こんにちは。観音クリエイションです。中古のアメ車(リンカーン ナビゲーター)をカスタムして車中泊で旅をしながら、音楽を作ったり文章を書いたりしています。
DIYしたベッドで安眠を手に入れたし、ソーラー充電のおかげで電気の心配もなくなったし、快適な車中泊生活を送っています。
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クルマ旅を続けていると、気になるのが栄養バランスの偏り。どうしてもコンビニやラーメンでサクッと済ませてしまいがち。糖質と脂質中心の食事が続くと、なんとなく体調がいまいち……。良質なタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取したい!
そんな悩みを友人の料理人に相談したところ、「旅の途中にキャンプをはさんで、そこでおいしくて、からだに良いものをガッツリ食べればいいんじゃない?」と目からウロコのアドバイスをいただきました。何それ、素敵すぎる!
ということで今回は、プロの料理人から簡単にできるキャンプ料理のレシピを教えてもらいました!
目次
▼教えてくれる人
- マメさん
- 長野県の野尻湖のほとりに立つ「ゲストハウスLAMP(ランプ)」の支配人・料理長。スパイスを使った肉料理が得意。LAMPのランチタイムには、マメさんが考案したハンバーガーに行列ができるほど。
ゲストハウスLAMP
天空レストランのようなキャンプ場で料理を作ろう
今回のロケ地は長野県信濃町にある「やすらぎの森オートキャンプ場」。360°を森に囲まれた開放的なフリーサイトからお届けします。ぼくらの後ろに見えるのは妙高山。雲が近い!
アウトドア料理を教えてくれるマメさんは、やすらぎの森オートキャンプ場からクルマで10分の距離にある「ゲストハウスLAMP(ランプ)」の支配人・料理長。ゲストハウスLAMPでは、昼はハンバーガー、夜は地元信濃町のおいしい野菜を中心としたメニューで、子どもから大人まで、みんなをワクワクさせるような料理を提供しています。
今回、ぼくがいちばん教えてもらいたかったのがバーベキュー。というのもキャンプでバーベキューをやると、「スーパーでお肉とタレを買う→お肉を焼く→焼いたお肉にタレをつけて食べる」と毎回同じになっちゃって、マンネリ化していたんですよね。
もうちょっと手をかけて、ちゃんとした一品メニューを身に付けたい。
そんな相談をマメさんに持ちかけたところ、「ではとっておきのレシピとコツを共有しますよ」と心強いコメントが。
キャンプ料理のコツというのは、たとえば、
- 肉は事前にタレやスパイスに付け込んで持っていき、現地では焼くだけ!(現地でタレ要らず)
- 肉の味付けはジップロックで! 手が汚れず、洗いものもナシ!
- どんなお肉にも合う「魔法の粉」のようなスパイスを使う!
- 野菜はキャンプ場近くの道の駅などで現地調達。土地の旬の野菜がおいしい!
さらに、マメさんが言うには、アウトドア料理におすすめなのは煮込み料理だそう。キャンプをしながら焚き火でコトコト煮込めるので、時間がかかる煮込み料理こそ、キャンプのときにちょうどいいんですって。
では、さっそく教えてもらいましょう!
