ドライブ絶景スポット10選。全国を車中泊で巡って見つけたとっておきの景色

全国を車中泊で巡って見つけたとっておきの景色

目次

 

イラストレーターいとうみゆきさんが車中泊で巡った絶景スポットを紹介

日本には四季折々の景色があり、海や山、川のそれぞれの季節に織りなす姿は旅する人を魅了します。そんな普段の生活では見ることができない絶景を見に行くことが、旅の大きな目的という人は多いのではないでしょうか。

イラストレーターいとうみゆきさんは、愛車のしろくまに乗って全国のさまざまな場所を車中泊で巡ってきました。この記事では、これまでカエライフの記事でいとうみゆきさんが見つけた絶景スポットをランキング形式でご紹介します。

▼プロフィール

いとうみゆきさんのプロフィールイラスト

 

イラストレーター いとうみゆき
埼玉県在住。セツ・モードセミナー卒業。畑と音楽を好み、パーマカルチャーや自然農を学んでいる。著書に『車のおうちで旅をする』(KADOKAWA・2021年)。2024年6月25日に新著『わたし、また、旅に出た。』(コスミック出版)が発売。
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各地のドライブ絶景スポットランキングTOP10!

いとうみゆきさんが巡ったのは、埼玉県、長野県、新潟県に、四国の各県。その中で、車中泊だからこそ巡り会えた絶景スポットを、いとうみゆきさんのコメントとともにランキング形式でご紹介します。

 

10位:新潟県日本海 海岸線のドライブで夕日探索「日本海夕日ライン」

日本海夕日ライン

日本海夕日ライン

「日本海夕日ライン」は、新潟県の海岸線を走る道路の愛称です。長い沿線には道の駅が複数あり、駐車場も含めて「日本海夕日ステーション」に指定されています。夕方になればどの場所でも、広大な日本海の水平線に沈む美しい夕日を見ることができる絶景スポットです。

<いとうみゆきさんコメント>
気象条件がそろえば世界一大きい夕日が見えるとも言われる日本海沿いの海岸線「日本海夕日ライン」。水平線に沈んでいく火のように真っ赤な夕日はもちろん、ごつごつとした巨大な奇岩、佐渡海峡を見渡すことができる灯台などの珍しくも美しい景色も盛りだくさんでした。

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<スポット詳細>
名称:日本海夕日ライン
クルマでのアクセス:下記ルートをご参照ください。
※下記ルートはイメージです。詳細は観光情報などをご確認ください。

 

9位:埼玉県秩父市 巨大絶景ループ橋「雷電廿六木橋」

雷電廿六木橋

巨大なダムも見え、下にある木はブロッコリーのよう

埼玉県秩父市の大滝大橋と廿六木(とどろき)橋という二つの橋によってループが描かれる「雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)」。国道140号線で滝沢ダムへ向かう直前に突然現れる巨大な橋は、美しいループを描いて1周し、滝沢ダムへと登っていきます。見下ろすと下には森、遠くを見れば巨大なダムのコンクリートの壁。その設計の美しさから、平成11年にはグッドデザイン賞を受賞した他、コンクリート建造物としての賞を複数受賞しています。

<いとうみゆきさんコメント>
高低差を克服するために作られたしなやかで美しいループ橋。ここを走れば、深い緑の山々とこの人工物が美しく共存している姿に心がときめくこと間違いなし! クルマで走っているだけなのにまるで絶景アトラクションを楽しんでいるようなおすすめの橋です。

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<スポット詳細>
名称:雷電廿六木橋
住所:埼玉県秩父市大滝地内
クルマでのアクセス:都心からクルマで約140分
駐車場:あり(無料)

 

8位:香川県三豊市 瀬戸内の桃源郷「紫雲出山(しうでやま)の桜」

紫雲出山(しうでやま)の桜

紫雲出山(しうでやま)の桜

香川県の瀬戸内海に突き出た荘内半島内に位置する標高352mの山で、山頂には桜がある紫雲出山。これまで「森林浴の森100選」「香川のみどり百選」「四国八十八景」などさまざまな観光スポットに指定されています。山頂からは360度の景色を見ることができ、特に春に桜を透かし見る夕日は息を呑むほど美しいです。

<いとうみゆきさんコメント>
春の早朝に訪れたところ、きれいな朝日と桜を見ることができました! おだやかな瀬戸内海とそこに浮かぶ島々の絶景を桜の枝がフレームのように彩っていた、お気に入りの景色です。行く時間帯によってさまざまな山と海の景色を堪能することができます。山頂までクルマで行くことができるため、気軽に絶景を楽しめるところも魅力的。

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<スポット詳細>
名称:紫雲出山(しうでやま)
住所:香川県三豊市詫間町大浜451-1(荘内半島)
クルマでのアクセス:駐車場まで三豊鳥坂IC、さぬき豊中ICから約45分
駐車場:あり(80台)※桜シーズンは駐車場利用に事前予約が必要

 

