るほか、製品によっては走行中の使用を明確に禁じています。
形状・サイズ・種類がポイント! 車中泊用網戸の選び方
クルマ用網戸は、形状・サイズ・種類の3点を意識して選びましょう。
まず、クルマ用網戸はフロントドアやスライドドアなど、装着する場所ごとに形状が異なります。車中泊するときにどこへ装着したいのかをイメージして、装着箇所に合った形状を選ぶのが大切です。
また同じ「フロントドア用の網戸」だったとしても、商品によってサイズが異なります。窓枠ピッタリのサイズを選ぶとドアバイザーの厚みによりうまく装着できないケースがあるので、ドアバイザーの厚みも考慮してサイズを選んでくださいね。
純正品・車種専用品・汎用品といった種類も、選ぶ際のポイントになります。純正品や車種専用品であればサイズ選びで失敗することはありませんし、装着したときのおさまりが良く見た目もGOODです。
「N-VAN」や「FREED」といったHonda車には、純正アクセサリーとして網戸のラインアップもあります。
N-VAN用網戸である「ウインドウメッシュ」は、前方座席の窓にマグネットとスナップボタンで装着できる仕組みです。
車体側にも装着用のスナップボタンなどが配置されているため、固定が甘くなってしまったり、網戸がズレてしまったりする心配がありません。
またFREED用網戸である「スライドドアウインドウメッシュ」は、スライドドアの窓にマジックテープで装着できます。
いずれも簡単に装着できるため、初めてクルマ用網戸を使う方でも迷うことなく使えるでしょう。「とにかく簡単に使えるものがいい」「見た目にはこだわりたい」といった方は、純正品や車種専用品をチェックしてみてください。
ただし、純正品や車種専用品は汎用品に比べると高いので、少しでもコストを抑えたい人は汎用品も検討してみましょう。純正品の網戸がラインアップされていない車種も多いので、そんなときは汎用品がおすすめです。
「A PITオートバックス東雲」で車中泊におすすめの汎用網戸を調査
汎用品のクルマ用網戸は種類が豊富であるため、今回は「A PITオートバックス東雲(ア ピット オートバックス シノノメ)」のスタッフ・児玉さんにおすすめ商品を教えてもらいました!
紹介いただいたのは「クレトム かんたん網戸」のフロントドア用・リアドア用・スライドドア用・バックドア用の4種類。
商品名 | サイズ |
かんたん網戸 フロントドア用1枚入 |
幅1,200×高さ800mm |
かんたん網戸 リアドア用1枚入 |
幅900×高さ800mm |
かんたん網戸 スライドドア用1枚入 |
幅1,100×高さ770mm |
かんたん網戸 バックドア用1枚入 |
幅1,750×高さ1,600mm |
4種類ともワンサイズで、紐で調整したりクリップで留めたりしてサイズを調整する仕組みです。
極端に大きい車でなければ、多くの車種に使っていただけます!
バンタイプのクルマにはスライドドア用がおすすめ
居住空間を広く取りやすく、車中泊のクルマとして人気の車種であるバンタイプには、スライドドア用網戸が最適です。スライドドアの窓は比較的サイズが大きいので、網戸を装着すればしっかりと空気を取り入れられますよ!
スライドドア用網戸の装着方法は非常に簡単で、まずは外側から窓全体を覆うように網戸をかぶせます。
車内側に調整用の紐とマジックテープが来るように装着してください。また調整用の紐が上、マジックテープが下となるのが正しい向きです。
次に、車内から網戸のサイズを調整します。
網戸のたるみがなくなるまで紐を引き、最後にマジックテープで網戸の下部を固定すれば完成です。
オートキャンプ場やRVパークではバックドア用網戸もおすすめ
オートキャンプ場やRVパークで開放的な気分を味わいたい人には、バックドア用網戸がおすすめです。
バックドア用網戸も簡単に装着できる仕組みになっており、始めに付属のクリップを使ってクルマに網戸を固定します。
クリップは全部で8個です。バックドア全体にまんべんなく配置して固定してください。
続いて網戸側面のマジックテープを外し、バックドアのポールをマジックテープのあいだに挟むようにして固定します。
クリップとマジックテープ、ダブルで固定するのでしっかりホールドできます。風がある日でも、網戸が外れてしまう心配が少ないのはうれしいですよね。
最後に網戸下部の紐を引いて、網戸のたるみがなくなるまでサイズを調整すれば装着完了です。
バックドア用網戸の中央にはファスナーが付いていて、車内・車外の両方から開け閉めできます。
ファスナーが付いていることでスムーズに荷物の出し入れができるため、車中泊に限らず、オートキャンプなどのアウトドアでも活躍してくれそうなアイテムですね!
ご紹介したクルマ用網戸は夏の間、オートバックス全店でお取り扱いしています。気になる方は、ぜひお近くのオートバックスへお越しください!
※9月以降、シーズンオフに伴い、順次店頭より撤去
▼オートバックスの店舗情報は公式サイトでチェック!▼
クルマ用網戸は100均グッズで自作もできる!
