【冬の車中泊を完全ガイド】注意点から防寒グッズまで徹底解説

【冬の車中泊を完全ガイド】注意点から防寒グッズまで徹底解説

冬ならではの景色を見に行ったり、澄んだ空気を感じながら温かい車中飯を食べたりと、冬の車中泊の楽しみ方はたくさんあります。

一方で、車内で快適に過ごすためには寒さ対策が欠かせません。また雪や凍結路など、冬ならではの注意点もあります。

そこで今回は、季節を問わず毎週のように車中泊をしている筆者が冬の車中泊におけるポイントを徹底解説

寒さが身に染みる季節でも、しっかりと対策をすれば安全かつ快適に車中泊を楽しめます。おすすめの防寒グッズも多数紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

▼筆者プロフィール

車中泊&キャンプライターの藤永祐人

藤永 祐人
神奈川県横浜市生まれの車中泊&キャンプライター。YouTubeをきっかけに車中泊キャンプを始め、最近はほぼ毎週車中泊を楽しんでいる。現在の愛車は軽バン。低コストで車内を改装中。
Instagram @yuutofujinaga_camp

目次

 

雪や寒さが大敵! 冬の車中泊で注意すべきポイント

冬の車中泊では、いくつか注意すべきポイントがあります。対策が不十分だと体調不良や大きな事故につながる恐れも…。しっかりと対策していくために、まずは冬に車中泊をする際の注意点から確認していきましょう。

 

凍結路や雪道に注意

雪が積もった冬の道路とクルマ

凍結路や雪道は事故の危険性が高まるので注意が必要

冬の車中泊では、凍結路や雪道を運転するシーンが少なくないので、装備や運転方法に気を配り、事故を防ぐための対策をしましょう。

雪が降らない地域でも、冷え込みが厳しい日の朝晩は道路が凍結している場合があります。特に、風通しのよい橋や陸橋、トンネルの出入り口付近などは気温が低く、凍結しやすいため注意が必要です。

また平地では晴れていても、標高が高い場所では雪が降っていたり、路面に雪が残っていたりすることも考えられます。「クルマを冬装備にする」「急発進や急ブレーキを控え、いつも以上に安全運転を心がける」など、冬ならではの対策が必要です。

▼クルマにまつわる雪のトラブルについてはこちらの記事もチェック▼

 

寒さへの対策は必須

冬の車中泊に役立つ電気毛布と電気湯たんぽ

寒さで体調を崩してしまうことも多いので注意

エアコンを入れていない車内は屋外と同じぐらいまで冷え込むため、冬の車中泊では必ず寒さ対策をしてください。

JAFの実験によると、外気温が約マイナス10℃・車内温度が約25℃の条件でエンジンとエアコンを停止させた結果、約3時間後には車内温度が氷点下まで下がりました。

エアコン停止後に測定した車内温度の変化を表したしたグラフ

エアコン停止後に測定した車内温度の変化を表したしたグラフ(出典:くるくら

このような車内環境では低体温症のリスクが高く、寒さ対策をせずに長時間過ごすと、震えや判断力の低下、意識障害などの症状が現れる危険性があります。

安全に車中泊を行うためには、クルマの断熱や身体の保温など、入念な寒さ対策が欠かせません

 

エアコンやエンジンのかけっぱなしはNG

雪が降る風景とアイドリングするクルマ

冬に限らず車中泊中はエンジンを切るのがマナー

寒いからといって、車中泊中にエアコンやエンジンをかけっぱなしにするのはNGです。

停車中にエアコンを長時間稼働させると、バッテリーが上がってしまう原因になります。環境に配慮する意味でも、エアコンの使用は必要最低限にとどめるのがベストです。

またエンジンのかけっぱなしも環境への悪影響が懸念されるほか、周囲への騒音や思わぬ事故にもつながるため、必ずエンジンを切りましょう。

特に、積雪がある場所でエンジンをかけっぱなしにするのは非常に危険です。エンジンをかけている間に雪が積もってマフラーがふさがれてしまうと、排気ガスが車内に流れ込み一酸化炭素中毒となる恐れがあります。

冬の車中泊では服装を工夫したり、防寒グッズを活用して、車載のエアコン以外で寒さ対策を行いましょう。

 

冬の車中泊で重要なのは3つの観点! 具体的な安全対策&寒さ対策を解説

冬に欠かせない車中泊グッズを車内に配置した様子

クルマの装備や服装などを工夫すると快適に車中泊を楽しめる

ここからは、冬の車中泊における安全対策と寒さ対策を詳しく解説していきます。

先述の「冬の車中泊で注意すべきポイント」を踏まえた上で、以下3つの観点から対策しましょう。

  1. クルマの装備を冬仕様にする
  2. しっかり防寒できる服装にする
  3. 車中泊グッズを活用する

筆者が冬に車中泊をした経験をもとに、具体的な対策やおすすめの防寒グッズをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

 

【クルマの装備】冬の車中泊の最優先事項!