7位:徳島県西部 気軽に登れる西日本第二の高峰「剣山」

剣山

リフトに乗れば山頂近くの西島駅(標高1,750m)まで行ける

剣山(つるぎさん)は、西日本第二位の標高(1,955m)を誇り、日本百名山に指定されています。観光用にリフトや登山道が整備されており、初心者でも気軽に登ることができます。尾根から見える、360度四季折々の絶景は必見です。

<いとうみゆきさんコメント>
日常ではなかなか味わえない空の広さと下に広がる山々の美しさ! 尾根を歩いている間、天空散歩をしているようでした。登山道にはちょっとした森の道もあり、木漏れ日が美しくって最高。クルマとロープウェイに乗ればちょっとがんばるだけでこんな景色に出合える、何度だって登りたくなる、お気に入りの山の一つです。

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<スポット詳細>
名称:剣山
住所:徳島県美馬市木屋平・那賀郡那賀町・三好市東祖谷
クルマでのアクセス:
<登山口「見ノ越」までの所要時間>
徳島自動車道「美馬IC」国道438号経由→車で80分
徳島自動車道「脇町IC」国道492号経由→車で120分
徳島自動車道「井川池田IC」国道32号から439号経由→車で100分
駐車場:あり(3箇所)※駐車場へクルマを止め、徒歩またはロープウェイで登ります。

 

6位:新潟県中越 樹齢100年のブナ林「美人林」

美人林

秋の美人林。落ち葉の赤が幻想的

樹齢約100年のブナの木が数千本立ち並ぶ「美人林」。大正時代末期には、辺り一体の木々を木炭にするために伐採し丸裸になったものの、その翌年から一斉にブナが芽生えて成長し、今の姿になったと言われています。スラリとまっすぐに伸びたブナの木が四季折々の顔を見せる絶景です。

<いとうみゆきさんコメント>
すらっと伸びた美しいブナの木が一面に立つ美人林。木々の隙間から差し込むやわらかい光の中を歩けば、清々しさに包まれます。地面に積もる色とりどりの落ち葉がふかふかで、歩いていて心地が良かったです。自然にできた溜池が水鏡となってブナ林を映し出しているのも良かったなあ。

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<スポット詳細>
名称:美人林
住所:新潟県十日町市松之山松口1712-2付近
クルマでのアクセス:関越自動車道「塩沢石打IC」から R353経由で約50分
駐車場:あり ※冬期間は除雪しないため、「森の学校」キョロロ駐車場を利用

 

5位:愛媛県佐田岬 四国最西端の灯台「佐田岬灯台」

佐田岬灯台

四国最西端の灯台、佐田岬灯台

駐車場から灯台まで1.8kmの樹生林となっており、抜けると海をバックに佇む灯台が現れます。また、灯台の手前にある椿山には椿山展望台があり、そこから眺めると、九州の陸地を背景に、灯台を見ることができます。この椿山展望台から眺める佐田岬灯台は四国八十八景52番に選定される絶景ポイントにもなっています。

<いとうみゆきさんコメント>
どこまでも続く広い空の下、荒々しい海の波と岩の上に佇む姿が美しく見惚れました。人のいない静けさと強い風に頭がぼうっとして、心に残る灯台でした。この灯台までの道中にもいいスポットが点在し、それも含めて「道の終点」感があってお気に入りです。

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<スポット詳細>
名称:佐田岬灯台
住所:愛媛県西宇和郡伊方町正野
クルマでのアクセス:大洲ICから約2時間
駐車場:あり(40台)

 

4位:高知県大月町 一面のエメラルドブルー「大堂山展望台」

大堂山展望台

高知県で見つけた、宝物みたいな絶景ドライブコース~イラストレーターいとうみゆきのクルマのおうち旅」から引用

標高246mの大堂山の頂上に位置する展望台。大堂山は周辺の山と比べても標高が高いため、東には白い岩肌の断崖絶壁が続く大堂海岸、西には宿毛市の離島、沖の島や鵜来島、豊後水道、南にはどこまでも続く太平洋と360度のパノラマビューが楽しめます。

<いとうみゆきさんコメント>
展望台から臨む鮮やかなエメラルドブルーの海と白い砂浜が美しい柏島。展望台から見た島全体の眺めも素晴らしいけれど、実際に海で泳げば感動の透明度! キラキラ輝くゼリーみたいに海の色がきれいで、南国に来た気分になりました。すぐそばの港に出入りする地元の漁船の姿も魅力的です。

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<スポット詳細>
名称:大堂山展望台
住所:高知県幡多郡大月町一切
クルマでのアクセス:柏島からクルマで約15分、大月町役場からクルマで約25分
駐車場:あり

 

3位:長野県駒ヶ根市 大自然が作る山の舞台「千畳敷カール」

千畳敷カール

高低差日本一のロープウェイで辿り着く、長野の大絶景とは?~イラストレーターいとうみゆきのクルマのおうち旅」から引用

長野県駒ヶ根市と宮田村にまたがる中央アルプス宝剣岳の直下に広がる氷河地形。長野県駒ヶ根市観光の王道です。氷河によって作られたお椀型の地形には、夏には高山植物が咲き乱れ、秋は雄大な地形に広がる紅葉が楽しめます。ふもとからロープウェイを使って片道約1時間でアクセスできるので、千畳敷での滞在時間を含めると3~4時間で往復することが可能です。

