バンライフに興味を持ち「自分もいつか始めてみたい」と思って、この記事に辿り着いた女性ユーザーの方も多いのではないでしょうか。とはいえ、いざバンライフを始める際には、「何が必要か」「快適に過ごすためにどのような工夫が必要か」など、わからないことも多いはず。
そこで今回は、カエライフでもお馴染み・森風美さんが主催した女性バンライファーのためのイベント『クルマのおうちフェス2022』へお邪魔し、バンライフを楽しむ女性9名にインタビュー! 車中泊を始めたきっかけやあると便利なグッズ、カスタムのこだわりなどを伺いました。
この記事を読めば憧れのライフスタイルに一歩近づけるはず。あなたも一緒にバンライフの世界へ飛び込んでみませんか?
目次
「バンライフ」ってどんなライフスタイル?
衣食住に必要なギアをクルマへ詰め込み、車中泊をしながら旅するように暮らす「バンライフ」は、アメリカで生まれたムーブメント。近年は日本でもバンライフを始める人が増え、徐々に人気が高まっています。
国内外で活動するバンライファーのライフスタイルはさまざまで、クルマの中で寝泊まりして各地を転々とする人もいれば、普段は自宅に住み、週末の車中泊を楽しむ人も。このように自由度の高さがバンライフの魅力です。
バンライフに関する記事リストはこちら↓↓
日本初!? の女性バンライファーイベント『クルマのおうちフェス2022』
今回カエライフ編集部が取材したのは、2022年1月8日(土)・9日(日)に開催された『クルマのおうちフェス2022』。
カエライフでも多くの記事にご登場いただいている森風美さんを中心に、YouTubeやInstagramでも活躍しているnatsucampさん・野外のもりこさん・ちょもかさんなど、全国からたくさんの女性バンライファーたちが、開催地の静岡県浜松市の渚園キャンプ場に集結。
漫画『ゆるキャン△』にも登場した渚園キャンプ場には、一般参加者も含めると約70人、車中泊用のクルマはなんと42台も集まりました。フェスではゲストを交えたトークショーをはじめ、キャンプ用品が当たる抽選会など、多彩なイベントが開かれました。
森風美さんや野外のもりこさんなど、会場には軽バンを中心に車中泊カスタムを楽しむ女性がたくさん!
イベントへの来場者たちの愛車をみてみると、特に支持されていたのは「軽バン」でした。みなさん個性を出しながら、車内を上手に車中泊仕様にカスタムしていたのがとても印象的。ここでは代表的な2例を、まずは簡単にご紹介します!
主催者である森風美さんは、もちろん愛車の軽バン・Honda バモス ホビオとともに参加。小回りが利いてかつ積載量も多い、森さんの頼り甲斐ある相棒です。
カエライフの人気連載企画「ただいま軽バン改造中」でも披露してもらっている通り、常に愛車のDIYを続けながら、車内のカスタムを楽しんでいます。
これまでも、車内荷室のフラット化や内装の板張りといった大掛かりなDIYをはじめ、フックを利用して取り外しができるカーテンなど、車中泊時に過ごしやすく、かつ見た目にも楽しくなるような工夫をどんどん実践してきました。
今回のイベントでは、バンライフサプライのカーサイドタープを使って、ゆったりくつろげるリビングのような居住空間も楽しめるスタイルを披露してくれていました。
森風美さんの連載記事はこちら↓↓
会場には、同じくカエライフにご登場いただいたこともある、野外のもりこさんの姿も。静岡県在住のもりこさんは、週末にバンライフを楽しむ夫婦キャンパーです。愛車の軽バン・Honda N-VANに乗って、今回は単身で会場に駆けつけていました。
こちらの愛車は仕事にも活用しているため、「車内はリラックスできるお気に入りの空間を目指して、好きなテイストを集めながらカスタムしています。仕事が終われば、すぐに自宅感覚で過ごしたいので(笑)」と、もりこさんは言います。
最近、アップデートしたという車内のアイテムは、荷室に設置している「コーヒー豆の箱」。こちらは、テーブルや収納スペースとして活用中とのことです。
また、助手席のダッシュボード部分にあるスリット(切れ込み)を活用して、木のテーブルを設置。はめ込むだけの簡単仕様なので、すぐに取り外すこともできて、カスタム初心者にもオススメです。なおHondaの純正アクセサリーにも、同じアプローチの「簡易テーブル」があります。
野外のもりこさんのN-VAN紹介記事はこちら↓↓
女性バンライファー7名へインタビュー! 低予算〜本格カスタムまで、楽しみ方は無限大
まずは軽バンのカスタム例をご紹介しましたが、ここからは『クルマのおうちフェス2022』の来場者たちが、どのように車中泊を楽しんでいるのかをインタビューしてきた内容を含めてお届けします!