【1品目】和牛コンビーフサンド
本日のメインディッシュは「コンビーフサンド」。遊んでいるあいだにじっくり煮込んでおいしくでき上がります。ボリュームたっぷりで手軽につまめるので、アウトドアにぴったりのメニューです。
材料(4人分)
- 牛肩ロース塊 500g
- ニンニク 1かけら
- 塩 5g
- ブラックペッパー 2g
- 乾燥タイム 1つまみ
- スモークパプリカパウダー 10g
- 食パン(6枚切) 4枚
- 水 800mlくらい
もし、乾燥タイム、スモークパプリカパウダーなどのスパイスが近所のスーパーで見つからない場合は、アマゾンや楽天などのネットショップで購入できますので、チェックしてみてくださいね。
ジップロックに、肉と塩、つぶしたにんにく、ブラックペッパー、乾燥タイム、スモークパプリカパウダーを入れて、揉み込んで1時間以上寝かせます(この仕込み作業だけ 、家でやっておくのがベター)。
寝かせ終わったら、両面に焼き目が着くまで肉を焼きます。
焼けたら、ダッチオーブンに入れて、ひたひたになるまで水を注いで、
柔らかくなるまで煮込みます。
ダッチオーブンは、焼く、煮る、炒める、蒸す、揚げるなどいろいろな調理方法ができるキャンプ料理の万能鍋。1つ持っておくと便利です。
もしダッチオーブンがないときは、普通のお鍋でも代用可能だと思いますが、煮込み時間は少し長めにみておいてくださいね。またダッチオーブンは鍋に厚みがあるため、強火で長時間調理しても食材が焦げにくいという特徴があります。普通のお鍋の場合は、焦げていないか、ときどき確認しながら調理を進めてください!
マメさんポイント
煮込み料理は時間がかかるので、キャンプ場に到着すると同時に準備を始めるぐらいでちょうどいいでしょう。肉の仕込み作業だけ、家でやっておきましょう。煮込んでいる時間は、遊んだり仕事したりしながら、のんびり待っているのも楽しいですね。
2時間くらい煮込み終わった様子です。このままでもおいしそう!
お肉をトングとハサミでほぐして、
炭火で焼いた食パンにマスタードを塗り、その上にお肉をたっぷりのせます。塩を少し振って、食パンでサンドして、好きな大きさにカットして完成!
ガブっとかじると、じっくり煮込んでホロホロになった牛肉の柔らかさと、炭火でカリッと焼いた食パンの食感のコントラストが最高!お肉の濃厚な旨味を粒マスタードが爽やかにサポートし、複雑なマリアージュでございました。
アウトドアでこんなに上質なものを食べられるとは……食べログだったら、このレストラン、星5.0まちがいなし!
マメさんポイント
肉の旨みと脂の旨みのバランスが取れた肩ロースを使うのが煮込み料理のコツです。家庭のキッチンだと億劫な長時間の煮込み料理も、キャンプだと焚き火を利用すればいいのでハードルが下がるはず。
【2品目】牛肉のスモーキーケイジャンスパイスグリル
材料(4人分)
- 牛肉(焼肉用) 500g
- 塩 6g
- ケイジャンスパイス たっぷり
- オリーブオイル 20g
(ケイジャンスパイス)
- スモークパプリカパウダー 60g
- カイエンペッパーパウダー 5g
- オニオンパウダー 20g
- ガーリックパウダー 10g
- 乾燥タイム 5g
- 乾燥オレガノ 5g
ケイジャンスパイスは、スモークパプリカパウダーをベースにしたアメリカ南部で愛用されるスパイスで、マメさんいわく「魔法の粉」だそう。今回は牛肉の味付けに使いましたが、お肉ならなんでも合うので、多めに作って常備しておくのがいいそうです。
ケイジャンスパイスを自分で作るのは面倒……という方は、スパイスや調味料をブレンドした市販品の「ケイジャンシーズニング」を使ってもOK。ただし、ケイジャンシーズニングには塩がすでに入っているので、材料の塩の量を減らして調整してくださいね。
今回教えてもらったバーベキューは、3種類のお肉(牛肉、豚肉、鶏肉)で3種類の味付け。
作り方は、以下の通り、共通しています。
- ジップロックにお肉を入れて
- お肉の量に対して1.2%の塩と適量のスパイスを入れて振り揉みして
- オリーブオイルでコーティングして
- 30分以上寝かせて
- 焼く
マメさんポイント
バーベキュー用のお肉は、事前に塩とお好みのスパイスで下味をつけておいて、「あとは焼くだけ」の状態でキャンプ場に持っていくとラクです。
まずは牛肉のスモーキーケイジャンスパイスグリル。牛肉をジップロックに移して、塩を入れます。
マメさんポイント
塩の量はちゃんとキッチンスケールではかると毎回おいしさが安定します。ちなみにいち押しの塩はゲランド塩。ゲランド塩は、フランス・ブルターニュ半島の塩田で海水から作られた塩。ちょっと高いけど、クオリティは間違いなし!
