車中泊ラバーの強い味方、ハイウェイオアシスがあれば高速エリア内でも暮らせちゃうかも! ~イラストレーターいとうみゆきのクルマのおうち旅

吉野川ハイウェイオアシス

イラストレーター・いとうみゆきさんのクルマのおうち旅・四国編。愛媛で美しい景色を堪能しながらドライブを楽しみ、香川では粉から手打ちうどんを作り、次なる目的地は徳島県! 

初夏になり、暑い日も増えてきました。ひんやりグッズを詰め込んで、目にも涼しい海沿いを走って、ドライブインで冷たいジュースを手に入れて、汗をかいたら温泉に入って、気温が下がることを期待して標高の高い山に登って……! 少しでも涼しく快適なクルマ旅になるように意識しながら、いとうさんと白くまの楽しい旅は続きます。

 

▼プロフィール

いとうみゆきさんのプロフィールイラスト
イラストレーター いとうみゆき
埼玉県在住。セツ・モードセミナー卒業。畑と音楽を好み、パーマカルチャーや自然農を学んでいる。著書に『車のおうちで旅をする』(KADOKAWA)がある。
Twitter @noca_m
Instagram @nmoytke
HP ito miyuki's illustration

 

▼以前の連載はこちら▼ 

目次

 

徳島県ドライブルート

四国3県目、徳島県にやってきました。

夏の車中泊におすすめのグッズたち

USB扇風機、傘タイプのサンシェードなど夏を涼しく過ごすためのアイテムが並ぶ

季節は夏!
自然の色が鮮やかになってきて散策が楽しい季節になりましたが、車中泊が厳しい時期でもあります。
気がつくと車内が暑くなっていて食べものの管理が難しくなるし、朝は暑さで汗と共に目覚めるし、虫がいっぱい出るし、とにかく暑くて暑くて暑くて。
少しでもクルマ旅を快適にするために、毎回いろいろな工夫をしながら少しずつレベルアップしている途中です。

今回はそんな暑い夏でも快適にドライブ・車中泊するためにいくつかグッズを揃えました。

 

買って良かった! 暑い夏にぴったりの車中泊お役立ちグッズ

・傘タイプのサンシェード
今回は傘タイプのものを導入! 傘を開くときのように持ち手を引っ張ると、ガラスの形にそって布部分が広がるというものです。一瞬で開き、ワンタッチで閉じることができるのでとってもラク。しかも傘タイプなので、折り畳み傘のようにコンパクトに収納ができるんです。以前使っていたジャバラタイプは、取り付けと片付けに時間がかかったり、収納場所に困っていたので助かります。
問題は、何度も使っているうちに骨の部分がいくつか外れてしまったこと。これは商品自体の性能なのか、私が雑に扱っていたからなのかわかりませんが……今のところは、縫って直して繰り返し使っています。


・USB扇風機
買ってよかったものナンバーワンです! 日陰にいたとしても車内で過ごすのは厳しい昼、網戸をつけて窓を開けていても暑い夜、それが夏。暑い昼夜も、USB扇風機があれば体感が全く違うんです……! クリップで挟むことでどこにでも付けれるようになっているので、仕事をするときは机に、寝るときはカーテンレールや本棚に取り付けています。エアコンをつけるほどではないけど暑いな……っていうときは運転席周りにおいてもいいのかもしれない。USB充電ができるので、手軽なところもお気に入りです。エンジンをつけっぱなしでエアコンを入れる選択肢は私の中にはないので、夏はこの扇風機で乗り切ります。

 

あとはアームカバーやサングラス、ボディーシートなど……どれも日常生活をちょっと涼しくしてくれる優れものです。最近知ったドライシャンプーは寝起きに使っています。朝起きて、汗だく状態のときにさっぱりさせてくれるお助けグッズです。

こんなふうにまだまだ快適さを模索中。
だけど、どんなに暑くても楽しいのが白くまと一緒のクルマ旅! 海も山もきれいな徳島県の旅が始まります。

 

①海と空に挟まれて爽快ドライブ「鳴門スカイライン」

大鳴門橋

「日本の道100選」に選定された大鳴門橋

淡路島から大鳴門橋(おおなるときょう)を渡ってすぐ、約10kmの場所にある鳴門スカイライン。
「スカイライン」という名がつく通り、空と海に挟まれての運転が楽しめるとってもいい場所でした! 目の前に広がるのは青い空と海。スカイライン感を楽しめるのは一瞬です。

四方見橋

ジェットコースターのような急な角度が特長の四方見橋(よもみばし)

この道を走っているときが1番スカイライン感があって楽しかったです! 