クルマの装備は、主に「タイヤの準備」と「クルマの断熱」に分けられますが、いずれも冬に安全かつ快適な車中泊を楽しむためには、最優先で準備すべきポイントです。

ここで紹介する内容を参考に、クルマの装備を冬仕様にして車中泊に臨みましょう!

 

雪道や凍結路に備えたタイヤ装備に

スタッドレスタイヤを装着したクルマとオートソック

冬の車中泊では車内での寒さ対策に目が行きがちですが、まずはタイヤを冬装備にすることが先決です。

安全に車中泊スポットへ辿り着くためにも、凍結路や雪道に備えて、スタッドレスタイヤやチェーンなどを準備しましょう。

スタッドレスタイヤは凍結路や雪道のために開発されたものであるため、スタッドレスタイヤを装備しておくのがベストです。

またチェーンを活用する場合は、プラスチックやゴムで作られた耐久性の高いものを選んだほうが安心。「オートソック」や「スプレーチェーン」はあくまでも緊急用の装備で、耐久性や持続性が高くない点に注意しましょう。

またタイヤを冬装備にしたからといって過信せず「凍結や雪のせいでスリップしてしまうかもしれない」と考えて、以下のように安全運転を心がけましょう

  • 運転を始める際にアクセルやブレーキの感覚を確かめる
  • 普段よりも速度を抑え、車間距離を広めに取る
  • 早めに減速して、ブレーキはゆっくりと踏む
  • 急発進や急ハンドルを控える

安全のためには常に路面や天候の状況に気を配り、悪路・悪天候の際には運転を控える判断も大切です。

 

シェードや銀マットで窓を断熱

窓にシェードを装着した車内の様子

写真は車種専用のシェードを装着した様子

外からの冷気は主にガラス窓を通して伝わるため、シェードを使って窓を断熱しましょう。

車種専用のシェードは、ジャストサイズで隙間なく装着できるのでおすすめです。ただ、できるだけコストを抑えたい場合は、厚手の銀マットや100均のアルミ保温シートでシェードを自作するのも一つの手

自作シェードを装着したクルマと未加工の銀マットを装着したクルマ
自作シェードを装着したクルマと未加工の銀マットを装着したクルマ
写真左が自作したシェード、写真右がセリアの「アルミ保温シート」を加工せず装着した様子

銀マットやアルミシートは加工せずにそのまま装着することもできるため、かけられる手間や予算にあわせてベストな方法を選んでください。

▼シェードの自作方法についてはこちらの記事をチェック▼

▼100均のアルミ保温シートについてはこちらの記事をチェック▼

またN-VANやフリードといったHonda車では、純正アクセサリーとして「プライバシーシェード」が販売されています。

Hondaの純正アクセサリー「プライバシーシェード」を装着した車内の様子
Hondaの純正アクセサリー「プライバシーシェード」を装着した車内の様子
写真左がN-VAN用の「プライバシーシェード」、写真右がフリード用の「プライバシーシェード

吸盤や面ファスナーで固定するため安定感があるほか、装着方法が簡単なのもうれしいポイントです。詳しい装着方法は動画でも解説しているので、ぜひご覧ください。

 

▼N-VAN用「プライバシーシェード」の装着方法▼

 

▼フリード用「プライバシーシェード」の装着方法▼

 

ステップからの冷気もシャットアウト

バックドアを開放したクルマの写真

写真の赤丸がステップ部分。隙間をしっかり埋めよう

冬の車中泊では、ステップから侵入するわずかな冷気も侮れません。窓をしっかり断熱しても、ステップから外気が侵入することで車内温度が下がったり、就寝中に体が冷えてしまったりする場合があります。

ステップからの冷気を遮断する方法は簡単で、衣類やタオルなどを入れたビニール袋をステップに詰めるだけでOKです!

