この記事では、バン(商用車)の内装の板張り、天井や壁にウッド(木材)を張ってバンライフ車やキャンピングカーにDIY、改造 する方法を解説します。
必要なものだけをクルマに積んで旅をしながら仕事もする。クルマを生活の拠点とするアメリカ発祥のライフスタイル「バンライフ」が、近年日本でも注目されています。
バンライフの実践に欠かせないのが、クルマの内部を快適空間にするためのカスタム 。なかでも代表的なのは、車内の天井や側面に木材を張り付ける「板張り」 です。バンライファーたちのクルマを見ると、この板張りを採用している人が多いのです。「おしゃれな内装カスタムの代名詞」と言っても過言ではなさそう。
とはいえ、いざ自分でやってみようと思っても、DIY初心者にはかなりハードルが高いカスタムですよね。車内の壁を張り替えるって、何をどうすればいいのでしょうか。
そこで今回は、ベテラン大工としての経験と腕前を生かして愛車をバンライフ仕様にカスタムし、最近では依頼を受けて数々のバンライフ車のカスタムを手がけている鈴木 大地さんに教えてもらうことにしました 。
↓↓↓トランスポーター・ベンツをバンライフ車に↓↓↓
お話を聞くのは、女子キャンパーとしてさまざまなメディアで活躍する森 風美さん 。森さんは現在、愛車であるHondaの軽バン「バモスホビオ」を車中泊仕様にカスタムする様子を、カエライフの連載「ただいま軽バン改造中」でお届けしています。
バンライフ内装とは、そもそもどういうものなのか。どうすれば板張りカスタムができるのか。DIYで気をつけなければいけないことって? などなど、気になる疑問を聞いてきました!
森さんの連載記事はこちら↓↓↓
鈴木 大地(すずき だいち)さん
その道20年のベテラン大工で、本職ではマンションや店舗などの改装を手がける。2018年からは自らもバンライフをスタート。クルマをバンライフ仕様にカスタムする「バンライフビルダー」として、テレビや雑誌、イベントなどで活躍。愛車はメルセデス・ベンツ「トランスポーターT1N」。
Instagram @daichi_suzuki.jp
森風美(もり ふうみ)さん
年間80泊するキャンプ女子。女性ひとりでも気軽に楽しめる独自のキャンプスタイルをSNSで発信。女性向けアウトドアWebメディア「なちゅガール」の編集長を務める。愛車はHondaの軽バン「バモスホビオ」。
Instagram @fu_u.m
Twitter @fu_uyu
撮影協力:Hayama RV-SITE by Star Home
神奈川県葉山町にある車中泊スポット。AC電源、水道、Wi-Fi、シャワー室もあり、快適に車中泊するための設備が整う。テント泊もOKで、ウッドデッキでくつろいだり、焚き火をしたりとアウトドアなステイを楽しむことも可能。キャンピングカーや車中泊スポットの予約サイト「カーステイ 」から予約可能。
公式サイト :https://www.hayama-rvsite.info/
バンライフのクルマってどんな内装?
鈴木 大地さんの愛車メルセデス・ベンツのトランスポーターT1N(通称ベントラ)の内部。天井や壁には、温もりのある空間にするためにトドマツを使用
森さん
もともと私の父がキャンピングカーに乗っていて、利用していたキャンピングカービルダーさんが「内装板張り」のモデルを出していました。それをずっと見ていたので、昔から板張りカスタムへの憧れがあったんです 。
鈴木さん
板張りって見た目がすごくカッコいいですよね。木材を使うことで、ナチュラルでソフトな印象になる。ぼくのところに「バンライフ車を作ってほしい」と相談に来る人も、板張りの雰囲気をイメージしていることが大半です 。
森さん
ログハウスみたいな雰囲気がすごく好きです! クルマのカスタムを始めたときに、まっさきに車内を木の板に張り替えたいと思いました。でもすごく大がかりな作業になりそうで、自分ではどうしていいかわからなくて……。
鈴木さん
じゃあ今日はまず、バンライフの内装はどんなものかというところから見ていきましょう!