軽バンを中心に、予算数万円から始められるお手軽車中泊を満喫している方から、DIYを駆使してオリジナリティあふれる車内カスタムを実現させた本格派まで、アプローチは実にさまざま。棚やカーテンレールなどお手軽なDIYはもちろん、こたつを設置しているようなツワモノまで!
自由度が高いバンライフだからこそ、知恵と工夫で楽しみ方のアレンジは無限にあります。特にこれから車中泊をはじめようと考えている方は、ここで紹介する7名のスタイルをぜひご参考に!
- 【natsucamp(ナツキャンプ)さん】全国で地酒と温泉を堪能するYouTuber
- 【ちょもかさん】バンライフを始めたら、こたつ付きのお部屋がもうひとつできた!
- 【UKI CAMP(川本うき)さん】無いものは工夫して楽しむミニマルなバンライフ
- 【えりさん】漫画の影響で週末車中泊をスタート!
- 【苺たるとさん】バンライフをしながら日本一周中のアイドル
- 【mieさん】ファミキャンからバンライファーに。車内を雑貨店のようにカスタム
- 【あやかさん】DIYでハイエースをフルカスタム! こたつ付きの愛車を楽しむ
女性におすすめの車中泊グッズやノウハウなど、関連記事はこちら↓↓↓
【natsucamp(ナツキャンプ)さん】全国で地酒と温泉を堪能するYouTuber
関西を拠点にバンライフを楽しむYouTuberのnatsucampさんは、各地のお酒やグルメを楽しむバンライファー。初期費用はたった3万円だったと話すnatsucampさんに、お手軽バンライフの始め方を聞きました。
- natsucamp(ナツキャンプ)さん
- アウトドアショップの店員からYoutuberへ転身。現在は関西を拠点に全国を周り、旅先のキャンプ場で地酒やグルメを楽しむ動画を投稿している。著書に『ソロキャンごはん natsucampの「ひとりキャンプで食って飲む」レシピ』(学研プラス)
- YouTube:natsu camp
- 基本データ
- 車種:ダイハツ タント
バンライフ歴:1年(キャンプ歴4年)
カスタム費用:約3万円(車両代を除く)
――バンライフをはじめたきっかけは?
natsucampさん:私は以前アウトドアショップに勤めていて、ギアの知識を学ぶためYouTubeを見ていました。アウトドアの動画を見るうちにソロキャンプ熱が高まってきて、2018年のGWにソロキャンプデビューをしたんです。
ソロキャンプを始めてからは全国各地に行きましたが、遠征時に長距離移動するのがちょっと辛くて。「好きなタイミングで寝られたらいいな」と思い、車中泊をしながら休めるバンライフを始めました。
――バンライフの魅力は?
natsucampさん:行きたい場所にどこでも行けますし、クルマの中には自分の好きなものが詰まっています。あとはお酒と温泉! 地酒とその土地特有の肴は必ず買っちゃいます。夜は飲んでしまうので、もちろん運転はせず、温泉は朝になってからゆっくり堪能していますね。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
natsucampさん:ぐっすり寝るために、ちょっと大変でしたがホームセンターで材料を買って床をフラットにしました。寝るスペースに敷いているクッションは、コーナンの省スペース敷布団で、寝心地がよくコンパクトに畳める点がお気に入り。その上に寝袋と毛布をかけています。
夏場は暑いので、モスキートネット(蚊帳)をつけて窓を開け、冬場は電気毛布とセラミックヒーターを寝る前につけて寒くないように。あとはカーテンをつけてちょっとした着替えはクルマの中で済ませちゃいます。
――お気に入りのグッズはありますか?
natsucampさん:旅先でお酒を楽しめるよう、酒器にこだわっています。お気に入りは檜のお猪口と錫(すず)のちろりです。これで地酒を飲むと、より一層美味しく感じられるんです!