ステップを埋めるための専用品はありませんが、手持ちのアイテムで簡単に対策できます。

 

【服装】ちょっとした工夫でしっかり防寒できる!

冬の車中泊では、防寒対策として保温を意識した服装選びも欠かせません。ここでは、服装のポイントと筆者イチオシのグッズをお伝えしていきます。

 

「レイヤリング」を意識した服装に

ダウンベスト・ダウンパンツ・フリースなどの防寒着を並べた画像

レイヤリングを意識した服装にするだけで、車中泊の快適度はグッと高まります。

レイヤリングとは登山などで用いられている服装の考え方で、「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」の3層に分けて重ね着するのが特徴です。レイヤリングを取り入れることで、ウエアの機能を最大限に発揮するとともに、環境に応じて服装を細かく調整できます。

  • ベースレイヤー:汗を素早く吸収して肌の表面をドライに保つ役割がある
  • ミドルレイヤー:通気性を保ちながら、保温性を確保する役割がある
  • アウターレイヤー:雨・風・雪などから体を守る役割がある

冬場でも、体を動かした際や就寝中には汗をかくことがあるので、ベースレイヤーには吸湿・速乾性のある素材を選ぶのが重要です。筆者はユニクロのヒートテック(極暖)を使用しています。

ミドルレイヤーには、保温性がありながら透湿性や速乾性も損なわない、薄手のフリースやインナーダウンがおすすめです。筆者はモンベルの「スペリオダウン ラウンドネックジャケット」を使っています。

アウターレイヤーには雨・風・雪などから体を守る役割がありますが、車中泊の場合は車内で過ごす時間がほとんどなので、基本的には普通のアウターを着れば問題ありません。ただし、豪雪地帯や天候が悪い日に車中泊をする場合、防風・防水性のあるアウターを用意しておくと、トイレや買いものなどで外に出る際も安心ですよ。

 

首・手首・足首の「3首」を保温する

冬の車中泊では欠かせないネックウォーマーと厚手の靴下

首・手首・足首の「3首」は、太い血管が通っているうえに皮膚が薄いため、寒さの影響を受けやすい部分です。3首の冷えは全身の冷えにもつながるので、ネックウォーマーや靴下などを使ってしっかりと保温しましょう。

特に首は、温めると体感温度が3℃前後上がると言われています。また靴下を1枚プラスすると約0.5℃、ひざかけを使うと約2.5℃も体感温度が変わるため、寒さを感じたら小物をうまく取り入れてくださいね。

冷え性などで足元の冷えが気になる方には、モンベルの「ダウンフットウォーマー」がおすすめです。

冬の車中泊で活躍してくれるモンベル「ダウンフットウォーマー」の商品画像

モンベルの「ダウンフットウォーマー」で足元がポカポカに(画像提供:モンベル

「ダウンフットウォーマー」は保温性に優れたダウンを使用しており、車内で過ごすときや就寝時の防寒対策にピッタリ。足首まで包み込む設計に加え、履き口のストレッチ素材が冷気の侵入を防止してくれるので、足元を温かく保てますよ。

モンベル「ダウンフットウォーマー
  • サイズ:S(22~24cm)、M(24~26cm)、L(26~28cm)、XL(28~30cm)
  • カラー:ブラック、ブルー、レッド
  • 重量:142g(平均)
  • 素材:表地/10デニール・バリスティック®エアライトナイロン、裏地/クリマプラス®メッシュ+650フィルパワー・ダウン

 

電熱ベストも活用しよう

冬の車中泊で活躍してくれるアイリスオーヤマ「インナーヒートベストセット」の商品画像

モバイルバッテリー付きの「インナーヒートベストセット」は冬の車中泊に最適(画像提供:アイリスオーヤマ株式会社

電熱ベストは、内蔵されたヒーターが熱を発して温かくなる防寒グッズです。車中泊中に車内で過ごす際やちょっとした外出をする際はもちろんのこと、自宅やアウトドアシーンでも活躍します。

さまざまな電熱ベストが販売されていますが、筆者のおすすめはアイリスオーヤマの「インナーヒートベストセット」です。

背中に搭載されたヒーターは、電源ONから1分後には11℃も温度が上がるので、素早く体を温めてくれます。さらに、軽量な点やバッテリーを外せば水洗いできる点、モバイルバッテリーが付属している点もうれしいポイントですね。

アイリスオーヤマ「インナーヒートベストセット
  • サイズ:S、M、L、XL
  • カラー:ブラック、オフホワイト
  • 重量:S/約308g、M/約310g、L/約312g、XL/約314g、バッテリー/約175g
  • 素材:本体・中綿/ポリエステル100%

 

【車中泊グッズ】ポイントを押さえて冬用アイテムを揃えよう!

