
軽バンは、コンパクトで取り回しが良く、燃費の良さでも人気の車両ですが、カスタム要素が多いことも魅力の一つ。カスタムすることで自分好みの車内空間を作り上げることができ、その真価を発揮します。その中でも特に、アウトドアとの相性は抜群。こだわりのクルマと趣味を組み合わせることで、まるで秘密基地で過ごすかのような体験をすることができます。
この記事では、これまでカエライフで取材してきた軽バンアウトドアカスタムの達人たちの事例を紹介します。
目次
アウトドアカスタムするなら軽バン!
どんなクルマでもカスタムできますが、荷物を積める量や、クルマ自体の価格、カスタムの大変さ、走る際の利便性、趣味との相性など、考えることがたくさんあります。さまざまな車種がある中で、アウトドア用にカスタムをするならば軽バンは特におすすめできます。その理由は以下の3つです。
軽バンがアウトドアカスタムするのにおすすめなポイント
- 手軽さとカスタマイズ性
軽バンはそのサイズと構造のシンプルさから、DIYやプロによるカスタムの幅が広い車種です。既製品パーツの取り付けはもちろん、アイデア次第で自作のカスタムも楽しめます。 - コストパフォーマンス
普通車や大型車に比べると、購入費用や維持費が抑えられるのが軽バンの魅力。また、シンプルな構造ゆえに改造費用も比較的リーズナブルです。 - アウトドアでの利便性
狭い山道やキャンプ場でもスムーズに移動できる軽快さがアウトドアにはピッタリ。車中泊や荷物の積載も工夫次第で快適になります。
アウトドア仕様の軽バンカスタム! 達人たちの事例8選
これまでカエライフで紹介してきた軽バンカスタムの達人の記事から、アウトドアカスタムのポイントを紹介します。
① 収納の工夫|小川 元貴さん

小川 元貴さんは、年間200日以上を車中泊で過ごし、日本各地の四季を撮影するフォトグラファー。ほとんどの生活を車内で送る小川さんは、快適性を追求するために、Honda N-VANを自身でカスタムしています。外装、内装だけでなく、収納、エンジンルームまでフルカスタムしたこだわりの空間は、快適に過ごすためのアイデアが詰まっています。
そんな小川 元貴さんのHonda N-VANには、大小さまざまな収納スペースが設けられています。特に特徴的なのは、3分割された収納棚。最下段には三脚や椅子などの大物を押し込み、中段にマットレスや布団、調理器具類を収納して、上段のテーブルには小物類を置いています。上段の小物テーブルには面ファスナーを使用し、落ちてこないように固定しています。アウトドアカスタムをする上では、使いたいものを「すぐ使えること」と「収納時に車内を広く保つこと」を両立させることが重要だと言います。
<年間200回の車中泊をする小川さんの軽バンカスタム!>
② 換気設備|休憩時間さん

「nuts vanlife products(ナッツバンライフプロダクツ)」という、N-VAN専用の車中泊カスタムパーツブランドを運営する休憩時間さん。彼のN-VANは、車内空間を最大限に活用するための工夫が随所に見られます。ベッドキットや細かな収納スペース、さらに、車内での調理や作業が可能なテーブル、照明を設置し、長期の車中泊でも快適に過ごせる環境を整えています。
休憩時間さんの軽バンカスタムで目を引くのが、窓に取り付けた換気ファン。クルマの中で過ごすと、匂いやムレも気になりますし、夏の車中泊では、暑さ対策としてファンがあると快適だそう。難しそうに思える換気扇カスタムですが、スライドドアの窓にはめこんで使えるため、アウトドアカスタムとしてぜひ参考にしたいアイデアです。
<休憩時間さんのこだわりのカスタム!>
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③ ルーフコンソール|鮎沢 純一さん

長年釣りを趣味にしていた鮎沢 純一さんは、軽バンを購入してDIYの楽しさに目覚めました。車内のレイアウト変更や、快適な車中泊を実現するための工夫を施し、日々趣味を楽しんでいるそうです。
鮎沢さんのカスタムからは、釣り竿や長物のキャンプ道具をルーフコンソールに収納するアイデアをご紹介します。このカスタムは、車内空間の限られた軽バンにおいて、床面や壁面を圧迫せずに収納量を増やすことが可能。純正のHondaのルーフコンソールをカスタムしてみたところ、ピッタリはまったそうです。釣りが趣味であれば必須のカスタムと言えるのではないでしょうか。
<釣り×軽バンアウトドアカスタムの参考に!>
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④ 壁面収納|カメコローさん