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
natsucampさん:車中泊ならドアに鍵をかけられるので、テント泊より安全です。カスタムすると愛着が湧きますし、「走るおうち」感覚でリラックスもできます。女性にもおすすめできるスタイルなので、ぜひバンライフを始めて欲しいですね。
【ちょもかさん】バンライフを始めたら、こたつ付きのお部屋がもうひとつできた!
1歳の頃からご家族とキャンプに出掛けていたというちょもかさんは、車中泊ソロキャンプで全国を旅するインフルエンサー。中古で購入したハイゼットカーゴは、なんとこたつ付きにカスタム! ほかにもルーフトップテントや母が作ってくれたという棚など、こだわりがたっぷり詰まっていました。
- 基本データ
- 車種:ダイハツ ハイゼットカーゴ
バンライフ歴:2年
費用:非公開
――バンライフをはじめたきっかけは?
ちょもかさん:もともと両親の影響でキャンプが好きで、大人になってからは毎週末仕事が終わった後にキャンプ場へ出掛け、仕事の日の朝までキャンプ場にいることもありました。
こういうときに大変なのが、テントの撤収です。車内に寝泊まりすれば時間ギリギリまで寝ていられるなと思い、車中泊を始めました。
――バンライフの魅力は?
ちょもかさん:自分の部屋のように模様替えができるところが気に入っています。自分の部屋がもうひとつ増えたような感覚で、間接照明やラグ、お気に入りの布を飾ってインテリアを楽しんでいます。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
ちょもかさん:目隠しと遮光用に市販のカーテンをマグネットで取り付けています。夏は車内が暑くなるので、窓の大きさに合わせてプラスチックのパネルを切って、穴を開けてUSB式の換気扇を取り付けました。今後は天井の板張りもしてみたいですね。
あとは導線にもこだわっていて。私はめんどくさがりなので、いかに小さな動きで行動できるか考えています(笑)。こたつの横に母が作ってくれた棚を置いたのも、座ったまま色んなことができるからです。
――お気に入りのグッズはありますか?
ちょもかさん:お気に入りはなんと言ってもこたつです。SNSでライブ配信するときにこたつでみかんを食べながら収録できたら楽しいだろうなと思って。ポータブル電源は大容量のものを含めて2台積んでいるので、長時間暖まることができるんです。いつも卓上にスマホを置いてライブ配信をしています。
棚は市販の強力マグネットでクルマに固定しています。あとは古いラジオもお気に入り。1970年代のナショナル製で、無骨な見た目がかっこいいなと感じています。
あとはルーフトップテント! 愛知県のWohl camper(ヴォールキャンパー)さんからお借りしているもので、大人2人がゆったり寝られるスペースがあるので重宝しています。
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
ちょもかさん:まずはピクニックから始めてみてください。必要なものだけ持って、ちょっとだけ遠くの公園や山に遊びに行ってみるんです。小さくステップを踏んでいけば、いずれ車中泊にもチャレンジできるはず。車の中ってコンパクトなのでアレンジしやすいですし、落ち着ける居場所ができるので、とても楽しいですよ!
【UKI CAMP(川本うき)さん】無いものは工夫して楽しむミニマルなバンライフ
関西を中心にバンライフを楽しんでいるUKI CAMPさんは、InstagramやYouTubeで多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーです。普段は会社に勤め、週末に旅先で釣りやスキーなどアクティビティを楽しむUKI CAMPさん。なんと生後6ヶ月からキャンプに出かけていたそうです。
- 基本データ
- 車種:スズキ スペーシアギア
バンライフ歴:6年
カスタム費用:0円(車両代を除く)
――バンライフをはじめたきっかけは?
UKI CAMPさん:もともと両親がアウトドア好きで、初めてのキャンプ体験は生後6ヶ月でした。小さい頃から毎週末キャンピングカーでお出かけして、キャンプやカヤック、スノーボードなどに連れて行ってもらってたんです。
生まれてからずっとアウトドアライフを楽しんでいましたが、私自身でバンライフを始めたのは社会人になってから。キャンピングカーは高くて買えないので、手持ちの軽自動車でお手軽に楽しむ方法を模索するうちにバンライフを始めていました。
――バンライフの魅力は?