ここからは、冬の車中泊に役立つグッズを紹介します。必需品とも言えるマット・寝袋・ポータブル電源については選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

「R値」に注目してマットを選ぼう

冬の車中泊に最適な断熱性に優れたマットの画像

写真は筆者愛用中のシートゥサミット「キャンプマットS.I.

冬の車中泊で使うマットは、断熱性を表す「R値」に着目して選びましょう。R値が高いほど断熱性が高く、底冷えを防ぐ効果があります。

人によって寒さの感じ方は異なるので「気温が何℃以下ならR値は〇〇」という基準は定められていません。ただ、基本的にR値が6以上であれば、朝晩が氷点下になる季節でも使用できます

なお、マットの厚み=断熱性の高さではありません。厚さはクッション性(寝心地)や収納性に関わるものなので、まずはR値で断熱性をチェックし、厚さは好みで選べばOKです。

R値6以上でおすすめのマットはいくつかありますが、コスパ重視の方にはR値6以上のマットの中では比較的低価格である、サーマレストの「ベースキャンプ」がピッタリです。

サーマレスト「ベースキャンプ
  • サイズ:R/51×183cm、L/64×196cm、XL/76×196cm
  • 重量:R/1,140g、L/1,530g、XL/1,820g
  • 厚さ:5cm
  • R値:6
  • 素材:75Dポリエステル

同じくサーマレストから販売されている「ネオエアーXサーモNXT MAX」は、R値7.3の優れた断熱性で、寒がりな方や冷寒地で車中泊をする方に向いています。

サーマレスト「ネオエアーXサーモNXT MAX
  • サイズ:RW/64×183cm、L/64×196cm
  • 重量:RW/652g、L/680g
  • 厚さ:7.6cm
  • R値:7.3
  • 素材:30Dリップストップナイロン、70Dナイロン

寝心地のよさを重視したい方には、厚さ10cmで低反発が心地いい、シートゥサミットの「コンフォートデラックスS.I.マット」が最適

シートゥサミット「コンフォートデラックスS.I.マット
  • サイズ:レギュラーワイド/183×64cm、ラージワイド/201×76cm、ダブル/201×132cm、キャンパーバン/201×115cm
  • 重量:レギュラーワイド/1,995g、ラージワイド/2,645g、ダブル/4,445g、キャンパーバン/3,650g
  • 厚さ:10cm
  • R値:6.5
  • 素材:表地/35Dストレッチニット、裏地/75Dファブリック

「初めてのマット選びで迷ってしまう」「重視すべきポイントがわからない」という方は、断熱性・寝心地・耐久性などで高い性能を誇りながら、手を伸ばしやすい価格である、モンベルの「キャンプパッド 100」を選ぶといいでしょう。

モンベル「キャンプパッド 100
  • サイズ:200x70cm
  • 重量:2,220g
  • 厚さ:10cm
  • R値:8.1
  • 素材:表面/50デニール・ポリエステル・トリコット、側面・底面/75デニール・ポリエステル・タフタ

性能のほか、サイズや素材の触り心地などもマットを選ぶ際のポイントになるため、上記を参考にしつつ、自分好みのマットを選んでくださいね。

 

寝具はアウトドアメーカーの厳冬期用寝袋が◎

マットと寝袋を広げた車内の様子

冬の車中泊の寝具として、自宅で使用している布団を活用する方も少なくありません。しかし、持ち運びやすさや収納性も考えると、アウトドアメーカーから販売されている厳冬期用寝袋がおすすめです。

メーカーによって多少表現は異なりますが、ほとんどの寝袋には快適に眠れる温度の目安である「快適使用温度」と、使用可能な温度の限界値である「使用可能温度」が決められています。

真冬の朝晩は平地でも氷点下まで冷え込むケースがあるため、快適使用温度がマイナス7℃前後、または使用可能温度がマイナス14℃前後の寝袋を選ぶといいでしょう。

また寝袋の中身の素材には、羽毛を使用した「ダウン」と、ポリエステル繊維などを綿状に加工した「化繊」の2種類があります。

ダウンは軽量かつコンパクトに収納できるのがメリットです。厳冬期用の寝袋は安いものでも2万円程度、高いものだと10万円近くになりますが、ダウンのほうが高価な傾向にあるので、化繊の寝袋を選ぶと比較的コストを抑えられますよ。