バンライフ内装 事例① CielBleuさんが施工したクルマ
茨木さんご夫妻の愛車シボレー シェビーバンの車内。「大きなアメ車が大好き」という茨木さん。天井、壁、床は全面板張りで車内のカラーをブラウン系で統一。また、後部座席の位置を後ろにズラし、前列座席を回転させればゆったりとしたリビングスペースに早変わり
CielBleu(シエルブルー)さん
茨木 一綺さん、実伽さん夫妻によるクリエイターズユニット。テーブルやイスなど、あたたかみのあるウッドファニチャーをメインにしたアイテムの企画製作を行う。キャンプ歴は10数年というアウトドアのプロであり、バンライフビルダーとしても名高い。
Instagram @cielbleu_waka
森さん
CielBleuさんといえば、日本でのバンライフカルチャーの草分け的存在 。私にとって憧れの存在です!
CielBleuさんが内装板張りを手がけた作例で、キャンプコーディネーター三沢 真実さんのスズキ エブリイの車内
↓↓↓三沢 真実さんのクルマのカスタムはこちら↓↓↓
こちらもCielBleuさんが内装板張りを手がけたバンライフ車。アウトドアライフプランナーで「キャンプ民泊NONIWA(ノニワ)」を運営する野あそび夫婦の愛車、日産キャラバンの車内
こちらのシェビーバンは、茨木さんご夫妻のかつての愛車。現在はダウンシュラフメーカー「NANGA(ナンガ)」の広報車として活躍中。リアゲートの取っ手つき板張りが特徴
こちらは依頼を受けて施工したというシェビーバンの内装。オールドアメリカンな雰囲気が漂う
バンライフ内装 事例② 鈴木大地さんが施工したクルマ
YURIEさんの愛車、日産バネット(愛称:サンシー号)。ヘリンボーン模様の床や仕切り壁のディスプレイ収納など随所に工夫とセンスが光る
森さん
私が尊敬するインスタグラマー、YURIEさんのクルマの内装を手がけたのが鈴木 大地さん だったので、鈴木さんのことは以前からよく知っていました!
同YURIEさんのサンシー号。ベッド下にはスライド式のテーブルが格納されている
↓↓↓YURIEさんのクルマのカスタムはこちら↓↓↓
鈴木大地さんが内装を手がけたバンライフ車で、お父さんと小学生の娘さん2人で車中泊旅をするためのカスタム。高低差のある2つのベッドを配置し、折りたたみ式のテーブルを出すとベッドがソファベンチに変身
そもそもバンライフって何? どうして板張りなの?
YURIEさんのサンシー号。板張りの天井がナチュラルな雰囲気を醸し出す
森さん
バンライフのクルマって、板張りが基本なんですか?
鈴木さん
バンライフはそもそも、欧米のヒッピー文化の延長として始まっています。この言葉の生みの親は、ニューヨークに住んでいた元ラルフローレンのデザイナー、フォスター・ハンティントン。2017年に彼が出した写真集『Home is Where You Park It』が、バンライフブームに火をつけました。そこで紹介されたクルマは板張りカスタムが多かった んです。
フォスター・ハンティントンの写真集『VAN LIFE ユア ホーム オン・ザ・ロード』を見ながら
森さん
私もその写真集を見て憧れました! かわいくておしゃれでワクワクしました。
鈴木さん
ぼくも初めて見たとき衝撃を受けましたね。穴があくほど見て、「こんなクルマを作りたい」と心底思いました。
森さん
板張りが持つ雰囲気って、やっぱり特別ですよね 。板張りをしていない普通のクルマだと、当たり前だけど「これはクルマなんだな」という感覚がつねにあります。たとえば車中泊した朝、目覚めた瞬間にぱっと見える景色が全然違う。どんなに寝心地がよくても、自分がクルマの中にいると思うと、なんとなく味気ないんです。
鈴木さん
なるほど。たぶんそこが「車中泊」と「バンライフ」の違い なのかも。
森さん
私は車中泊は、たとえばスキーや登山など、どこかに行くための前乗りとしてすることが多いです。言ってみれば「クルマの外を楽しむ」ために車中泊するといった感じ。
鈴木さん
僕もそう。車中泊は実用性が第一 。だからクルマの中に必要なものがひと通り揃っていて、無駄はないんだけど、生活感がある。それに対してバンライフは、個人の世界観をそのまま表現するもの 。必要最低限のものだけを積んで、いらないものを排除したスペースに、自分の好きなものを足していく。
森さん
まるで「自分の家」みたいな感覚ですね。バンライフだと「クルマの中にいること」そのものを楽しめる 。くつろげる空間をつくるために、大事にするのはぬくもりだったり、自分らしさだったり。家の内装にこだわるみたいに、クルマの中を装飾していく んですね。
鈴木さん
まさにそう。女の子だったらぬいぐるみを置いてかわいくするとかね。そういうプラスアルファができるのが、バンライフ車の内装の醍醐味だと思います。
森さん
バンライフで使われるクルマは、どんな車種が多いですか?