UKI CAMPさん:魅力は自由度が高いところですね。気分と天気に合わせて行き先を変えられる、気ままな暮らしが気に入っています。幼い頃から両親に連れられて、キャンピングカーで移動することは多かったので、移動生活が心地よかったんですよね。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
UKI CAMPさん:生死に関わらないことならなんとかなる」と思っているので、装備は最低限です(笑)。就寝スペースのセットは簡単です。助手席と後部座席を倒してから、その上にWAQのインフレーターマットと布団を敷くだけ。ここにシュラフと毛布があればOKです。
とはいえ冬と夏の寒暖はきびしいので、ポータブル電源を積んで、ヒーターやサーキュレーターも利用しています。窓の目隠しは、ありあわせの布やタオルで代用していますね。
――お気に入りのグッズはありますか?
UKI CAMPさん:今一番のお気に入りはオピネルのナイフで、調理ではよく利用しています。実はこちら、通常のオピネルナイフを漆塗り職人さんが手がける、アウトドアのガレージブランド・GNUに漆塗りしていただいたもので、思い入れも強いんです。
ほかには地域×キャンプをテーマに旅しているので、旅先で見つけたグッズや、地域の素材や技術を活かしたギアも活用しますね。定番のLEDランタン『Goal Zero』専用のアイテムとして作られた、NINAHAW(製造:箱根寄木細工 ゆう工房)のランタンシェードは温かみがあってお気に入りの逸品です。
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
UKI CAMPさん:バンライフは敷居が高いと思われがちですが、手元にあるもので工夫すればお金はさほどかかりません。たとえばポータブル電源がなくても、寒い日は湯たんぽを用意したり、コンロや調理器具は家にあるものを活用したり。少しずつ必要なものを揃えていけば、だんだんと自分らしいスタイルができあがっていくと思います。
【えりさん】漫画の影響で週末車中泊をスタート!
普段は会社員として働くえりさんは、東海地方を中心に車中泊を楽しむインフルエンサー。月に1〜2回のキャンプでは、外で食べるご飯を楽しんでいるそうです。そんな彼女がアウトドアライフをはじめたのは、キャンパーの間でブームになった、とある漫画がきっかけでした。
- えりさん
- 東海地方を中心に週末のキャンプを楽しむえりさん。普段は会社員だがYouTuberとしても活動中。食べること、絵を描くことが好きで、SNSにはイラストを添えたキャンプの写真が投稿されている。
- YouTube:プチっとキャンプ
- Twitter:プチっとキャンプ@えり
- 基本データ
- 車種:スズキ ハスラー
バンライフ歴:9ヶ月
費用:3万円(車両代を除く)
――バンライフをはじめたきっかけは?
えりさん:私は漫画やアニメに影響されやすい性質で、漫画の『ゆるキャン△』にハマってキャンプを始めました。リンちゃんっていうキャラクターが大好きで、この作品がなければキャンプを始めていなかったと思います。
キャンプを始めたのは3年前で、何度かキャンプに行くうちに、「知らないキャンプ場で寝るのは怖いな」と思ったことがあったんです。そこで、防犯のために車中泊を始めました。
――バンライフの魅力は?
えりさん:お気に入りのグッズを一緒に持ち運べるところが好きな要素ですね。一般的なソロキャンプでは持ち歩ける荷物に限度がありますが、クルマでの移動なら、ぬいぐるみや観葉植物なども積み込んで移動できます。
お気に入りの小物に囲まれながら野外で美味しいものを食べて、お酒を飲んで、焚き火をしながらぼーっとしていると幸せですよ!
あとは女性ひとりでも宿泊できるところです。クルマに鍵さえかけておけば、防犯対策になりますから、馴染みがないキャンプ場でもぐっすり眠れますよね。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
えりさん:車中泊をするときは、窓の目隠しが重要です。プライバシーの確保と外からの光を遮ってぐっすり寝られるよう、カーテンは厚手の生地で手作りしました。
後部座席のFIX窓(はめ殺し窓)になっている部分には、内側から目隠しするために100円ショップで買った有孔ボードを、サイズに合わせて切った上ではめ込んでいます。
あとは寝床も重要なポイントです。前後の座席を倒しても完璧にはフルフラットにならないクルマなので、寝心地をよくするためにコールマンの約4cm厚のエアマットをセットし、その上に寝袋を敷いて寝ています。ベッドみたいに柔らかくてふかふかですよ!
――お気に入りのグッズはありますか?