厳冬期用寝袋の中でも手を伸ばしやすい価格なのが、2万円以下で購入できる、コールマンの「タスマンキャンピングマミー/L-15」。中綿の素材は化繊ですが、使用可能温度はマイナス15℃と、寒さにしっかり対応できるスペックです。

コールマン「タスマンキャンピングマミー/L-15
  • 適応身長:記載なし(サイズは約83×203cm)
  • 重量:3,400g
  • 快適使用温度/使用可能温度:記載なし/マイナス15℃
  • 素材:ポリエステル

価格だけでなく、軽さや収納性も重視したい方にはモンベルの「シームレス アルパイン バロウバッグ #0」をおすすめします。

モンベル「シームレス アルパイン バロウバッグ #0
  • 適応身長:183cmまで
  • 重量:2,020g
  • 快適使用温度/使用可能温度:マイナス7℃/マイナス14℃
  • 素材:生地/30デニール・スーパーマルチ・ポリエステル・タフタ、中綿/エクセロフト®(モンベル独自の化繊綿)

モンベルでは中綿がダウンの寝袋も多数展開しており、中でも「シームレス ダウンハガー800 #0」は価格と性能のバランスが優れていることから、冬に車中泊やキャンプ、登山を楽しむ方々から人気を集めています。

モンベル「シームレス ダウンハガー800 #0
  • 適応身長:183cmまで
  • 重量:995g
  • 快適使用温度/使用可能温度:マイナス6℃/マイナス13℃
  • 素材:生地/10デニール・バリスティック エアライト®ナイロン・タフタ、中綿/800FP EXダウン

より温かい寝袋を求める方や、体格に合わせたサイズを選びたい方には、使用可能温度が低く、サイズ展開も豊富なナンガの「オーロラライト750DX」がピッタリです。

ナンガ「オーロラライト750DX
  • 適応身長:ショート/165cmまで、レギュラー/166~178cm、ロング/179~185cm
  • 重量:1,280g
  • 快適使用温度/使用可能温度:マイナス8℃/マイナス16℃
  • 素材:表地/15dn オーロラテックス®、裏地:15dn リップストップナイロン、中綿/スパニッシュダックダウン

 

ポータブル電源を用意して暖房器具も活用

車内に置かれたポータブル電源の画像

ポータブル電源で寒さ対策の選択肢が広がる!

ポータブル電源があれば、電気毛布や電気湯たんぽといった暖房器具を使えます。さらに、電気ケトルやIHクッキングヒーターを使って温かい飲みものや食べものも用意できるので、予算に余裕がある方はポータブル電源も準備しておくといいでしょう。

ポータブル電源を選ぶ際には、使いたい電化製品の消費電力を確認し、消費電力よりも高い定格出力を備えたものを選ぶことが重要です。

電気毛布や電気湯たんぽは消費電力が少ないため、定格出力が300〜500W程度のポータブル電源でOK! 一方で、電気ケトルやIHクッキングヒーターなどは消費電力が多いため、定格出力が1,000W以上のポータブル電源を選びましょう。

ただし、上記の数値はあくまでも目安なので、使用する電化製品の消費電力をしっかり確認してくださいね。

消費電力が少ない電化製品をいくつか使う程度であれば、Hondaの「LiB-AID E500」が活躍します。運転中にクルマのアクセサリーソケットから充電できる点や、コンパクトで持ち運びやすいサイズから、車中泊との相性が抜群です。

Honda「LiB-AID E500
  • サイズ:26.6×18.2×高さ24.8cm
  • 重量:5,300g
  • 定格出力:300W
  • 容量:377Wh
  • 出力ポート:AC×2、USB×2

消費電力が少ない電化製品を多く使いたい場合には、定格出力が500Wで、最大6台の機器に同時給電が可能なJackeryの「ポータブル電源 708」がおすすめです。

Jackery「ポータブル電源 708
  • サイズ:約29.9×19.1×高さ19.0cm
  • 重量:6,800g
  • 定格出力:500W
  • 容量:708Wh
  • 出力ポート:AC×2、USB-A×1、USB-C×1、QC3.0×1、シガーソケット×1