ここまで既製品のクルマ用網戸について紹介してきましたが「少しでもコストカットしたい!」という人は、100均グッズを活用して網戸を自作するのがおすすめです。
ここでは、カエライフの人気連載「イラストレーターいとうみゆきの クルマのおうち旅」の筆者であるいとうみゆきさんから教わった、100均グッズを使ったクルマ用網戸の自作方法をご紹介します。
必要な材料はすべて100均で調達
今回紹介する方法で作れるのは、窓の外側につけるタイプのクルマ用網戸。必要な道具は次の5つで、すべてダイソーやセリアといった100円均一ショップで調達できます。
- 防虫網
- マグネットテープ
- ハサミ
- ホチキス
- 接着剤
窓の大きさや作りたい網戸の枚数にもよりますが、スライドドア用網戸を2枚作るケースでは税込み1,000円程度で済み、既製品よりも費用を抑えられます。
また窓の大きさや形状にピッタリな形で作れるほか、好みのデザインにしたり、自身の車中泊スタイルに合った機能を備えられたりするのも自作ならではのメリットですよ。
網戸自作の工程は「切って貼る」だけ!
作り方は切って貼るだけと、非常に簡単です。
まず、窓枠より少し大きめに防虫網を切ります。防虫網の端にマグネットシールを貼り、車体へ直接貼り付けていくことを考慮したサイズにしましょう。
次にホチキスや接着剤を使って、防虫網の端にマグネットテープを固定していきます。
糊付きのマグネットテープを使う場合でも、ホチキスや接着剤でしっかり固定するのがポイント。網戸は何度も付け外しをするので、マグネットテープの糊だけでは使っているうちに取れてしまう可能性があるからです。
最後に、車体へ直接マグネットを貼り付けて装着すれば完成です!
作った網戸は外側に装着するタイプということもあり、走行前の外し忘れには気をつけましょう。
防虫網もマグネットテープも柔らかい素材のものを使えば、外したあとは折りたたんで収納できます。
また炎天下で網戸を付けたまま長時間放置すると、マグネットが車体にくっついて離れなくなる可能性があるのであわせて注意が必要です。
▼もっと詳しく手順を知りたい人はこちらの記事をチェック▼
網戸とあわせて虫除けグッズを使うと車中泊がさらに快適に!
クルマ用網戸は虫除けに効果的なアイテムではあるものの、虫の侵入を100%防げるわけではありません。
網戸の隙間や人の出入りから虫が侵入してくる可能性があるため、虫除けグッズも併用するのがおすすめです。
ここからは、車中泊におすすめの虫除けグッズをタイプごとに紹介します。
スプレータイプ
肌に吹きかけて使うスプレータイプは定番の虫除けグッズでもあるため、使ったことがある人も多いと思います。
スプレータイプのメリットは、万が一クルマに虫が侵入しても肌を守ってくれること。特にキャンプ場のように自然豊かな場所で車中泊をするときには、マストで準備したいアイテムです。
ただし、有効成分によってはまれに皮膚炎などの副作用が出る可能性があります。またガスを噴射するエアゾール式のスプレーは火災や爆発の危険性があるため、火気の近くで使用したり高温な場所に放置したりしないように気をつけましょう。
おすすめ商品:フマキラー「スキンベープミスト 200ml」
「スキンベープミスト 200ml」は、蚊だけではなくマダニ・ノミ・ブユ・ヤマビルなどにも効果を発揮する虫除けスプレーです。
潤水成分ヒアルロン酸Na配合で肌にやさしい使い心地と、シトラスマリンのさわやかな香りで、虫除け剤特有の使い心地やニオイが苦手な人にもおすすめ。
また高圧ガスを使用していないため、エアゾール式の虫除けスプレーに比べて爆発などの危険性が少なく、クルマに載せておきやすいのもポイントです。
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商品名:スキンベープミスト 200ml(防除用医薬部外品)
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サイズ:幅73×高さ220×奥行37mm
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内容量:200mL
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適用害虫:蚊、ノミ、トコジラミ、イエダニ、サシバエ、マダニ、ブユ、アブ、ヤマビル
置き型タイプ
置き型の虫除けグッズは、置いておくだけで一定期間効果を発揮してくれるためクルマでも使いやすいです。「こまめに虫除けスプレーをするのが面倒」「虫除けスプレーをするのを忘れてしまう」なんて人にもピッタリです。ただし、噴霧タイプのものは車内で使用できないため、液体タイプのものを選びましょう。
液体タイプのものは香り付きで芳香剤代わりにもなる商品も多く、車内のニオイが気になる人にとっては一石二鳥ですよ。
おすすめ商品:フマキラー「Kawaii Select 虫よけバリア クルマ用 無香料」
「Kawaii Select 虫よけバリア クルマ用 無香料」は、クルマのサンバイザーに挟むことで、ドアの開け閉めの際に虫が侵入するのを防いでくれます。
車中泊は車内で過ごす時間がメインですが、買いものやお手洗いなどで出入りをする機会も多いもの。特にキャンプ場のように自然に囲まれていて虫が多い場所では、出入りの際に虫が侵入してしまうケースが多いです。
「Kawaii Select 虫よけバリア クルマ用 無香料」は場所を取らないので、荷物を増やしたくない人や車内の空間を最大限に広く使いたい人にもおすすめ。フラワーモチーフの可愛らしいデザインもステキです!