えりさん:お気に入りはDODのキャンプチェア「スゴイッス」です。足の高さが変えられるので、色んな体制で座れますし、ロゴもかわいいんです。ほかにも車内に好きなグッズを揃えています。ガーランドやぬいぐるみなど映えるものを置いておくとテンションが上がるんですよね。
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
えりさん:女性ひとりの車中泊は、最初は不安だと思います。私もそうでしたが、1回やってしまえばどんどん楽しくなるんです。窓に目隠しをしてしまえば車内が自分の部屋になる。DIYでカスタムしていけば愛着も湧きます。女性にもぜひ、車中泊を体験してほしいです。
【苺たるとさん】バンライフをしながら日本一周中のアイドル
岐阜県を拠点に活動する苺たるとさんは、アイドル活動も行うYouTuber。スズキ エブリイをキャンピングカー仕様にカスタムして日本一周車中泊をしています。彼女のクルマは冷蔵庫付きで、マットレスは低反発。「こんなクルマで旅してみたい」と思わせる快適仕様です。
- 苺たるとさん
- アイドル仲間など周りの影響から、キャンプを始めたという苺たるとさん。日本一周のかたわらインフルエンサーとしてYouTubeやTwitterなど、SNSで旅の様子を配信中。
- YouTube:たるちゃんねる
- Instagram:苺たると♡たるちゃんねる/AME
- 基本データ
- 車種:スズキ エブリイ
バンライフ歴:7ヶ月
費用:非公開
――バンライフをはじめたきっかけは?
苺たるとさん:家族の影響で旅行は好きで、いつかは日本一周に出かけてみたいと思っていました。でも、仕事とアイドル活動が忙しく、なかなか踏ん切りがつかなくて。
そんなとき、コラボしていたアイドルが、旅に出ることを決めたと教えてくれたんです。彼女の姿を見て、私も日本一周に出かけてみようと決心し、仕事を辞めてバンライフを始めました。
――バンライフの魅力は?
苺たるとさん:その土地の人に会うことです。私はクルマに「日本一周中」と書いているので、声をかけてもらうことも多くって。ご飯を差し入れてくれたり、地元のおすすめスポットやお店を教えてもらったりと親切にしてくださる方にはホントに感謝しています。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
苺たるとさん:女性の一人旅は防犯が心配ですよね。私も旅を始めるまでは怖かったので、防犯スプレーやセキュリティアラームを用意していますが、日本は意外と安全なので、人の多い場所に停車すれば危険性は少ないと思います。
快適に過ごす工夫としては、寝床に低反発のマットレス(トゥルースリーパー)を敷いていて、寝袋も動きやすいよう封筒型を使用しています。長旅なので睡眠の質も大切ですし、毎日寝る就寝スペースにはこだわりたくって。
車内のマットレスを載せている金属製の床や、調味料などを置いている木製の棚は、廃材を利用していて、父がDIYで上手にカスタムしてくれました。
――お気に入りのグッズはありますか?
苺たるとさん:開封すると目元を温めてくれるアイマスクは重宝していますね。ポカポカしますし、光を遮ってくれるのですぐに眠れます。動画の投稿や撮影もしているのでポータブル電源も必需品で、車内には常に2個常備しているんです。
あとはルーフボックスも! 使わない布団や衣服などはこの中に入れておけるので、車内が広々使えますよ。
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
苺たるとさん:車内は徐々にアップグレードしていけばいいですし、自分だけの自由な空間が作れるので、たくさんの女性に車中泊を楽しんでもらいたいですね。
【mieさん】ファミキャンからバンライファーに。車内を雑貨店のようにカスタム
長年ファミリーキャンプを楽しんでいたmie(みい)さんは、お子さんの成長を期にソロキャンプへ転向。今ではVOXYをカスタムして、雑貨屋さんのようなおしゃれな空間で、月に1〜2回の車中泊を楽しんでいます。Mieさんの車内はウッドのナチュラル感が効いたおしゃれな空間。彼女はなぜカスタムを始めたのでしょうか?