鈴木さん
ぼくが乗っているメルセデス・ベンツのトランスポーターT1Nは、バンライフの定番カーの1つ。他にもフォスター・ハンティントンの愛車だったフォルクスワーゲンのバンや、国産車ではトヨタのハイエース、日産のNV350キャラバンなども人気ですね。
森さん
私もワーゲンのバンは憧れましたが、クルマにそんなに詳しくないので、高速道路などで急に故障したらどうしていいかわからない。日頃のメンテナンスに自信がなかったので、Hondaの軽バン「バモスホビオ」を選びました 。
鈴木さん
最近では、軽バンでバンライフをする人がすごく増えていますね 。燃費がいいし、 街乗りもしやすいので、使い勝手はバツグンです。
バンライフの内装をプロに頼むには?
森さん
次は実際に、鈴木さんのクルマにお邪魔させてください。うわあ、すごい! 車内がすごく広いですね。
鈴木さん
でしょう(笑)。立って歩きまわれるのがいいところ。
森さん
こうやって自分のクルマをバンライフ仕様にしたいと思ったとき、DIY以外にも方法はありますか?
鈴木さん
CielBleuさんやぼくのような「バンライフビルダー 」に依頼するほか、バンライフ車の既製品として売られている「コンプリートパッケージ 」もあります。
森さん
その2つの違いは何でしょうか?
鈴木さん
バンライフビルダーは、お客さんのクルマを見て、要望を聞いたうえでどんな風に作っていくかを考えます 。それに対してコンプリートパッケージは、すでにでき上がったものを丸ごと販売する形式 なので、持ち主によって変わる部分はそんなに多くありません。
森さん
まわりと違うものが欲しいという人は、バンライフビルダーにお願いするのがよさそうですね。
鈴木さん
逆に言うと、自分のやりたいことがそこまで定まっていない場合、コンプリートパッケージを選んだほうが迷いが少ないかもしれません。ぼくに依頼する方は、みなさん明確なイメージがあって、それを一緒に話し合いながらアイデアを深めて、形にしていきます。半分はお客さんの理想、あとの半分はぼくの腕に任せてもらえると、最終的にいいものが生まれやすいです。
森さん
洋服で言えば、オーダーメイドと既製品の違いのような感じ ですね。
鈴木さん
毎回考えながら作っていくのは、正直言って大変です(笑)。だけど、お客さんの想像を超えたものができたときの反応がもう、すごいんですよ。その喜ばれ方がぼくの想像を超えてしまう。それが楽しくてやっていますね!
バンライフ車とキャンピングカーの違いとは?
森さん
鈴木さんが作るバンライフのクルマと、一般的なキャンピングカーの違いは何でしょうか?
鈴木さん
一番わかりやすく言うと、内装の材質が「木」なのかそうでないか 、というところ。キャンピングカーはいわゆる「新建材」と呼ばれる素材、プラスチックや塩化ビニールなどが使われています。
森さん
キャンピングカーって近代的なイメージのクルマが多い印象です。
鈴木さん
いわゆる「8ナンバー」のキャンピングカーは、「特種用途自動車」として認定を受けたクルマ です。構造要件として、「乗車定員の1/3以上が就寝可能であること」「10Lタンク以上の水道設備」「コンロなどの炊事設備(床面から1600mm以上の高さが必要)」などの明確な定義があります。
森さん
かなり細かいですね!
鈴木さん
だけど、バンライフ車が具体的にどういう要件、定義のクルマでなければいけないかというのは、実際のところまだ決まっていないんです。
森さん
キャンピングカーはクルマのカテゴリーを指しますが、バンライフはライフスタイルのこと。しかも新しい概念なので、まだ定義があいまいなんですね。これから日本でもバンライフする人がもっと増えて、徐々にそういうこともはっきりしていくのかも。
森さん
ちなみに、施工期間や費用はどのくらい見ておけばよいですか?