Jackeryには、定格出力が1,000Wの「ポータブル電源 1000」もありますので、防寒グッズとともに調理家電なども使いたい場合には、こちらをチェックしてみましょう。

Jackery「ポータブル電源 1000
  • サイズ:33.2×23.3×高さ24.3cm
  • 重量:10.6kg
  • 定格出力:1,000W
  • 容量:1,002Wh
  • 出力ポート:AC×3、USB-A×1、USB-C×2、QC3.0×1、シガーソケット×1

またEcoFlow「デルタ2」は定格出力1,500Wで、電気ケトルやファンヒーターといった消費電力が多い電化製品を主に使いたい方や、使いたい電化製品の数が多い方にピッタリです。

Eco Flow「デルタ2
  • サイズ:21.1×28.1×高さ40.0cm
  • 重量:約12kg
  • 定格出力:1,500W
  • 容量:1,024Wh
  • 出力ポート:AC×6、USB-A×2、USB-A急速充電×2、USB-C×2、シガーソケット×1、DC5521×2

▼必要な電力容量の目安やポータブル電源の選び方についてはこちらの記事をチェック▼

 

アナログな防寒グッズも侮れない

車内に置かれた湯たんぽとカバーの画像

湯たんぽやカイロなど、アナログな防寒グッズも寒さ対策に効果的なので、積極的に活用しましょう。

湯たんぽはお湯を沸かす手間がありますが、就寝前に寝袋に入れておけば、寝袋に入った瞬間から温かさに包まれます。カイロは貼るタイプ・貼れないタイプどちらでもOKですが、低温火傷の恐れがあるため就寝時の使用は控えましょう。

また車中泊の前に外出したり、車中泊キャンプをしたりする方には「靴用カイロ」がおすすめです。

冬の車中泊で活躍してくれる靴専用カイロの画像

写真は筆者が愛用しているオンパックス「足ぽかシート」

屋外で過ごしている間に足が冷え切ってしまうと、車内に戻ってからもなかなか体温が回復せず、寒さを感じてしまいます。靴用カイロを使えば外出中も足を温かく保てるので、屋外にいる間はもちろん、車内に戻ってからの寒さ対策にもなりますよ。

 

雪対策グッズも忘れずに

モンベル「コンパクトスノーショベル」の商品画像

モンベルの「コンパクトスノーショベル」は車中泊やキャンプなどのアウトドアシーンで便利(画像提供:モンベル

積雪が予想される地域で車中泊をする場合は、雪対策も入念に行いましょう。豪雪地帯では一晩で20〜30cm積雪することも珍しくないので、就寝前に雪かきをしておくと安心です。

モンベルの「コンパクトスノーショベル」のように、アウトドアメーカーのショベルは軽量かつコンパクトに収納できるモデルが揃っているので、ぜひチェックしてみてください。

モンベル「コンパクトスノーショベル
  • サイズ:ブレード面/270×210mm、シャフト部の使用長/540mm・660mmの2段階、シャフト部の収納長/380mm
  • 重量:590g
  • 素材:シャフト・ブレード部/アルミニウム合金、グリップ部/ポリカーボネート

またクルマに積もった雪を落とすスノーブラシや、雪道で脱輪した際の脱出に役立つスノーヘルパーもあると安心です。

 

結露対策グッズがあると便利

ダイソーの結露取りワイパーの画像

結露対策には100均グッズが役立つ! 写真はダイソーの結露取りワイパー(現在は廃盤のモデル)

冬の車中泊では窓が結露しやすいので、結露対策グッズがあると便利です。結露をタオルで拭き取るだけでもOKですが、結露取りワイパーを使えば簡単に結露を取り除けます。

ダイソーやセリアといった100円均一ショップでは、コンパクトなものや、取った結露をペットボトルに溜められるものなど、機能的な結露取りワイパーが販売されています。自宅でも使えるアイテムなので、車中泊と兼用で1つ持っておくのがおすすめです。

 

【その他】プラスアルファで意識するとさらに快適に!