白くまを運転するいとうさん

走りながら見える景色は、生活感と自然が混じった美しい港町の風景。
四方見橋を走っていると、途中で展望台付きの駐車場やトイレもあるため、休憩することも可能です。

四方見橋を渡る白くま

下り坂だと、上り坂とは違う絶景が見下ろせる

!暑くても楽しいポイント①! 
空と海に挟まれた爽快ドライブ。交通量も少なく、窓を開ければクルマいっぱいに爽やかな風が吹き込みます。視界も青がいっぱいで涼しい気分になるし、白くまと一緒に風になったような楽しいドライブが味わえます。

 

②自動販売機天国ドライブイン「コインスナック御所24」

コインスナック御所24

徳島の旅の目当ての1つ、ドライブイン「コインスナック御所(ごしょ)24」にやってきました! 

ドライブインとは、ドライブ中に立ち寄れる駐車場付きの簡単な休憩施設のこと。道の駅やサービスエリアは、大規模な会社が運営していることが多いタイプの施設。それとはまた違って、ドライブインは個人で運営している施設も多いので、特徴もそれぞれ違うところが面白いんです。

普通に食堂だけがあるドライブインも多い印象がありますが、私が好きなのは珍しい食べもの系の自動販売機があったり、ゲームセンターがあったりする無人の(人がいたとしても最低限)ドライブインです!

 いろいろな種類の自動販売機

自動販売機の前にクルマを停めれば、降りて10秒足らずで冷え冷えの飲みものや、あつあつの食べ物に辿り着けちゃう! そんなドライブインの手軽さがうれしい。すぐお目当てのものがゲットできるスピード感と、誰に会うわけでもなく買いものができるというところが、コンビニにはない魅力だと思うのです。

今回行ったコインスナック御所24は、珍しい自動販売機の宝庫。
一風変わった飲みものの自動販売機や1,000円ガチャ自販機を筆頭に、カップラーメン自動販売機、うどん自動販売機、ガム自動販売機、ゴム手袋自動販売機、カレー自動販売機……!?
壊れているものもありましたが、ゴム手袋自動販売機とカレー自動販売機は初めて見ました。

とりあえず今は、暑い夏の日にぴったりの瓶コーラを購入。

カレーライスの自動販売機

非常にレアなカレーライスの自動販売機。笑福亭仁鶴師匠が目印

それからカレー自動販売機でカレーライスを購入。
素通りすることを許さない見た目なので、ずらっと並んだ自動販売機たちの中でも一瞬で見つけることができると思います。
お金を入れてボタンを押したら、下の受け取り口にボトンと落ちてきます。最初は手で持つのをためらうほどの熱さでした。自販機の中ってどうなってるんだろう……

紙を剥がすと、お弁当パックに入ったホカホカのご飯とパックに入ったカレーが出てきます。
ご飯の上にカレーをかけたらもう完成! お会計する手間も温める手間もないので、1秒でも早く何か食べたい人にとってはぴったりなんじゃないでしょうか。お腹ペコペコだった私にとっては最高でした!!! 

施設内のイートインスペースで食事するいとうさん

お腹が満たされたあとは、隣接しているゲームセンターを眺めてノスタルジーに浸りました。パンツが取れるUFOキャッチャーがあったので、下着を忘れがちな旅中に寄るにはもってこいだと思います。

レストランよりもずっと短い時間で、スーパーよりもコンビニよりも気軽に、お腹と心を満たせて休憩ができるドライブインです。

コインスナック御所24
住所:徳島県阿波市土成町吉田市の一66
TEL:088-695-2541
営業時間:24時間営業

 

③ここだけで1日過ごせる!「吉野川ハイウェイオアシス

吉野川ハイウェイオアシスの入口に入る白くま

ハイウェイオアシスとは、サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)に付属している施設のこと。高速道路のエリア内を出ることなく楽しむことができる、ちょっと豪華な休憩施設です。もちろん一般道から利用することも可能。

そしてこの徳島自動車道、吉野川ハイウェイオアシスは、ここだけで車中泊の1日が完結しそうなくらい、車中泊ラバーにとって心強い場所でした……!