鈴木さん
時期や内容にもよりますが、このベントラサイズのカスタムでだいたい1カ月程度、費用は200~300万円程度 だと思います。小さいクルマだから安いというわけでもなく、その都度のご相談ですね。
バンライフ車はDIYできる? 施工のプロセスを詳しく聞いてみた
森さん
バンライフの内装カスタムをDIYするには 、どうすればいいのでしょうか。
鈴木さん
ぼくが普段どんな作業をしているかを説明しますね! まずクルマの内装の壁、防音材や遮音材などをはがして、骨組みだけが残っている状態、いわゆる「スケルトン 」にします。はがさなくていい場合もありますが、通常は全部はがします。
森さん
この作業が怖いんですよね。いじってはいけないところを外したりしてしまったら、とりかえしがつかなくなりそうです……。
こちらは、鈴木さんが手がけたバンライフ車の施工プロセスの写真で、内装の壁をはがしてスケルトン状態にしたところ。車種はメルセデス・ベンツのトランスポーター(商用車)の「スプリンター」 写真提供:鈴木 大地
鈴木さん
家に例えると、内装をはがして出てくる骨組みは「柱」ですね。この柱はとても大事なもの。ボディの強度などを計算して作られているので、無闇にいじってはいけない。穴をあけたりしてはダメです 。安全の基準が守れないと、廃車になってしまうことも。
森さん
そうなんですね。気をつけます! 次のプロセスは何ですか?
スケルトン状態にしてから断熱材と下地材をつけ、その上に板を並べて張っていく。こちらの写真は、鈴木さんがBS日テレの番組『極上! 三ツ星キャンプ』に出演して、クルマの内装板張りカスタムを指導したときのもの。車種はトヨタ ヴォクシー 写真提供:鈴木 大地
鈴木さん
骨組みの上に「下地材」という木材を組んでいきます 。これは仕上げの板を張り付けるための土台ですね。ただ、家と違ってクルマはカーブがあるので、それに合わせた曲線を作らなければなりません。
森さん
難しそう……。私は今までクルマのDIYをしていたとき、ダンボールにマジックで型を書いて材料を切っていましたが、やっているうちに少しずつズレてしまうんです。何かコツはありますか?
鈴木さん
基本はその方法でいいと思います。プロが使う道具もあるものの、ぼくの場合は、イメージする曲線に近い丸みのあるもの、たとえばペンキの缶などを見つけてきて、それを型のように当てながら曲線を作っていきます。あとはもう、ぼくの場合はほとんど、木を切って当ててみて、ズレがあったら直すという「現場合わせ」です。手間のかかる作業ですが、ここの作り込みで仕上がりが大きく変わってくるので、技術の見せどころですね。
森さん
まっすぐな板を打ちつけるための、フレームを作っていく感じですね。
鈴木さん
下地材ができたら、断熱材を入れて、仕上げの板を張っていきます (場合によっては先に断熱材を張ってから、下地材をつける場合もあります)。ここで注意しておきたいのは、建物と違って、クルマは走るたびに全体に振動がかかります 。いわばつねに地震が起こっているような状態。それを想定して、頑丈に組んでいきましょう。万が一にも、走行中に外れるようなことが起こらないようにしてください 。
森さん
木材は何を使えばいいですか?
鈴木さん
これはたくさんの選択肢があって、一概に「これがいい」と言うのは難しいです。選び方としてはまず、やわらかいか硬いか。スギのような木はやわらかいので、振動でビスが抜けていく可能性が高いです。反対にケヤキはとても硬い。ただ、それも用途や使う場所によって変わるので、スギでも大丈夫な場合もあります。車検の上では、難燃性として定義される「厚さ3㎜以上の木材」を使うことが定められています 。
森さん
木材の質感や色によって、車内の雰囲気もかなり変わりますよね。
鈴木さん
スギは模様が濃く出るため、荒々しい印象 になりますね。やさしいイメージを求めるならパイン(マツ)材 。また、その上に塗るワックスの種類によっても変わります。
森さん
ワックスは塗ったほうがいいですか?