ここまでにご紹介したポイントを押さえるだけでも十分ですが、より安全かつ快適に車中泊をするためには、もう少し意識したいポイントがあります。

そこでここからは、筆者が冬に車中泊をする際に意識している、プラスアルファのポイントをご紹介します。

 

車中泊場所を工夫しよう

RVパークに設置されているAC電源

電源を確保できるキャンプ場やRVパークなら、電化製品も使いやすい

防寒を重視する場合、標高が低い場所や雪が少ない場所で車中泊をするといいでしょう。標高が高い場所は気温が低く、路面凍結などの恐れもあるため、雪道や凍結路の運転に慣れていない方は特に意識してほしいポイントです。

またキャンプ場の電源サイトやRVパークなど、電源を確保できる場所で車中泊をするのもおすすめ。電源が必要な防寒グッズを使えるほか、ポータブル電源を充電して連泊に備えることも可能です。

クルマによっては電源確保に便利な純正アクセサリーもラインアップされており、例えばHondaのN-VANには「外部電源入力キット」があります。

HondaのN-VAN用純正アクセサリー「外部電源入力キット」を搭載したクルマの画像
HondaのN-VAN用純正アクセサリー「外部電源入力キット」を搭載したクルマの画像
N-VAN純正アクセサリーの「外部電源入力キット」。写真左が電源引き込み口、写真右が車内のAC電源

オートキャンプ場やRVパークの電源設備と「外部電源入力キット」を接続すれば、エンジン停止中でもAC電源が使用可能になります。ポータブル電源を用意する必要がなくなるため、車内を広く使えるのもメリットです。

快適に冬の車中泊をするために、ぜひご自身のクルマのアクセサリーにも注目してみてくださいね。

 

滑りにくい靴があると安心

簡易的なすべり止めを靴に装着する様子

写真は手持ちの靴に取り付けられるラバー製の滑り止め

冬の車中泊では、夜間や早朝に駐車スペース周辺が凍結していて、転倒してケガをするリスクも。特に夜間は暗くて足元が見えず、地面の状況が確認しづらいことがあります。

靴に装着できる滑り止めや、滑りにくい素材を使用した靴を用意して、万全の態勢を整えましょう

また、駐車する前に地面の状況を確認するのも大切です。水が溜まりやすい場所やアイスバーンになっている場所は特に滑りやすいので、できるだけ避けて駐車してください。

 

天候の情報はこまめにチェック

雪が積もる道路と山の風景

悪天候の際には車中泊を中止する柔軟性も大切

車中泊に行く前はもちろん、目的地まで向かっている間や目的地に着いたあとにも、こまめに天候の情報を確認してください。

事前に大雪や厳しい寒さが予想される場合には、車中泊を中止する判断も大切です。途中で天候が悪化したときには、場所を移動したり、付近の宿への宿泊に切り替えるなど、柔軟に対応して身の安全を守りましょう

スマホに「ウェザーニュース」や「Windy」など高性能のアプリをダウンロードしておくと、いつでも気象情報を確認できて安心です。

 

車中泊中には温泉や銭湯で体を温める

銭湯の湯舟と壁に描かれた絵

温泉や銭湯は車中泊の楽しみの1つでありながら、寒さ対策にも効果的!

車中泊スポットの周辺に温泉や銭湯があれば、ぜひ利用しましょう。身体の芯まで温まれば、車内でも快適に過ごせますよ。

筆者はよく、温泉施設付きの車中泊スポットを目的地にしています。特に、温泉施設とRVパークを備えた道の駅であれば、施設内で食材の買い出しから入浴、車中泊までできる上に、周辺地域の観光にも行けるのでおすすめです。

▼RVパークがある道の駅についてはこちらの記事をチェック!▼

▼立ち寄り湯がある道の駅についてはこちらの記事をチェック!▼

 

冬場は十分な備えが肝心! 安全・快適に車中泊を楽しもう

冬に車中泊をしているクルマの画像

冬に車中泊を楽しむには、寒さ対策が必要です。シェードや防寒グッズを活用したり、服装を工夫したりして、しっかり対策した上で車中泊に臨みましょう。

また凍結路や雪など、冬ならではの注意点もあります。移動中も含め安全に車中泊をするために、スタッドレスタイヤや雪対策グッズを欠かさずに準備してください。

ただし、十分に対策をしても限界はあるため、悪天候の日は車中泊を中止するなど、柔軟な対応も大切です。今回の記事を参考に、安全かつ快適に冬の車中泊を楽しんでくださいね。

※本記事は2023年11月10日時点の情報を掲載しています。商品の最新情報については、販売店にお問い合わせください。

 

文/藤永 祐人
写真/藤永 祐人、森 風美、kazu、和田 清志、井手 勇貴、長野 竜成、カエライフ編集部
編集/菅原 葵、TAC企画

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