100均などリーズナブルな素材を活用し軽バンカスタムを楽しむカメコローさん。医療従事者として働きながら、愛車のスズキ「エブリイ」を車中泊仕様にDIYする様子をYouTubeやInstagramで発信しています。
カメコローさんのエブリイは、壁面を活用したカスタムが魅力的。リアクォーターウィンドウをふさいで、写真やコースターなどを飾っています。写真を飾ることで、ギアが多い車内におしゃれさもプラス。固定にはパラコード(パラシュート用の頑丈なロープ)を使用しているそう。難しく考えず、まずは100均などの素材を使ってDIYをしてみると、どんどんとカスタムが楽しくなっていきそうです。
<カメコローさんの100均と廃材のカスタム!>
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⑤ トランポ|小野寺 祐樹さん

バイクとアウトドアを趣味としているデザイナーの小野寺 祐樹さん。「元軍人のイタリア系アメリカ人が営む移動式カフェ」をコンセプトとした軽バンカスタムは、デザイナーらしいこだわりが随所に見られます。
そんな小野寺 祐樹さんのカスタムとして目を引くのは、N-VANをトランポ(運搬用車両)として活用する斬新なアイデア。バイクでのキャンプツーリングを楽しむ際、バイクやその関連道具を軽バンで運ぶことで、移動範囲が格段に広がります。車内には簡易的な荷締めシステムを設置し、安全に荷物を固定することが可能。キャンプ場到着後はバイクで移動し、車内は休憩スペースとして使用。複数の目的を一台でこなすカスタムです。
<小野寺さんの秘密基地! N-VAN×モンキー125トランポ>
⑥ 床面収納|ちぎすけさん

「N-VANの集い」を主催するなど、軽バンカスタムをする人の中でも上級者としてたびたびカエライフにも登場しているちぎすけさん。そのカスタムは、テレビや電子レンジ、簡易キッチンや換気扇を備えるまでに。ウォールナット風の木材とオリーブ色で統一されたおしゃれな空間で、一人でも家族とでも趣味を楽しんでいます。
ちぎすけさんのN-VANは、床面の収納スペースが秀逸です。ベッドキット自体にもカスタムを施し、床下収納スペースを底上げすることで、ポータブル電源やキャンプ道具もたくさん収納することが可能に。さらに、引き出しとすることで、わざわざベッドを解体したり持ち上げるたりすることなく、大きな荷物の出し入れを可能にしています。
<ちぎすけさんの上級者アウトドアカスタム!>
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⑦ 広々床面|テンと▲キャンプさん

2023年に、Honda バモスを先輩に譲ってもらったのをきっかけに、軽バンカスタムに着手したテンさん。「いつか自作のキャンピングカーで日本一周を」と夢見ながら、改造プロセスをInstagramやYouTubeで発信しています。
まさにカスタム実践中のテンさんのコンセプトは「あぐらをかいても、足を延ばして寝転んでも広々と過ごせる、自分の好きを詰め込んだ、おしゃれなキャンピングカー作り」。ウォルナットカラーで統一した天井と床面で、理想的な広々床面が完成! 大人2人が快適に寝転がれるスペースがあり、キャンプ時の車中泊もゆったり楽しめそうです。今後のカスタムもとても楽しみです。
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⑧ ルーフキャリア|さるこさん

クルマとバイクをこよなく愛するさるこさん。これまでにさまざまなクルマ、バイクを乗り継いできて、現在は車中泊できるようカスタムした軽バンにバイクを載せて、旅やキャンプを楽しんでいます。
そんなさるこさんの軽バンアウトドアカスタムは、ルーフキャリアの活用。キャンプ道具や大きな荷物をルーフに積むことで、車内スペースを広く保っています。また、キャリアには防水性のあるバッグを組み合わせ、天候に左右されることなく荷物を保管。アウトドア用品が増えがちなキャンパーには特におすすめの工夫です。
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気軽に楽しめる軽バンアウトドアカスタム
軽バンをアウトドア仕様にカスタムすることで、ただの移動手段が、自分だけのキャンピングカーに早変わりします。クルマのカスタムというとハードルが高そうにも思えてしまうかもしれませんが、100均の道具や、純正パーツで簡単にカスタムすることもできます。自分好みにカスタムした軽バンで過ごすアウトドアの時間はまさに格別です。
キャンプや車中泊をもっと身近にするための軽バンカスタムに、ぜひ挑戦してみてください。
文/矢澤 拓
写真/宮越 孝政、鈴木 純平、烏頭尾 拓磨、熊山 准、
佐山 順丸、やまひらく、MONKEY HEAVEN
編集/矢澤 拓、TAC企画