目次
- 軽バン車中泊の魅力を紹介
- 軽バン車中泊のおすすめ車種
- 軽バン車中泊のメリット
- 8人の達人による軽バンカスタムポイント
- 天井を板張りに! 森 風美さんのカスタム(Honda バモス ホビオ)
- 廃材と100均で作る天井収納。カメコローさん(スズキ エブリイ)
- まるでカフェのような床。渡辺 圭史さん(ダイハツ ハイゼットカーゴ)
- 普段使いを前提にしたベッドキット。chigisukeさん(Honda N-VAN)
- 目隠し&虫除け! カーテンと網戸をカスタム。いとうみゆきさん(スズキ エブリイ)
- 軽バンにキッチン!? 休憩時間さん(Honda N-VAN)
- DIY1年で作ったスライドテーブル。鮎沢 純一さん(Honda N-VAN)
- まるで移動式カフェカウンター。MONKEY HEAVENさん(Honda N-VAN)
- 軽バンは秘密基地を作るのに最適
軽バン車中泊の魅力を紹介
「車中泊」と聞くと、キャンピングカーや大型のバンなど、大きなクルマを想像する方もいるかもしれません。ですが、ここで紹介するのは「軽バン」。商用車として使用されることの多い軽バンが、実は車中泊に最適なことをご存知でしょうか。
この記事では、軽バンがなぜ車中泊に最適なのかを紹介します。これまでにカエライフで取材してきた8人の達人によるカスタム事例を見てみると、荷物を運ぶ商用車である軽バンがまるで秘密基地のように見えてくるかもしれません。
軽バン車中泊のおすすめ車種
軽バンとは、貨物などの荷物を輸送するために使用されるワンボックス型の軽自動車のことを指します。
Honda N-BOXやダイハツ タントなどのスーパーハイトワゴンなどと比較されることもありますが、スーパーハイトワゴンの多くはエンジンが運転席の前方、つまりボンネットの中に配置されているのに対し、軽バンの多くは運転席の下に配置されています。そのため運転席を可能な限り前方に配置することができ、荷室が広くとれていることに違いがあります。
また、荷物を運ぶことを前提としているため、後部座席を折り畳めば簡単にフルフラットにすることが可能です。以下のような車種がよく車中泊で使用されています。
- Honda N-VAN
- スズキ エブリイ
- ダイハツ ハイゼットカーゴ
- スズキ スペーシアベース
軽バン車中泊のメリット
それでは、軽バン車中泊にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
軽バン車中泊のメリット
軽バン車中泊には主に3つのメリットがあります。
メリット①荷室がシンプル
軽バンは荷物を輸送するために作られているため、後部座席を倒すとフラットになり、車中泊する上で最も気になる「寝る」ことにとても適しています。また、構造がとてもシンプルに作られており、余計な張り出しなどがないため、DIYをするのも容易です。
メリット②小回りがきく
車中泊をするシチュエーションは、山奥やキャンプ場、釣りスポットなど、狭い道をわけいっていくことが多いでしょう。狭い道でも、軽バンのコンパクトな車体なら安心して走行することが可能です。
メリット③税金が安い
軽バンは、普通車と比較し自動車税が安い軽自動車の中でも、さらに安く設定されています。軽乗用車が10,800円※1なのに対して、軽バンは5,000円※2。自動車税の中で最も安い部類です。
※1:新車登録が2015年3月31日以前なら7,200円、その後の場合10,800円です。
※2:貨物車両として登録し4ナンバーを取得した場合。
車体自体の金額も安く、どこへでも行くことができ、カスタムも容易な軽バンは、初めて車中泊に挑戦する方には特におすすめと言えるでしょう。
8人の達人による軽バンカスタムポイント
軽バン車中泊に挑戦するなら、DIYもしたくなるところ。ここからは、これまでカエライフで紹介してきた8人の軽バン車中泊の達人によるカスタム事例をご紹介します。
天井を板張りに! 森 風美さんのカスタム(Honda バモス ホビオ)
年間80泊する女子キャンパーとしてさまざまなメディアで活躍中の森 風美(もり ふうみ)さん。