美濃田の淵、清流吉野川、ドッグラン、敷地内にある池

まずは敷地内をお散歩。
展望台から見えるのは「清流吉野川」(右上)と、その川の中にたたずむいくつもの奇岩が生み出す県指定名勝天然記念物「美濃田(みのだ)の淵」(左上)、施設内にはドッグラン(左下)や池(右下)、歴史ある橋などがありました。これらが全部高速道路のエリア内にあって高速道路を降りずに楽しめるなんてすごい。

吉野川ハイウェイオアシスの施設内を歩くいとうさん

施設の中は涼しくて、ひと休みすることもできます。1階には休憩できるテーブルと椅子などもしっかり用意されていたので、それだけで私は1日過ごせそう……!

野菜や食品の直売所や食堂、お土産品などが販売されているスペース、カフェで購入したチュロス

直売所や食堂では地元の食材や特産品を買ったり食べたりすることができる。施設内のカフェで売られているチュロスはまるで白くまのタイヤのよう

もちろんお店も充実。地元の野菜や食品が集まった直売所、地産地消をうたっている通り、地元のおいしいものが食べれる食堂や、徳島を中心に四国のいいものがたくさん集まるセレクトショップ、ホッと一息つけるカフェ(で買ったぐるぐるチュロスをタイヤに見立ててみました。流行らないかな〜)と、とにかく見どころ盛りだくさん。

ストリートピアノ、リニューアル後の公園、イベント会場

ストリートピアノを弾くいとうさん、オリジナルアスレチックがある公園、イベント会場

誰もが自由に演奏できるストリートピアノ、最近リニューアルされたピカピカキラキラの公園、阿波おどりのイベントなどが開かれる会場も。この施設、ここから外へ出す気がないとしか思えません……! 

吉野川テレワークオフィス

インフラが整ったコワーキングスペースは、スマホがあれば簡単に利用できる

さらに2階にはしっかりしたコワーキングスペース(有料)がありました! 夏の真っ昼間に車内で仕事をするのは結構しんどいので本当にうれしい。電源、コピー機、フリードリンクやWi-Fiも完備で、快適に仕事をするために必要なものがすべて揃っていました。会議室のようなものもあり、大人数で利用することも可能だそう。

美濃田の淵キャンプ村の無料エリア

この美濃田の淵キャンプ村には、備え付けのN-VANで車中泊ができる軽キャンパー泊プランがある

何日でもいれそうだなと思ったもう1つの理由が、すぐ近くに無料キャンプ場があること。(コテージなどがついている有料キャンプ場もあります。)高速道路からは降りる必要がありますが、それでも行く価値があります。
吉野川ハイウェイオアシスの施設は夕方には閉まってしまうのですが(温泉施設を除く)、歩いて行けるサービスエリアのコンビニは24時間空いているので、困ることは何もありません。

ちょっと楽しんだら出発しようと思っていた私でしたが、全体的にとっても居心地が良かったので無料キャンプ場で1泊することにしました。ここいいなあって思う場所があったら、気軽に泊まる場所を変えることができるのも車中泊のいいところなんだよなあ。

美濃田の湯

吉野川ハイウェイオアシス内にある美濃田の湯には、展望サウナがあり高速道路から降りずにととのえる

 

高速道路の道の真上にある温泉、美濃田の湯! 

夜はハイウェイオアシス内にある温泉施設を利用しました。
暑い日だったから汗もいっぱいかいていて⋯…1日分の汗と疲れを流せる温泉、本当に気持ちがよかったなあ。道路をずっと走っていると知らないうちに固まってしまう身体を、温泉がじんわりほぐしてくれます。サウナもあって、浴槽の種類もいくつもあって最高でした。ちなみに高速道路の道の真上に温泉があるのは全国的にも珍しいそうです。

こんなに生活環境が整っているサービスエリアがあるなんて⋯仕事をしつつの車中泊旅だったらここに何日でもいれそうです。長距離運転する方にとってはまさにハイウェイ上のオアシスだろうなあ。


!暑くても楽しいポイント②!
今までは車内で仕事をしていたのですが、気温が30度を超えてくるとそれもしんどい⋯…そんなときの力強い味方、コワーキングスペース。それが高速道路のエリア内にあるなんて驚きでした。そして暑い1日を過ごした後の温泉が最高。夏はコワーキングスペースと温泉を事前に探しつつ旅したいなあ⋯⋯