次にケイジャンスパイスを入れます。強気にたっぷり入れましょう。
マメさんポイント
ケイジャンスパイスは「赤い!!」と心配になるぐらい入れちゃって大丈夫です。強気で味付けしましょう。
最後にオリーブオイルで肉をコーティング。
ジップロック内の空気を抜きながら小さくまとめます。この状態で30分以上寝かせれば、あとは焼くだけ。今回は3種をまとめて焼くので、次のレシピに進みます。
【3品目】チキンのハーブグリル地中海風
材料(4人分)
- 鶏肉(セセリ) 500g
- おろしニンニク 10g
- 粒マスタード 15g
- レモン 1/2個分
- 乾燥オレガノ 2g
- オリーブオイル 20g
続いてはチキンのハーブグリル。同じように下ごしらえを進めていきます。
鶏肉のセセリと粒マスタード、おろしニンニク、レモン汁をジップロックに入れて揉み込んで……
乾燥オレガノを入れます。強気にたっぷりと。
さっきのケイジャンスパイスに続いて「入れすぎでは? 」と心配になりますが、これで大丈夫なんだそう。
乾燥オレガノを入れて揉み込んだら、あとは牛肉と同じくオリーブオイルでコーティングして30分以上寝かせます。
マメさんポイント
バーベキューで鶏肉を使うときのオススメの部位はセセリ。モモ肉は均一に火を通すのが難しく、ムネ肉はパサパサになりがちですが、セセリは誰が焼いてもジューシーに仕上がります。子どもたちにも大好評です。
【4品目】ポークジンジャーグリル
材料(4人分)
- 豚バラ肉(厚さ1cm) 500g
- ロメインレタス 12枚
(調味料)
- 濃口醤油 50cc
- 酒 50cc
- みりん 50cc
- 砂糖 50g
- おろし生姜 大さじ2
- 乾燥セージ 小さじ1
- ごま油 大さじ1
バーベキュー3種目は、ポークジンジャーグリル、豚の生姜焼きです。
作り方は簡単。ジップロックコンテナーに調味料を合わせ入れて、お肉を30分以上浸けておくだけ。
マメさんポイント
ジップロックコンテナーは、味付けに使ったり、ベーバキュー後に余った食材を持って帰るのにも使えるので便利です。クルマに多めに積んでおきたいですね。
バーベキューのお肉は、あらかじめ味付けを済ませておけば、クーラーボックスに入れて運び、キャンプ場に着いたら、あとは焼くだけ!
それでは、いただきまーす!
牛肉はアメリカの荒野を感じるようなワイルドでスモーキーなテイスト。セセリは、鶏肉の脂の旨味をオレガノが上品に支えてバランス抜群。ポークジンジャーはしょうが醤油の風味にそそられて白米を何杯でも食べられそう。どれもこれもべらぼうにうまかったです!
タレなしで食べられるので、取り皿が不要なのも良いですね。焼いてしまえばお箸だけで楽しめちゃう。このスタイルがバーベキューの最適解だと思います。
ロメインレタスで巻いて食べてもおいしい!
【5品目】季節の野菜のグリル(しいたけ・ズッキーニ)
材料(4人分)
- 肉厚しいたけ 4個
- ズッキーニ 2本
- 塩 適量
- タバスコ 適量
- クミンシード 1つまみ
- レモン 1/8個
- 粉チーズ(お好みで) 適量
続いては、野菜をおいしくいただくレシピ。今回の食材は、肉厚しいたけと色鮮やかなズッキーニ。
マメさんポイント
野菜は、キャンプ場近くの道の駅で調達するのがオススメ。地元の野菜、旬の野菜をリーズナブルなお値段で買うことができます。
しいたけは軸を切り落とします。
ヒダの部分を上にして網の上に並べます。4〜5分焼き、水分が出てきたら塩とタバスコを適量かけて完成!