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サイズ:幅119×高さ190×奥行42mm
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適用害虫:ユスリカ、チョウバエ
吊り下げタイプ
吊り下げタイプの虫除けグッズは、薬剤がスリットから揮散するタイプや風で拡散するタイプなどがあり、主に紐やクリップなどで吊り下げて使います。
置き型タイプと同様に、設置するだけで効果を発揮するしてくれるのが大きなメリットです。ちょっとしたスペースに吊り下げることができ、場所を取らないため車中泊で使いやすいです。
しかし、構造上、風上には効果がないので設置場所に工夫しなければなりません。
また屋外での利用を推奨している商品がほとんどであるため、車外に設置することを前提に雨に濡れても大丈夫なものを選びましょう。
おすすめ商品:アース「アース虫よけネットEX玄関用 BOTANICAL 260日用」
「アース虫よけネットEX玄関用 BOTANICAL 260日用」は、その名の通り260日間効果が持続(※)するのが特徴です。1つ買っておけば、虫が気になる春から秋までの季節をおおむねカバーできますよ。
手持ちの紐を使って車外のミラーやドアノブなどに吊り下げておけば、出入りの際に虫が侵入してしまうのを防ぐ効果が期待できるでしょう。前述の通り、風上には効果がないため、風の向きにも注目して設置場所を決めてくださいね。
また落ち着いたブラウンのデザインなので、クルマやキャンプサイトの見栄えにこだわりたい人にもおすすめできる虫除けグッズです。
※本品は通常 260 日間持続しますが、風量や気温などの使用環境により持続は異なります。
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効果持続期間:約260日間
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適用害虫:ユスリカ、チョウバエ、キノコバエ、ヌカカ
ランタンタイプ
車中泊やアウトドアでは、ライトが虫を誘引してしまい困るシーンが少なくありません。そんなときには、虫対策ができるランタンを活用してみましょう。
燃料に虫除け成分が配合されたオイルランタンや、虫対策モードを備えたLEDランタンなど、虫対策に効果的なランタンは多く存在します。
車中泊であれば、車内で使うことを想定してLEDランタンを選ぶのがベストです。LEDには虫が好む波長がほとんど含まれておらず、虫が集まりにくい性質がありますが、虫対策モードを備えているLEDランタンであればより高い効果が期待できるでしょう。
ランタンは車中泊やアウトドアのほか、日常のシーンでも活躍してくれるので1つ持っていると便利なアイテムです。
おすすめ商品:eMonk「マルチLEDランタン」
eMonkの「マルチLEDランタン」は3つのモードを備え、計13通りの調光が行えるLEDランタンです。虫対策モード(電球色)では虫が好む波長がカットされているので、10m範囲で虫が集まりにくい仕様となっています。
またライトの明るさを表す単位として、光の量を表す「ルーメン(lm)」が使われますが、一般的な懐中電灯の明るさは100~300ルーメン程度です。一方で「マルチLEDランタン」は最大700ルーメンの高い輝度を誇るのが特徴。
ランタンとしての使い道以外にも、手持ちライトとして使えたりモバイルバッテリーとして使えたりと、汎用性も抜群です。高い防水機能も兼ね備えており、アウトドア好きには最適な虫除けランタンと言えるでしょう。
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商品名:マルチLEDランタン
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サイズ:直径41×高さ141mm
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最大動作時間(最小輝度):ランタン点灯/約60時間、虫対策モード/約36時間、SOSモード/約6時間
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適用害虫:不明
▼夏の車中泊を快適にするためのポイントはこちらの記事でも紹介しています! ▼
クルマ用網戸と虫除けグッズを活用して夏の車中泊を快適に楽しもう
夏の車中泊を快適に楽しむためには、暑さや虫への対策が必須です。クルマ用網戸は虫の侵入を防ぎながら車内の空気を入れ替えられるので、暑さ対策にも虫除けにも効果的です。
クルマ用網戸は形状やサイズが幅広いほか、純正品・車種専用・汎用品とさまざまな種類があるためご自身のクルマや予算に合わせて選びましょう。コストを抑えたいときには、100均グッズでクルマ用網戸を自作するのもおすすめですよ。
ただし、網戸を装着しただけで完璧に暑さや虫を対策できるわけではありません。サンシェードで日差しを遮ったり、虫除けグッズを併用したりするのも大切です。
しっかり対策をしたうえで「猛暑の日には車中泊を中止する」「なるべく涼しい場所へ移動する」といった工夫もしながら、快適に車中泊を楽しんでくださいね。
※本記事は2023年5月19日時点の情報を掲載しています。商品の最新情報については、販売店にお問い合わせください。
文/藤永 祐人
写真/宇田川 大輔[M-3]、藤永 祐人、木村 琢也、カエライフ編集部
編集/菅原 葵、TAC企画
撮影協力/A PITオートバックス東雲
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