吉野川ハイウェイオアシス
住所:徳島県三好郡東みよし町足代1650
TEL:0883-79-5858
営業時間:施設によって異なる(詳しくはWebでご確認ください)
定休日:不定休
URL:https://yoshinogawa-oasis.com/

 

④「四国山岳植物園 岳人の森」なら植物園の横でキャンプできる

狭くて急な山道

この道(国道193号)は四国の酷道として有名

狭くて急な山道を登り、登り、登り⋯⋯標高約1,000mの四国山岳植物園 岳人(がくじん)の森内にあるオートキャンプ場(岳人の森キャンプ場)に向かいます。

岳人の森キャンプ場

約50年もの年月をかけて、山を開拓して作られた、多くの絶滅危惧種が咲き乱れる植物園に併設している、徳島県で最も歴史あるオートキャンプ場だそうです。
直火がOKだったり、山から湧き出る天然水を使用することができたり、とにかく植物に囲まれていたり、夜は降るような星が空に広がっていたり⋯⋯と、自然の中にどっぷりつかることができます。

すぐ近くには、日本最長の87.7kmもの長さを誇る林道「剣山(つるぎさん)スーパー林道」の入口があり、クルマやバイクで林道ツーリング(ドライブ)を楽しむこともできます。自然いっぱいの林道を駆け抜けるなんてとっても気になるのですが、ダート(未舗装の道路)があるので私たちはやめておくことにしました。私も白くまも、お互いストレスがかかるからね⋯⋯

植物園内に生えた植物たち

四国山岳植物園には、絶滅危惧種をはじめ希少で貴重な高山植物が一般向けに公開されている

まずは植物園の散策。時期的(6月)に花はあまりなかったのですが、とにかくきれいな山でした! 木々から差し込む光がとってもよかったな。
岳人の森キャンプ場に到着したらまずはあたりを散歩することから始めます。到着直後は、ご飯の支度などいろんな用事をこなすのでバタバタしがちですが、ちょっと散歩をするだけで気分がゆったりするし、自分たちが今日どんなところにお世話になるのかがわかるので、大切な時間なんです。

白くまの中に置かれたハーブ類

車内に積まれたシソ、ベビーリーフ、コリアンダー、バジル

植物園を散策し終わって、白くまに戻ってきました。
実は今回の旅には家で育てていたハーブを持ってきていたので、車内にもとにかく植物がいっぱい⋯⋯

ハーブに霧吹きで水やり

ずっと部屋に置いておくと元気がなくなるので、長く駐車する際には白くまの天井に置いて、なんとかいい状態を保っています。クルマ旅の最後まで元気でいてくれたらとってもうれしいんだけどな〜

直火バーベキューに挑戦するいとうさん

岳人の森キャンプ場は直火OK。せっかくなので、夜ご飯はハイウェイオアシスで手に入れた、野菜たちを使って直火バーベキューでもしようかと思いましたが、すべて焦げてしまい失敗⋯⋯フライパンで野菜を焼き、ご飯にのせて食べるだけの簡単な夜ご飯にしました。
あとは持ってきたハーブを使ってパクチーサラダ。それだけで今日はおしまいです。

クルマの中で起床

「チュンチュン」という鳥のさえずりで目覚める朝

翌朝。最近(6月)は蒸し蒸し寝苦しい夜が続いていたのですが、岳人の森キャンプ場は標高が高いおかげでとっても快適な一夜を過ごせました。朝も汗だくで起きることなく、爽やかに起床。夏はなるべく標高が高いところで車中泊するべきですね⋯⋯!

ちなみにここは標高約1,000mの山岳、涼しいのはうれしいのですが虫も結構います。そんなときにいつも活躍する、自作で作った網戸⋯⋯だったのですが、何度も使っているうちにこんなふうになってしまいました。

網戸の破損箇所

原因はおそらく、全体的に少し雑なつくりになってしまっていたこと⋯⋯? 端の処理をしておらず、接着剤が少ない部分があったせいかなと思っています。あとはやっぱり毎日つけ外しをするので、丁寧に扱わないと壊れやすいのかもしれません。

網戸を補修

とりあえずの応急処置としてグルーガンで処理することに。接着剤よりもしっかりくっついてくれたのですが、見栄えの悪さが加速しました! 
またいつか作り直そうと思います。ここ最近やけに車内に蚊がいるな…⋯と思っていたのですが、網戸を直したら解決。快適な一晩を過ごすことができました。

地産の素材を使った和朝食

クルマ旅の楽しみのひとつ、地産の素材を車内キッチンで調理して食べる!