- mieさん
- 群馬県在住のmieさんは、ファミリーキャンプからバンライフに転向。関東を中心に車中泊を楽しんでいる。雑貨が大好きで、車内にはおしゃれな小物がズラリ。キャンプの様子はInstagramに投稿中。
- Instagram:mie ꕥ みい
- 基本データ
- 車種:トヨタ VOXY
バンライフ歴:4年
費用:5万円(車両代を除く)
――バンライフをはじめたきっかけは?
mieさん:家族でキャンプを楽しんでいましたが、子供が大きくなったので6年前にソロキャンプへ移行しました。車中泊を始めたのは、遠征時に「自分の好きなタイミングで寝られたらいいな」と思ったからです。
最初は木箱を置いて収納スペースを確保していただけですが、車中泊を続けているうちに「シートを倒したときに、寝やすいよう並行な床を作りたいな」「もっと収納が欲しいな」と、どんどんやりたいことが出てきて、徐々にDIYを進めていきました。
――バンライフの魅力は?
mieさん:着替えだけ持っていけばどこでも行ける自由さと、自分の部屋ごと移動できる安心感が気に入っています。バンは私にとって「どこでもドア」のような存在で、後部ドアを開けるたび、毎回違った景色が迎えてくれるんです。
テントを張っているときでも、寝る場所はいつもクルマの中です。防犯面でも獣害の点からも安心して寝られます。
バンライフを始めた当初は床にラグを敷いていただけでしたが、今では車内が本当の寝室のような感じに(笑)。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
mieさん:持っている窓の目隠しは透けてしまうタイプだったので、天井にDIYでレールを這わせてカーテンを設置しました。
クルマの後方の窓にはホームセンターで買ったプラスチック製のシートを2枚重ねて、カットしてはめこんでいます。とても簡単ですし、空気の層ができて若干の保温にもなるので、おすすめしたい方法です。
天井にはホームセンターに売っていた木材柄やタイル柄のシートを、マジックテープでクルマの内張りに貼り付けています。ビスなどを打ち込む必要もないのでお手軽ですよ。
ほかにも、床下に収納スペースを増やしたくて合板を敷きました。木材はホームセンターでカットしてもらい、あとはDIYで仕上げています。
ちなみに、ポータブル電源は大容量のものを2台持ち歩いています。へアアイロンも使えますし、快適さが全く違うので、これから始める方はまずは1台購入することをお勧めします。
――お気に入りのグッズはありますか?
mieさん:お気に入りはアンティークのギアです。たとえばランタンは100年以上前のもの。雑貨や古いものが好きなので、オークションやフリマで手に入れたギアをキャンプ先に持ち歩いています。
ほかにはカセットコンロのKovea Cubeに白いタイルを貼るなど、ギアには少し手を加えながら使っています。私にとってバンライフは小さい頃に遊んだ「おままごと」の延長ですね。素敵なものをみると、いつも「これを車中泊に使えないかな?」と考えてしまいます。
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
mieさん:はじめはお気に入りのラグやクッションをクルマに置いてみるところから始めてみればいいと思います。おままごとの延長だと思って自分がワクワクする空間を作ってみるんです。一歩踏み出せば景色が変わるので、勇気を出して飛び込んでください。
【あやかさん】DIYでハイエースをフルカスタム! こたつ付きの愛車を楽しむ
愛知県を中心に関西や東海地方に出かけるあやかさん(写真中央)は現役の保育士さん。自らDIYしたハイエースは天井や壁が板張りされ、ミニキッチンや収納も付いた本格的な造り。車内にはこたつも完備されています! なぜあやかさんはカスタムに取り組んだのでしょうか?
- あやかさん
- 保育士として働くかたわら、週末はカスタムしたハイエースでキャンプ場に出かける。旅先では釣りやスノーボードを楽しむアクティブキャンパーで、ハイエースは通勤用にも使っているそう。
- Instagram:aya_vanlife
- 基本データ
- 車種:トヨタ ハイエース
バンライフ歴:2年
費用:20万円(車両代を除く)
――バンライフをはじめたきっかけは?
あやかさん:友達とキャンプに出かけることが多くて、スノーボードも楽しんでいるので、移動しながら宿泊できたらいいなと思ってクルマのカスタムを始めました。
カスタムの経験はありませんでしたが、YouTubeやInstagramを参考に、約1年かけて週末にDIYしてきました。使用した木材には薄く塗装をかけ、ウッドのナチュラルさを強調して統一感を出しています。
――バンライフの魅力は?
あやかさん:友達と一緒に色んな土地を回れることと、クルマならたくさんの荷物を積めるところですね。私は旅先で景色を見るのが好きなので、インスタで絶景を見つけては「次の行き先はここにしよう」と決めています。いずれはこのクルマで全国を制覇してみたいです。
――快適に過ごすために工夫していることはありますか?