鈴木さん
何も塗らないと木の風合いをそのまま味わえるけれど、もしコーヒーなどをこぼしてしまったら色が染み込みます。たとばテーブルなど、特に汚れそうな場所だけワックスを塗るのもあり ですね。ぼくのこのクルマはそうしています。
森さん
最初は何も塗らずに、汚れたらワックスで着色するのもよさそうです。
鈴木さん
変化を楽しむという点ではいいですね。ワックスは1年に1度ほどは塗り直してあげること。もし水で濡れたときは空気を通して乾かしておいてください。基本的には毎日クルマに乗ってさえいれば、特別なメンテナンスは必要ありません。
森さん
木材を選ぶときは、実際に自分の目で見て、触って、「これだ!」とひらめいたものを使いたいですね。私は車内がぱっと明るくなるような木がいいな。
油断は禁物! DIYでカスタムするなら気をつけておきたいこと
森さん
大まかな流れは理解しました! DIYのために用意しておいたほうがいい道具はありますか?
鈴木さん
基本は「切る」「とめる」ができる工具があれば大丈夫。また、作業している際に他の場所が汚れないように、養生ができるテープやシートなどもあるといいです。それと電動工具であるインパクトドライバーや丸ノコはとても便利ですが、使用の際は十分に注意してください。
森さん
DIYをするとき、気をつけることは何でしょうか?
鈴木さん
何といっても、ケガ です。特に初めて工具を使うという人は、最初のうちのおっかなびっくり扱っている段階はいいですが、ちょっと慣れてきた頃がすごく危ない 。回転する刃のついている丸ノコなどは一瞬の油断が大きなケガにつながることも。簡単に指が飛びますからね。ぼく自身も先日、回転工具で切った破片がまぶたに刺さり、あやうく失明するところでした。
森さん
それは怖い……。注意します!
鈴木さん
回転する工具を扱うときは、軍手や手袋をすると巻き込まれる可能性があるので、必ず外して使うこと 。あとは髪が長い人は結ぶなど、動きやすい格好をしてください。
森さん
内装カスタムをする上で、やってはいけないことはありますか?
鈴木さん
たとえば座席を外すといったアレンジをするときは、乗車定員が変わるので別途申請が必要 になります。それと、運転席のガラス3面の視界を遮るものを置いてはいけない。エンジンが後ろにあるクルマの場合は、点検の際にチェックする場所を、板などで塞いではダメ。あとは先ほど言った、クルマの強度や安全性に関わるところは、いじらないのも重要です。
森さん
もしやりすぎてしまったら、最悪の場合、廃車になってしまいますもんね。
鈴木さん
海外のバンライファーは、車内に薪ストーブを置いていたり、天井を切ってオープンカーにしたりする人もいますが、あれは日本では完全にNGです。日本と海外の法律は違うので、海外のバンライフを参考にする場合は注意してください 。基本的には、日本のキャンピングカーの基準を参考にしてもらえればと思います。
森さん
これでいいのかどうか迷ったら、まずは自分で調べてみる。そこでわからないことは手を出さない、というのが一番の安全策ですね。
それでもやっぱり自分でカスタムしたい! バンライフ内装の魅力
森さん
鈴木さん、ありがとうございました! バンライフのクルマって、狭い場所に工夫してものを入れ込んでいるところがすごく面白いです。家や庭で使っているアイテムを、うまくクルマの中で活用してみたり。限られた空間の中で、おしゃれを楽しめるのがバンライフ内装の魅力 だと私は感じました。
鈴木さん
すごくわかります。ぼくも家の中の片付けは苦手だけど、クルマの中の整理だけはがんばっちゃう、みたいなところはあります(笑)。
森さん
非日常なんですよね。家には生活用品がいろいろあるけど、クルマには気に入ったものだけを並べたい 。そういうレイアウトするのがすごく好き。
鈴木さん
しかもただの箱じゃなくて、「これが自分のクルマだぞ」ってどこにでも乗っていけて、誰にでも見せられる 。そういう意味で、自分を表現できる方法なんだと思います。
すっかりバンライフ内装に詳しくなった森さん。いよいよDIYで板張りに取り組むことに!
引き続き、森さんの連載「ただいま軽バン改造中」 で、森さんがバモスホビオの車内を板張りに改造していく過程をレポートしますので、どうぞ楽しみに!
取材・文/小村 トリコ 写真/木村 琢也 編集/平林 享子(LIG)
撮影協力/Hayama RV-SITE by Star Home
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