しいたけの出汁の旨味に、炭火の香ばしさが加わっておいしい! さらにタバスコがいい仕事してます。しいたけってこんなにうまかったっけ……。
マメさんポイント
ヒダから出てくる水分に旨味が凝縮しているので、ひっくり返さないように注意してください。「しいたけにタバスコ!?」と意外に思われるかもしれませんが、タバスコの酸味と辛味は、しいたけと非常に合うのです。
続いて、ズッキーニのグリルです。
ズッキーニは、底の硬い部分を落とし、縦半分にカットします。さらに縦に薄く切り込みを入れておきます。
炭火で両面に焦げ目がつくぐらいまで焼きます。
一口サイズにカットして、クミンシードと塩で味を整え、レモンを絞って完成。
ズッキーニの甘みをクミンシードが引き立てます。粉チーズをかけてもおいしい。高級レストランで出てくる前菜の味がしました。マメさん、味付けの引き出し多すぎ。
マメさんポイント
ズッキーニは、半分に切った後、縦に薄く切り込みを入れておくと火が通りやすくなります。
【5品目】簡単!焼きバナナのデザート
材料(4人分)
- バナナ 4本
- 無塩バター 10g
- ブラックペッパー 適量
なんと今回、デザートまであります。フルコースだ!
「シンプルで強烈にうまいバナナの食べ方を伝授しましょう」とマメさん。
バナナを皮付きのまま弱火で焼きます。
皮全体が真っ黒に焼けたら、上側半分の皮をむきます。
一口サイズにカットしたら、バターをのせて、
ブラックペッパーをふりかけます。今回はブラックペッパーの粒を電動ペッパーミルで粗挽きにしてかけました。
シンプルなレシピなのに強烈にうまい。これ食べた直後に地元の友人に「バナナ焼いてバターと胡椒かけて食べたらめっちゃうまいからやってみて!」ってLINEしました。
【朝食】高タンパク高ビタミンスムージー
観音「ちなみに、朝ごはんで何かおすすめはありますか?」
マメ「僕、普段は毎朝スムージーを作っていて、それができたらいいんですが、電気がないと……」
観音「あ、僕のクルマ、ソーラーパネルとポータブル電源を積んでるので、ACコンセントが必要な電気機器もバッチリ使えます」
マメ「すごい! じゃあスムージーを作りましょう」
材料(1人分)
- バナナ 1本
- ヨーグルト 小カップ1個(100gくらい)
- ポカリスエット 200ml
- 冷凍ブルーベリー 30g
- プロテインパウダー 大さじ2
プロテインパウダー以外は、すべてコンビニで揃うので、クルマ旅の途中でも調達しやすいのがうれしいです。
作り方は、ポータブル電源にミキサーをつないで、材料を入れて混ぜるだけ。
写真映えするかなと思って草むらの上に置いたら、ホラー映画『ミッドサマー』みたいな雰囲気になってしまいました……。
口当たりがなめらかで、なにより美味しい!
「人間のからだに不足しがちな栄養素はタンパク質とビタミン、ミネラル。これらは意識して摂る必要があるんですよね」とマメさん。
不足しがちな栄養素をまとめて補給できるのがこのスムージー。毎日飲んだら絶対健康になると思う!
マメさんポイント
自宅で作る場合は、甘みを出すために蜂蜜を使っていますが、今回はコンビニでも手に入るポカリスエットを使いました。なめらかな口当たりになるように、ミキサーは1分ほどしっかり回してくださいね。
車中泊の旅でも食生活はハイグレードをキープ!
というわけで、プロの料理人マメさんの力を借りて、車中泊旅の栄養バランス問題を解決することに成功しました。どれもこれもおいしいので、これからキャンプに行かれる方はぜひ作ってみてくださいね。
次回は、今回の料理でも活躍した「使えるキャンプ料理の道具」を紹介します。
取材・文・写真/観音クリエイション
撮影協力/やすらぎの森オートキャンプ場
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