爽やかに目覚めた朝は、ステキな朝ごはんごっこをして過ごします。
コーヒー豆以外の食材は、全部昨日の直売所で買ったもの。新鮮野菜はどれもそのままでおいしいから、余計なことをしなくても最高なんだよなあ⋯⋯
普段過ごしている家の周りにも直売所はありますが、欲しいものが一度にいろいろ揃うわけではないのであまり利用していませんでした。だけど、この新鮮さとおいしさを知ってしまった今は、直売所で買い物をする機会も増えました。

新鮮な食材がたくさん積み込まれた白くまといとうさん

食材や調理器具をたくさん積めるクルマじゃなかったら、旅をしながらご飯を作ることも難しかっただろうなあ。でもこうやって各地で新鮮な食材をゲットしながら、ご飯をつくることができるのは本当にうれしいな〜!


!暑くても楽しいポイント③! 
標高1,000mを越えれば、夏でもひんやり涼しい世界。クルマがあればそんな山の上にだって行けちゃいます。おかげで夏でも車中泊が快適。自然もいっぱいで心も身体も喜ぶいいキャンプ場で過ごせました。虫はいますが、そこは網戸がとにかく大活躍。本当に作って良かった⋯⋯。 

四国山岳植物園 岳人の森キャンプ場
住所:徳島県名西郡神山町上分土須峠
TEL:088-677-1147
営業時間:チェックイン14:00/チェックアウト11:00
定休日:冬季休業(12月~翌3月)
※条件付きでのキャンプ利用可、要問い合わせ
URL:https://gakujin-no-mori.net/index.html

 

⑤気軽に登れる西日本第二の高峰「剣山」

徳島県には四国に2つある百名山の1つにして西日本第二の高峰「剣山(つるぎさん)」があります!
ガッツリ山に登ることに興味はあるけど、最近体力的にしんどい⋯…と諦めかけていたのですが、クルマとロープウエーを使えば割と簡単に登れることがわかったのでチャレンジです。

国道439号線で通行止めにあうクルマたち

登山口に向かう途中で、時間通行制限に出くわし思わぬ足止めになってしまった

まずは山の途中にある登山口までクルマを走らせる…⋯のですが、途中で数十分にも渡る通行止めにあたってしまいました!
ちまたで「酷道」とも呼ばれるレベルの山道をガタガタグネグネ走って疲れ果てていたので、むしろ休憩になってちょうどよかったかもしれない。暇つぶしグッズだらけの白くまと私にとってはなんてことない時間です。足止めの間はずっとゲームをしていました。

だけどこういうのも事前に調べておけば回避できたと思うので、山道を走るときは事前に道路情報をチェックするのが大切ですね。
私は運よく30分くらいで済んだのですが、長いときには1時間以上も身動きが取れなくなってしまうようでした⋯⋯!

登山口の駐車場に到着したいとうさんと白くま

白くまは少し駐車場で休憩。少しの間単独行動

剣山頂上の標高は1,955m。登山口の駐車場までたどり着けば標高1,398mにも達しています。ここまでクルマで行けたらすぐに山頂まで登れそうです。

スニーカーに履き替えて、途中で湧水を汲む想定でペットボトルの水は半分にして、空きスペースにはおにぎりとお菓子を詰めたら準備完了。(山登りにある程度慣れている人ならスニーカーでも問題がなさそうですが、登山靴を用意したほうが登りやすいかもしれません)

ここまでたくさん運転してくれた白くまには日陰で休んでもらって、それじゃあちょっと行ってきます!

登山口から出ている登山リフト

登山口から登山をスタートすることもできますが、登山リフトを使えば1時間の短縮です。スキーをしたことのない私にとっては初めてのリフト。ただ椅子が浮いている感じが心もとなくて最初はドキドキしていましたが、慣れてきたら空を散歩しているみたいでとにかく楽しかったなあ。

登山するいとうさん

リフトに乗れば山頂近くの西島駅(標高1,750m)まで行ける

リフトを降りたらいよいよ登山です!
山頂まではリフト降り場から計測して1時間だそうですが、登り始めてしまうとあっという間。

せっかくならと隣の山「次郎岌(じろうぎゅう)」にも足を運び、ガッツリ山登りを楽しんでしまいました。
昨日は白くまでよく眠れたし、朝もおいしいご飯を食べたし、とにかく身体の調子がよくって!