愛車の軽自動車Honda「バモス ホビオ※」を車中泊仕様にし、車中泊キャンプも楽しんでいます。カエライフではこれまで、森さんの軽バン改造の様子を紹介してきました。その中から、今回は天井を板張りにするプロセスを紹介します。
※2018年5月に販売終了
ただ板張りにするだけではなく、まずは天板をはがして断熱材+防音材を敷き詰めていきます。全面を板張りにするにあたりきれいに見せるためには、端のカーブの曲線をうまく見せること。現役大工の鈴木 大地さんの力も借りながら、美しい天井の板張りを実現しています。
天井は面積が大きくカスタムするのにも苦労する場所だと思いますが、この記事を読むことで注意点を細かく確認することができます。
<天井板張りのプロセスを細かくご紹介!>
廃材と100均で作る天井収納。カメコローさん(スズキ エブリイ)
カメコローさんは、医療従事者として働きながら、スズキ「エブリイ」を車中泊仕様にDIYする様子をYouTubeやInstagramで発信しています。
そんなカメコローさんの天井収納は、デッドスペースになりそうな天井の端部分を有効活用する実用的なものでした。車中泊で意外と困るのは、荷物などの収納場所。それを床部分ではなく天井に配置することで居住空間をうまく確保しています。
そして注目すべきはそのカスタムにかかった金額です。100均やホームセンターの廃材を使用しているため1,000円以下で済んでいるそうです。
この他にも、天井のアシストグリップに取り付けた便利な収納や、バックドア部分にもギミックが。お金がかかりそうな軽バン車中泊DIYですが、アイデア次第で安くすませることも可能です。
<カメコローさんの激安軽バンカスタム>
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まるでカフェのような床。渡辺 圭史さん(ダイハツ ハイゼットカーゴ)
渡辺さんは小学2年生の頃からキャンプを始めたという生粋のアウトドア好きであり、キャンピングカー専門誌の編集長を務めた経験を持つ、車中泊やオートキャンプのプロ。
そんな渡辺さんのカスタムから紹介するのは、あえて使用している「厚手の杉の無垢材」です。厚手の板で床を作ることで、床の凹凸がなくなるのに加えて、傷や汚れがついても味として楽しめるそう。ベッドキットを組んでしまうと床から天井までの高さが縮まって狭くなってしまいますが、床を作ることでそれも回避できます。
渡辺さんのカスタムは、ウッドブラインドを窓に取り付けるなど、明るい色の木材で統一されており、まるでカフェのようなおしゃれな空間になっています。
<驚きのアイデアで軽キャンピングカーを自作!>
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普段使いを前提にしたベッドキット。chigisukeさん(Honda N-VAN)
N-VANをDIYしながらアクティビティに親しむchigisukeさん。気づいたらカスタムすることにどハマりしてしまい、現在ではテレビや電子レンジ、簡易キッチンや換気扇を備えるまでに。ウォールナット風の木材とオリーブ色で統一された空間がとてもおしゃれです。
そんなchigisukeさんが初めてカスタムしたのはベッドキット。N-VANの納車前から作り始めていた思い入れのあるカスタムです。フルフラットにした場合このようにとても広い空間になりますが、chigisukeさんのカスタムは、4人乗りのクルマとして普段使いも可能。家族思いなchigisukeさんらしいカスタムです。
<レトロ&アースカラーで統一されたchigisukeさんのおしゃれカスタム>
目隠し&虫除け! カーテンと網戸をカスタム。いとうみゆきさん(スズキ エブリイ)
ニュージーランドでのワーキングホリデーで車中泊を経験し、その魅力に取り憑かれたというイラストレーターのいとうみゆきさんによる連載から、愛車「白くま」のカスタムを紹介します。購入してから放置していたという軽バンスズキ「エブリイ」を車中泊仕様に改装していきました。