あやかさん:空間をなるべく有効活用したくて、荷室内の後輪タイヤ部分を隠すように収納スペースを作りました。
DIYをしたのは費用を抑えたかったからです。父が自動車整備士で工具は揃っていたので、力を借りながらキャンプ中に使う机や椅子なんかも作っています。将来的にはお化粧用の鏡やエアコンも車内に設置したいですね。
――お気に入りのグッズはありますか?
あやかさん:こたつです! これがあると秘密基地感が出ると思って。大容量のポータブル電源を積んでいるので、一晩つけっぱなしでもOKです。
夜は窓を全部シェードで隠して、光が入らない真っ暗な状態にしています。小さく明かりを灯してコーヒーを飲むとすごくリラックスできるんですよ。
――最後に、バンライフ初心者へアドバイスをお願いします!
あやかさん:始める前は「大変そう……」と思ってしまうかもしれないけれど、やってみるとすごく楽しいので、ぜひ挑戦してもらいたいです。DIYも楽しくて、完成をイメージしながら手を動かすとワクワクしますよ!
私のポリシーは「今できることは、今やる」こと。これからも、できるうちにやりたいことにチャレンジしていこうと思います!
カスタムのコツや実例など、関連記事はこちら↓↓↓
軽自動車のスペースを広くする「収納」|森 風美の車中泊。ただ今、軽バン改造中 vol.8
2020.06.01
「女性の車中泊はもっと盛り上がっていくはず」、森風美さんが話すバンライフの未来
今回紹介した7名のインタビューから、過ごしやすい車内を実現するアイデアや工夫、バンライフの魅力を知ることができました。
2日間で約70人が集まったこのイベント。参加者同士があちこちでカスタムやグッズ談義を交わしている様子も見られ、大盛況のうちに終了しました。イベントを終えた今、主催者の森風美さんは今後に向けてどのような構想を描いているのでしょうか? これから実現したいことやビジョンを伺いました。
森風美さん:今回イベントを開催したのは、女子バンライファーが増えているという肌感があったからです。どういう人がどれくらいいて、どのようなカスタムをしているのか、SNSでは分からないリアルな情報交換をしたいと思い、イベントを開催しました。
開催した感想として、インテリアや見た目の話題で盛り上がることができたのが印象的でした。普段のバンライフイベントでは男性の参加者が多く、クルマやギアのスペックの話になりがちですが、今回は「このギアがかわいい!」と女性ならではのお話をたくさんできたんです。
女性のソロキャンプには追い風が吹いています。私がキャンプを始めた頃に比べて、見た目がかわいいギアや、ロッジ型テントやコットンテントなど見栄えがする製品も増えていて、より女性が参加しやすい環境が整ってきたなと。イベントを通してたくさんの女性バンライファーと交流できましたし、これからもっと人口が増えていくのでは、と感じています。
第二回の女子車中泊イベントをやりたい気持ちはあるんですが、次はハードルも上がるでしょうし、やってみたい気持ちと不安な気持ちが半々です。もし開催するなら手伝ってくれる人を増やしてもっと大規模にしたいですし、「in 関西」や「in 関東」など、全国各地で開くイベントにしていきたいですね。
最後にバンライフをしてみたい女性に向けて、私も始めた当初は「私にできるのかな」と不安しかありませんでした。でも実際にやってみると、できることが広がりましたし、お友達もできてすごく楽しくって。
バンライフは中古の軽バンでも始められますし、自宅のお布団をクルマに積めばそこが「移動できる自分の部屋」になります。すごく楽しい世界なので、迷っている方はぜひはじめてみてはいかがでしょうか?
小さなステップを積み重ねれば、自分だけのバンライフが見つかる
今回お話を伺った女性バンライファーたちの車内には、各々の趣味や嗜好に合わせてさまざまな工夫が施されていました。
皆さんに共通していたのは、必要な機能をできる範囲で付け足していたこと。いきなり大きなハードルを超える必要はありません。
はじめは寝袋と毛布をクルマに積んで、近所のキャンプ場まで出掛けてみましょう。はじめの一歩を踏み出せば、ご自身に必要なものや実現したいカスタムも見えてくるはず。
バンライフの魅力は自由度の高さにあります。週末だけ、休日だけなど、無理なくできる範囲で車中泊を楽しんでみませんか?
文/鈴木 雅矩(スズキガク)
写真/蓮池 ヒロ
編集/井上 寛章(LIG)