剣山の頂上から景色を眺める

久しぶりの登山で、テンションが上がって調子のいい私のタイムは、こんな感じでした。
①見ノ越登山口(劔神社横)からロープウエーで15分→②西島駅から剣山リフトで20分③湧水スポットから徒歩でだいたい40分④次郎岌から徒歩でだいたい65分⑤剣山山頂から徒歩でだいたい25分⑥湧水スポットから剣山リフトで20分→⑦西島駅からロープウエーで15分→見ノ越登山口

途中のおやつ休憩も含めて、滞在時間は大体4時間ほど。元気いっぱいのまま、短時間の登山になりました。

剣山頂上からのパノラマ眺望を拝むいとうさん

日本百名山になっている剣山の頂上からは紀州や瀬戸内海、足摺岬(あしずりみさき)まで見渡せる

どこもかしこもとってもいい景色で、ずっと楽しくってしょうがなかったなあ。
こんなふうにちょっとだけ挑戦できるのも、毎日元気に旅に出られるのも、白くまのおかげ。

 登山ルートの途中にある見どころと山小屋内

今回の登山ルートで通った湧水スポット、山小屋内で飲める梅ジュース、登山道、剣山山頂

!暑くても楽しいポイント④!
途中で日本の百名水である湧水を汲むことができる、山小屋で冷たい梅ジュースを飲むのが最高、登山道は意外と木があって涼しい、剣山山頂は高原のような雰囲気でいい風が通り抜けます。

 

まとめ

剣山の山小屋の方に、「奥祖谷(おくいや)」というおすすめの場所を教えていただきました。
もともとは別の方向に進もうと思っていたけど、せっかくなので変更することに。バスも少ない秘境の地でしたが、進む方向も泊まる場所もタイミングも自分で選べるクルマ旅だから、どこに行くのも余裕です! 

時刻はもう夕方。おすすめされた通りにどんどん進んでいくと、あるときから急に道沿いにたくさんの人影が⋯⋯

かかしの里

奥祖谷エリアのいたるところに300体以上のかかしがいる

道端に現れたのは地元民によって作られた、絶対に住人より多い大量のかかしたち。
しかも、ただ立っているのではなく、まるでそこで暮らしているかのようなんです⋯⋯!

閉校した学校の体育館内にいるかかし

学校の体育館に入ると、まるで本当に行事が行われているような雰囲気。バリエーション豊富なかかしたちがたくさん

地元の方におすすめしてもらった、閉校した学校の体育館の中はお祭りが行われているような派手な飾りつけと多数のかかしがいろんなポージングで存在していて、世界観の作りこみに圧倒されました。

道沿い、ドアの裏、バス停などいろんなところにいるかかしたち

通れば思わず笑顔になっちゃう、面白くてちょっとかわいいかかしの里、おすすめです!

いとうさんが旅した奥祖谷の風景

ちなみにここは奥祖谷と呼ばれる場所。植物でできたグラグラの吊り橋を歩いて渡ってみたり、とても美しい日本の集落風景を眺めたり⋯⋯ほのかに薄暗い中に光が差し込む、美しい秘境ならではの雰囲気を楽しみながらドライブしました。あと道端の食堂でソフトクリームを食べました。
バスもほとんどないみたいだし、ここはマイカーじゃないと辿り着きにくい場所だ⋯…!

旅の始まりは海の印象だったけど、走り進んでいくうちに山や緑の印象が強くなった徳島県。海と空の眺めが美しい鳴門スカイラインのようなところもあれば、岳人の森や剣山などの山岳地帯まで、クルマ旅ならではの幅広いエリアの自然を見ることができました。
行きたいところにどこでも行けるし、ちょっと遠くても白くまとなら頑張って挑戦できるから、その地域のいろいろな場所を知ることができて、楽しみながら自分の経験値が自然に上がっていくんだよなあ。

次はいよいよ四国の旅、最後の県、向かうは高知県です。
本州からは最も遠い高知県には、いったいどんな景色が広がっているんだろう? 海がきれいでご飯がおいしい場所だと思っているのでとっても楽しみです!

 

漫画/いとうみゆき
写真/いとうみゆき、Mojahrney
編集/古郡充彬、TAC企画