キッチン周りやベッド周り、細かな収納にもこだわりのDIYを施すいとうさんですが、特にこだわっているのがカーテンと網戸。
夏の車中泊の大敵はなんといっても暑さ。閉め切っているとクルマの中は命の危険を感じるほどの暑さになってしまいます。窓を開けて換気を行えば、今度は虫が…。それを解決するのが網戸です。防虫網・マグネットテープ・ハサミ・ホチキス・接着剤を100均で購入し、ベリっと剥がすことができる簡単網戸をDIY。これで虫対策と暑さ対策を同時に施します。
また、目隠しになるカーテンの存在も、特に女性なら重要です。すぐ外れてしまったり、開け閉めがスムーズでなかったカーテンも改装。市販のカーテンレールを取り付けることでまるで家のカーテンのような見た目に。
<いとうみゆきさんの窓対策!>
軽バンにキッチン!? 休憩時間さん(Honda N-VAN)
「nuts vanlife products(ナッツバンライフプロダクツ)」という、N-VAN専用の車中泊カスタムパーツブランドを運営する休憩時間さん。車中泊用の軽バンを複数台所有する休憩時間さんは、N-VANが車中泊をするには最適だと言います。
そんな休憩時間さんの軽バン車中泊カスタムの中で目を引くのが、リアテーブル周りの細かなDIY。テーブルには収納も設置されており、さらにサブテーブルがメインテーブル下に収納されています。サブテーブルの蓋を開けると、なんとシンクが出現。排水タンクも配備している上に、冷蔵庫も完備している車内は、驚きのキッチン環境を実現しています。
<カスタムパーツは販売も! 休憩時間さんの飽くなきDIY>
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DIY1年で作ったスライドテーブル。鮎沢 純一さん(Honda N-VAN)
学生時代からクルマのカスタムに慣れ親しんできた鮎沢 純一さんは、N-VANを購入したことでアウトドア仕様の木工DIYにも目覚めます。DIY歴たったの1年なのに、すでにN-VAN車内はカフェのような様子に。そんな鮎沢さんが初めて取り組んだDIYが木工のスライドテーブルです。
こだわりポイントはスノーピークのフラットバーナーがそのまま装着できること。テーブル上にガスバーナーを置く必要がなくなり、調理もしやすくなっています。装着する方法は、天板を外すのではなくスライド式。天板が両サイドに広がることで、ものを置くスペースも十分に確保することができます。
<お気に入りを厳選! 鮎沢流カスタムポイント>
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まるで移動式カフェカウンター。MONKEY HEAVENさん(Honda N-VAN)
MONKEY HEAVENさんは、YouTubeやブログで愛車Honda モンキー125とHonda N-VANのDIYやツーリング、キャンプの様子を発信しています。本業がデザイナーであるMONKEY HEAVENさんのN-VAN車中泊カスタムは、愛車であるモンキー125をそのまま乗せ、キャンプ地に到着しモンキー125をおろしたあとはカフェテーブルが展開。こだわりが詰まっています。
L字型のカフェカウンターは、Hondaの公式サイト(3rd Place VAN)を参考にDIY。サイトで紹介されている設計図を元にホームセンターで木材をカットし、細かい部分は雰囲気で製作したそう。ややセッティングは大変そうではあるものの、小物をセットした様子はカフェそのもの。まるで移動式カフェのようなDIYはとても参考になります。
<バイク×車中泊カスタムを楽しむ!>
軽バンは秘密基地を作るのに最適
車中泊と言えば大型のバンやキャンピングカー、ではなく、軽バンだって十分に楽しめます。むしろ、自分だけの空間を自由にカスタムできる軽バン車中泊は、童心に返って秘密基地を作っていくかのようです。価格面や使い勝手の面も含めて、気軽に始めることができる軽バン車中泊に挑戦してみてはいかがでしょうか。
文/矢澤 拓
写真/よねくら りょう、木村 琢也、熊山 准、
鈴木 純平、烏頭尾 拓磨、宮越 孝政
編集/矢澤 拓、TAC企画