<いとうみゆきさんコメント>
澄み切った冷たい空気、普段見ない植物たちが織りなす山の色 、地面に散らばる独特な岩たち……いい景色が溢れている、素晴らしい場所でした。しかもここまでの道のりは早朝バスとロープウェイ。気軽に楽しめる絶景の一つです。ここから木曽駒ヶ岳を目指す本格的な登山をはじめることもできます。

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<スポット詳細>
名称:千畳敷カール
住所:長野県駒ヶ根市赤穂
クルマでのアクセス:駒ヶ根ICから約3分の菅の台バスセンターで駐車
駐車場:あり ※菅の台バスセンター駐車場から路線バスに乗り換え

 

2位:長野県茅野市 朝焼けと雲海「日向木場展望台」

日向木場展望台

いくつかの条件を満たした日の朝早い時間に行くと雲海を見ることができる

メルヘン街道沿いの標高1,900m以上の場所にある展望台。乗用車7台分ぐらいの駐車場と東屋があり、東屋からは南八ヶ岳、南アルプス北部、中央アルプスが見え、樹間に北アルプスも見え、長野県の数多くの山々が臨める絶景スポット。北アルプスへ沈む夕日は一見の価値があります。

<いとうみゆきさんコメント>
道路のそばに立っていた木製の展望台。そこに登ると、遠くの山を覆い尽くす雲海が目の前に現れました。とても寒い秋の早朝だったからか、そこにいたのは私だけ。ゆったり流れる雲の波と朝の訪れとともに色づいていく空の七色があまりにも美しくて、寒さを忘れて見入ってしまいました。

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<スポット詳細>
名称:日向木場展望台
住所:長野県茅野市蓼科中央高原、長野県茅野市北山
クルマでのアクセス:諏訪ICから約27km・約45分
駐車場:あり

 

1位:愛媛県岩城島 ゆめしま海道を見渡す「積善山展望台」

積善山展望台

【信号ゼロ。交通量少。トイレ多。】ドライブに最適なゆめしま海道~イラストレーターいとうみゆきのクルマのおうち旅」から引用

積善山は、愛媛県上島町岩城島の中央部に位置し、岩城富士とも呼ばれています。春になると登山道路に沿って立ち並ぶ約三千本の桜が山をピンク色に染め、その桜景色は「天女の羽衣」とも表現される絶景。さらに展望台からは、360度の大パノラマと周辺の多島美や中国、四国を見渡す景色を満喫できます。

<いとうみゆきさんコメント>
岩城島で訪れた「積善山」。春には三千本の桜が咲き誇る名所です。展望台から見えたのは瀬戸内海に昇る朝日と桜、渡ってきた島々や橋、駐車場に停めた相棒の白くま……。クルマ旅そのものがぎゅっと詰まったような景色が広がっていました。旅をしてきたからこそ心に響いた、思い出の風景です。

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<スポット詳細>
名称:積善山展望台
住所:愛媛県越智郡上島町岩城積善山
クルマでのアクセス:岩城港、小漕港、長江港からクルマで約20分
駐車場:あり(山頂下:約10台 西駐車場:約15台)

 

番外:絶景オーシャンビューキャンプ場「和島オートキャンプ場」

和島オートキャンプ場

宝石みたいな夕日を激写!新潟県「日本海夕日ライン」ドライブ・中越地方編~イラストレーターいとうみゆきのクルマのおうち旅」から引用

最後は番外編。車中泊をしながらキャンプをするいとうみゆきさんが見つけた絶景キャンプ場「和島オートキャンプ場」。日本海を見晴らす丘に位置し、キャンプ場から遊歩道を抜けるとすぐに海があり、展望台からは海の向こうの佐渡まで一望することが可能。キャンプサイトにクルマを横付けすることができ、気軽に愛車とキャンプをしながら絶景を楽しむことができます。

<いとうみゆきさんコメント>
日本海を見渡せる丘の上にあるキャンプ場。昼は澄み渡る青空と海、夕方は海に沈む黄金の夕日、夜には満天の星がきらめく夜空……と、高いところから見渡す海と空、山々の景色はどの時間でも特別でした。広々とした区画サイトで誰にも邪魔されずのびのびと絶景キャンプを楽しむことができ、心に残る忘れられない場所になりました。

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<スポット詳細>
名称:和島オートキャンプ場
住所:新潟県長岡市両高1
クルマでのアクセス:関越自動車道「長岡北スマートIC」よりクルマで約30分、北陸自動車道「西山IC」よりクルマで約25分
駐車場:あり

 

自分だけの絶景スポット探しをしてみては

日本全国には、今回紹介したスポット以外にもたくさんの絶景が見られる場所があります。そして景色というのは、どんな旅をしたか、そのときにどんな気持ちでいたか、誰と見たか……などシチュエーションによって見え方が変わってきます。愛車での旅、仲の良い友人や恋人、一人旅など、皆さんもいろんな旅をして、自分だけの思い出の絶景を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

文/矢澤 拓
写真・イラスト・テキスト/いとうみゆき
編集/矢澤 拓、TAC企画